魔王織田信長とアインズ様の異世界転移 作:アルトリア・ブラック(Main)
今回は王国の馬鹿貴族・フィリップが出てきます。
10巻読みながら馬鹿すぎて読みながら初めて笑った
ーノッブー
バフンッとベットにダイブする。
「お疲れ様です。信長様」
デミウルゴスの言葉に『そなたも大変じゃっただろう』と言うとデミウルゴスは『至高の御方々の為になるのであれば苦しくはありません!』と嬉しそうに言ってくる。
座り直すと、デミウルゴスに椅子に座るよう指示を出す。
デミウルゴスは躊躇っていたものの、いつまでもオロオロしているのは失礼だと考えたのか、近くにあった椅子に座る。
「ちょっとそなたも休憩せい、一番の働き者が休まないでどうするんじゃ」
「何を仰られますか、信長様やアインズ様ほど我々は動いておりません」
その言葉に信長は最早笑みが溢れてくる。
デミウルゴスを働かせ続けるとモモンガに怒られると思った信長は休ませる為にある話を始める。
「昔の話じゃが、自分のNPCを作る時にウルベルトさんやタブラと一緒に図書館に行っていろいろ話したことがあってのぅ、特にウルベルトさんはデミウルゴスの造形についてかなり悩んでおったな」
ウルベルトやタブラ達、彼らにしてみれば至高の四十一人の話になると途端に目が輝き出す。
そばにいたメイドも物凄く聞きたそうにしていた。
「ウルベルトさんは任務やらイベントやらをほっぽり出して考えておったなぁ、特に性格面なんて月単位で考えておったからな〜」
「ウルベルト様が…」
「ナザリック一の忠誠心を持つ所とか、頭脳明晰の悪魔とか、いろいろ書いて書ききれないってなって困っておったからなぁ〜」
昔を思い出す。
『魔王ってキャラワシと被る!!』
『魔皇です。王様の王じゃない!被らせてやるー!』
『魔王っていうのはちゃんと背景がしっかりしてないと魔王とは言わないんだよ!例えば(とてつもなく長い歴史雑談)』
『うわ、始まった信長さんの歴史雑談。めっちゃ長いんだよな…アレ』
ペロロンチーノの言葉にアインズ・ウール・ゴウンの中で最年長の死獣天朱雀が口を開く
『信長さんの歴史に対する思い入れって最早愛に近いと思うんだよねぇ、過去を大事にする所とか、事実信長さんの作ったNPCの森長可はかなり現物に近いというか、沖田くんとかそこら辺はふざけて作っただろうけど』
『まぁ、そうですよね…って、ウルベルトさんもすっごい負けじと熱弁してる…信長さんの話に割り込める人、タブラさんくらいなのに』
『オラァ!!出来た!デミウルゴス!』
『悔しいくらいカッコいいじゃん!!!』
『…キャラ崩壊してる』
『別名はヤルダバオト!!』
ぎゃいのぎゃいの騒いでいた時を思い出して話していると…
「!?で、デミウルゴス?どうしたんじゃ」
ボロボロと泣いているデミウルゴスを見て慌てると
「も、申し訳ありません。信長様…ウルベルト様のお話を聞けて感極まり…私を作る際にそのような葛藤があったなど…!」
泣きながら言うデミウルゴスを見て苦笑いを浮かべる。
この異世界で過ごしてから感じたのは彼らは裏切る気配など微塵も感じなかった。
むしろ、ひたすらに働いてお金を稼ぎたいと言ってる部下を思い出す。
デミウルゴスとそれからいろいろ話していると…
「ん?アルベドからか」
そう言うとデミウルゴスが涙を拭き『いろいろありがとうございました。貴重なお話をありがとうございます』と何度もお礼を言ってくる。
アルベドからの伝言では宰相の姿で王国のパーティにいる餌についての議論をしたいと言ってきた。
餌としてあれば相応しいかという確認だった。
(よし、パンドラと交代しよう)
魔導王の右腕・宰相の姿に変化して《転移門》をくぐる。
ー王国の貴族・フィリップー
王家主催の立食パーティーにおいて、全ての耳目を集めているという実感は悦楽の極みだった
フィリップは家に向かう道すがら、馬車の中でご機嫌だった。
(俺は、俺は中心に立っているんだ!)
冷や飯食らいだった自分が、王国の貴族、王国の上に立つもの達に注目されていた。
そう思うと、信じられないような興奮がフィリップを支配した。
(そうだ!俺こそがフィリップ!見ていろ!これから王国の中心に立つ人間の姿を!)
フィリップは必死に頭を回転させ、一生に一度の大博打を打つ。
それは後日、アルベドを舞踏会に招きたいというものだった。
(ついでにあの宰相も招待してやろう)
意気揚々にフィリップは自宅に戻る。
帰ってすぐ罵声が響き渡る。
「この馬鹿者が!!」
その罵声は興奮していたフィリップに水をかけた。
信長が招かれた場所は無駄に広い屋敷に大して人のいない場所だった。
アルベドと共に入り、かつて八本指のメンバーの一人・ヒルマが物凄い勢いで土下座し、来たことに対する感謝と礼を言って来る
あまりにも綺麗で流れるような土下座に少し感心してしまった。
「今宵は来て頂き誠に感謝致します!魔導国宰相殿下!」
「うむ、良いぞ」
「ははぁ!!」
なんかいちいち大げさな反応をするが、本気でやっているというのが見て取れて分かる。
(であれが、アルベドが用意した餌か)
正確に言えばヒルマに『とびきりの馬鹿を用意しろ』と言ったらしく、その馬鹿に選ばれたのがあのフィリップという男らしい。
王国の貴族達が我先にと信長の前に挨拶に来て、それからアルベド、ヒルマと順々に挨拶していくが、その順番が気にくわないのか、かなり不機嫌な気配を出しているのがバレバレである。
(…主催者が普通先に挨拶に来てからあそこに座るよなぁ…自分が最初からそこに座るのが当然と言わんばかりの顔…)
ヒルマに言われてから初めて挨拶に来る
挨拶して来るが目線は完全にアルベドを見ている。
こんな清々しいくらいの反応はリアルで会社を運営していた始めの頃を思い出す。
それから貴族のパーティをしている最中もアルベドにしつこく絡む姿は節操がない。
アルベドが退出したのを見計らい、今度はこちらにやって来る
「宰相殿下、アルベド様と婚姻関係を結ぶにはどうしたらよろしいですか」
「????(ん??)」
真正面からとんでもないことを言われて思わず、持っていたワイングラスが少しヒビが入る
驚き過ぎて力を入れ過ぎてしまったらしい。
(これ…どういう反応が正解なんだ)
それを言った時、ヒルマの部下の顔が真っ青になって口をパクパクさせている。
ヒルマの数名の部下のうち一人が大慌てで何処かに行く気配を感じる。
「いえ、私はこれほどの貴族を集められる身です」
「失礼します!宰相殿下!!」
顔を真っ青…を通り越して真っ白くなりつつある顔色でヒルマが走り込んでくる
「どうした」
そう振り返るとヒルマがアルベドが呼んでいると言って案内して来る
後ろで何故か笑顔のフィリップが背中を見つめて来る
ヒルマの後ろを歩きながらアルベドがいる控え室に向かっている最中
「あそこまで馬鹿で大丈夫か」
「本当に、救いのない馬鹿です」
ヒルマは最早庇うつもりがないのかそう言って来る
ヒルマはフィリップからアルベドを休憩室に連れて行って欲しいと頼まれた際にフィリップは馬鹿なことを言われ呆れ返る。
「彼女と婚姻関係を結ぶにはどうすればいいと思う?」
「はぁ!?」
ヒルマは彼の言葉に演技を忘れてしまう。
「え?なんですって?」
「アルベド様と私が結婚する方法だ」
『本気か、こいつ』と叫びたくなる気持ちをヒルマは抑える。
ここまで底なしの馬鹿だとは思わなかった。
仮にもここには魔導国の宰相もいる。
宰相はアルベドが招待してここにいるのだ。
アルベドは使節団の団長であっても宰相のすぐ下の地位である。
そんな相手に対して隣国の下級貴族が言う言葉ではない。
(…まだラナー王女と結婚する方法はと聞かれた方が良かった…)
「いや、私もこれほどの貴族を集められる身、ただ着いてきたあの宰相よりすごいと、決して負けないと思うのだが」
ヒルマは我知らず、喉からぎゅっと力を入れて言葉を抑え込む
女から見て魅力を一切感じない男の戯言を、あのお方と宰相殿下が耳にしたらどんな感情を抱くか、それを当のフィリップに向けてくれるのであれば問題はないが、もし自分に向けられたらあの黒い地獄が待っている可能性がある。
「さ、さ、流石にそれは無理かと思います。あのお方は魔導国でも宰相殿下のすぐ下の地位に位置する方。いわば王国における公爵だと思ってもおかしくはありません」
「しかし、魔導国は一つしか都市を持っていない国ではないか」
「い、いえそういう話ではなくてですね」
魔導国を下に見た発言にヒルマは肌を栗立てる。
確かに領土はカッツェ平野などを含めても大きくはない。
しかし、武力は圧倒的ではないか
特に18万人規模の兵士を虐殺した魔導王の右腕が此処にいる。
その気になれば国家を一人で転覆させることだってできるとあのお方は言っていた。
それさえ理解できないこの馬鹿にはどう説明したら納得させられるのか思案する。
ヒルマは考えを巡らせるが、答えが出てこない。常識と馬鹿は相反する存在なのだ。
「無理です。彼女とフィリップ様が結婚できる可能性は皆無です」
「なかなかいい雰囲気だったと思うんだが」
何を言っているんだこの馬鹿をと思い、馬鹿を返してアルベドを迎えに行く
「気持ち悪い男に触れられたわ、この身に欲望を持って触れる事が許されているのは、世界でお二人だけというのに…クソが、あの知性に欠ける糞が」
ギリギリと歯軋りの音がする。
アルベドを部屋に案内して外に出ると
「ヒルマ、大変だ!宰相殿下にあの馬鹿がさっきの質問をした!!」
「なんですって?!」
あの馬鹿はよりにもよって宰相にそんなことを言った。
国家の危機に陥ったらどうするつもりなのだろうか
ヒルマは顔面蒼白で宰相を迎えに行き、アルベドのいる控室に向けて歩いていると
「あそこまで馬鹿で大丈夫か」
低い、恐ろしい低音の声が聞こえてくる。
怖くて仕方なかったが、ヒルマはここで黙っているのは得策ではないと思い
「はい、本当に救いのない馬鹿です」と伝えるのが精一杯だった。
「いや、あそこまで阿呆だと清々しい。変えなくて良いぞ」
「は、はい」
アルベドのいる控室に案内するとアルベドが気づいて惚れ惚れしたような表情を信長に向ける。