憑依円堂列伝〜TS娘と時々未来人〜   作:花蕾

42 / 50
(特に報告することがないので)初投稿です


不死鳥

 ベンチに戻ってきた俺たちはスポーツドリンクを飲みながら、前半の振り返りと後半の作戦について話し合う。

 

「二点のリードは大きい。後半は奴らも焦って攻めてくるだろう、特にあの三兄弟はな」

 

「なるほどな」

 

 焦りからくる三兄弟と他面子とのコンビネーションの綻びを狙うつもりか。前半でも三兄弟と他で足並みが揃ってないところはあったしな。

 

「それに奴らはあの必殺技を見せていない」

 

「トライアングルZか」

 

 あの三兄弟による連携技、トライアングルZ。河川敷では止めれたが、あのときは本気を出していなかったはず。バックトルネード同様、技進化をしているならかなり強力だ。

 それを打つために、三兄弟が多少強引な攻めをしてくる可能性は高い。

 

「後半は奴らの連携の隙を突き、トライペガサス、イナズマブレイクで追加点を狙っていくぞ」

 

 

 

 

 

 

「さあ、決勝に進むのは雷門か、それとも木戸川清修か!運命の後半開始です!」

 

 こちら側からのキックオフ。豪炎寺、染岡、マックスがパスを回し三兄弟を躱す。だが、その先には木戸川のMF陣が待ち構えていた。

 

「「「『ハリケーンアロー』!!」」」

 

 木戸川のMF、茂木、跳山、屋形が竜巻を作り出し、その風力で浮き上がったマックスを連続でタックルしてボールを奪いとる。

 

「くるぞ!」

 

「そろそろ見せてやろうじゃん!」

 

 ボールを奪取した跳山はそのまま、勝へとパスを繋ぐ。受け取った勝は走り出す、その後ろには友、努の姿が。

 

「「「『トライアングルZ改』!!」」」

 

 勝、友、努が連続で蹴り、最後は独特なポーズを決める。やはり、トライアングルZも進化していたか。

 

「『マジン・ザ・ハンド改』!」

 

 俺の背後に現れた魔神がシュートを止めんと右手を突き出す。前回はこれで止めれたが、

 

「ぐっ……うわぁぁぁっ!」

 

 今回の結果は違った。魔神が押し負け、ボールはゴールの中へと入っていた。

 

「ゴール!木戸川清修、武方三兄弟の連携技、トライアングルZで一点を奪い返したぁぁ!!」

 

 くそ、止めれなかった。次は必ず止めてみせる。

 

 

 試合再開。すぐに努がボールを奪い上がろうとするが、鬼道の指示で動いたマックスたちにより進路が塞がれる。しかたなく勝にパスを回すが、そこを狙って鬼道がスライディングをしかける。そのため、勝は慌ててシュートをする。

 

「これは正面!円堂、しっかりキャッチ!」

 

「よし、もう一回行くぞ」

 

 キャッチしたボールをそのまま一之瀬へ。そのまま上がっていく。それに追随するように俺、土門もまた敵陣地へと切り込んでいく。

 

「俺の目の前でそう何度もやらせはしないぞ!『スピニングカットV3』!」

 

 俺たちの前に現れたのは西垣。俺たちの進路に向けて足を振るい衝撃波の壁を生み出す。突如現れたそれに、俺たちは吹き飛ばされる。

 

「ペガサスの羽が折れたな」

 

 西垣は弾かれたボールを拾い中盤へ繋ぐ。受け取った茂木はドリブルで雷門陣内まで進み、ペナルティエリア前にいる勝へとパスを出す。

 

「なっ!」

 

「なんと、FWの豪炎寺がいつのまにか守備に下がっていた!このまま木戸川陣内へ切り込む!」

 

「染岡!」

 

 染岡がマークを振り切り、豪炎寺からのパスを受ける。そのまま連携シュートでゴールを狙う。

 

「『ドラゴン──」

 

「──トルネード』!!」

 

「『タフネスブロック』!」

 

 しかし、それは軟山が身体を張って大きく弾く。ボールは空中へと浮き、その落下予想地点へ木戸川メンバーが動く。だが、ボールが地につくことはなかった。

 

「まだだよ。『天空の刃』!」

 

 アフロディが飛び上がり、浮いたボールをゴールへ押し出す。一回シュートを止め油断していた軟山は必殺技の発動が間に合わない。なんとかボールに向かって飛び上がるが、触れることもできずゴールネットへ。

 

「ゴール!一度弾かれたボールにアフロディが素晴らしい反応で食らいつき追加点を上げた!三対一、雷門が再び木戸川清修を突き放したぁぁ!」

 

 

 

 

 

 

「『クロスドライブ』!」

 

「『タフネスブロック』!」

 

「『ハリケーンアロー』!!」

 

「『バックトルネード改』!」

 

 両者果敢に攻防を繰り広げる。追いつきたい木戸川清修、リードがあるものの油断を切らさない雷門、どちらも一歩も引かぬ状況が続く。

 

「俺たちが最強だと!」

 

「勝って証明するんだ!」

 

「うおおおおおっ!!」

 

 そんな中飛び出してきたのは、武方三兄弟。鬼道からボールを奪いとり凄まじい勢いで走り、シュートを放つ。

 

「「「『真トライアングルZ』!!!」」」

 

 極限にまで高められた彼らの熱量に応えるかのように、そのシュートは進化した。

 

「『風神・雷神』!!」

 

 俺はそのシュートに二体の魔神を出現させ対抗する。二点のリードはある、だがこのシュートは必ず止めなくてはならない。

 

「それがみんなのゴールを預かるキーパーってもんだ!」

 

「円堂!」

 

「俺達も一緒に止めるっス!」

 

 俺が踏ん張っていると、風丸と壁山が後ろにつき両肩を支える。

 

「お前ら……よし、いくぞ!」

 

 それに呼応するかのように、色褪せ始めていた二体の魔神は色を取り戻し、シュートの勢いで引っ込み始めていた腕を再度伸ばした。そして、しばらくのぶつかり合いの末、ボールは俺の両手の中に煙を上げながら収まった。

 

「と、止めた!木戸川清修のトライアングルZを三人がかりで防ぎました!そして、ボールは円堂から豪炎寺に渡ったぁ!今度は雷門が木戸川清修に攻めかかる!」

 

「やらせないっしょ!」

 

 豪炎寺が上がるが、素早く戻っていた三兄弟が進路を塞ぐ。それを見て豪炎寺はふっ、と笑いボールを後ろに下げた。

 

「何っ!?」

 

「行け!トライペガサスだ!」

 

「っ!ああ!」

 

 一之瀬も一瞬戸惑ったもののすぐさま行動に移す。上がってきた俺、土門に合わせ一之瀬も走り始める。

 

「トライペガサスはやらせない!『スピニングカットV3』!」

 

 またもや、俺たちの進行方向に青い壁が現れる。だが、俺たちの足が止まることはなかった。突き抜けるように壁から飛び出し俺たちは交差する。蒼炎が噴き出し、そして、鮮やかなな橙色へ変化する。そして、橙炎は巨鳥を形成する。俺たちがボールを同時に蹴ると、巨鳥はその力に導かれるようにゴールへ進んでいく。

 

「冗談じゃないっしょ!」

 

「このままじゃ僕たちは終われない!!」

 

「決めさせてたまるかッ!!」

 

 三兄弟が止めに入るが、それを物ともしない。三人を薙ぎ倒し、ゴールキーパーすらも吹き飛ばしゴールへと突き刺さった。

 

「ゴール!雷門、新たな必殺技でゴールをこじ開けた!!ここで試合終了!四対一、雷門中が40年ぶりに決勝進出だぁ!!」

 

 試合終了と同時にみんなが歓声を上げる。それにより、勝ったという事実が脳内に入っていき、緊張の糸が外れその場にへたり込む。

 

「勝ったんだな……」

 

「ああ、勝ったんだよ、円堂」

 

 一之瀬と土門と会話を交わしていると、木戸川清修の一人が声をかけてきた。西垣だ。

 

「やられたよ、完敗だ。最後のは素晴らしい技だった。あれはお前たちと円堂の技、ザ・フェニックスだ」

 

「フェニックス、不死鳥か。一之瀬にはぴったりだな」

 

 そうして互いの健闘を讃えあった。

 他の方をチラリと見れば、豪炎寺と三兄弟、二階堂さんが会話してるのが見える。恐らく去年の真実だったり色々なことを話しているのだろう。それで彼らの間にあった確執がなくなるのなら喜ばしいことだ。

 こうして、木戸川清修との戦いに幕が降りた。次は決勝戦、気を抜かないようにいこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オペレーションサンダーブレイク第二段階、オペレーションオーガへと移行せよ!」

 

 鬼がその力を振るう日は近い。




次回は尾刈斗戦ぶりの未来要素。ちなみに、現状憑依円堂くんはオーガが来ることは知りません、可愛そうに
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。