憑依円堂列伝〜TS娘と時々未来人〜   作:花蕾

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ゲームの御影専農の所業、アニメと比べてやばすぎる。はじめてやったときはスルーしたけど改めてやるとうわ……ってなった


イナビカリ修練場

 杉森たちが帰った後、練習に身が入ることはなく早めの解散となった。そのせいか微妙な時間だ。腹は減っているが、時間的にまだ家で夕飯が作っている最中のはずだ。さすがに料理中のキッチンに入るなどはしない。

 というわけで、今風丸と雷雷軒に向かっている。

 

「ラーメン二つ」

 

「あいよ」

 

 雷雷軒は商店街の一角にラーメン屋だ。一杯700円と中学生には少々割高だが、店内のスペースは広く雷門中サッカー部全員で来ても余裕があるためよく使わせてもらっている。

 

「それで御影専農相手に必殺技練習なしでどうやって勝つんだ?」

 

 どうやって、か。確かに必殺技練習は必要だ。今のままだと杉森からゴールを奪うことはできないだろう。ファイアトルネードより威力が高いシュート技となるとドラゴントルネードかイナズマ落としぐらいだ。とはいえ、こちらもデータがとられているだろう。特にドラゴントルネードは尾刈斗戦で連発している。

 それに、俺が御影専農のシュートを確実に止められるかはわからない。ゴッドハンド、熱血パンチ、爆裂パンチは小学生の頃から使っているため、データは確実に取られている。隠し球のマジン・ザ・ハンドも帝国戦で一回使っている。あの御影専農がファイアトルネードのコピーだけで終わらせてるとは思えない。

 

「まあな。だけどやる場所がないんだよ。河川敷は偵察で一杯だし。誰にも見られない秘密基地みたいなのがあれば別だけど」

 

「そんな都合のいい場所あるわけないだろ」

 

「……イナズマイレブンの秘密の特訓場がある」

 

 店主である響木さんがラーメンを運んできた。そんな便利な場所実はあるんだよなぁ、と思いながら麺をすする。

 ん?

 

「ある、何が?」

 

「秘密の練習場が」

 

「そんなのあるんだ、へぇ」

 

 そこから一瞬、空白が生まれ

 

「えぇぇ!?」

 

 甲高い叫び声が上がった。

 

 

 イナビカリ修練場。

 響木さんから伝えられた場所の名だ。雷門中の地下にあり、さまざまな特訓機が設置されており過去の雷門イレブンも必殺技の開発や改良などをしていたそうだ。

 

 あることは知っていたが、俺は未だに入ったことはない。何しろ、ゲーム版とアニメ版で入り口が違うのだ。ゲーム版だと入ってすぐの銅像の下、アニメ版だと開かずの間と呼ばれる雷門中七不思議の一つである。どっちなのか、判別がつかない。

 まあ、わかったとしても銅像は動かせないし開かずの間の方は鍵がかかっていたから無理なのだが。

 

 翌日、夏未にそのことを伝えるとちょうどそれについて動いていたそうだ。

 放課後に夏未に連れられ、開かずの間の扉をくぐる。

 

「ここがそうか」

 

「ええ、そうよ。ここが、あの伝説のイナズマイレブンの秘密の特訓場、イナビカリ修練場よ」

 

 階段を降りた先にあったのは、練習をするには十分な空間に多くの練習機器。さすがに40年前のものを使うわけにはいかず、夏未がリフォームまでしてくれたため、全て最新式だ。部費で賄える範囲ではなさそうだが、そこは夏未のポケットマネーで補ってくれたそうだ。頭が上がらない。

 

 扉が閉められ、特訓開始だ。タイムロック式となっているこの扉が開くのは9999秒後である。それまで思う存分練習ができる。

 よし、やるか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う、動けねぇ……」

 

 扉の開く音が耳に入ると共に倒れ込む。周りを見れば俺と同じように屍のように倒れている部員たちが目に入る。

 辛いとは知っていたが、予想以上に辛かった。俺は訓練器を使って連続で飛んでくるボールへの対処をトレーニングとして行っていたが、最後の方はボールに吹っ飛ばされていただけだった。

 他のメンツは車に追いかけられたりレーザーが飛んできたり……あれ、俺が一番マシなのか、これ。いや、五十歩百歩だな、うん。

 

 ボロ雑巾のようになった俺たちを見て秋と音無が慌てて外にでていった。紅菊は動けなくなった染岡の足をちょんちょんと突いている。哀れ、染岡

 

「みんな、元気出せ。伝説のイナズマイレブンの特訓を乗り越えたんだ」

 

 この特訓は無駄にならない、そのことをみんな理解しているからか、死に絶え絶えながら返事がくる。

 

「試合まで、後一週間、毎日やるぞ……!」

 

 

 そして、一週間の地獄の特訓を経て試合当日。雷門サッカー部員、誰一人として筋肉痛で動けないという事態になっていないのが奇跡のように感じる。

 試合会場である御影専農中のグラウンドは四方がアンテナで囲まれている。野生中とは真反対だ。野生中が時代に反逆しすぎてるだけな気もする。

 

 そういえば、冬海先生が試合に来ている。珍しい。いや、まあ、一応監督扱いだから本当は毎回いないといけないんだけど。新必殺技なしでどう戦うのか、と嫌味を言ってくるがスルーする。

 確かに必殺技開発は出来なかったが、帝国戦以来課題であった基礎能力が大幅に上昇した。別にちゃっかりしていた必殺技開発が終わらなかったことが悲しいわけではない。

 

「みんな、イナビカリ修練場での練習は辛かったと思う。だけど、それはしっかりと俺たちの血となり肉となったはずだ。御影専農のやつらにサッカーはデータだけじゃないということを教えてやるぞ!」

 

 2回戦、御影専農対雷門の試合が始まった。




地味に響さん初登場。一杯700円のラーメンを中学のすぐそばでだすという強気な戦略。


どっかでスカウトキャラも出したいなぁ……と考えています
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