憑依円堂列伝〜TS娘と時々未来人〜   作:花蕾

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サブタイが思いつかなくなり前書きに何かないと不安になる今日この頃


油断

 御影専農のときのように練習の間にイベントが起こることもなく試合の日となった。

 準決勝は我が雷門中グランドで行われる。そういえば、このグランドでサッカーをするのは初めてだ。初期は河川敷で練習をしていたし、その後はイナビカリ修練場だったからな。もっとグラウンドを使ってどうぞ。

 ホームグラウンドということもあり、1回戦の野生中戦、2回戦の御影専農戦と違ってグランドの周りには応援の雷門中生徒が多い。今までアウェーだったためか、応援がむず痒く感じてしまう。

 

「それにしても尾刈斗の人たち、なんか前より怖くなってないっスか!?」

 

 壁山の言う通り、以前と比べて様子が大分違う。なんというか不気味さを増したというかなんというか。練習試合のときは口数は少なかったもののそれなりに声を出していたが、ずっと下向いてぶつぶつ言ってるし目が血走っている。マジでホラーものなんだが。

 今回は豪炎寺の穴を埋める形でメガネが入っている。メガネも修練場である程度力がついたと思ったのか試合に出させてほしいと自ら志願したためだ。まあ、当の本人は尾刈斗の異様な様子にビビって震えている。反対にベンチスタートになったのは1回戦2回戦両方で活躍した土門だ。戦ったことのあるメンツのほうがやりやすいのではないか、という判断でそうなった。

 

 

 

 

「おーっと、幽谷、強烈なタックルで雷門へ攻めかかる!」

 

 尾刈斗ボールで始まったこの試合。前回同様に複雑な動きを中心に戦術を組んでくると予想していたが、まさかの真逆のパワープレイ。その力は止めに入った染岡をタックルで押し飛ばすほどだ。あの体のどこにそんなパワーがあったのか。

 

「『ジャッジスルー』!」

 

「マックス!」

 

 今度はマックスが飛ばされた。

 というか、ジャッジスルーは帝国の必殺技のはずだ。相手にボールをトラップさせそこに目掛けてキックするシンプルな動作による技、一見習得難易度が低いように見えるが逆だ。()()()()()()()ゆえに技に昇華させにくいのだ。そのため、ジャッジスルーやキラースライドといった技は帝国以外で習得した選手は少ない。

 

「行かせないよ……!『コイルターン』!」

 

「『マジック』!」

 

 影野が高速で旋回しボールを奪おうとするが、幽谷はコイルターンの中で赤い布を自身に被せその身を消す。次の瞬間には影野の後ろにボールを持った幽谷はいた。

 

「消えろ……!『爆ファントムシュート』!」

 

 ディフェンスを抜いた幽谷はそのままシュートを行う。

 

「『ゴッドハンド改』!」

 

 ゴッドハンドでそれを受けようとするが、爆まで進化したファントムシュートの威力は絶大だ。そのままゴッドハンドを砕きゴールへと突き刺さった。

 

「尾刈斗先制!円堂のゴッドハンドを破り一歩リードだぁ!」

 

 油断した。最悪だ。ゴッドハンドなら皇帝ペンギン二号以外なら止めれると高を括ってしまっていた。今だって、爆に進化したことに驚きはしたもののマジン・ザ・ハンドを使うこともできたはずだ。そうしなかったのは、要するに()()()()()()()()()()()()()()

 

「みんな、すまん!次は止めてみせる!」

 

「おう!」

 

 雷門ボールから試合が再開される。染岡とメガネがワンツーで突っ込んできた幽谷を躱す。

 次に月村が飛び出てくるが冷静に染岡はメガネにパス。そのまま上がっていこうとするが、そこにはMFの三人、八墓、木乃伊、霊幻が待ち構えていた。

 

「「「『フラクタルハウス』!!」」」

 

「うわぁぁぁ!」

 

 八墓たちの後ろから黒い壁が現れ三人とメガネを三角錐状に包むこむ。壁が開くとそこには黒い城のような建造物が現れる。そして、雷が落ちると同時にメガネは城から弾き出されボールを奪われた。

 

「そう簡単に何度も抜かせないよ!」

 

 八墓からボールを受け取った幽谷。先程同様苛烈なプレイで攻め入る。その進路の先に陣取ったのはマックス。

 

「『スピニングカット』!」

 

 青い衝撃波で幽谷を止めた。MFの霊幻たちが詰めてくるが、それをイリュージョンボールで突破する。

 そして、ボールは染岡へ。

 

「いくぜ!『真ドラゴンクラッシュ』!」

 

 真へと進化したドラゴンクラッシュは鉈のゆがむ空間の影響を受けても目を見張る威力だ。

 

「『フランケン守タイン』!」

 

「何っ!?」

 

 だが、威力を少しでも落とせば十分。DFの不乱が巨大なフランケンシュタインのオーラを呼び出しシュートを防いだ。

 

 そこからは一気に尾刈斗の流れだ。雷門もなんとか守っているが、尾刈斗の激しいプレイによって少しずつだが傷を負っていく。

 

「『爆ファントムシュート』!」

 

「『マジン・ザ・ハンド』!」

 

 今度はしっかりと止めた。それを確認すると同時に前半が終了。

 

 

「尾刈斗ってあんなプレイするチームだったか?」

 

「いや、前はそんな感じはしなかったはずだ」

 

 控え室で秋たちに傷の手当てをしてもらいながら、前半を振り返っているが、尾刈斗の変わりようにただ首を捻るのみだ。パワープレイよりもトリッキーな動きがメインだったはず。こんな短期間で変わるものか?俺たちも修練場でパワーアップしたが、ここまでではなかった。

 

「メガネさん、栗松さん、選手交代です」

 

「了解でヤンス」

 

「わかりました。でも、二人も交代するなんて。うちの控えは土門くんだけですよ。あと一人はどうするんです?」

 

 メガネの言う通りだ。豪炎寺がいない今、雷門の控えは一人のみだ。

 

「目の前にいるじゃないですか」

 

「はい?」

 

「私が入ります」

 

 そう言った紅菊の顔は怪しげな笑みが浮かんでいた。




紅菊、参戦!!


・未来からの介入の影響
身体能力の向上
特定の人物に対する悪感情の増大
一部技の習得

・紅菊の正体について
円堂含め誰もわかっていません。円堂もわかってない理由は次回話します
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