ありふレコード ー いつかありふれていた魔王と異世界×魔法少女みたま☆マギカ 作:十二の子
1つ、ハジメパーティー、神浜魔法少女、見滝原魔法少女の3グループが一堂に会し、マチビト馬がとりついたヒュドラを迎え撃った!
2つ、香織やユエに続き、雫、優花もハジメへの恋心を自覚する!
そして3つ、いろはとまどかのドッペルのおかげもあって大迷宮の試練は突破されたが、それがなんであるかわからない魔法少女たちにはおおいに禍根を残した!
―*―
南雲ハジメは、あたりから包み込んでくるムニムニした感触で、目を覚ました。
そして、紅茶を飲みながら爆笑している八雲みたまを視界にとらえ、スッキリ覚醒した。
「いやあのちが…ってどういう状況だおい!?」
両脇で香織、ユエ、雫、優花がすーすー寝息を立てているー裸で。
「ふふ、最近の若い子は進んでるわねぇ…」
「だからんなわけねえっつうか同い年だって「ちゃんと責任取るのよぉ~お客さん来たから行くわぁ~」おいっ!」
―*―
「久しぶりかしら、人間の姿をした魔女。」
「だからいろはちゃんは魔女じゃねえぞ…」
「そうだよ!だっていろはちゃん悪いことなんかしないもん!」
「こーらこらマミちゃん、ももこ、かえでちゃん、調整屋さんは中立、戦うのは禁止よぉ。
それでどうして元の世界に戻れな」
「ごめんなさい、八雲みたま。
あなたを口止めするために、時間を止めさせてもらったわ。」
「…どうやらそのよおねぇ…戦えないし、困っちゃった。
…で、何のつもり?」
「心を読まれたら、私が、この世界にまどかを居残らせようとして仕組んだのがバレてしまうから。」
「あなたが?
…もしかして、魔女にさせないため?」
「心を読めると言うことは、そこまで知っているということなのね。
いいわ。あなたにはすべてを話す。」
「いいわよぉ直接見るからぁ~
…っ!?多すぎる!『瞬考』『至考』!」
「…わかったようね。
まもなくして、見滝原に超弩級の魔女『ワルプルギスの夜』が現れる。
そいつと戦えば、魔法少女になったまどかは魔女になり、その桁外れの魔法少女としての才能は、地球を滅ぼすほどの魔女へと転化される。
私は、まどかを魔女にしないために、何度も繰り返してきた。今回は魔法少女になってしまったからもうダメかと思ったけど、何の因果か、ワルプルギスから逃げきれて、しかも、魔女化しないかもしれないと来た。
私はエヒトでもなんでもとっちめて、まどかを救うためなら、この世界でも何度でも繰り返す。」
「なるほどねぇ~。
元の世界に戻るつもりはない、と。」
「そう。
私はこのまま、解放者の大迷宮を回るわ。そうすれば、まどかを永遠に魔女にしない方法が、見つかるかもしれない。」
「他の3人には元の世界に戻る方法探しだって説明するのねぇ~。
一つ、いいことを教えてあげる。
アレはドッペル。魔法少女にたまる穢れの映し身よぉ。だから、魔女にならないで済むわぁ~。
マギウスという魔法少女組織が、アレを神浜から全世界へ広げようとしていた。だけど、なぜかトータスの一部にもあるみたい。
どこまでがドッペルの有効範囲かはわからないから」
「要するに、マギウスから奪うか、神代魔法で同じものを創ればいいんでしょ?
やるわ。
私は、絶対に。」
「頑張ってねぇ~」
―*―
「いろは、このことは、私と鶴乃だけの秘密にしましょう。」
「えっ…やちよさん?」
「トータスの神様が実は戦争をゲームとしか思ってない最低最悪な奴、おまけにキュゥべえに願って得られるのと同じような強力な魔法が大迷宮クリアで手に入るのだと知られたら、神浜の魔法少女は、ただでさえグリーフシードの代わりになる魔石求めて来ているのに、この世界に入り浸るようになってしまう。
だけど、神様相手に正義の味方気取りで立ち向かえるほど私たちは強くない。現に、魔法少女だけだったらヒュドラに勝てなかった。」
「うんうん、悔しいけど、この世界のことはこの世界に呼ばれちゃった人たちに任せるのが一番だよね。」
「でも、やちよさん、鶴乃ちゃん…」
「ええ、わかってるわ。
あなたの妹さん、そして、オスカー・オルクスの手記に『ディフィカルトな試練を付け加えておいたからせいぜい頑張って欲しいワケ』なんて書き足していった『新たな解放者』を名乗る『マギウス』。
こっちは、私たちの問題よ。」
「ですね。
私たちも、ウワサを中心に、神浜から調べていきましょう。
まずはういの友達の灯花ちゃんとねむちゃんを捜して、ういのことを教えてもらわないと!」
「その意気だよいろはちゃん!」
―*―
オルクス大迷宮深層、「解放者の住処」。
とりあえず、4つの区画に区切られた。
生成魔法を覚えることができる、神と戦って世界を救おうとしたいにしえの解放者オスカーの部屋。
ハジメ、香織、ユエ、雫、優花の召喚組のスペース。
まどか、ほむら、マミ、さやかの見滝原組のスペース。
共用スペース(兼、みたまの調整屋)スペース。
ーもちろん、ハジメたち側の風紀の乱れがひどいからと、マミとユエが撃ち合った結果である(ユエの私怨から火ぶたは切られたが)。
ほむらが披露した銃火器のおかげで(なんとハープーンまであったのだ)、ハジメは生成・錬成を有効活用することができた。
まず、何と言っても、失われた片腕と片目を、義手義眼で補わなければならなかった(ウワサの魔力が極光に混じっていたせいか、魔法少女の力でも治しきれなかった)。
神に逆らった反逆者あらため、神から世界を解放しようとした解放者オスカーは手記を残しており、それは「ミラーズの向こうの世界のウワサ」が語るように、トータスがエヒト神のゲーム盤に過ぎないと言うことを教えてくれた。そしてそこには「新たな解放者マギウス」を名乗る者により、他の大迷宮の位置、そしてそれぞれの大迷宮にも神浜につながるウワサの結界を張ったり張らなかったりしたことが記されていた。
大迷宮を回り神代魔法を集めれば、神にも等しい魔法を得て、その中には地球に帰る方法もあるかもしれない。あるいはその過程で、ゲームキャラよりゲームプレイヤー側に近いと思われるマギウスにたどり着き、その力で地球に戻れるかもしれない。
かくて、彼ら彼女らは、残り6つの大迷宮を、神浜のいろはらと時に共闘しつつ攻略することとなった。
が、その前に。
ハジメはせっかく落ち着ける場所が見つかったので鍛錬したがったし、魔法少女側のほむらも、ワルプルギスの夜が見滝原を去り運命のくびきから逃れてから動き始めたかった。
両者の利害は一致したー唯一の誤算は、1か月はおろか2か月待とうとも、今まで何百回と繰り返してきてありえなかったことに、神浜の魔法少女から「見滝原は今日も何もなかったらしい」と伝えられ続けたことだろう。なんとしたことか、今回のループで、見滝原は無事だったのだ。
―*―
すっかり、打ち解けた見滝原組が、次なる大迷宮目指して旅立って数日後。
いよいよ強化も終わったハジメたちも、みたまが神浜中に「トータスでの場所を移動する」と伝達されたと確認し、旅立つことができるようになった。
オスカーの遺品からそれらしいものを見繕い、ハジメは黒コートに2丁拳銃のスタイル、香織、雫、優花はハジメに近いがズボンではなくミニスカートそしてユエは白コートに黒のドレススカート(もっとも女子の場合みたまに頼めば魔法でドレスチェンジできるのだが)。みたまも大東学院の制服はしまい、魔法少女の服ひとすじですごしていくことにしたらしい。
6人はいよいよ、住処の3階の魔法陣から、外へ脱出することにした。
「俺達の力は地上では異端だ。この奈落で手に入れた力も、俺が創った武器もな。聖教教会や各国が黙っていることはまずありえない。それに、マギウスもまだまだいらんちょっかいをかけてくるだろう。」
「うん。何があっても、私はハジメくんを支えるから。」
「武器やアーティファクト、その創り方を要求されたり、戦争への加担を強制されるかもしれない。」「ついでに、神浜の争いも持ち込まれてしまうわ。…私は、中立せざるを得ないけどぉ…」
「ん。大丈夫。」
「教会や国だけならまだしも、バックの神を自称する狂人どもや、解放者だって自分たちを勘違いしてる馬鹿、ひいては契約を迫る淫獣どもが来るかもしれない。」
「ハジメさんのためなら、すべて斬り伏せて、前に進むわ。」
「絶対に引けない、だよね。もう、おじけづいたりしないから!」
「ああ。負けることなんてありえない。
俺たち6人が力を合わせれば、世界最強だ。」
「きっと、これなら、どこまでも行けるわねぇ。」
「そう、だから降りかかる災厄やたくらみを全て破って、帰るぞ!」
魔法陣が、輝いたー
マギレコ風に言うならば「精神強化により、潜在アビリティ『生成魔法』を獲得しました」。
そしてタイトルでアートワークしてらっしゃるマギウスのやべーやつことアリナ・グレイが動き出します。