憑依円堂列伝〜TS娘と時々未来人〜   作:花蕾

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 トーナメント表が発表された。普通、こういうのって開会式前に発表されるもんじゃないのだろうか。

 雷門中の初戦の相手は近畿代表の戦国伊賀島中だ。確か、監督が忍者の末裔で秘伝の忍術で選手を鍛えてるとかだったはずだ。なんで、忍ばず全国大会で忍術を披露してるんですかね……?

 

「皆、練習時間よ」

 

 控え室に入ってきた秋が試合前のウォーミングアップの時間になったことを知らせる。もうそんな時間か。

 

「あれ、一体誰からかしら……?夏未さんからだわ」

 

 さあ、出ようというタイミングで秋の携帯が鳴る。理事長の側にいるため不在の夏未からのメールのようだ。

 メールの内容は、マネージャー業務をすることができなかったことへの謝罪と必ず勝て、というものだった。これには流石のみんなも苦笑い。とはいえ、夏未からの激励?もあり気合い十分だ。

 

「よしみんな、いくぞ!」

 

「「「「おう!!!」」」」

 

 そして、ついに俺たち雷門イレブンは選手としてフットボールフロンティアスタジアムに足を踏み入れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、ウォーミングアップだ。大舞台といってもやることは変わらない。連携の確認に、実際にドリブルやシュートをしてグラウンドの質感に合わせて調整していく。

 動きを見ているとみんなそこまで緊張していないのがわかる。俺と風丸は予想外の形で一度フットボールフロンティアスタジアムで試合しているためそこまで不安はなかったが、全員リラックスしてプレイできるようで何よりだ。

 

「豪炎寺!」

 

 半田がボールを豪炎寺に回そうとする。しかし、上から影が現れボールを奪われる。その影は俊敏さを見せつけるかのようにフィールドを動く。満足にしたのか、影は足を止めてその姿を見せる。

 

「誰だ!?」

 

「お前たちに名乗る名はない!」

 

 紫の忍び装束に身を包みキャプテンマークを巻いてる。彼は戦国伊賀島中のキャプテンである霧隠才次だ。雷門イレブンは俺と豪炎寺、音無、メガネぐらいしか対戦相手のこと調べないからな。みんなも知らないのも無理もない。まあ、調べても試合映像出てこなかったんですけど。

 

「豪炎寺修也、俺と勝負しろ!」

 

「何?」

 

「お前の噂は聞いている、天才ストライカーなんだってな。俺も足には自信がある。どっちが上か決めとこうじゃないか。ここからフィールドをドリブルして速さを競う。簡単だろう?」

 

 なんで、ストライカーにドリブル勝負仕掛けてるんですかね?

 というか、戦国伊賀島のウォーミングアップの時間は終わってるはずだから今は控え室にいないといけないはずだが。

 

「断る、迷惑だ」

 

 豪炎寺は霧隠からの挑戦を断る。当たり前だ、この勝負を受ける理由がないからな。

 

「なっ、逃げるのか、腰抜けが」

 

 腰抜けと煽ってくるが、豪炎寺には効かない。

 用件が終わったのなら帰ってほしい。こっちのウォーミングアップの時間がどんどん削られていく。これ、審判に伝えたら時間延びないかなぁ……無理、そう。

 

「身勝手な行動をやめろ、霧隠」

 

 戦国伊賀島のメンバーが霧隠を連れ戻しにきた。なんで君たちも上から来るんですかね……

 

「では、御免」

 

 霧隠の無礼を謝罪するとそのまま霧隠含め戦国伊賀島の面はシュタッという音を残し目にも止まらないスピードで消えていった。

 その光景にしばらくぽかーんとしていたが、気を取り直しウォーミングアップ再開だ。再び半田が豪炎寺にボールを回した。

 

 

 

 

 こちらのウォーミングアップも終わり、試合開始の時刻となった。今回のフォーメーションは2-4-4のベーシック。帝国戦ではDFだった風丸をMFに戻しており、守備だけではなく攻撃にも参加してもらい炎の風見鶏でゴールを狙っていく。そして、風丸の代わりに影野がDFに入っている。

 

「ホイッスルが鳴り響く!試合開始です!!」

 

 雷門のキックオフから試合が始まった。染岡がボールを持ち敵陣へと足を踏み入れるが、即座に戦国伊賀島メンバーが行く手を阻む。パスを繋いで上がろうとするが、戦国伊賀島の素早い動きによりそれは叶わない。どう攻めるかと苦難していると、霧隠がボールを奪った。

 

「伊賀島流忍法、『残像』!」

 

 一気に霧隠が攻め上がっていく。それを止めようとマックスが動くが、霧隠が残像を生み出し避けた。

 

「いかせるか!」

 

「ほう、俺についてこられるやつがいるとは」

 

 次に霧隠の前に立ち塞がったのは風丸。自慢の俊足を生かして霧隠に迫る。

 

「だが、まだまだだな!」

 

「何!?」

 

 しかし、それを持ってしても霧隠を止めることは叶わない。そのまま、DF陣も抜き去りゴール前へ。

 

「伊賀島流忍法、『つちだるま』!」

 

 霧隠がシュートを放った。ボールを土を巻き込みながら転がり一つの塊となる。印を切るように指を動かすと同時に、土塊が壊れ中から強烈なエネルギーを纏ったボールが現れた。

 

「『マジン・ザ・ハンド』!」

 

 それをしっかりと受け止める。そして、ボールを繋いでいき前線の半田まで回す。ボールを受け取った半田は豪炎寺と共に上がっていく。

 

「伊賀島流戦術、鶴翼の陣!」

 

「承知!」

 

 戦国伊賀島FWとMFが半田と豪炎寺を、鶴が翼を広げたような形の陣形でマークする。そのため、半田と豪炎寺は中央へと誘導される。その先にいたのは二人のDF。

 

「「伊賀島流忍法、『四股踏み』!」」

 

 二人が技を発動させ、地面を揺らす。同時に発動された技は威力が倍増し豪炎寺たちは吹き飛ばされてしまう。

 

 その後も戦国伊賀島の奇想天外なプレイに翻弄される。だが、雷門も負けていない。なんとかボールを奪いシュートチャンスを作る。ボールを持っているのは染岡。さらに豪炎寺もフリーだ。

 

「『ドラゴントルネード改』!」

 

「伊賀島流忍法、『つむじ』の術!」

 

 染岡と豪炎寺が連携シュートを放つ。しかし、戦国伊賀島のキーパーが竜巻を発生させ威力を相殺させる。

 ドラゴントルネードを止めるとは……戦国伊賀島のスピードも相当だ。これは一筋縄ではいかないな。俺たちは早速全国の実力を見せつけられていた。

 




戦国伊賀島戦を見直しつつ、シノビガミのリプレイ動画めっちゃ見てました。一週間忍関連の動画しか見てねぇ……

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