乙女ゲー世界はモブの中のモブにこそ、非常に厳しい世界です 作:N2
意外と男はあの子を好きなはず(笑)
最初この二次に救済キャラを考えた時、クラリス先輩、ヘルトラウダ、そしてオフリー嬢の学園祭で隣にいた女の子でした。その三人を念頭に置いてアンジェの取り巻き二人。話の筋の中で救う人物は、書き始める前に決めてました。
ただ、私が書いていてオフリー嬢の隣の女のコ、拙作でいうナルニアですが、典型的な王国女子も美人で考えを改めていくならありでしょ!前世があるなら寧ろそういう系の女のコのほうが、話も合うし大人の付き合い的に良いよね!
そんな視点で捉えるとぶっちゃけ超アリだと思いました(笑) アンジェリカの取り巻き二人も大好物です(笑)
まぁ、それはいいとして拙作だとナルニアってある意味、なろう系主人公っぽいです(笑)
私、ナルニア・フォウ・ドレスデンは、意味不明に流されながら生活している。
ホルファート王国のさるお嬢様の取り巻きをしていたら、そのお嬢様が引き金となり、そのお嬢様は王国法を鼻で笑う振る舞いをなさって大怪我を負わせられたかと思えば、更にはお嬢様のご実家は、とある同国の貴族家と王宮公認の戦争に発展する事となった。
私はいきなり過ぎる展開に、お嬢様の看病の後は怖くて学生寮にも戻れず、学園内や王都に潜むように震えながら身を隠していた。
そうしたら、1学年上の先輩であり、2年生で一番権力と影響力を誇る、クラリス・フィア・アトリー、父親が王宮で大臣という、超大物の先輩の実家の屋敷に匿われる事となった。
そのあたりまでのエーリッヒ・フォウ・ヘルツォークという私のご主人様に救って貰った経緯は、既に話し終えたから割愛するわね。
「ニア、君がカトリナと懇意にしてくれるから助かるよ」
仕事終わりの夕食を共にしている
カトリナという女性は、ご主人様とクラリス様のお父君が懇意にしている中堅商会の会頭の孫娘、会頭代行の事ね。
カトリナ会頭代行の父親はその下の総支配人で、各地を飛び回っているせいもあり、会頭代行の彼女が本部で書類やクレーム等の総決済をしなければならないから、常に胃が痛いと言っていたわ。
「あの、正直に申し上げますと日常会話と言いますか、雑談しか出来ていません」
期待された仕事なのに有意義な事は出来ていないと思う。
「それでいいんだよニア。彼女は貴族男性を苦手としている。特に僕は避けられているからね。雑談出来る相手、しかも貴族でそういう相手を欲している。ニアは自分が考えているよりも良い成果をあげている。誰が何と言おうと僕がそれを認めている…… 不服かい?」
確かにカトリナ会頭は、オフリーとヘルツォークでの戦争の件で、リック様が情報収集のために彼女と初顔合わせした時、大層怖い思いをさせられたと言っていた。
「いえ、私が出来る事は少ないですし、その…… 私がこのような場所で食事を共にしてもいいのでしょうか?」
今食事をしている処は、
正直に言って、学園生でここを利用する人物は、それこそユリウス殿下ぐらいしか不可能だろう。
金額面もそうだけど、陞爵している貴族家当主にしか利用出来ない最高級店の一つ。
「遠慮することはないよ。僕を軸にしてニアもティナも利用出来るようにしてある。この前はバーナード大臣とクラリス先輩を連れてきたら気に入って頂けたよ。支払いは全て月一で僕に請求されるから手ぶらで構わない…… そうだ、今後のニアの個人的な目標の一つに、カトリナ会頭代行をこの店に案内して、二人で食事と会話に華を咲かせるという事を付け加えようか」
「あ、あのぉ、その程度であれば、一週間以内に完了してしまいますが……」
貴族女性ながら、カトリナ会頭代行に下手に出る私が珍しく且つ嬉しいのか、既にかなりの人間関係は構築したつもり。
相手は平民とはいえ、リック様が重きを置く商会のナンバーⅡ、事務方面ではトップの方。そう、あの学園での一学期のような振る舞いなんて出来る筈もないわ。
「……学園に僕の補佐。ニアが大変なのはわかっているつもりだ。息抜きにすればいい。それと、敢えて伝えておこう。自分が有利な提案をされた時は、黙して受け取るかもしくは、雑談で流しながら受け取ればいい。相手、つまり今回は僕だが、そのつもりでニアに言っている。丁寧で確認含めた言い回しをするニアは僕個人は好ましいが、仕事ではそこを漬け込まれる事もあるからね。今回のような善意では無く、少々の悪意を含めて言う輩や考えが足らないアホも簡単に言葉にする。その場合は、触れずに雑談で逃げて、後にこちらの優位な方に受け取ればいいよ――」
(関係が出来ていれば、競合からの重要な書類をテーブルに置いたまま席を立つ。要はその間に見ておけというサインだ。それは書類がなくとも言葉の中にさえ存在するテクニック。前世において、22歳で知り得た高度な実務テクニックの一つ。このおかげで若造の俺が、バブル時代に生き残った面々に加え金の卵世代、そして団塊の世代と渡り合えた最初のテクニック。これを皮切りに二十代半ば過ぎには、他社の役員や定年間近の団塊の世代の下に位置する海千山千と対等に仕事が出来た)
「――貴族世界の暴力的な部分は僕が責任を取る。だからニアにはテクニックを追々学んでもらうよ」
「そんな高度な駆け引きを私が…… 出来るのでしょうか?」
「恐らく、クラリス先輩は元々の才覚で出来るだろうが、僕が教えるテクニックは、詰まる所どんな人物でも可能だよ…… 僕は世間でいう天才とは程遠い、普通のカテゴリーに属する人物だからだ。でも、僕にも意地があるからその中で最上位は目指しているつもりだ。我ながら普通の最高を目指すというのも情けないけどね」
リック様は肩を竦めながらそう仰るが、修学旅行において独自判断での護衛、旧オフリー家の農政改革。
ティナ姐さんから聞いた軍事開発に最前線で合同艦隊の指揮を行いながら、鎧に搭乗して全鎧部隊の指揮。
この方が天才でないのであれば、形容する言葉はもう悪魔としか言えないのでは?
このように私の平凡な頭では解してしまう。
「……あの、ご主人様。ご主人様が言う平凡、要は天才とはどのような人物を指すのでしょうか?」
やはりワタシには聞くしかないと思う。
「それはね。常識を逸脱していて、誰にもそこに達する思考を読めないという人物だよ。僕も最近になって思ったんだ…… 天才と馬鹿の考えは読めないとね。突拍子も無い思考と行動で事態を好転させるのが天才であり、周囲に不利益を与えて事態を混沌とさせるのが愚か者だ。僕のような普通の人は、行動や事態におけるシミュレーションを数十と用意して、天才と馬鹿が齎したその後をシミュレーションした内容をピックアップしながらベターに持っていく事しか出来ないんだよ」
「天才と馬鹿は何となく分かりますが、それらを上手く捌けるご主人様は、やはり才有るのでは?」
愚か者は理解している。
救えない愚か者が、弁明不可な事象を知り得なかったオフリーお嬢様であり、貧乏な男爵家出身だという事を念頭に置いていた私は、ギリギリ救われる馬鹿だったのだろう。後は、高貴な生まれだからこそ命があるあの五人は救われる馬鹿なのだと思う。
ならば私の前で、優雅にワインの芳香を味わうリック様は?
私には学園、いえホルファートでも類を見ない才ある方ではないかと思っている。
この私の考えは間違っているのでしょうか?
「男性に対して、自然にそれを言う事が出来るニアは素晴らしい。何より男心をくすぐる素敵な女性だと僕は思う。でも情けない事に僕は、かなりのパターンを考えて行動や策を弄するというのに、現実は僕の想定を相当な頻度で逸脱してくる…… ティナやニア、それにヘロイーゼちゃんに幻滅されないように必死だよ。クラリス先輩はジルクと婚約破棄したけど、次はもっと有力貴族家の才ある男性と婚約するんだろうね」
寂しげな表情をリック様が浮かべているが、ティナ姐さんやイーゼに私は、あの修学旅行時にディープキスしたと嬉しそうにマウントを取ってきたクラリス様を知っている。
今の時点で既にクラリス様は、こと男性に於いてはリック様の事しか目に入っていない。それこそ自身の才覚と家の力を暴力的なまでに上書きした
リック様でも対異性に関しては馬鹿になるのであろうかと思ってしまった……
でも……
「ご主人様、私やイーゼはそこまでの事はわかりません。でもご主人様のような方からすると私やイーゼ、専属使用人と一学期間、夏季休暇含めて楽しんだ女を重宝してくれる理由がわかりません! だって――」
思っていた疑問を予想外なワインのアルコールの勢いで口に出してしまった。
「――学園の男子は、男を重んじ可能であれば専属使用人がいない女子を好む筈です! ご主人様なら、如何ようにも…… クラリス様だって!」
アルコールが後押しする私の感情を吐き出してしまった。後悔してももう遅いのに……
(クラリス先輩は正真正銘の大貴族のご令嬢…… く、唇を重ねたとはいえ仮にアトリー家が知ったとしても無かったことにするだろう。身体を重ねたわけじゃない。今後はジルクのような子爵家ではなく、侯爵家を視野に入れた嫁ぎ先を考えている筈だ。要はクラリス先輩の傷心を解消して未来に進むための行為だったのだろう。俺はそう思いたい。身分がダンチだからね。仕方ないね)
「ニア、そんなくだらないことを気にする必要はないよ。それにそういう経験をしているほうが、女性として深み、美しさが増すじゃないか」
(元々俺らの世代は、一番女性の貞操観念が乱れ始めた世代。高卒時に童貞や処女なんかいないと俺は思ってたよ。高卒時に経験人数が一桁だと、この男女は何か問題有りだと思ったしな。二十歳で50前後はざらだ。正直俺だって経験人数なんか覚えてない。2,000年前後で二十歳を迎えた男女は、皆がそうだと思っていたら、大学の後半やさらに社会に出て驚愕したのも懐かしい記憶だな)
「……ねぇ、ご主人様。それを言えるのは中年に差し掛かってからだと私は愚考しますが」
(その方面では済まないと思うよニア。たかだか一桁、しかも専属使用人程度の遊びを気にする貴族女子は、俺からすると可愛くも滑稽だと思っている。リオンはどうか知らないが、処女などというのは男からしてみれば基本的に面倒だ。特にホルファートでは男女が貴族同士だと婚姻に直結してしまう。寧ろある程度、10人以上は男を経験している女の方が、俺からすれば酷く簡単に御しやすいし遊びやすい…… ティナの目があるから不可能に近いけど。つまり、この世界の下級貴族の女性で、専属使用人程度の遊びを婚姻時に多少なりとも良心に呵責を抱いてしまう今のニアのほうが、遊び慣れた男にはパターンを知り尽くしている。反対に婚姻後もそこに良心の呵責を抱かない正妻には、仕送りが辛い演技をして徐々に先細りさせる。辺境の男爵には難しいかもしれないが、中間層の浮島貴族は大なり小なりそんなものだ)
「ほう…… ならば女性は男に関する経験は上書きするというが…… 卒なく僕に控えているニアの可愛い嫉妬…… まさか僕を探っているのかな?」
っ!?
そうだ、この人は私が仕える人。その方に対して私は何を質問して探りを入れているのだろう…… 失礼にも程がある。でもそれは、私がいつも感じている疑問。経験している女だからこそ感じる疑念なのよ。
「す、すいません。でも、ご主人様は…… い、色々と余裕が有り過ぎて不自然なのに…… 扱いが自然過ぎます」
「嫌だと言うのであれば、僕達の関係は改めよう。職務を逸脱せず、学園の比重に重きを置こうか。ティナやクラリス先輩をメインに――」
「ち、違いますっ!」
本能が警鐘を奏でて反射的にご主人様の言葉を遮ってしまった。不躾だが、このときの衝動に身を任せた私を未来の私は、両手を挙げて褒めてあげるだろう。
「結局、小娘なんです私は! それなのに…… 申し訳無いんです。小娘の癖に専属使用人と遊んだ身で、ご主人様に…… ご主人様であれば、大人の女性だろうが、そうクラリス様であろうが選べるというのに……」
「女の男性経験なんか僕にはどうでもいい事だ。だが、こうして自らの経験を恥じているニアは、いじらしいし可愛いよ。虐めたくなってしまうが…… まぁ、気にするな。ニアは今の時点でよくやっている。予定はしていなかったんだが今日、色々と互いに話をした内容や疑念に感じた思い、それらをニアに理解して貰おうと考えたが…… ふむ、敢えて問わないがそれで良いかな?」
ご主人様の言葉の途中に見せた微笑…… 我を通すために世界そのものと争うかのような表情が、私の身体の中心線の下側に位置する奥底、女の箇所をどうしようもなく震えさせてしまう。
問わないと言いながら、それでも私を気遣うような物言いが嬉しいから。
「……わ、私からお願いしたいです。この関係は、私も望んでいます!」
「ニアが願望を言うのは初めてじゃないか。そう言われてはガッカリさせたくはないな。男心を刺激する悪い子だ」
公にはしないけど、クラリス先輩やティナ姐さん、そしてイーゼに対して、明確な女としての優位を身体と心の中で保つ事が可能なのが私の特権。これだけは、考え得る中で私がどの女に対しても譲りたくないの。
一言? で言うのであれば改めてドSなリック様の経験を私は問いたい。
加えてもう一言、前の疑問を言えなくさせるリック様は、絶対的な頭脳と肉体を持つ強者で私を屈伏させてくる。女の本能では甘美で幸せですが、気持ちの面ではその経験に結局ヤキモキさせられてしまいます。
ただ、リック様の本能の一部である、荒々しい一面をぶつける所が他では無いからこそ、
私とリック様の関係は、各所に秘密にしながらも激動の流れの中で、私はリック様を閣下と呼ぶ…… 秘書兼副官となっていくのだった。
私は、学園にいる普通の下級貴族家出身の女だったのに、何故かユリウス殿下達に見劣りしない容姿であり、軍人として歴史に名を刻み程の功を成した方と色々な意味の
ちなみに、リック様が「将来的にニアの嫁ぎ先を選ぼうか?」などと言ってきた時は、初めてリック様に対して怒りながら即答で断った。
はぁ…… 私にはリック様という方は、私のような普通人から見た天才特有の馬鹿なのかなと思ってしまった。
た、偶には、そうね。仕事終わりに確認しようかしら…… そう思いながらも力強く組み伏されたい私の欲が、学園の勉強とリック様の仕事の補佐に熱をあげていくのだった、
エッッッッッロ!
クラリス先輩とエーリッヒでも思ったけど、これって十代の会話じゃないよなぁ