プレシア・テスタロッサとの甘い生活 Re〘完結〙 作:どこかの超電磁砲
カナトは闇取り引きをしている研究所へと侵入していた――――目的は大量殺戮兵器サイクロプスの破壊。もしサイクロプスが発動してしまえばミッドチルダはあっという間に木っ端微塵になる代物だ……あくまで予測ではあるが、カナトはそれも視野に考えている。
「大惨事になる前に止めなきゃ……」
(ですが、マスター一人では少々無茶があるかと……もしマスターの生存を認知しているライブラリアンが仕掛けて来る可能性もあります)
「あり得る話か―――「待ちなさい!」誰だ!」
「貴方こそ……っ!き、君はいつぞやの!」
「あんたは、俺を助けてくれた人か」
誰かに呼び止められ、カナトはとっさに懐に仕舞い込んだ銃を出そうとした。振り返るとそこには紫のウェーブが掛かった長髪で、以前自身を助けてくれたプレシア・テスタロッサがいた。
「花嫁に行く前の女性の下着を見た破廉恥ボーイが、こんなところで何してるのかしらね♪」
「あれは事故なんだがな……そういうあんたは?なんでここにいる」
「なんでって……だってここ、私の勤め先だから」
「なに……」
まさかの偶然か……カナトは言うのを迷ったが、プレシアを連れてサイクロプスがある場所へ案内する。予測通り、地下室にはサイクロプスがあった……この研究所に地下室があることを知らなかったプレシアは、カナトからこのサイクロプスが大量殺戮兵器であることを知らされる。
「まさか……そんな……」
「嘘じゃないぜ……ライブラリアンは差別のない世界を作る為に、まずはミッドチルダの人々をこのサイクロプスで殺すつもりなんだよ」
「嘘……」
「蒼き清浄なる世界の為……これがその結果かよ……さあ、あんたは下がってな。俺はコイツを破壊する――「私も手伝うわ」んだと?」
「――――これはこれで、ようやくやめる決心が着いたわ。前から怪しい節はあったから……さあ、人がいない今の内にやりましょうか」
「協力してくれるのか……えっと……」
「私はプレシア・テスタロッサよ。貴方は?」
「……カナトだ。カナト・フラガさ。不可能を可能にする男さ」
カナトはプレシアと共にサイクロプス破壊工作に移る――――爆破装置をセットして起爆。カナトとプレシアは素早く研究所へ出ると、一気に起爆ボタンを押す。すると研究所が丸々爆破の炎によって、消えていく。
「……こんなこと言うのもなんだが、良かったのか?……あんたの職場だろ」
「いいのよ。いい機会だったのよ……色々と不満もあったし精々したわ」
「そうか―――危ない!」
「きゃっ!?」
カナトは背後から弾丸が迫り来るのを察知して、いち早くプレシアを庇う――――いざ後ろを振り向くと、そこにはライブラリアンのリーダーとプレシアが務める研究所の所長がいた。
「困るんだよな~……カナト……そうコソコソ動かれたらよ?」
「テスタロッサ君……非常に残念だよ……」
ライブラリアンのリーダーと研究所の所長の後ろからは武装した兵がぞろぞろと現れる。カナトはプレシアを抱きかかえて、アーマードデバイス"ゲイルストライク"を纏った。
「ある人が言った……例え醜い世界であろうと、その世界で必死に生きる者がいるってな―――ゲイル!」
《発動―――クロックアップ》
周囲の時間がガクリと止まる――――カナトは武装兵を瞬く間に蹴散らし、プレシアを安全な場所へ避難させた。
「あんたは管理局に通報を頼む」
「っ……カナト君……」
「それまで時間を稼ぐ!」
再び高速移動魔法術クロックアップを使い、カナトは武装兵に突撃する―――――