威風堂々とした背が完全に見えなくなった後も、私を含む艦娘たちはしばらく動けずにいた。
やっと動けるようになった頃、食の一切を任された間宮と伊良湖はいつでも動けるようにとすぐさま食堂へ向かって講堂を出ていく。それに追随するように、潜水艦たちも出て行った。
少しばかり気を持ち直したように見えたが、大丈夫だろうか。
他の艦娘はと言えば、仕事を任されたものの、あまりの衝撃的な一幕にぽかんとしている者ばかり。
駆逐艦に至ってはそれが顕著であり、一部は涙ぐんでいる者もいる。
「っ……す、すごい所に来ちゃった……大丈夫かな……」
「きっと大丈夫なのです、暁ちゃん! あの司令官さんなら、きっと――」
「はらしょー……実にはらしょーな司令官だ……」
「雷たちの新しい司令官なんだもの、あれくらいじゃなきゃ困るわ!」
駆逐艦の中でも、第六駆逐隊とその周りはきゃっきゃと騒いでおり、何とも微笑ましい。
しかし、提督の監視を公認されてしまった戦艦や重巡、練度を試されようとしている空母は微笑ましい空気とは行くわけも無く――。
「まだ、認めたわけではない……私は……ッ」
下を向いて拳を握りしめ、地面に声を落とす長門を遠巻きに見ている私。
そんな長門に恐れず歩み寄って行くのは、高速戦艦の金剛型四人だった。
「ヘイ長門。カームダウンするネ。提督も何か考えがあって長門にジョブを任せたに違いないネ」
背後から声を掛けられても噛みついていかない辺り、長門の怒りはどうにか理性におさえられているみたいだった。
遠目でも分かる程に練度が高い――それなのに、どうしてここに来てしまったのだろうか。
「お姉さまの言う通りだわ長門さん。もしも前のような事があれば……私たち四姉妹で提督を止めます」
「そうですよ長門さん! 比叡も、気合、入れて、止めます!」
「榛名もです!」
比叡、霧島、榛名、そして金剛――高速戦艦の四人とビッグセブンの片割れが揃っているというだけでこちらにまで闘気が伝わってきそうなのに、そのすぐ近くには扶桑型の二人までいるときたものだ。
扶桑、山城の二人は燃えるような闘気ではないものの、仄暗い雰囲気を背負ったまま、提督の出て行った扉を見つめて話している。
「あぁ、提督……あなたは、まるで曇天のよう……私たちと、同じ……」
「今にも落ちてきそうな、暗い、暗い空……扶桑姉さま、あの提督は私たちの不幸に耐えられるのでしょうか……」
「分からないわ……それでも、欠陥戦艦の私たちに仕事をくださったんだもの……提督を、監視しても良いという……ふふ、ふふふ……」
提督に護衛を付けた方が良い気がしてきた。後で提案しておこう。
他の様子はどうだろうか、と視線を滑らせれば――やはり、空母に視線がいってしまう。
あの提督に対して真っ向から啖呵を切った龍驤を中心にして、話し合いをしているようだった。
私の足は自然とそちらに動き、一言挨拶をしてから話に参加してみようと試みる。
「――改めまして、龍驤さん。軽巡の大淀です」
「あん? あぁ、なんや、提督を迎えに行っとった子ぉか。よろしゅう」
関西弁であるだけでなく、語気まで強いものだから委縮しかけてしまう。
しかし、参加しないわけにはいかなかった。
空母勢は提督に遠回しに力量を見せろと言われた艦種だ。
それは同時に、今後の運用の多さにも関わってくる事柄であることは、少し考えれば分かる。力が無ければ使うことはしない、なんて提督はおっしゃらないだろうが、それでも古参の多い空母たちからすれば喧嘩を売られたも同然。気が立ってしまうのも仕方がない。
「あの、空母の皆さんから見て、提督は――」
単刀直入に、簡潔に。私は提督のように頭が切れるわけじゃない。
艦隊司令部としての経験はあるが、私のそれと提督とでは、レベルが違う。
私の問いに、龍驤はこう言った。
「バケモン。以上や」
「龍ちゃん、流石に失礼よ」
鳳翔に咎められるも、龍驤の言葉は止まることなく続けられる。
「うちらははっきり言ってこん鎮守府の中以外で見ても古参や。そりゃあの提督も知っとるはずやけど、それを相手に喧嘩を売る神経が分からん」
それは、まぁ……と同意しかけてしまう。
「うちと同じ《龍驤》は、探したらどこの鎮守府にもおるやろが……うちはな、深海棲艦っちゅう深海魚どもがこの世に現れたんと同じ時期に目ぇが覚めた艦娘や。それにおもろい事に、ここにもいくらか顔見知りがおるときたもんや――なぁ、特型ァッ!」
龍驤さんが大声を上げる。
「ひゃいぃっ!? あ、なっ……龍驤さん! いきなり大声出さないでくださいよぉ!」
悲鳴が聞こえた方へ顔を向ければ、そこには駆逐艦が一人。
特型駆逐艦一番艦――吹雪。
彼女は多くの妹分を抱える特型駆逐艦の祖であり、艦隊型駆逐艦のベースというまさに長女と呼ぶにふさわしい艦娘だ。各鎮守府にも同型が多く存在していると思うのだが、まさか、ここにいるのが初期型だったとは――
「おう特型、ちっとこっち来てんか」
「何ですか龍驤さん。もしかして、司令官に焚きつけられたからって反乱なんて起こしたりしないですよね?」
「んな事するわけ無いやろ! っち、最初ん頃は可愛げあったんに、いつのまに生意気になってもうたんや……」
「何年前の話ですかそれ」
――吹雪と言えば、悪くいってしまえばドジな艦娘という妙な固定観念があったのだが……私の目の前にいる吹雪はドジどころか、古強者である龍驤さんと対等に向かい合う、戦友という雰囲気があった。
「あ、あのぉ? 初期型のお二人が、どうして柱島に……?」
私が疑問を投げれば、答えてくれたのは鳳翔であった。
「一応、私も初期型ですよ。端的に言ってしまえば……私や龍ちゃ――いえ、龍驤さん、吹雪さんは《型落ち》だとされたんです」
「型落ちって……」
「難しい話やないで。強くて高性能な艦娘がおったらそっちを使いたい、古い方はもういらんっちゅうだけの話やったんやろ。鳳翔は速力が遅い、うちは艦載機のベースが古い上にスロットも偏っとる。吹雪は……まぁ、うん」
「……?」
尻切れトンボになってしまった言葉に首を傾げていると、吹雪さんが苦笑いしながら答えた。
「前の司令官に、乱暴されちゃいまして。抵抗したら、ここに」
「あっ――そ、それは、あの、吹雪さん、ごめんなさ――」
慌てて頭を下げた私だったが、吹雪は私の肩を持って止め、首を横に振った。
「気にしないでください。〝そういう事をする〟艦娘だっていますし、私は嫌だなって断っただけの話ですから。仕事が無くならないで済んだのは、良かったですけどね」
えへへ、と笑う彼女。
この鎮守府に集められた艦娘は、私が思っているよりもはるかに重たい過去を持っているようだ。
あわよくば艦隊の士気を上げる一助となれたらと考えていた私が愚かしい。上げるどころか、こうも簡単に地雷を踏み抜いてしまうとは。
いや、少し考えれば分かったはずだ。あぶれた大勢の艦娘が集まる鎮守府なのだから、誰しもが暗い何かを抱えている。私は慎重になるべきだったのだ。
私の失態が提督に繋がってしまわないように、と自身の思惑を弁明すべく口を開こうとするが、それを見た龍驤さんに止められる。
「ええんや大淀。昔に何があったかなんちゅうのを話すのは今でも後でも変わらん。それより問題はあの提督やで」
「問題、というのは……その……?」
「分からんか? 聞いてると思っとったんやけどなぁ……ほれ、この鎮守府にある備品やらなにやら、運んだんはどこの誰やと思う?」
「あっ、それは……!」
少し前に夕立と一緒になって召集に回っていた時聞いたのを思い出す。
この鎮守府にある備品は全て、憲兵が持ってきた、と。
「憲兵が持ってきたん、ですよね……? 夕立さんから聞いたんですけれど、それ、私も気になってて――」
「そや。元々は大将やったっちゅうても独立部隊の憲兵がわざわざ動くかぁ? ありえへん。あったらアカンこっちゃ。それこそ、動かすなら海でも陸でも
空母の皆も同じように思っていたらしく、うんうん、と頷いている。
私も、吹雪も頷いてしまう。
あの提督には謎が多すぎる。経歴然り、失踪中の事も然り。
そうだ、と私は龍驤さん達に資料で見た提督のことについて聞いてみた。
「皆さんは提督の記録をご覧になりましたか? その、艦隊指揮から離れている間のこと、とか」
言葉を濁して言うと、鳳翔が首を縦に振った。
「えぇ、ある程度、ですが。提督は恐らく司令部――大本営と確執があるのでしょう。邪推に過ぎませんが、どうにも内部抗争があるような気がしてなりません。本来ならば軍法会議にかけられ、脱走兵とされるべき事柄です。それが内々に処理されているだけではなく、新たな鎮守府を任されるなど……」
「です、よねぇ……」
歴戦の空母は伊達ではない。私と同じ疑問にぶつかっている。
過去の話とは言え前線を張っていた艦娘である鳳翔でさえ疑問に思っているなら、私たちと同じように考えている艦娘はこの中にまだまだいるだろう。
「なになに? 何のお話っぽい?」
「わっ、ゆ、夕立さん……!」
ひょっこりと私の後ろから顔を出した夕立に驚いていると、召集の時に話した名残があるような表情をしながら、赤城が「お疲れ様、夕立さん」と微笑んだ。
「赤城さんもお疲れ様っぽい! 来てくれて良かったぁ……どう? どうだった? 提督さん、悪い人じゃないっぽいでしょ?」
「えぇ。夕立さんの言う通り……優しい人でした」
優しい人、という所に妙な力が入っているあたり、やはり提督に焚きつけられた空母の一人なのだと胸中で頭を抱えてしまう。
確かに提督の人心掌握の術は素晴らしいものだ。だがどうして、こう、極端に火をつけてしまったのか……提督のお考えは分からない……。
「駆逐の。自分、大淀と最初に提督に会った子ぉか?」
「私は夕立だよ! 提督が来るまでに哨戒するようにって言われてて、そこで大淀さんと提督さんに会ったっぽい!」
「ん、あぁ、夕立、夕立な……。ほんで、夕立。提督と会った時、どないやった?」
「んー……えっと……」
夕立は唸りながらしばし上を向いていたが、数秒もすると頬を染めて下を向く。
そして、自分で頭を撫でるような仕草を見せてから、ぽつりと言った。
「一緒に帰ろうって、言ってくれたっぽい。それで……その、頭、撫でてくれて……えへへ……」
「……なんや、そうなんか」
意外そうな顔をする龍驤。
駆逐艦はずるい。
「ただのバケモンでも無いっちゅうことか……んでも、分からん事だらけやな……憲兵が動くほどの重鎮で、うちら古参を前にしても動じんどころか喧嘩売るくらい肝も据わっとる……あー、アカン! 考えても分からんもんは分からんわ! 鳳翔、飯いこ、飯!」
頭をがりがりとかきむしった後、龍驤さんの「行くで」の一声で空母が全員動き出す。
ぞろぞろと講堂を出て行く空母に続き、立ち話も終わった様子の戦艦や重巡も同じようにして出て行き、駆逐もそれに続く。
最後に残ったのは、私と夕立だけ。
「……改めて、すごい場所に配属になってしまいましたね」
と私が言うと、夕立は「っぽい……」と苦笑い。
しかし何故だか、不安よりも期待の方が大きかった。
「素晴らしい場所、という意味でありましょうか」
背後からの声に、私と夕立は咄嗟に身構え、振り返る。
「おぉっと……海軍は喧嘩っ早いとは本当でありますなぁ」
そこにいたのは――私の知らない艦娘だった。
夕立も知らない。何せ、私たちは《彼女を迎えに行っていない》のだから。
黒い制服に、黒い制帽。対照的に真っ白な肌が浮いて見える、不思議な少女。
私は脳内に眠る無数の知識をひっかきまわし、彼女の名を探り、口を開く。
「寮にはいなかったはずですが――あきつ丸さん」
「それはそうでありましょう。自分は少佐殿の演説中にやっとここに到着しましたので」
「遅れて着任したと……?」
「えぇ、全く、海軍は内輪もめの多いこと……少佐殿の気苦労も絶えないでしょうな」
いつから……否、一体、どこから……。
彼女から漂う不穏な空気に、自然と夕立を庇うようにして前に出た。
すると、あきつ丸は両手を胸の高さまで上げてニヤリと笑って見せる。
「敵意はありませんので、ご心配なさらず。陸軍所属とは言え、自分も艦娘であります。大淀殿や夕立殿の仲間でありますよ」
「大淀さん……この人……」
「夕立さんはそのまま後ろに」
「……登場が悪かったでありますね。本当に敵意は無いのでありますが」
怯える夕立の前に立ち続けたままの私の目には、あきつ丸が洩らす言葉のように反省している様子は窺えず。
しかし、彼女から発せられた次の話によって、状況は一変する。
「自分はその陸軍が扱えないからと海軍に押し付けられ、その後は様々な鎮守府を転々と……ま、所属の艦娘らと似たり寄ったりの境遇というわけでありますよ。違いと言えば――元帥閣下に一度引き取られた事でありましょうが」
「っ、元帥……!?」
目を剥く私に、あきつ丸はくつくつと笑って両手を下げる。
それから、右手の人差し指で制帽をくっと押し上げて言った。
「大淀殿や龍驤殿、鳳翔殿が話しておられたことですが――おおよそ、相違ありません。一つお教え出来るのは……少佐殿の今後について」
「少佐殿は直近にある呉鎮守府提督の《山元》という大佐に睨まれております。これも大淀殿ならば予想していらっしゃったでしょうが、彼は艦娘反対派の一人……よく言う事を聞くようにしつけた手駒をもって、我らが鎮守府へ挨拶に来るでしょう」
「それって……」
「なぁに、問題ありますまい。一時とは言え元帥閣下の膝元にいた自分でさえ、少佐殿がいかな手腕を持っているかなど知りません。ただ……」
あきつ丸は一拍おいて、私たち以外いなくなった伽藍洞の講堂を見回す。
「……元帥閣下がこう、言っていたのであります」
「彼の傍にいれば安心だろう、と」
* * *
講堂を出て、休む前に食事を、と食堂へ顔を出すため歩いている間も、私は混乱していた。
「元帥閣下が、提督を直々に指名して艦娘を送り込んだ……? と、すれば、元帥と提督は知り合い……いや、違う、知り合いだからと言って簡単に艦娘を送り込むなんて、艦娘反対派の存在を知っているであろう元帥閣下が、そんな安直なことをするわけが……」
「お、大淀さん、全部口に出てるっぽい……」
「っは……!? す、すみません、つい……」
黙って考え事をしているつもりが……。
あれから、あきつ丸は提督に挨拶へ行くと言って執務室へ向かって行った。提督の身を案ずるならば一緒に行くべきなのだが、あきつ丸が最後に「自分を救ってくれるやもしれない少佐殿に危害を? 海軍は短絡的でありますねぇ?」と煽り倒してくれたので、行かなかった。
そこを押して行くべきだったのだと言われたらそれまでだが、煽られたことを抜きにしても、提督が誰かにやられる、なんてイメージが浮かばなかったのが本当のところである。
提督を信頼して、行かせたのだ。
「考え事ばかりしても仕方がないですね。今日は休めと提督もおっしゃってたことですし、私たちもご飯を食べたらゆっくりしましょう、夕立さん」
「っぽい!」
食堂に到着すれば、中からがやがやと喧噪が聞こえる。
恐らく、艦娘たちが食事をしているのだろう。
私たちもさっさと食べてしまおうと扉を開けば――
「おぉ、遅かったな。先にいただいてるぞ」
「てっ、提督!」
「提督さん!」
そこには何故か潜水艦たちに囲まれて食事をしている提督の姿があった。
完全に人間不信に陥っていた潜水艦たちはニコニコと提督の傍で定食らしきものを食べており――周囲から完全に浮いている。特に、戦艦や重巡、空母たちから呆れた目で見られていたのだった。
「間宮たちは凄いな。この食事を一瞬で用意したんだ。大淀も夕立も早く来い、美味いぞ」
「え、あっ、あの、はぁ……」
分からない。今、私の目の前で何が起こっているんだ……?
「てーとく! ゴーヤのおかずを分けてあげるでち!」
「あっ、ゴーヤずるいよ! はい、提督、ニムのもあげる!」
「ヨナのも食べる~?」
「はっちゃんのも……」
「皆! 司令官が困っちゃうでしょ! ごめんね司令官、こうやって食事を一緒にとるなんて無いから、皆はしゃいじゃって……」
「構わん。これからも同じ釜の飯を食うんだからな。私のことはいいから、ほら、皆食べなさい」
「「「「「は~い!」」」」」
すぅ、と深く息を吸い込み、吐き出す。
もう一度深く吸い込み、また吐き出す。
そして、目を擦って、前を見る。
夕立も私と全く同じ行動をしていた。
そして、目の前にあるのは――
「この焼き魚、美味いな……間宮にまた作ってもらえるよう頼んでみるか」
――講堂にいた時と同じ提督のはずなの、だが……。
「……っく、わ、我々を前にして、余裕を見せつけるなど――!」
「長門、カームダウン! カームダウン、ネ!」
「ひ、ひぇぇ……」
戦艦たちも――
「うちらがおっても関係無し、と……えぇ度胸っしょぉるのぉ……!」
「流石、と言うべきなのでしょうか……赤城さん……」
「食事は大事ですからね。仕方がないですね」
「赤城先輩? ちょっと?」
空母たちも、完全に蚊帳の外である。
かくいう私も固まっているだけではいけない、と姿勢を正し、提督の傍まで歩み寄る。
「て、提督、先ほど、あきつ丸、という艦娘が――」
「あきつ丸……? あぁ、揚陸艦の……それがどうかしたか?」
「い、いえ、提督がお話をされている途中に来て挨拶が出来なかったからと、執務室へ向かったので……」
「あぁ、なるほど、分かった。今から戻って入れ違いになっては悪いからな、ここに来るのを待っておこう」
「えっ、あ、よろしいので……?」
「よろしいも何も、飯を残して立つわけにはいかん」
「は、はぁ……」
大淀型軽巡洋艦一番艦、艦隊司令部付の任務娘でもある私は聡明である。
不明な事があれば即時調査し、解答を見つけ出す。それが私の仕事だ。
だが、私はここへきて初めて――
「では、私たちも、食事を……とって、いいのでしょうか……」
「ああ、カウンターで頼んで来い。あるものなら間宮がすぐに作ってくれるぞ」
「はい……」
――この恐ろしくも優しい提督が、完全に分からなくなったのであった。