そこの悩めるあなた?恨みを晴らしたくはありませんか?

東京都お恨み相談室は24時間受け付け可能‼

依頼をしてくれればすぐにでもあなたの恨みを晴らして見せます!
どうぞお気軽にご相談を‼


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※この物語には不快な表現がふんだんに含まれております

※また、アレルギーの方々を否定、差別する意図は一切ございません。


短編 こちら東京都お恨み相談室です

 

 

 

 

そこの悩めるあなた?恨みを晴らしたくはありませんか?

東京都お恨み相談室は24時間受け付け可能‼

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どうぞお気軽にご相談を‼

 

 

 

 

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「クソ……一体俺の人生どうしてこうなっちまったんだよ……」

 

俺の名前は小野寺蓮。家無し、金無し、仕事もない。

 

「俺が、この俺が、なんでこんな人生を歩まなきゃいけないんだ‼」

 

路上に座り込み、地団駄を踏む。

 

 

 

俺の転落人生は1ヶ月前。彼女に降られてから始まった。

 

 

 

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8月。

俺は恋人の鞠香と海に来ていた。

 

俺はこの日のために有給をとり、彼女と思いきり海水浴を楽しもうと思った。

しかし、鞠香が急に、「私、海入りたくない」と言い出したのだ。

どうやらアレルギーらしかった。

 

マジでムカついた。

だからこいつを少しばかり痛め付けてやろうと思った。

 

 

 

 

「ちょっと蓮くん、やめてよ!さっき言ったよね?私海水アレルギーなんだけど⁉」

「うるせぇな、どうせ嘘だろそんなのw」

 

 

そう言いながら俺は彼女を海まで引きずって、思いきり突き飛ばした。

ドボン、という音がして、鞠香が顔面から海に突っ込んだ。

 

「ぎゃぁぁぁぉぁぁ」

鞠香が絶叫する。

オーバーだな、たかがアレルギーだろ。

俺は笑いながら鞠香を起こしてやった。

 

 

「うわ、キモ」

起こしたとたんうっかり手を離してしまった。

それもその筈。

鞠香の顔はパンパンに腫れ上がり、真っ赤になっていたのだ。

「ぶはは、キッモちわりいwwバケモンかよww

W」

なんだかその顔が面白かったので俺は記録に残すべくスマホで写真を撮ることにした。

 

 

手を離してしまったせいで鞠香は砂の上に倒れ込む。 

この女は呻くばかりで起き上がる気配がない。 

「?、おい、お前なんで起き上がらないんだよ、おーい」

 

俺は彼女をビンタする。

しかし起きない。 

 

「ちょ、何してるんだよ‼」

近くにいた男が駆け寄ってきた。

「大丈夫ですか⁉」

男は鞠香に呼び掛ける。応答はない。

 

そう遠くない場所から救急車の音も聞こえてきた。

 

 

 

 

 

 

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「あんた、自分が何をしたのか分かってんの⁉」

 

病室に鞠香の怒号が響く。

 

「うるせーな、大したこと無かったんだし、いーだろそんくらい」

あのあと病院に搬送された鞠香は無事意識を取り戻した。

「だいたい海水アレルギーなんて聞いたこと無かったんだ、嘘だと思うだろ誰だってさw」 

 

「アレルギーっていうのは危険なんですよ。現に鞠香先輩はもう少し救急車を呼ぶのが遅れたら命だって危うかったんです」

鞠香の後輩・檸檬が真面目な顔で俺に語りかける。

あとで聞いたことだが、どうやらこの後輩は蟹アレルギー持ちらしい。

 

「……」

「とにかく、よく説明しなかった私も悪いから今回のことは警察沙汰にはしないけど、もうアンタとは別れるからね、絶対」

鞠香が俺に冷たく言い放つ。 

 

「そうかよ。お前みたいな女、こっちから願い下げだわ」

 

気分が悪くなった俺は病室を出た。

 

 

 

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数日後、彼女と別れたことをどこからか知った知り合いが俺を合コンに誘ってくれた。

 

今目の前には俺好みの女がいる。

彼女は元カノの後輩の檸檬だった。

「なーなー、檸檬ちゃんってさぁ、本当にかわいいよな♥」

「…………」

「ためしに俺と付き合ってみない?」

「……………………」

 

俺がどんなに口説いても、ボディタッチをしても、檸檬は全く相手にしてくれない。

 

 

 

とうとうしびれを切らした俺は、「無視すんじゃねぇ、これでも食ってろや!!!!」

無理矢理檸檬の口に蟹を押しこんだ。

 

 

とたんに檸檬は倒れた。

大騒ぎになる合コン会場。

「お前な!なにしたか分かってるのか⁉」

 

どこかで聞いたことのある台詞が俺にぶつけられる。

「ハッ‼大袈裟なんだよアレルギーくらいで!なんだよ、バカしか居ないのかここには‼」

怒鳴られて気分が悪くなった俺はそう返答した。

 

「おい、救急車よべ、それと警察!」

………………は?警察?

 

 

 

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そこからの展開は早かった。

俺はあっという間に警察署に連れていかれてしまった。

事情聴取で俺は「俺は悪くない‼あいつが悪いんだ‼あいつが勝手に倒れたから‼」と弁解したが、

「君のやったことは完全に殺人未遂だ」と、はっきり言われてしまった。

 

俺と檸檬で示談にはなったが、結局俺は大学を去ることになり、さらには両親にも勘当されてしまった。

 

そして、現在に至る。

 

バイトをしてなんとか食いつないではいるが、それにも限界がある。

 

数日前、ついにマンションを追い出されてしまった。

 

最悪だ。

それもこれも全部あいつらのせいだ!

あいつらが勝手に倒れなければ!!!!

 

心のなかで絶叫する俺の目に、一枚のチラシが飛び込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【お恨み相談室 ☆あなたの恨みを晴らします☆】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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はい、お電話おおきに。

お恨み相談室の「渡辺弘之」です。

本日はどういったご相談でっしゃろか?

 

 

 

 

……はい、はい、ああ、そら大変辛いことでんなぁ……。

 

 

お気持ち、よう分かります。

 

で、恨みを晴らしたいちゅう相手は?

なるほど、「大島鞠香」に「草薙檸檬」。

二人とも女子大生……と。 

 

 

 

よっしゃ、わかりました。ほなメールで契約書を発送しますさかい、それにサインをお願いします。

 

……契約書にはしっかりと隅々まで目ぇ通しとくように。

 

 

 

 

ほな、失礼しますな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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俺は今バイト先のコンビニのテレビで衝撃のニュースを見ている。

 

【女子大生、海岸で発見される。殺人の可能性も】

 

 

「くくくっ」

 

思わず笑いが込み上げてくる。

 

被害者は「大島鞠香」と「草薙檸檬」。

これは噂だが、遺体はまるでトマトのようにパンパンに腫れ上がり、身元を確認するのに困難を極めたという。

 

 

 

 

ざまあみろ。俺をここまで追い込んだ天罰だ。

 

やはりお恨み相談室の力は本物だったのだ‼

おっと、誰かが店に来たようだ。

 

 

 

 

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「はーい、こんにちは。お恨み相談室職員の渡辺で~す」

 

「なっ……⁉」

 

レジに立つ俺の目の前には、大男が立っている。

フードつきのパーカーを着用しており、顔はよく見えない。

 

「……何をしに来やがった」

 

「何って、お迎えに上がったんよ」

渡辺と名乗るその男は小馬鹿にしたようにヒラヒラと手を降った。

 

「お迎え……?何の事だよ!!」

俺は声を荒げる。

 

「ん?お客さん、契約書をちゃんと読まへんかったんですか?

ちゃんと書いておうたやん?アレが

 

……契約書の一番隅っこに」

 

 

言葉を紡ぎつつ渡辺は契約書と書かれた紙を目の前に突きつけ、「ここ見てみ、ここ」と、指を指した。

 

「分かりにくうてすんまへん。

せやけどこれがうちらの仕事やさかい」

 

 

 

「あ、そうそう。あんたが復讐して欲しい言うたあの二人なんやけどなぁ、ほんまは死んでへんで。全部フェイクです。フェイク。

はなからあんたの依頼なんて聞く気はあらへんかったってこと」

 

「なっ……」

 

「だってあんたのそれ、完全に逆恨みやないですか。

逆恨みの依頼まで聞くほどうちのボスは寛容とちゃうんよ。

じゃ、行きましょーか」

 

 

 

 

男は青ざめる俺の首根っこをつかむと、夜の闇に消えていった。

 

 

 

 

 

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【契約書】

①契約者は復讐を途中で取り消すことはできない。

②契約者は相談室のやり方に文句をつけることはできない。

③相談室のご利用は一回のみ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

④復讐理由が逆恨みと判断された場合、契約者はペナルティを負う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「全く、まさかこんな依頼が届くとはな」

 

お恨み相談室の室長・西郷源太郎は困ったように頭を掻いた。

その目の前には渡辺弘之が立っている。

 

「まぁ、仕方ないんとちゃうんですか。アレルギーに理解がない上に、あまつさえ危害を加えようとするなんてゲスの極みですわ、ペナルティを負って当然!!ニヒヒ」

渡辺はケラケラと可笑しそうに笑う。

 

「まあ確かにそうだがな」

西郷も納得したようにうなずく。

しかしその顔はやけに苦々しそうだった。

 

「今回は理由が理由なだけに、気分が晴れないよ」

腕を組み、西郷は目の前の大男には聞こえないようにボソリと呟いた。

 

 

 

 

 

「お茶をお持ちしました」

 

相談室職員・華叶江がお盆に5人分紅茶とお茶菓子をのせて運んできた。

 

「いよっしゃ、でかしたでぇ叶江ちゃん!!」

渡辺が大喜びで叶江のもとに向かい、他三名の職員もあとに続く。

 

西郷もため息をつくと、休憩をとるべく席を離れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

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今俺はとても暗いところにいる。

どこなんだここは、狭くて苦しい。

 

それになにか生き物のうなり声も聞こえてくる。

 

俺の肩になにか鋭いものが触れる。

「それ」が巨大な生き物の牙か爪だと、瞬時に分かった。

 

 

いやだ。

たすけてくれ。

 

 

 

 

 

だれか、たすけてくれ。

しにたくない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     

 

 

 

 

 

 

 

 

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RRRR……

 

 

はい。こちらお恨み相談室です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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