魔王織田信長とアインズ様の異世界転移   作:アルトリア・ブラック(Main)

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ネイア達が魔導国に入る話です。

同時平行で書く小説を少しずつ書いてあります。基本的に獅子王様やノッブの話メインにいろいろ書いてあります。

冒険者の話も書いてましたが、先にこっちを投稿します。


『魔導国での交渉』

ー魔導国近辺・ネイアー

 

蒼の薔薇との会合の後、ネイア達聖王国の使節団は早々に王都を出立した。

 

王国には聖王国を助けてくれるような相手は最早いないと見切りをつけたことと、ヤルダバオトの本当の姿に関する情報を集めるのは数ヶ月はかかるということ

 

ヤルダバオトに唯一勝ち得る存在である【漆黒】のチームへの足掛かりを掴んだためだ。

 

そして、何より聖王国で苦しんでいる人々のことを考えれば、何かしなくてはならないという心が焦るためだ。

 

馬を最大限休ませる程度で、時には魔法を使いながら、普通の旅人では無理な速度で、一行は街道を東に向かう。

 

王国最後の村を通り過ぎ、やがて魔導国との緩衝地帯に入る。

 

「あ、団長。石畳が見えてきました。そろそろ魔導国の領内に入るようです」

 

街道の途中から突然、石畳が始まっている様子はなんとも奇妙なものがある。

 

「そう、それならこのまま一気に魔導国に行くか?それとも野営するか?」

 

ネイアは空を見上げる。

 

「…何事も起きなければ、日が落ちるまでに辿り着くかと思います。ただし、結構な強行軍になるでしょう」

 

「少し相談してくる」

 

レメディオスが手綱を引き、馬の足を遅くし、グスターボと話し始めた。

 

しばらく走っていると、遠くに魔導国の首都、エ・ランテルのかの有名な三重城壁の最外壁が見えてきた。

 

そして、そこに構えられた立派な門

 

ただし、ネイアの目を奪ったのはそのどちらでもない。

 

手がくじ付になったのは門の左右に立つ、超巨大な像だった。

 

それは奇怪な、蛇のようなものが絡み合った杖を持つアンデットの姿だ。

 

あれこそが魔導王のアインズ・ウール・ゴウンを象ったものなのだろう。

 

「従者バラハ。そろそろ隊列を変更する。後ろに」

 

そこに後ろからグスターボが声をかけてきた。

 

「はっ!」

 

旅の間はネイアが先頭だが、町の近くに来ればネイアのいる場所は一番後方となる。

 

「カストディオ団長、先触れを走らせますか?」

 

レメディオスはそれに同意し、聖騎士の一人を走らせる

 

「団長!魔導国の門番に伝えて参りました。相手は歓迎するとのことです」

 

「そうか!わかった。それでは行くぞ!旗を掲げよ!胸を張れ!」

 

その声を皮切りに、一同はゆっくりと魔導国に向かって馬を進ませる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー魔導国・宰相ー

 

「………」

 

「………」

 

現在、魔導国の宮殿にて宰相・信長は積み重なった書類を見て呆れ果てていた。

 

「…山積みだ」

 

そう呟くと傍らに控えていたセバスが労いの言葉をかけてくれる。

 

セバス裏切りの件以降、セバスはナザリックにツアレと共に帰還したのだが、それ以降は宰相の補佐として務めることが多かった。

 

コーヒーを持って来てくれ、それを飲む信長

 

「信長様。失礼を承知で言います」

 

「ん?なんだ?」

 

「少々働きすぎなのではありませんか?冒険者としての仕事、宰相の仕事、魔王としての仕事。近年は冒険者としてのお仕事が少ないですが、宰相及び魔王の仕事が激務になっております。ここは少し…」

 

「いや、全部自分で増やした仕事だからな、少なくとも宰相としての仕事は続けたい。パンドラズアクターにも手伝ってもらっているし、弱音を吐いている場合でもないだろう」

 

そう言うとセバスは『左様ですか』と言ってくる。

 

「……それに、仕事をしていた方が忘れられる」

 

「?何をですか?」

 

その言葉に「なんでもない」と返す

 

書類の整理を始めると…

 

「信長様。ローブル聖王国の聖騎士団がやって参りました」

 

その言葉に信長は「そうか」と言って立ち上がる。

 

玉座の間の近くに行くと、モモンガが準備していた。

 

「信長さんも行って大丈夫なんですか?」

 

「大丈夫だろう。魔王の方とは完全に分けているからな」

 

「…まぁ、信長さんが言うのなら信じますけど」

 

 

 

 

ーネイアー

 

玉座の間も建物から想像できたようにさほど立派なものではない。やはり、これも占領したまま手を入れずに使っているようだ。

 

しかしながら、座る玉座と周辺の階段は煌びやかだ。

 

そして、玉座の後ろにある国旗も非常に素晴らしい。何の糸で出来ているほかわからないが、単なる黒では出せない深みがある。

 

「それでは陛下が参ります」

 

メイドの一人がそう宣言する。

 

「皆、頭を下げよ」

 

レメディオスから指示が飛ぶ。

 

アンデットに聖騎士が頭を下げる、という選択肢を選んだレメディオスに対して、わずかな驚きを抱きつつ、異論などないネイアは跪いて頭を下げた。

 

ネイアは頭を下げ、目だけを動かして聖騎士たちの姿勢を必死に盗み見る。

 

(…どうやら大丈夫みたい)

 

もちろん、後ろ姿だけの判断なので、正面からだと自分だけ変という可能性もあるが

 

「アインズ・ウール・ゴウン魔導陛下及び魔導国宰相・織田信長様が入室です」

 

二つの足音が聞こえてくる

 

やがて玉座に腰掛けるような気配があった。

 

「許可が出ました。頭をあげなさい」

 

この辺りの呼吸は難しい。早すぎても遅すぎても失礼にあたる。ゆっくりと数秒数えて顔を上げる。

 

(あ、あれが魔導王…アインズ・ウール・ゴウン魔導王陛下…)

 

その玉座のすぐ横に立っているのは宰相の信長。

 

絶世の美女・アルベドが立っているのはその二人の下に立っていた。

 

(…怖い)

 

魔導王の姿に恐怖は感じなかったものの、となりに立っている宰相の目を見て恐怖を感じてしまう。

 

「さて、はるばる聖王国からここまでご苦労だったな、カストディオ殿。そして聖騎士団の方々よ」

 

「ありがとうございます。魔導王陛下」

 

「それでは単刀直入にだが、貴殿らに時間的余裕がないと思った。聖王国の現状を聞かせて頂きたい。嘘偽りなく、隠すことなく話してくれれば、我々魔導国としても貴国に有益な何かが提供できると思う」

 

了解したレメディオスは聖王国の現状を語る。

 

話は王国でグスターボが蒼の薔薇に話したように、結局はギリギリ持ちこたえているというところで終わった。

 

聖王国が崩壊寸前ということを他国の、それもアンデットの王には言いたくないのだらう。

 

「ローブル聖王国は現在、かなりヤルダバオト率いる軍勢に押されているようだが、崩壊は防げているのか」

 

宰相の言葉にレメディオスは固まる。

 

宰相はあらかた調べたのか、知っているように話し始める。

 

「…ご存知でしたか」

 

レメディオスの言葉に宰相は『近隣諸国の事はある程度調べている。まぁ、王国や帝国ほど知っているわけではないが』と伝えてくる、

 

「それで?南の方は無事だと聞いたが、そちらとは連絡を取っているのか?」

 

魔導王の質問にレメディオスは『取っております』と言う。

 

モモンを、モモン達チームを派遣してくれないかという話になる。

 

グスターボはヤルダバオトの危険性について話を始める。

 

「奴はかつて王国に被害をもたらした際には引き連れていなかった亜人の軍勢を手中にし、聖王国で暴れておりました。魔王の方がどれほどの力を秘めているか、あるいは、まだ完全復活していないのか不明な事は山ほどあります」

 

「つまり、お前が言いたい事は、姿を見せている今こそが奴らを殺せるチャンスだから、騒動の芽は早いうちに摘むべしという事かな?」

 

「左様でございます。さすがは陛下、そのためにも何卒、漆黒のチームの派遣をお許し頂けないでしょうか?」

 

「なるほど、納得がいく話ではある。確かにヤルダバオトは討つべきだろう」

 

「それでは」

 

「しかしながら、やはりモモンたちチームの派遣は難しい。ヤルダバオトが退治できたとしても、モモンたちチームの不在で我が国の政情が安定しなくなっても困る。それでどうだ?もう少し時間を稼いでくれれば、我が国の政情も安定しよう。その時にモモン達チームを派遣しよう。先ほどの話ではまだ戦えるという事だったよな」?」

 

「そ、それはそうですが…どれくらい後でしょうか?」

 

「ふむ…信長さん、どれくらいだ?」

 

「数年、あるいは、5年くらいあれば問題はなくなるはずだな」

 

「だそうだ。問題はないかな?」

 

五年、と口の中で転がしたグスターボが小さく首を振った。

 

「それは少し時間が…」

 

「なるほど、確かに貴国の事を考えればだな、それでは2年はどうだ?」

 

五年からだいぶ短くなっている。

 

聖王国が救われる可能性が目の前に来ている。

 

死すらも覚悟したネイアは息を吸い、声を発した

 

「大変申し訳ありません。魔導王陛下、宰相殿下」

 

「…誰だ?」

 

「私は聖王国の聖騎士団従者を務めております。ネイア・バラハと申します。無礼を承知で言わせていただければ、もっと早く、モモン殿を派遣していただけないでしょうか?」

 

魔導王が考え込む姿勢をとる。

 

「ネイア!従者ごときが魔導王陛下に嘆願な…「最後まで言わせてやれ」っ…!」

 

レメディオスの叱責を途中で止めたのは魔導王の隣にいた宰相で、先ほどの恐怖は微塵も感じなかった。

 

魔導王も宰相の言葉は止めないのか、黙ってこちらを見ていた。

 

「ネイアとか言ったな、ではどれくらいでモモンを派遣してほしい?」

 

「一日でも早くしていただければと思っております」

 

ネイアの覚悟を決めた表情に宰相は笑う

 

「良い部下を持った、な」

 

それから宰相は何度か魔導王と小耳で何か話していた。

 

モモンの派遣は少し短くなり、ネイアは頭を下げて聖騎士団と共に退出する。

 

 

 

 

 

 

 

 

ー信長ー

 

「え?留守番?」

 

玉座の間から離れたところでモモンガから留守番するように言われた信長は『魔王としての仕事は…』と言うと

 

「パンドラズアクターに変わります。濃姫と森長可は下がらせてください。さすがにあの二人をパンドラが制御できるとは思えないので」

 

「…分かったけど、なんで急に変わるなんて」

 

「セバスから聞きましたよ、多忙すぎるって」

 

「!」

 

「俺の所為でもありますけど、国家の運営をアルベドや信長さんに任せきりな所もありますし…少しでも休んでほしいんですよ」

 

モモンガが小さい声で「……信長さんまで倒れて欲しくないですし』と口にする。

 

そんな様子のモモンガに信長はため息をつき「それじゃ残るかのぅ、その前にデミウルゴスとパンドラに引き継ぎするから、その後にしてくれんかの?」と言う

 

「はい、お願いします」

 

そう言って信長が姿を戻し《転移門》を作る

 

「気を使わせてすまんな」

 

笑顔で振り向き、転移門をくぐる。

 

 




ちなみに、ノッブの像は魔導国に立っていません。理由は建てると魔王信長か冒険者ノッブと似てると感づく人がいるか、あるいはノッブの弟やらそういうやつらがいる可能性があるからです。


アインズ様のお母さんってお弁当を作っている最中に倒れて死んじゃているので、信長さんの働き方を心配になったアインズ様が気を遣ってます。

モモンガさんにとって、ユグドラシルを最後まで辞めなかった信長さんのことをかなり大事に思ってます。まぁ、他の仲間たちも無論大事ですが、困った時にサポートしてくれる信長さんを最近は大事に思ってます。
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