ありふレコード ー いつかありふれていた魔王と異世界×魔法少女みたま☆マギカ   作:十二の子

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 ありふレコード 前回の3つの出来事!

 1つ、大樹迷宮の中で、一人で抱え込まないで頼ってほしいといういろはの宣言により鶴乃がウワサから解放された!

 2つ、3パーティーは合同で、大樹迷宮を制覇、昇華魔法ゲット!

 そして3つ、マギウスに与する巴マミにより、いろはがさらわれた!


21 パレス・フェントホープ

―*―

 

 |まさか、いろはが攫われるとは思わなかった。

 

 でも、行き先に心当たりはある。|

 

 「どこなの、教えてウワサちゃん!」

 

 |「パレス・フェントホープ」。|

 

 「『希望の残照』…どこにあるの、その宮殿は。」

 

 |場所は有名。英語のないこの世界にたまたまもとからフェントホープという地名だった建物は、1つしかない。|

 

 「…魔法少女たち、心して聞け。

 

 そこは、魔人族の本拠地、魔王城だ。」

 

―*―

 

 トータスでチームみかづき荘のリーダーであるいろはがマギウスに攫われたころ。

 

 西のボス七海やちよと、東のボス和泉十七夜が数日抜けている間に、神浜の勢力図は様変わりしていたー東の魔法少女に覚えのいい梓みふゆによる勧誘により、東である大東区や工匠区、あまり市民から神浜と思われていない北養区はほぼマギウスに陥落していた。そしてまた、西の水名、参京、新西、栄にすら、マギウスは侵食を始めている。

 

 やちよから神浜の押さえを任されていた十咎ももこはももこで、いろはたちが記憶キュレーターのウワサによって魔法少女の真相を知ったことで覚悟を決め水波レナと秋野かえでに真相を伝え心のケアに専念していた。また、マギウス外で最有力である中央区・南凪区北部のボス都ひなのも、求心力がいまいちでありマギウスの羽根たちが怪しい動きをしているのにまともに対応できていない。

 

 そんな中で、参京院教育学園に通う2つのチームー常盤ななか・夏目かこ、志神あきら、純美雨の4人と孤児院「つつじの家」で育った静海このは・遊佐葉月、三栗あやめの3人が、手を組んだ。

 

 ななかとこのはは、それぞれ独自に魔法少女の真実についても知り、だからこそ「魔法少女を呪縛から解放する」と唱えるマギウスを「願いをかなえるために魔法少女にする」と持ち掛けたキュゥべえと同質のものととらえていた。だからこそ仲間にもマギウスに従うなと言ってきたーが、もう限界だ。

 

 かくなる上は、事情を説明し、せめておひざ元のマギウスを参京区から叩き出す。1年前の東西対立で魔女を奪い合った歴史を知っていれば、神浜の全域を得体の知れない新興宗教染みた組織が牛耳るのは我慢ならない。

 

 説明役にばっちりなのはみたまだったが、トータスの血なまぐさい事情にそこまでかかわりたくないななかとこのはは、マギウス入りするか悩む大東団地の桑水せいか・相野みと・伊吹れいらを巻き込み、やっと立ち直ったももこたち、そして「1年前のように強力な組織によって南の魔法少女のテリトリーが侵されるのではないか」と悩む都ひなのに協力を求めた。

 

 かくて、主無き神浜ミレナ座で合同説明会が行われる運びとなった。

 

 マギウスに属さない魔法少女たちは、「ソウルジェムこそが自分たちの魂である」「穢れがたまれば魔女になる」と聞かされ、泣き崩れたり、気丈に強がったりした。

 

 そしてまた、「みたまが連れ去られた世界『トータス』は、マギウスが何かたくらみをしている場所でもある」「マギウスは神浜、そしてトータス全域で『魔法少女の穢れを浄化するシステム』を構築し、それをおそらく全世界へ広げようとしている」と聞き、涙をぬぐった。

 

 「ですが、マギウスが善玉と断じることは、私にはできません。」

 

 「隠し事の多い相手を信用するのは、もうこりごりです。」

 

 「そうだな。マギウスのしていることは科学的にもハイリスクハイリターンだ…異世界に手を出すだなんて無謀過ぎる。」

 

 「あたしは、どうしろとは言わないさ。ただ、自分で考えてほしい。それに、マギウスは魔法少女の解放って言ってるわりには神代魔法だの大迷宮だのをいじくって挙句の果てには魔人族に協力してたことは忘れないでほしい。」

 

 「マギウスも、結局私たちの味方じゃないってことね…

 

 …私は、みたまさんがどう考えているのか気になるわ。」

 

 「おい、せいかさん、それは無理じゃないか?みたまは中立の調整屋だぞ?」

 

 「みと、『心をつなぐ』固有魔法でみたまさんの心を読めると思う?」

 

 「うーん…無理だと思う。だってみたまさん、私の固有魔法を知ってるし、それに心を読めないことないこともないけど、『魂魄魔法』って言うので守られたら…」

 

 「しかし、桑水さんの意見も一理あります。トータスの中心人物である南雲ハジメと最も近い魔法少女であり、中立という立場であらゆる魔法少女を見てきた調整屋…その判断は大きいヒントとなるでしょう。」

 

 「この場の魔法少女の固有魔法を重ねて不意打ちしたら、心を読めないカ?」「みゃこ先輩、いっそ魂魄魔法ってのを今からトータスで取ってくるとか?」

 

 「…あの、皆さん、そもそも、そういうやり方は不誠実では…」

 

 そう発言した夏目かこに、一同の注目が集まる。

 

 その時、ミレナ座の扉が開いた。

 

 「あたしも同意だ。他人の心を魔法でどうにかしようなんて必ずしっぺ返しが来るぞ。」

 

 リンゴをかじるその少女がただ物ではないと見抜き、ななかとこのはとももことひなのがそれぞれ武器を手に取る。

 

 「あなたは誰ですか?」

 

 「あたしは佐倉杏子。風見野市の魔法少女で、まあ、元黒羽根ってやつだ。スパイだったけどな。」

 

 「そのスパイが、なんの報告だ?」

 

 「いや?ただあたしは、あんな組織に潜入するのはもうこりごりだって話。

 

 アンタらも気を付けなよ?マギウスが人間族の敵と手を組んだ意味、そして、ウワサで2人もの魔法少女を操ったこと。

 

 みふゆって奴が教えてくれた。マギウスは、もしトータスでの策がうまく行かなかったらミラーズの魔女を排除して連絡を絶ち、神浜で魔女とウワサを育てるつもりだった。トータスに固執するのはただ単に、トータスでウワサを使ったほうが高い魔力が得られるからなんだと。」

 

 「魔女を、育てる…?」

 

 「それって、たくさんの人を餌にするってことだよね、ももこちゃん!」

 

 「…しかも、魔女狩りしなくちゃいけないあたしらと対立する気満々だぞ…」

 

 「確かに、一般人も魔力を持ち空間にすら魔力溢れるトータスのほうが魔力は集まるかも知れませんが…」

 

 「その魔力で、何をするつもりなんだ?」

 

 「さあ?『エンブリオ・イヴ』とやらを育てるらしいぞ。でっかい魔女だとさ。」

 

 「正気なの?そいつら。魔法少女と世界を救うためにたくさんの人と魔法少女を犠牲に巨大魔女を育てよう、要はそう言うことでしょ?」

 

 「あたしは今からウワサを着せられたマミを助けに行く。これでも不詳の弟子だからな。

 

 あんたらも来るかい?」

 

 全員、等しくうなずいた。

 

―*―

 

 ちょうどトータス、フェアベルゲンでは。

 

 やちよ、十七夜は、いろは、さらにさなまで消えた事態に対し、パレス・フェントホープこと魔王城への単独侵攻を決めた。

 

 マギウスの本拠地へ突入して2人が魔女の餌になる前に助け出す。

 

 一方でハジメたちと見滝原組は急ぎ氷雪洞窟へ飛び、神代魔法をコンプリート、概念魔法を得て合流し、マギウスのたくらみを打ち砕いて元の世界へ帰還する。

 

 マギウスが直接危害を加えてくるーゲームプレイヤーではなくゲームキャラとして介入してきたことで、次なる被害で状況が混迷する前に大本を叩くことになったのだ。

 

 そこへ、手鏡の中から、神浜魔法少女が大勢あふれ出してきたのであった。

 

 「「「「「みたまさん、マギウスをどう思う?」」」」」

 

―*―

 

 マギウスをどう思うか…ねぇ~…

 

 「私は、中立よぉ。意見とは関係なしに、対価があればグリーフシードや魔石を売ったことだってあるわぁ~?」

 

 だから、どちらかに肩入れする発言は、できない。

 

 「おい調整屋。」

 

 「なぁにももこ?」

 

 「それを重々承知で、あたしは、調整屋が何を考えているのか聞きたいんだ。」

 

 「ダ、メ、よ。」

 

 「…聞いたよ。マギウスが、この世界でうまく行かなかったら神浜を犠牲にするつもりだったって。

 

 調整屋は、神浜がどうなっても良かったのか?

 

 あたしらがどうなっても、良かったのか?」

 

 それは…

 

 …香織ちゃん?どうしたの?

 

 「みたまちゃん、みたまちゃんが神浜に複雑な気持ちなのは聞いてるし、魔法少女の事情に首を突っ込むなって怒るかもしれない。

 

 だけど、みたまちゃんにとって、イヤな気持ちって、好きな気持ちよりも重いの?

 

 魔法少女の皆も、私やハジメくんたちも大事な人、じゃないのかな?かな?」

 

 …みんなを危険にさらし続けても、先生の言いつけを守るべきかどうか、ねぇ…

 

 「それでも、私は、誰かに肩入れしたり、誰かを救ったりしていいような願いはしていないわ。」

 

 「なあみたま。

 

 奈落から出てきた時に、言ったよな?

 

 俺たち6人で、世界最強、なんだって超えられる。

 

 呪いが、過去の願いが、運命が、何だって言うんだ?」

 

 …これは、一本取られたわ。

 

 「そうねぇ…

 

 私は、マギウスを良くは思えない。

 

 必要があればマギウスは魔法少女も一般人も犠牲にするし、魔法少女の解放だってマギウスにとっては副産物でしかない。

 

 堂々と危険なウワサをバラまき、堂々と人間族の天敵である魔人族と結び、堂々と戦争のために手下を送り込んでくる。そんなの…

 

 …確かにその解放で私は救われたかもしれない。だけど。

 

 いろはちゃんもさなちゃんもマミちゃんも鶴乃ちゃんも、みんなも、大事な調整屋さんのお客さんだから、それを人柱にするようなやり方は許せない。

 

 力を、貸してくれるかしらぁ~?」

 

 今でも、神浜を恨んでいる。

 

 それでも、私は、失いたくないのよねぇ…誰ひとり。

 

 「任せろ、調整屋。」「八雲、そう言ってくれるのを、この和泉十七夜、待っていたぞ。」

 

 ふふ。

 

―*―

 

 魔王城こと「パレス・フェントホープ」。

 

 変成魔法を手に入れれば概念魔法にたどり着ける八雲みたまを除くすべての神浜の魔法少女が、そこへと集結していた。

 

 かたや、魔人族に肩入れするマギウスの白羽根、黒羽根。

 

 かたや、人間族に肩入れする、やちよ・十七夜・ひなの連合。

 

 そびえたつ魔王城を背景に、王都大乱の仕返しが始まった。

 

 羽根の衣装を着ているのは魔法少女だけでなくすべての耳の尖った魔人族もであり、そして黒羽根が魔人族の一般兵よりも上の立場にいるらしい。それはつまり、「魔人族がマギウスと協力している」のではなく、「魔人族をマギウスが支配している」のだと教えてくれる。

 

 魔人族たちは最初は優勢だった。しかしマギウスからフリーでテレポートの仕事を請け負ったことがある魔法少女保澄雫が次々と魔法少女をフェントホープ至近へ転移させていくにつれ、いくら国民皆兵の魔人族の都と言えど劣勢になっていった。

 

 「何をチンタラしてるワケ?アナタたちはせっかく魔物を使役できるんだカラ、さっさと排除すればいいヨネ。

 

 あ、ただ、ソウルジェムだけは無傷で回収してほしいワケ。イヴの餌にするカラ。」

 

 「しかしアリナ様、ここは我ら魔人族の都、魔物を暴れさせるわけには…」

 

 「フリード、アリナはアナタの泣き言なんか求めてないんですケド。

 

 それとも、せっかくエヒトから世界を解放してアルヴ様に捧げる絶好のチャンスだって言うのに、アナタは数千数万の犠牲を嫌がるワケ?それってとってもナンセンスだヨネ。

 

 しょせん、アナタたちの信仰と解放は、血塗られた焦土の上にしか成り立たないワケ。これが戦争という喜劇だと分かっているのなら、四の五の言わずにアリナたちマギウスに従うべきだと思うんですケド。」

 

 「…はっ」

 

 まもなくして、魔都のあちこちに、灰竜をはじめとする魔物の群れが出現した。

 

 フェントホープ方向へ進撃する魔法少女を倒さんと、ブレスは大通りを焼いていくーついでに巻き添えになる抗戦中の魔人族に配慮は払われない。

 

 それでもなお、煙満たす中で、やちよの三叉槍が、十七夜のムチが、ひなののフラスコが炎を拓いて路を作り、鶴乃の扇子、ななかの刀、ももこのナタ、このはのなぎなたが舞う。

 

 せいかがどこからか引っ張ってきた水で消火し、かえでが植物のツルを生やして魔人族を押さえつける。

 

 一人も死者を出すわけにはいかない。犠牲者が出た瞬間に、ウワサや魔女を使いいけにえ作戦をするマギウスのことを否定できなくなる。

 

 ーもし魔都に侵攻したのが南雲ハジメであれば、殺戮を繰り広げることになったかもしれない。それは「殺意を向けて来る者に払う慈悲はない」という奈落での価値観であり、そしてまた「自分と大切な人の命は失われやすくそれ故にどれほどの他人の犠牲を払っても守らなければいけないほど尊い」という命の大切さの悟りでもある。

 

 しかし、ここにいるのは、大小の願いをかなえるために命を代価とした魔法少女たち。

 

 「命の輝き、その重みは、時には万象を揺らがす。だからこそ、宇宙にも等しい重さのそれを軽々しく奪うわけにはいかない」と、そう、もちろん言葉にできるわけではないけれどー

 

 ーとにかく、生と死がとなりあわせに「ソウルジェム」というカタチで目に見えるとあっては、他人の命を奪うことにも慎重になった。

 

 彼女たちが本気を出せば魔都は陥落したかもしれないが、そうはならず、魔法少女たちは一塊になって大通りをパレス・フェントホープへと進撃していった。

 

 大通りの両側では、建物に黒羽根の魔法少女や魔人族がもたれかかり、肩で息をしている。彼女ら彼らに魔法少女連合を止める勢いはない。

 

 そして、そびえたつパレス・フェントホープの門が開いた。

 

 「みふゆ…」

 

―*―

 

 パレス・フェントホープ内部では。

 

 何度も回収され利用されてきた洗脳用ウワサ「フラワースピーカーのウワサ」が、市街へ向いたテラスに置かれていた。

 

 魔法少女や魔人族を洗脳で狂化状態にして、それによって、魔法少女連合の進撃を押しとどめるーそんな作戦をマギウスは立てていたのだ。

 

 「…もう、たくさんです。」

 

 ピ、ザー?

 

 「ワタシはずっと、ただ、普通の女性として幸せが欲しかっただけなのに。

 

 あんまりすぎます…

 

 洗脳して、ウワサを憑りつかせて…その上今度は人間族との戦争も辞さないつもりだなんて…」

 

 ピガッ!?

 

 「さすがに、ついていけません…

 

 やっちゃん…」

 

 ガッ、ザー!!!

 

 つぶやきとともに振り下ろされたチャクラムは、フラワースピーカーのウワサを両断した。

 

 ウワサが、崩れていく。

 

 「急がなければ、追手が来る前にいろはさんを逃がさなければ…!」

 

―*―

 

 地下牢では。

 

 「観鳥さんから全黒羽根!

 

 フェントホープ正門前に集合して、時間を稼いでくれ!そうしたらマギウスの3人とフリードが挟み撃ちにしてくれる!」

 

 白羽根からの連絡を受けて、黒羽根たちが去っていく。

 

 そんな中で、地下牢に独り残る黒羽根がいた。

 

 ポツンと、地下牢に置き去りにされたいろはを見つけ。

 

 「いろはさん、大丈夫、ですか?」

 

 「さなちゃん!?」

 

 「えへへ、ついてきちゃいました…

 

 …いろはさん、抜け出せそうですか?」

 

 「ううん、ソウルジェムを羽根の魔法少女にとられちゃったの…」

 

 それでは変身できない。

 

 「なら、私がいろはさんを助けます…えい!」

 

 ガンッ!と音がして格子が曲がる。

 

 ーアラもう聞いた?誰から聞いた?

 

 働きグマのそのウワサ

 

 色んなモノの修理から侵入者の排除まで、雑務があれば何でもオマカセ!

 

 ポトリと落ちた生首姿は、知識も経験も熟した証拠で、お城で古参のアカシ!

 

 何かあったら揚々として、パパッと姿を現すけれど

 

 仕事の奪い合いが始まっちゃうって、羽根たちの間ではもっぱらのウワサ

 

 ギブミーワーク!ー

 

 いろはとさなを結界が包み、そして、2人の前に、クマのぬいぐるみの生首に根っこが生えたような姿のウワサが現れた。

 

 「ど、どうしよう、私、戦えないよ…」

 

 「私も、守りながらは…」

 

 さなは盾を構えて「働きグマのウワサ」のジャンピング突進から自分といろはを守ったが、それが精いっぱいだった。

 

―*―

 

 「ねむ、どーしよー。」

 

 「頼みの綱のフラワースピーカーも壊されてしまったからね。

 

 まあ、魔法少女の数十、僕の『女王グマのウワサ』で止められるよ。その間に僕らはじっくり、勇者たちが概念魔法を獲得するのを待てばいい。」

 

 「それなんだけど灯花、ねむ、少し問題があるワケ。」

 

 「なにかにゃー?」

 

 「あのエセヒーロー君が、氷雪洞窟に挑戦しようとしてるんですケド。」

 

 「なるほどそれは困ったね。」

 

 「勇者は一人でいいし、南雲ハジメが概念魔法を手に入れるのを邪魔するとすこぶる迷惑だにゃー…」

 

 「アリナ的にも、あの勇者には思うところあるんだヨネ。例えば、思い切り対立軸をぶつけてみたら面白そうなワケ。」

 

 「なるほど、巴マミをぶつけるんだね。それは確かに面白そうだ。」

 

 「ウワサで強化した今なら、各ステータス50万くらいなら余裕で太刀打ちできるし、今さら何を考えてわたくしたちの邪魔をしに来たのか、過去の人とは言え気にならないでもないにゃー。」

 

 「じゃあ行かせて来るワケ。」

 

―*―

 

 スパッと働きグマのウワサを断ち切ったのは、みふゆだった。

 

 「いろはさん、あなたのソウルジェムが持ち去られた場所を、ワタシは知っています。

 

 …今さら信用してくださいなんて、虫がいい話ですが…」

 

 「いいえ、私、みふゆさんのことを信じます。

 

 だって、やちよさんと同じで、みふゆさんも、魔法少女の皆のために行動してるんだってわかるから!」

 

 「ありがとうございます。急ぎましょう。

 

 ソウルジェムから100メートル離れると動けなくなります。その前に!」

 

―*―

 

 「一夜明けたし、そろそろ変成魔法を手に入れててもおかしくないワケ。」

 

 「くふっ、そーだねー。そしたら、そろそろ招待してもいいころかにゃー。」

 

 「むふっ、一日中外で粘ってくれている魔法少女たちもねぎらってもいいかもしれないね。」

 

 「そーゆーわけだからノイント?そろそろ出番だにゃー!」

 

 「はい、我が主エヒト様も、ことのほかお喜びです。

 

 それでは、行ってまいりましょう。」

 

 「くふっ…

 

 …アルヴヘイト、もうすぐ、エヒトに勝てるよ?」

 

 「むふっ、そうしたら、貸しを取り立てて、この宇宙を僕の原稿にできるね。」

 

 「アリナも、いよいよこの世界をアトリエに、サイッコーーーーーーのアートワークを創れるワケ。」

 

 「わたくしも、エヒトを倒したら、アルヴヘイトの権能でありとあらゆる世界のすべてを知ることができるのにゃー。」

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