魔王織田信長とアインズ様の異世界転移   作:アルトリア・ブラック(Main)

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ナイアが出てきます。

そして、やっとアインズ様が出てきます。

ノッブがリアルであったことをモモンガに告白してます。


『情報収集』

ーアインズー

 

「ふぅ…」

 

アンデットになっている以上、疲れはないが、ため息をつきたくなる。

 

(…信長さんとあんまり話せてないな…最近)

 

信長はデミウルゴス達のように多忙で、ナザリックに滞在している時間はあまりない。

 

冒険者・ノッブとしての仕事。第六天魔王として聖王国で暴れる仕事。魔導国宰相として王国や帝国に行き来する仕事

 

そう考えればかなりの仕事を抱えており、モモンガ自身と会う事はあまりない。

 

(…帝国の属国化に関する草案を纏めてくれたりして…なんかお礼したいな…)

 

モモンガは温泉に入りながらそう考えていると…

 

「あー…疲れたぁあ…」

 

「!?」

 

入って来たのは最終形態姿の信長で、前をまるで隠していなかった。

 

「の、信長さん?!ここ、男風呂ですよ!?」

 

「おー…モモンガ〜良いではないか。ぶっちゃけ男風呂に入って見たかった」

 

「いやいやいや!?女性なんだから抵抗感を持ってくださいよ!」

 

「嫌です」

 

「嫌です。じゃない!」

 

モモンガはタオルをぶん投げて隠すように言う。

 

「それじゃあ、こっちなら問題ない?」

 

そう言って宰相・信長の姿に変化する。

 

「いや、見た目が男だからいいですけど、中身完全に女じゃないですか、全然良くないですよ!?」

 

《ユグドラシル》で男風呂に間違って入った信長が運営にBANされかけたことを思い出す。

 

モモンガの隣に座って体を流し始める信長にイラつくものの、温泉に入った際に二人で青空の映像を映し出した天井を眺めながら話し始める。

 

「…この世界に転移して来てから随分経ったのぅ」

 

「……そうですね」

 

なるべく横を見ないようにしながら話していた。

 

「モモンガはリアルに帰りたいとは思っておらんし、ワシも当然思っておらんのじゃが…最近不安なことがあってのぅ」

 

「不安なこと、ですか?」

 

「…ワシの弟のことじゃ」

 

「信長さんの弟のことですか?」

 

信長が自らの弟の話をしだすことに少しだけ驚く。

 

信長にとって弟のことはあまり話題にして欲しくないらしく、ゲーム上でも弟のアバターと遭遇すると激しく戦闘をしていたのを思い出す。

 

「リアルでワシは弟に会社や名誉、家族を横取りされたんじゃ」

 

「……え?」

 

「夫は弟の所為で私の元から去り、会社も何もかも奪われたのじゃ」

 

「うわ…」

 

なかなかヘビーな内容に思わずそう言う

 

「その癖、ゲームではすり寄って来てな、本当に気持ちの悪い弟じゃった」

 

「その弟が、どうしたんですか?」

 

「…あぁ、十三英雄の話を聞いていて少し身に覚えのある奴がいたのじゃ」

 

「それが弟、ですか?」

 

「そうじゃ、アバター情報と何ら遜色はない弟の情報がな」

 

「他のプレイヤー…ですか」

 

「100年前から200年前の話だから今生きているかどうかはさっぱり分からんが、彼奴が何らかの手段で生き延びた場合は…」

 

「!」

 

「ワシが殺す」

 

殺意に満ちた信長の言葉にモモンガは少しだけ怖くなる。

 

「…まぁ、俺が言えることは…少なくとも死んで戻って来ることはしないでくださいね、プレイヤーが蘇生できるかどうか分からないんですから」

 

「うむ、善処しよう!」

 

「約束ですよ」

 

「うむ!」

 

 

 

 

 

 

 

ーネイアー

 

王国の通りを一人の少女が歩いていた。

 

取り立てて可愛らしい顔立ちではない。

 

誰もが振り返るような容貌ではないが、悪い意味で人目を引くところはあった。

 

というのも、吊り上がった切れ長の目は黒目は小さく、常に睨んでいるような目つきの悪さと、更に目の下にあるクマがどことなく裏街道の住人のような恐怖を漂わせるためだ。

 

人混みを歩くには便利だが、都市門などでは念入りに持ち物を検査しれてしまう。

 

そんな少女、ネイア・バラハは空を見上げる。

 

どんよりとした厚い雲が一面を覆っている。

 

ネイアは立派な宿屋に入ると扉をノックする。

 

「ネイア・バラハ、ただいま戻りました」

 

扉が開かれたので中に入る。

 

廊下の先に大きな部屋が見え、中には長いテーブルが中央にどんと置かれており、そこに団長の姿があった。

 

団長レメディオス・カストディオと副団長グスターボ・モンタニェスが腰をかけている。

 

そして壁沿いには使節団員17名が直立不動で並んでいた。

 

「どうだった?ネイア」

 

「申し訳ありません。先方に時間がないと断られました。最低でも二週間は欲しいとのことです」

 

「ッチ」

 

レメディオスざ舌打ちする。

 

「そうか、寒い中、ご苦労だった。それでは部屋に戻り、英気を養ってくれ」

 

「はっ!」

 

ネイアは足早にここから離れようと思うが、その前にレメディオスから呼びかけられた。

 

「ネイア・バラハ」

 

「はっ!」

 

「我々がこうしている間にも第六天魔王が率いる亜人どもの軍勢によって多くの人々が殺されているのだ。更には大都市が既に四つも陥落している。小さな都市や村々に至ってはいくつ落とされたか想像もつかない」

 

四つの都市とは大聖殿と言われる聖王国の信仰の中心に当たる神殿が存在しており、政治の中心たる首都がある。

 

「更には多くの生存者が捕らえられ、村や都市に作られた収容所に送られていった。そこで行われていることは血の凍るようなことだという」

 

「はっ!」

 

収容所は周囲を壁に囲まれており、潜入できた者が皆無なため、実際どのようなことが行われているかを目撃した者はいない。

 

ギリギリまで接近して内部の様子を伺った者の話によれば苦痛のうめき声や悲鳴が聞こえてきたという。

 

「お前はそれを知りながら、このような結果を持ち帰るとは何事だ?本当に努力しているのか?そうであれば結果を出すんじゃないのか?」

 

「はっ!申し訳ありません」

 

確かにそれはその通りなのだが

 

(…であれば、捕虜となった民を救えない聖騎士団の団長は何なの?)

 

そっくりそのまま同じ言葉を返したい気持ちが湧き上がる。

 

「団長、青の薔薇様がたが参られます」

 

副団長の言葉にレメディオスはそうかと言って席に座り直す

 

しばらくすると、蒼の薔薇の一団がやって来た。

 

聖王国でも名が知れ渡っている面々の登場にネイアの心はすこしだけ興奮していた。

 

自分には到達できない高みにまで登り詰めた同性の偉人。

 

「お招き頂きありがとうございます。私たちが蒼の薔薇と申します」

 

立ち上がって出迎えたレメディオスが軽く頭を下げ、感謝の意を告げた。

 

それから早速、ヤルダバオトの話に移る

 

「そちらの国で暴れているヤルダバオトのことだが、ヤルダバオトに関する情報を全て欲しいと言われても少しばかり、雲を掴むような話だ。まずはこの国で何があったか詳しく話そう。その前にヤルダバオトという悪魔と第六天魔王と呼ばれる悪魔はこんな格好をした奴らで間違いないか?」

 

イビルアイ はテーブルの横にあつわた文机から紙とペンを取ると、サラサラと描き始める。

 

しかし、出て来た絵はどう考えても子供の書いたような絵にしか見えなかった。

 

レメディオスが「いや、ちが…」と言いかけたが、言い終わるより早く双子の片方が絵を回収して破く

 

「何をする!」

 

イビルアイは激高するが、サラサラと描いて見せた完成品を突きつけたのを見て黙る。

 

そちらの方がかなり上手かったのだろう。

 

見れば、確かに言葉では説明しにくい服装だ。

 

見たこともない異国服、奇妙な仮面

 

「仮面をした男がヤルダバオトで、この炎のような赤い髪をした女がヤルダバオトが王と仰ぐ第六天魔王だ。こいつらで間違いないか?」

 

その言葉にレメディオスが怒りの表情で『こいつらだ』と口にする。

 

「ならば、これで一つは確定だな。こいつらは同一悪魔たちだ。あんな化け物どもがポンポン入られても困るからな」

 

「…他にも黒い髪の女が魔王の横に控えておりました」

 

「それについては初耳だ…増えたと取るべきか、それと短髪赤い髪で鎧を着た長槍を持ったこの男もいたか」

 

そう言うと先ほどの双子が見せてくる

 

化け物と言われるに相応しい異形の男

 

それからイビルアイ は王都で起こったことを一通り話し始める。

 

「王都でこの魔王は復活した。ヤルダバオトの話から察するなら、この魔王は力を大部分失っており、王都の人間を沢山殺して食らっていた」

 

そして、魔王の下にヤルダバオトがおり、その下にメイドがいるという話になった。

 

ネイアはその情報に息を呑む

 

「それで、皆さまのご判断では、ヤルダバオトや第六天魔王の難度はどの程度と推測されているのですか?」

 

グスターボの質問にイビルアイは声を発する。

 

「先にこれだけは言っておく、今から言う数値はあくまでも推測に過ぎない。それ以上もそれ以下もある、あの悪魔…ヤルダバオトの難度はおそらく二百。その王と言われるあの魔王の難度はおそらく五百以上だろう」

 

「二百と…五百」

 

喘ぐような声を発したのはグスターボだ。

 

ネイアも同じような喘ぎを上げようとして、かろうじて堪える。

 

それからレメディオスは聖王国に蒼の薔薇のメンバーが来てくれないかという話になったが、イビルアイに断られ激高する

 

「…この国の貴族たちが力を貸せない理由はすこし違います。皆さんは魔導国に関してはどこまでご存知ですか?」

 

王国の都市を一つ奪い、建国した国。

 

そして、その国はアンデットと人間なのか悪魔なのかわからない宰相が支配する恐ろしい地だということが聖王国の人間の認識だ。

 

その言葉にラキュースは苦笑いを浮かべる

 

「そうですね、あらかた合ってはいますが、少しだけ間違っているところもあります。アンデットに支配されてはいますが、人間もまた安全に暮らしているそうです」

 

「魔導国という目の前の問題があるのに、そちらの国の支援は難しいということです。それに魔導国との一戦において非常に多くの死者が出ました。その影響は将来的にかなり大きな問題になるでしよう。裕福そうに見える貴族たちもそこまで余裕がないんですよ」

 

「そうだとしても!」

 

頭に血が上っているレメディオスをなだめるグスターボ

 

「なら、そのヤルダバオトに誰が勝てる?!」

 

蒼の薔薇が無理ならと言うと

 

「あのチームなら勝てる可能性があるだろう。あのヤルダバオトを撃退したモモン様達【漆黒】だ」

 

「おお!そうか!」

 

「ちょっと待ってください。カストディオ団長…その方達は…」

 

「聞いているのか。そうだ、あの魔導国にいて魔導王の配下に入ったそうだ。だから説得する相手は魔導王となるだろうな」

 

「げぇ!」

 

苦悶は声をレメディオスが上げる。

 

ネイアにもその気持ちはよく分かる。

 

アンデットに助けを求めるなど、聖王国の人間としてはかなり複雑だ。

 

従者ですらそう思うのだ

 

「それがヤルダバオトを倒すためには最良の手段だというのであればそうしよう。いや、そうする他ならない。良かったらそのモモン宛に…」

 

「モモン様宛に、ですね、団長」

 

「う、うむ!モモン様方に紹介状を書いてくれないか?」

 

 




次回は冒険者・ノッブが蒼の薔薇の面々と任務をこなす話とかになると思います。

しばらく夏休み〜なので連続投稿します

盛大に誤字ってましたので直してます。
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