魔王織田信長とアインズ様の異世界転移   作:アルトリア・ブラック(Main)

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最初はフォーサイト目線、後半は信長目線とかいろいろあります。

次回は皇帝がナザリックに訪れる話とツアー達の目線の話とか入れたい。ノッブの弟とかその内ぶち込むかも


ワーカー達の侵入・終わり

ーフォーサイトー

 

アルシェが嘔吐し、震えながら叫ぶ姿にイミーナはアルシェを強く抱きしめる。

 

「落ち着いて!ロバーデイク!」

 

「《獅子のごとき心》」

 

魔法により恐怖状態から回復したアルシェが生まれたばかりの子鹿のようなよたよたとした足つきで杖を構える。

 

「あの二人は…アレは、人が勝てる存在じゃない!」

 

「よく分かりますよ。指輪を外した瞬間から鳥肌が止まりません」

 

「これは間違いなく逃げられないな…」

 

「来ないのか?」

 

やる気なさそうにコリコリと頭蓋骨を長い指で掻いてるアインズの挑発にヘッケランは乗らないようにする。

 

欠伸をする後ろの信長

 

「ではこちらから行くとしよう《不死者の接触》」

 

「!何の魔法だ?!アルシェ!」

 

「知らない!聞いたことがない!」

 

アインズがゆっくり歩き出す。

 

「近寄るな!」

 

イミーナの怒鳴り声が響き、連射された矢がアインズ目掛けて飛ぶ。

 

「邪魔だな」

 

冷ややかで小さな声が聞こえる。

 

ぞわっとしたものが背筋を走った瞬間、アインズの姿が搔き消える

 

信長の方を見るが、彼の視線は動いていない

 

視線をイミーナの方に向けると確かにそこにアインズがいた。

 

「どけぇ!!!」

 

イミーナに向けて突進する。

 

「きゃっ!」

 

「ん…?」

 

アインズが女か男、どっちから攻撃するか考えている様子を見てヘッケランは睨むようにアインズの方を見て

 

「俺だよ!!馬鹿野郎!」

 

怒鳴り、武技を切り替える。

 

《双剣斬撃》などといった攻撃はあの信長には通用しなかったが、この骸骨に対しては有効かもしれないと一縷の望みをかけていた。

 

「武技!《限界突破》!《痛覚鈍化》!《肉体向上》《双剣斬撃》」

 

武技を重ね合わせ攻撃をする。

 

(殺った!)

 

無防備な頭部を切り裂いたと思った瞬間、目の前のアインズは普通に立っていた。

 

「学んでいないのかね、信長さんに通用しないものがわたしには通用すると?」

 

慌てて下がろうとするとヘッケランの額に物凄い熱量の感覚が襲う。

 

それは離れた所で見ていたはずの信長の手だった。

 

「ヘッケラン!!」

 

「友よ、危ないぞ今の転移は」

 

軽い口調に信長は同じく軽い口調で

 

「すまんな、ちと飽きたんじゃ」

 

声色が変わっている

 

見えないが、手つきが完全に女のそれだった。

 

「イミーナ!斬撃に対する完全耐性だ!」

 

激痛を堪えながらヘッケランは得た情報を後ろの仲間達に伝える。

 

「違う。刺突も斬撃も殴打も、お前達程度の弱者の攻撃では私に擦り傷ほどのダメージを与えることは出来ないのだ」

 

「何よそれ!!どんなインチキ!?」

 

「騙されない!!」

 

「《麻痺》と」

 

「ぁぁぁああ!!」

 

身体中が凍りつく、いや、これは凍りついたのではなく麻痺だ

 

女の魔法でいとも容易く身体の自由を奪われる。

 

耳だけが音を無慈悲に音を拾ってしまう。

 

「うーん、麻痺だけで力尽きてしまったぞ?やはり弱すぎじゃな」

 

そう言う女のハイヒールが見える。

 

「このバカ!!常識で考えれば私は見捨てるべきでしょうが!この大アホ!」

 

 

 

 

 

 

イミーナは闘技場に転がったヘッケランを見つめる。

 

「仲間を庇いに来た男に対してその暴言は不快だぞ」

 

アインズの言葉に怒鳴るように

 

「そんなこと私が知っているわよ!勿体ないぐらい素晴らしいリーダーだってね!」

 

深呼吸をして辺りの様子を確認する。

 

「ヘッケランを返しなさい!私たちが規定時間内に帰らなければ、この世界で最も強い人物がこの遺跡に突入することになっているわ!」

 

「また嘘かね」

 

「嘘じゃない!」

 

アルシェの言葉にイミーナは強く頷く

 

「こっちにはアダマンタイト級冒険者《漆黒》がいるのよ!」

 

「あぁ、アレか、アレは交渉材料にならん諦めろ」

 

その言葉にイミーナは「貴方より強いわ!!」と怒鳴ると男から女に変化した信長が笑う

 

「それってコレのことじゃろう?」

 

そう言って信長が《ノッブ》に変化する。

 

「な、なんで…!」

 

「おー、どうやら騙せてたようじゃぞ」

 

笑いながらアインズに笑いかける。

 

イミーナは最早、彼らが敵であるという恐怖に逃げるのを諦めかけたが、一縷の望みをかけて空を見上げ、アルシェを見る

 

「アルシェ!逃げなさい!」

 

ロバーデイクが叫び、イミーナも同意する。

 

「そんな!」

 

「上を見なさい。ここはおそらく外です。飛んで逃げれば逃げられる可能性もあります!時間を1分…いや、10秒は稼いで見せますから」

 

「行くならどうぞ仲間を見捨てて行くがいい」

 

「アルシェ行きなさい!妹さんがいるんでしょ!なら私達を見捨てて行きなさい!それがあなたのすべきことよ!」

 

「そんな!私のせいで!」

 

「大丈夫ですよ、あのアインズという化け物を倒して貴女を追いかけますよ」

 

「その時はあなたの奢りで一杯ね」

 

「さぎにいってる…」

 

「なんか御涙頂戴じゃな〜」

 

場違いな声にイミーナはきっと睨む

 

「《飛行》」

 

アルシェが飛んで居なくなったのを見てイミーナ達は武器を構える。

 

アインズか信長、どちらでも良い

 

引きつけることが出来るのならば

 

「のう、モモンガ、ワシ思ったんじゃが、此奴らはどうでも良いんじゃが、あの子供はワシが捕まえて良いか?」

 

その言葉にアインズは『なんでだ?』と言ってくる

 

「アレは実験材料に使えそうだからのぅ」

 

「信長さんがやりたいなら良いですけど、漆黒の情報を知っている以上、ナザリックの外には出さないでくださいね」

 

「りょーかいじゃ!よし、シャルティア」

 

貴賓席から飛び降りてやってくる絶世の美女、銀色の髪に可憐な歩き方

 

「あの娘を捕まえて来てくれんか?命は奪ったらダメじゃぞ?」

 

「はい、かしこまりまりんした。信長様」

 

頭を下げて背を向けて歩いて行く

 

 

 

 

 

 

ーアルシェー

 

アルシェはひたすらに逃げる。

 

《飛行》魔法が切れそうになり、慌てて地面に降りる。

 

「イミーナ…ロバーデイク、嘘つき…」

 

分かってはいた。

 

アインズ・ウール・ゴウンとその友人でもあるあの化け物達に仲間達が勝てるはずないと薄々分かっていた。

 

それでも、一縷の望みをかけてしまう己は愚かなのか

 

アルシェは目を瞑り、声を聞いてくれない神に祈りを捧げる。

 

帰るべき家には妹達がいる。

 

目を開けると…

 

「!!」

 

「鬼ごっこは終わり?」

 

真上に垂直に立っている少女がいた。

 

(…追跡者…!)

 

アルシェはひたすらに逃げ、追跡者が離れようとする。

 

そしてどれだけ飛んだか分からないくらい飛んでいると、何か壁にぶち当たる。

 

壁だ。不可視の壁がそこにあったのだ。

 

世界はまだまだ続いているのに、アルシェの身体を遮る壁があったのだ。

 

「これは…」

 

絶望に満ちた声でアルシェは呟く

 

「壁でありんすよ」

 

「!」

 

答えがなかったはずの独り言に答えが返ってくる。

 

振り返るとそこにいたのは予想通りの人物だった。

 

「何か勘違いしているみたいだけど、ここはナザリック地下大墳墓第六階層、つまるところは地下よ」

 

「…これが?」

 

アルシェは世界を見渡す

 

天には星空、風は流れ、大地には森が広がっている。

 

(…ここが地下…なの…?)

 

そんな場所が地下であるはずがないという思いと、この者達ならそれぐらい可能だろうという思いがぶつかる。

 

「至高の四十一人。かつて、この地を支配され、私達をお創りになりんした方々。その方々が創り出した私達ですら理解不能なシステムよ」

 

「…!世界を、創った…?それは神様の…」

 

「そうよ、私達にとって神様の如き存在なんでありんす。アインズ様を筆頭に、かつていらっしゃった方々は」

 

アルシェは周囲を見渡す。

 

最早彼女は諦めていた。流石にこれだけのものを見せ付けられれば受け入れるしかない。

 

最早、自分は生きて帰る事は出来ないと

 

「さて、逃げないの?」

 

「逃げられるの?」

 

「無理よ、元々逃がすつもりなんて無いでありんすから」

 

「そう…」

 

アルシェは杖を両手で握り締め、少女に飛びかかる。

 

「はいはいご苦労様」

 

決死の突撃を行うアルシェに少女はつまらなさそうな言葉を投げかける。

少女は振り回された杖を容易く手で受け止め、自らの方に引っ張る。

 

「これであなたの逃走は終わりでありんすぇ、最後に泣き崩れなかったのが残念でありすね」

 

アルシェの身体を引き寄せ離れさせないようにする。

 

「安心しなんし、あなたは信長様に必要とされてるわ、至高の御方の為に尽くすのはこれ以上ないくらい幸福でありんすよ」

 

少女は笑みを浮かべる

 

「まず、信長様の前に行く前にこのナザリックでの相応しい在り方をみっちり教えてあげるでありんすぇ、殺すなという命令を受けてるだけで傷つけるなという命令は与えられてないでありんすからじっくり教えるでありんすよ」

 

ニンマリと少女は笑い、アルシェは絶望に心を軋ませた。

 

 

 

 

 

 

 

ー玉座の間にてー

 

「見事だ。侵入者をこの程度の支出で討ち取れたのだから、今後の防衛をアルベドに任せて何も問題はないな」

 

「ありがとうございます」

 

「失礼いたします」

 

「どうした?エントマ」

 

信長の言葉に「はっ」と答えながらそのままの姿勢で返答をする。

 

「アウラ様、マーレ様が出立するお時間になりましたのでご報告にまいりました」

 

「そうか、面を上げよ」

 

「時間はあるしの、見送りに行こうとしよう」

 

「かしこまりました」

 

信長は立ち上がるとアインズも立ち上がる

 

「エントマよ、アルシェという女以外のワーカー達はどうした?ちゃんと有効活用しているか?」

 

「はい、頭の部分はシルクハットの一体が、腕の部分はデッドマン・ストラグルが分け合って、皮膚はデミウルゴス様が持ち去りました。それで残った部分はグランドの子供達の餌となりましたので全て有効活用したと判断致しました」

 

「そうか、狩り取った者の責任として無駄にすることなく有効的に使わなくてはな、それが供養というものだ」

 

 

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