憑依円堂列伝〜TS娘と時々未来人〜   作:花蕾

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影山と鬼道の決裂

「やっと戻ってきたか」

 

「遅ぇぞ、円堂!」

 

「すまんすまん。さ、アップ始めるぞ!」

 

 俺が戻り全員揃ったため、ウォーミングアップを開始する。

 

「壁山、大丈夫か?」

 

 風丸とパス練をしていた壁山はボールを蹴ろうとして空振り尻餅をつく。

 

「こ、こんな立派な会場で試合すると緊張してしまったっス……」

 

「しっかりしろよ、壁山」

 

 まだ緊張は完全には解れていないか。まあ、試合が始まれば、すぐに緊張ぐらい飛んでいくだろう。

 

「オラッ!」

 

「良いシュートだ、染岡!だけど、あんまり飛ばしすぎるなよ!」

 

 しばらくすると観客席が埋まっていく。これだけ立派な試合会場となるとその分観客も多くなる。

 

「すごい、こんなに沢山の観客が。さらに緊張してきたっス……」

 

「ならリラックスさせてやるよ!」

 

 そう言って忍び寄った宍戸は壁山をこちょぐり始める。耐えきれなかった壁山は持っていたボールを腕の中から落としてそのまま蹴り上げてしまう。そして、天高く上がったボールは重力に従って落ちていき宍戸の頭にぶつかった。その衝撃で宍戸は倒れ込む。自業自得だ。

 悲劇はさらに続く。

 

「ひぎゃあああああ!!!」

 

「どうした!」

 

 叫んだ宍戸の方に行くと何か光るものがグランドに刺さっている。それを手に取る。

 

「これは……ボルト?」

 

 鉄材の固定に使われる大きめなボルトが計6本。

 染岡がちゃんと帝国は点検してるのかと叫ぶ。いや、なんでお前あそこまで鬼道疑っといてこれは偶発的なものだと思うんだよ。どう考えてもこれは帝国の仕掛けだ。ボルトは響木監督に渡しておく。そうすれば、影山の不正を調べるため帝国に訪れている鬼瓦刑事たちに流れるはずだ。あとは鬼道が気付くかどうかだが、もしものために豪炎寺たちには先に言っておくか。

 

 

 

 

 

 

 

 一列で入場した後、フィールドで整列し握手していく。そして、最後のキャプテン同士の握手の時、鬼道は俺に耳元で囁く。それにわかったと小声で答える。

 両チーム、フォーメーションにつき試合開始の笛がなった。その瞬間、無数の鉄骨が雷門側のフィールド目掛けて落ちてきた。

 

「ああっと!?これはどういうことだ!?突然雷門中側の天井から鉄骨が降り注いできた!?」

 

 その異様な光景に誰もが恐怖する。ベンチにいた響木は担架を用意するよう音無たちに呼びかける。

 

「酷い……グラウンドには鉄骨が突き刺さり、雷門中イレブンも……いや、雷門中イレブンは無事です!誰一人怪我さえしてない模様です!!これは奇跡だぁ!!」

 

 全員の無事を確認し安堵する。ホイッスルと同時に全速力で全員後ろに下がれなんて意味不明なオーダーに皆従ってくれて本当によかった。

 

 鬼道はこちらの無事を確認するとフィールドから出て行く。それを俺と響木監督は追いかける。たどり着いた先にいたのは、黒幕影山零治……!

 

「総帥、これがあなたのやり方ですか!天に唾すれば自分にかかる。あれがヒントになったのです。あなたにしては軽率でしたね」

 

「言ってる意味がわからないな。何か私が細工したという証拠でもあるのかね?」

 

「あるぜ、証拠ならここに!」

 

 その声と同時に影山の机に袋が投げ込まれる。それに入っていたのはボルト。試合前に落ちてきたやつだ。

 

「そいつが証拠だ」

 

「鬼瓦さん!」

 

 鬼瓦さん曰く、スタジアムの工事関係者が影山の指示でボルトを緩めていたとのこと。俺がボルトを渡してから一時間弱しか経ってないのに捜査早すぎない????

 

「総帥、俺はもう貴方の命令には従いません」

 

「俺たちも同じ意見です!」

 

「……ふん、勝手にするがいい。私にはもはやお前たちなど必要ない」

 

 鬼道たちの離反宣言に影山はそう返す。まるでそれを望んでいるかのような言い分だ。実際問題、影山のその後を考えたらその通りなのだが。

 

「影山零治! 一緒に来てもらおうか。お前には聞きたいことが山ほどある。イナズマイレブンの悲劇からプロジェクトZ、四十年分洗いざらい吐いてもらうぞ!」

 

 影山は抵抗することなく鬼瓦さんに連れられていく。その顔はどうとでもなると言わんばかりに余裕があるように見える。結局その表情が崩れることなく、さらには笑みすら浮かべて総帥室から出て行った。

 

「響木監督、円堂、本当にすみませんでした。俺たちに試合をする資格はありません」

 

 鬼道が頭を下げそう言う。別に影山の悪事に直接関与してるわけではないため、俺はそこまで気にしていないが鬼道曰く責任があるとのこと。

 

「円堂、お前に任せる。提案を受け入れるのか試合をするのかお前が決めるんだ」

 

 この提案を受け入れたら確かに鬼道たちと戦わずに全国の切符を手に入れることができる。それが雷門がフットボールフロンティア本戦に出場するための最善手だろう。

 

「やろうぜ、試合」

 

 そんなこと知ったことか。ここで楽な方に逃げて何になる。帝国に勝って全国にいく、俺がここに来た理由はそれだけだ。

 

 

 

 

 

 

 グラウンドの修復が終わり、雷門帝国両チームのメンバーは各々のフォーメーションにつく。帝国は逮捕された影山に代わり安西という方が監督に入った。

 

「さあ、正真正銘のフットボールフロンティア地区大会決勝の開始です!!」

 

 雷門と帝国の因縁の試合が今幕を開けた。




次回からようやく試合です。

最近、イナイレ二次が増えてきて嬉しい。もっと増えてどうぞ
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