これは一つの可能性かな?
星が瞬く間に幾万もの涙が流れた
向かう空に消えた者たちもいる
でもきっと可能性が何兆分の一でも可能性があると思えるならそれはきっとあることなのだろう


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物語ってほどでもない


予告編

星と星との瞬きの中に、一つの宇宙船が空を飛んでいた。

それはかばんたちの船だった。かばんは人類を探すために地球を旅立ったのだ。

 

「人類はワームホールの向かう側にいる!」

 

博士たちの推測が正しければ確かにいるはずなのだ。フレンズたちのつくった船はワームホールを超えた。

 

 

ショックにより記憶を失ったサーバルは博士から再びかばんの星間の記録をみる。

「かばんちゃん!かばんちゃん!どうしてかばんちゃんは私を置いて行ったの?」

「……あの「フネ」には一人しか乗れないのですだから…」

「私諦めない!絶対かばんちゃんに絶対絶対会いにいくから!」

「無理なのです…あの「フネ」はかばんがいないとできないのですよ」

「そんなことない!私だって紙飛行機つくれたじゃない!フレンズの力があれば…」

「紙飛行機は素晴らしいですが、それとは違うのですよ」

 

この後サーバルはキュルルとイエイヌの力によって船を作り出すことに成功する。

 

 

ここで通信が途絶えました…

生きてるんだよね?それはわからないのです…

そんな…そんな…

かばんちゃんがいなくなったら…そうだ!私がかばんちゃんになればいいんだ!博士としょかんにいこう!!

 

かばんちゃんの影響

 

 

スマホ的なモノを持ったキュルルくん。地図を眺めているサーバル。カラカルはサーバルの付き添い。大きな建物、その中で博士と助手が紙飛行機で遊んでいた。キュルルは興味本位に疑問を投げかけた。

 

「博士、助手、それは何?」

 

すると博士たちはもう一度実演するように、もった紙飛行機を飛ばす。

 

「紙飛行機なのです。」

「紙飛行機です。」

 

二人はそういう風に横並びで言葉を繰り返すと、音もなくキュルルを横切り、地面に落ちていた紙飛行機を拾いにいく。

 

「こうやって紙でできた飛ばすことのできる玩具です。」

「我々ように静かに飛ぶのです。素晴らしい玩具なのです」

 

そういうとまた博士たちは紙飛行機を飛ばし、それを拾いにいく。

 

 

 

遊んでいるカラカルと博士たち。それをみるキュルル。後目に何かを思い詰めたように見つめるサーバル。

 

「私、どこかであの紙飛行機をみたような…」

 

 サーバルはいつもと違い何か不安そうな目で紙飛行機をみる。朧げな記憶の中から似たような記憶の中にそれはあったような気がした。サーバルの頭にはそんな思考がしていた。

 

「サーバル?どうしたの?」

 

 カラカルはサーバルの不安げな表情を気づき駆け寄ってくる。そんな様子をみた博士が思いがけない言葉をいった。

 

「やはり覚えていないのですか…」

「え?」

 

 

カラカルは怪訝そうな顔を浮かんでいたが、サーバルは一瞬驚いた後、すぐに決意したように口を開く。

 

「私、ずっとヒトのことについて考えていたんだ」

「とても大切なことだと思うんだけど、だけどなんでぜんぜんわかんない」

「ずっと思いだそうとしてるんだけど…」

 

そう打ち明けるサーバルの言葉は何か強い思いあった。博士たちはお互いを目配せして頷いてから、熱をもって言葉を返した。

 

「サーバル。お前は忘れているのです!人について、かばんについて、しかしこれはお前にとって良くない思い出なのです。それでも知りたいのですか?」

 

突然言われた言葉。しかしサーバルにとってそれは突然のことではなかった。最近ずっと考えてたことだ。博士たちは大きな建物の中の広い部屋に案内する。

 

「ここはとしょかんなのです」「キョウシュウにあったものは別のものですが…聞きたいことあったらなんでもきくのです、調べてやるですよ!我々は長なので…」「なんでも聞いてやるです!我々は長なので…」

 

 博士たちはサーバルを捜索していたらしい。確かに私にはしばらく記憶がない。たしか人と旅をしていたような…他のフレンズと出会うこともなく、私は気づくと部屋に一人でいた。カラカルが心配して訪ねてくるまでは私は一人で引きこもっていた。なぜそうしていたか、実のところあまり覚えていない。フレンズは元から一人で生きていくことができない。なぜならどんなに力を持っていても自分がどんな動物だと確証があっても、本当にそうだったと言えるのは記憶があったり、それを肯定してくれるフレンズがいるから。逆にいえば肯定されているならば、自分が一人でなければ私がどんな人間であったとしてもどうでもいい。正直私がどうであったかなんてそこまで考えたことはない。このよくわからない感情はサーバルがフレンズになる前は考えなかったこと。私には確かにサーバルだという記憶や自覚があったのに、ある時点での記憶だけすっぽり抜け落ちている。カラカルは今の私とある時の私しか肯定できない。過去の確かにあったようなあの時の記憶がない。

 

(確かに現実は残酷なのかもしれない。私にだって残酷さというものがどういうものかくらいわかる。ジャパリパークで多くのケモノたちが死んでいくこと、別れていくことを経験してきた。だからそれが辛いことだというのもわかる。だけどだからここで戦わないといけないんだ。)

 

そもそもサーバルがキュルルについてきたのもそういう理由のことだった。そう記憶を失ったという恐怖に打ち勝つにはいくら残酷であったとしても戦わなければならない。長い沈黙の後言葉を静かに紡ぐようにサーバルは発した。

 

「…博士!…助手!…私の記憶を全部教えて!!」

 

博士と助手は驚いた表情を浮かべてから…

 

「もちろんなのです」「心してかかるですよ」

 

そう返した。

 

 

 

「博士、その四角い箱は何?」「これはカセットなのです!」カセット?

 

博士たちはビデオデッキにビデオを入れてブラウン管のテレビのスイッチを押す。

 

「これには過去の記録を入れることができるのです」「博士たち、すごいね!」

 

「当たり前なのです!」

 

 

「人類はこの世界にはいなかったのです」

「この地球にはいなかったのです」

「かばんはこの世界の外に向かって希望を求めていきました」

 

博士と助手はいつもの調子で話す。

 

「なんで私をおいていったの?」

「それはかばんの思いなのです」

 

サーバルは疑問をぶつけると、すぐに博士たちはよどみなく答えを返す。

 

「そしてサーバルもあの時を了承したのです」

「……」

 

博士たちは、サーバルに対して気にせず話を続ける。

 

「かばんは二十年たってようやくワームホールにたどり着きました」

「きっとかばんは希望をみつけて戻ってくるのです」

「それまで我々が生きていけるかどうかはわかりませんが…」

「しかしかばんを信じて待つことが最善だと私たちは誓い待ったのです。」

「それは確かに成就しようとしているのです」

「だから…私たちはここでいつまでもまっているのです」

「ビデオをみるのをやめますか?」

「やめないで、今度こそは絶対に私はどんなに苦しくても絶対忘れたくない」

 

あの瞳、あの姿、確かにあれは夢でみた影…いや顔。確かにあの姿は…かばんちゃんだった。

 

「いかないでかばんちゃん…かばんちゃん」

「かばんちゃんっ…!!かばんちゃんっっ!!!」

 

フレンズは外の世界にいくと元の姿に戻ってしまうから映像が切り替わるたびにどんどん成長していくかばんちゃん。

 

 

 

紙飛行機

 

日も暮れて、キュルルたち一行は暗闇の中を進んでいた。

「暗いわねー」「大丈夫だよ!!夜行性だから!」「いやそういう問題じゃないわよね」

サーバルは得意げに親指を立てていたが、カラカルとキュルルはかまわず進んでいた。

「ひどいなーカラカルはー」「そんなことより速くこの森を抜けないとセルリアンに食べられちゃうわよ」

「ええーこわいな、はやくぬけだそーよカラカル!キュルル!」「うん!」「だから言ってるでしょ?」

キュルルはカラカルの後ろから腕をつかんで隠れるように進んでいた。月明かりだけを頼りに森を進んいる。

「キュルルちゃんこわいのー?」「だ、だって…」「やっぱりこわいんだー」「ぼくは怖くないよ!」「また強がって…」「そんなこと…カラカルだって怖いじゃないの?」「そらー怖いわよ、でもあんたほどではないわね」

「もーそうやって僕をイジメるんだから!」「うふふ!」

 

「誰か来たのです」「あいつらはカラカルと…」

 

「ん?」

サーバルとカラカルの耳が反応して二人は一緒の方を向く。カラカルとサーバルのフレンズは耳が良くすぐに反応する。

「今何か話し声が聞こえなかった?」

カラカルは自分の聞いた物音が正確であったのか確かめる。

「うーん、風が強くてわからなくなっちゃった…」

 

とそこに草陰から物音がする。二人は足を広げ、光った手の前に構えた。キュルルは問う。

 

「誰?セ、セルリアン?」

 

サーバルとカラカルは他の方向からの奇襲に備えて何かの位置を捕捉しようとしている。

 

「わからない…」

 

夜の森は風がざわざわと葉っぱを揺らし、その音の波の中で、体を背中合わせにしてキョロキョロと緊張していた。

 

「くるっっ!」「上から!?」

 

突然頭上に現れた音に注意を向けるサーバルたち。しかし次の瞬間、二人の間のちょうど死角の草むらから何かが現れる。

 

「え!」「サーバル!カラカル!向こうに!」

 

サーバルの方向に紙飛行機が飛んでいた。草むらから現れた中型のセルリアンは燃える紙飛行機の方に向かう。

 

「なにあれ」「……」

 

紙飛行機は飛んで、サーバルたちから離れていった。キュルルとカラカルは驚いていた。

 

博士と出会い

 

「はやくこっちにくるのです!!」

「我々についてくるのです!」

 

 

決意するサーバル

 

かばんをみて泣くサーバル

 

「僕が旅をして20年ほど経ったかな?長い間何もなくて寝て起きて、博士たちと話せてよかったけど、でも……サーバルちゃんともお話ししたいよ」

「サーバルちゃんがかえってこないから愛想がつきたのかもしれない、いやもしかしたらサーバルは食べられちゃったのかもしれない…」

「僕はそれでも絶対帰ってくるから…だからもし食べられてなかったら、いやできれば食べられちゃっても僕を思いだして、会いにきてほしい」

 

キュルルたちとの別れ

 

キュルルありがとう私に付き合ってくれて…

そんなこと…

あなたこういうときくらい素直になりなさい

うん、ごめん…僕は二人との旅は楽しかったよ

まだ生きていく道が決まったわけではないけど…でも僕がんばって探すよ

うんがんばって!キュルル!応援してるから!

うん、ありがとう…

 

さーどこに向かおうかしらね

あれ?カラカルもついてくるの?

何言ってるのー当たり前でしょ?あんた一人で生きていけるわけないじゃない

まあそうだけど…うーん、さっきありがとうっていっちゃったじゃーんさっきのありがとう返してよ

別にいいでしょ?ありがとうなんて減るもんじゃないし

まあそうだけど…

うふふ…あんたやっぱりおかしいわねー

なにー!僕はおこしくないぞ!カラカルがおかしいんだよ!

ふふふ…あなたはもー弄りがいがあるわねー?

もーなんなんだー僕はついていってやらないぞ!

えー困るー!うふふー

 

知性解放

 

最近かばんとの連絡は途絶えました。

 

かばんはいくつか星の先にあるワームホールに向かいました。

彼女は宇宙に向かったのです!人と出会うために!

そんなはずないよ!!私たちは本当のフレンズだもん!!

フレンズが、かばんちゃんが、私をおいていくなんて…そんなことあるわけがない!

 

この世界にはサンドスターがないからだから連れていけないけど…

サーバルちゃん…ありがとう…

いつか落ち着いたら連絡するから…だからそれまで元気で…

 

かばんちゃん…駄目だよ、止まって!!止まってよ!!かばんちゃん!かばんちゃん!

サーバル…これは録画なのです…

かばんちゃん…お願いだから戻ってきて!まだ話していないことたくさんあるの!

 

サーバルちゃんごめんね…

 

 

 

 

空をみてため息をつくキュルル。

僕はこの世界に迷い込んだ人なんだ。

丸い船に入って、そしてこの世界に落ちてきた。

 

キュルル?

そうだ!僕の家は空にある。

イエイヌのため、いやみんなを救うために僕はきっとこの世界に現れたんだ。

かばんさんが理解できたなら人である僕もりかいできるはずだ。たぶん。

ロケットをつくろう!僕らの故郷がそこにあるならいけるはずだよ。

 

私も手伝うよキュルル。

いつになく真剣なサーバルが話しかけてきた。

アタシも!我々も!フレンズたちが集まってきた。

あんたが決心したなら私も手伝うわよ

カラカル!




2の10話終わりくらいで考えたやつで
ケムリクサでアマプラ入った時についでにインターステラをみたから思いついた気がする
某けもフレのインターステラーの動画ももっと前にみてる
星間ってのは一期のサブタイトルがかばんちゃんの場所だったことに起因していて
インターステラーの翻訳でもある

インターステラ―は異常気象の地球を出て新たなる土地を探す話なんだけど
この「星間」も人類が地球を捨てた後の世界でどうするかみたいな話で
かばんちゃんやサーバルちゃんは外の世界に希望を持って向かう内容
本編だとここがお家エンドだったけど


舞台版けもフレとかけもフレ1自体がディザスター後記、ポストアポリプスものっぽいからある意味流れとして自然な気もする

個人的にサーバルが1でみせた知性解放が生かせたらな―と思ったんだけど
ちょっと知識とか諸々足りないから書ける気がしない

イエイヌとキュルルの人類との邂逅とかばんとサーバルの星間での再会を書きたかった
整合性とは一切無、ようは妄想、予告といってもちゃんと書くことはないと思うから嘘予告


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