ありふレコード ー いつかありふれていた魔王と異世界×魔法少女みたま☆マギカ   作:十二の子

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 このレコードによれば、群馬県見滝原市で、普通の中学生鹿目まどか…私には、最低最悪の魔女にして世界の救済者、クリームヒルトとなる未来が待っていた。それを何度でも阻止して私を救おうとしてくれるほむらちゃん。

 一方で、全ての魔法少女を解放することを通して目的を達成しようとしているマギウスの魔法少女たちは、トータス世界を犠牲にする気満々で蠢動していく。その結果、トータスはカタストロフへと向かっていくの。

 それでも、私は信じてるーいつかさやかちゃんが「あるよ。奇跡も、魔法も、あるんだよ。」って言ってたことを。

 南雲ハジメ。

 環いろは。

 ーもう、あの世界では、絶望する必要なんてないはずだから。


幕間6 「絵筆にしてアゲル。感謝してヨネ。」

―*―

 

 アリナ・グレイは、誰もが天乃河光輝と南雲ハジメの言い争いに注目する中で中村恵理に近づいていって、耳打ちした。

 

 「アリナも、マギウスとして、もうあの勇者が用済みになったワケ。」

 

 「えっ、アリナさんが、マギウ」

 

 「キャットをかぶっても無駄なワケ。

 

 それよりも、アリナたちマギウスに協力してほしいんだケド。」

 

 「きょ、協力?」

 

 「アナタ、あのエセヒーロクンが欲しいんだヨネ?

 

 見返りに、あげちゃうワケ。その代わりに、アリナたちの目指す『解放』に協力してほしいワケ。」

 

 「か、解放って、なんなのさ…さっきの魔人族も言ってたけど。」

 

 「アリナは、この世界をキャンバスにアートを作りたい!だカラその邪魔をするやつはギルティなワケ!だから、この世界というアトリエを邪魔してくるやつはノーセンキュー!芸術は解放なワケ!

 

 アナタも、アリナとおんなじ目をしてるワケ。アナタのアートテーマは『愛』?『妄執』?それとも『独占』?なんにせよ、テーマがあるのはいいことだヨネ。」

 

 「な、何さ…僕に何をさせたいのさ。」

 

 「アッハハ、化けの皮をはがしてくれてうれしいワケ!

 

 アリナのアートのテーマは生と死!

 

 生の絶頂にある人間が死ぬまでの命の輝き、美しさ!

 

 だからこそ、最も輝いてる人の死の美しさを見てみたいワケ!

 

 帰る方法、未来への希望、そして愛する人!すべてを手に入れた者をアートワークにできたらと、考えるだけでもゾクゾクしちゃうヨネ!」

 

 「…キミ、狂ってるよ…」

 

 「誉め言葉なワケ。そもそもヒトが狂ってるかどうかなんてヒトそれぞれにしか判断できない。無意味だヨネ。だったらアリナは他人の評価なんか気にせず、思う存分アートするワケ。その結果勝手に酔いしれようが評価しようがけなそうがしったこっちゃないヨネ。」

 

 「わかった。

 

 僕も、光輝のまわりにいつもいたあのうるさいハエが死んだらどうかって考えたらゾクゾクするのも無理はないと思ったし。

 

 それで、何をすればいい?」

 

―*―

 

 「本物の白羽根さん、お久しぶりだねー。」

 

 「あなたたちマギウスはかつてなく面白い駒だと、我が主もお喜びです。」

 

 「あー、うん、ノイントさん、だっけ?そっちはそっちでいろいろ遊んでるんだったかにゃー?」

 

 「『神の使徒ノイント』とお呼びくださいマギウス。

 

 主は、マギウスがもたらす新秩序とイレギュラーがもたらす異常に、混沌の花を添えることをお望みです。」

 

 「くふっ、相変わらずキュゥべえに比べて人間味がある神様だよねー。ねむが面白がってたにゃー。

 

 でも、アルヴヘイト様がわたくしたちのキュゥべえからの解放、そしてわたくしとねむが宇宙に手を伸ばすことを手伝ってくれるのは素直にうれしいかにゃー。

 

 それに羽根たちの活動を後援してくれたり、わたくしがエヒト様にとってトラウマであろう『解放』の言葉を使わせてもらって、さらに間借りまでさせてもらってることには、感謝してもしきれない。」

 

 「謙虚な心でお仕えいただき、我が主もお喜びでございます。素晴らしい駒であるぞと。」

 

 「くふっ、お褒めいただき光栄。

 

 それで、せんせーさんを捕まえに行くのかにゃ?

 

 せっかくシスターっぽいんだから、バラまいてほしいウワサがあるんだけど」

 

 「いいでしょう。」

 

―*―

 

 「ふーん。僕の言う通りの経過をたどってるんだ。」

 

 「うん、あんまりねむの言った通りの言動だから、灯花ちゃん笑っちゃった。

 

 アリナはアリナで、選別の作業を肩代わりしてくれると連絡があったよ。これでだいたいの懸念は片付いたんじゃないかにゃー。」

 

 「むふっ、でも灯花はすぐ調子に乗るからね。

 

 それに最近、ミレディに似てきた。」

 

 「むー!ねむのいじわる!」

 

 「僕だって、いくら魂魄魔法で命の減りを補填できるとはいえ、負担はあるしストレスはたまるんだ。それに魔人族の羽根はいても魔法少女の羽根はいない。」

 

 「通信も盗聴されてないとは限らないからにゃー…」

 

 「むふっ、そういうこと。話し相手になってくれたまえ。」

 

 「仕方ないにゃー。わたくしも、わたくしたちと同じく迷宮を回る実力がある真の勇者さんたちの相手は緊張するしにゃー。」

 

 「おっと、それはそうと、例の想定外たちがアンカジにたどり着いたようだよ。」

 

 「りょーかい。神浜に戻ってベテランさんや最強さんたちの対処もしなきゃ…あっ」

 

 「どうしたんだい灯花?」

 

 「くふっ、灯花ちゃんてんさーい!」

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