憑依円堂列伝〜TS娘と時々未来人〜   作:花蕾

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あと1時間くらいの小時間ですが、日刊に乗れました!嬉しい


帝国学園襲来

「練習試合を組みました。相手は帝国学園です」

 

 それはある日のことだった。

 俺はサッカー部の部員である半田から呼び出しを聞き校長室に来ていた。

 告げられたのは、フットボールフロンティア40年連覇中の絶対王者である帝国学園との練習試合。

 

「わかりました」

 

「あら、本当に分かっているのかしら?」

 

 咎めるような視線と言葉を送ってきたのは、雷門中生徒会長であり理事長の娘である雷門夏未だった。

 

「と言うと?」

 

「負けたら廃部ということです。あんな掘立て小屋の弱小クラブに回す予算はありませんから」

 

「なら、関係ないな」

 

「はあ?あなた、何を言って」

 

「俺たちが勝つ。それだけだ」

 

 俺のはっきりした声に夏未は面を喰らう。

 

「あなた、何を言ってるのかしら。相手はあの帝国学園。万が一でもあなたたちが勝てるはずが」

 

「最初から負けるなんて考えて勝負に挑む馬鹿はいないさ」

 

「……いいでしょう。そこまで啖呵をきるのなら、もし勝てたらあなたたちのフットボールフロンティアへの出場を認めましょう」

 

 夏未から言質をもらい、校長室からでていく。その足で部室へと向かった。

 俺が校長室に行ってる間に半田に招集をかけてもらい、()()()()()()()()()()()()()1()2()()がいた。

 

「あの帝国学園と練習試合ですか!?」

 

「帝国って、あの帝国でやんすか!?」

 

「マジかよ……」

 

 先程のことを伝えると部員たちからは驚きの声が上がる。まあ、当然の反応だ。今年で部員が11人を超えようやく試合ができるようになったばかりだ。そんなところに中学王者が練習試合にくるなど想像できるはずがない。あの豪炎寺ですら目を見開いている。

 

「それで、ちゃんとそう言ったのですか?」

 

「ああ、帝国に勝てばフットボールフロンティアに出場していいってさ」

 

 紅菊はそれを聞き、なるほど、と呟き

 

「これは好都合です」

 

 事もなさげにそう言った。

 

「はあ、何言ってんだよ!?」

 

「そうっス、相手はあの帝国っスよ!?」

 

「落ちついてください、みなさん」

 

 紅菊は声を荒げる半田、壁山を落ち着かせる。そして、好都合の理由を述べた。

 

「いくら人数が揃ったとして、すぐに大会に出られるほど甘くありません。本来ならいくつかの中学と練習試合をしてその結果を加味して出場を吟味されます」

 

 その通りだ。特に体育系の部活動に力を入れている雷門中にはその傾向が強い。紅菊もそれを把握しており、練習試合相手、例を挙げるなら傘美野中などの近所の中学校をピックアップしていた。

 

「しかし、それでは地区予選に間に合いません」

 

 学校を納得させるには1試合だけでは足りない。少なくとも三試合は必要だ。しかし、そうなると時間がない。地区予選は早い時期から行われるため、練習試合を組めて2試合だった。

 

「だからこそ、これはチャンスなのです」

 

 そこで舞い込んできたのがこの試合だ。この1試合さえ勝てば出場ができるのだ。好都合と言う他あるまい。

 

「それは勝てたらの話だろ」

 

「あら、怖いんですか、染岡さん。そんな怖い顔して中身はかわいいかわいい小心者なんですね」

 

「なっ……やってやろうじゃねぇか!帝国だかなんだか知らねぇが、俺が点を決めてやる!」

 

 紅菊の言葉にあっさりと乗せられメラメラと闘志をたぎらせる染岡。チョロいものである。

 

「いいぞ、染岡その意気だ!それにみんなも何弱気になってんだよ。一生懸命練習してきたじゃないか!」

 

「確かに俺たちも1年間練習してきたしな」

 

「まあ、退屈しそうにはないよね」

 

「ついにこの僕の力をみなさんにお見せすることができるのですね!」

 

 染岡の強気な発言のおかげで、他の部員も徐々に乗り気になっていった。

 

「よーし、じゃあ、練習するぞ!絶対、帝国に勝つぞぉ──!」

 

 オーッ!とメンバーが気合いを入れ叫んだ。

 

 

 

 

 そして、練習に打ち込む日々が数日続き、ついに練習試合の日がやってきた。

 王者帝国を見れるとあって多くの生徒がグラウンドの周りへと集まっている。

 しばらく待っていると地響きとともに大きな装甲車が現れた。校門前に止まり、レッドカーペットが敷かれる。さらにレッドカーペットの脇で帝国学園の生徒が並び敬礼のポーズをとる。白い煙と共に扉が開かれ帝国イレブンの姿が露わになった。

 

「雷門中サッカー部キャプテンの円堂守です。練習試合の申し込みありがとうございます」

 

「初めてのグラウンドなんでね、ウォーミングアップをしてもいいか?」

 

「構いませんよ」

 

 帝国イレブンはウォーミングアップを始める。選手の中には小学生のときに戦ったことがあるやつらもいるが、やはりパワーアップしている。

 

 そこで帝国が動いた。キャプテンである鬼道が指を鳴らすと同時に、9番の寺門がボールを上げ6番の辺見がオーバーヘッドキックで繋げ最後は鬼道がジャンピングシュートを放った。

 放たれたボールはこちらに向かって飛んでいき

 

「うおっ、危ねぇ!?」

 

 それを俺はなんなく受け止めた。

 

「ほう、腕は落ちてないようだな、円堂」

 

「まあな」

 

 鬼道とは因縁という程ではないが、関わりがある。豪炎寺と同様、小学生サッカーなのだが、鬼道はリトルエンペラーズに所属していた。そう、俺がGKをしていた稲妻KFCが小学生大会で3-0でボコったところだ。ちなみにリトルエンペラーズは鬼道の他に佐久間もいた。

 

「みんな、練習の成果、こいつらに見せてやろうぜ!」

 

 雷門中対帝国学園の練習試合が始まった。




ようやく新作の情報きましたね。ファイアトルネードのモーション戻ってたのにびっくりしました。というか2023年発売かぁ、先は長い。
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