魔王織田信長とアインズ様の異世界転移   作:アルトリア・ブラック(Main)

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仕事を始めるまで連続投稿します。

身体壊したけど、だんだん治りつつあります。

聖王国はそろそろ終わりになります。

最初だけヒルマが王国で叫んでるシーンが入ります。


『終結』

ーリ・エスティーゼ王国・裏組織ー

 

「ああああああああ!!!」

 

突然部屋いっぱいに響き渡った絶叫に男は一瞬硬直する。

 

八本指という裏組織に所属し、様々な物事を見聞きしてきた。その中でもこれほどの真っ黒な感情の爆発は見たことがない。

 

まさに、真なる憎悪。混じりけのない呪詛だった。

 

これが自分の敵対者から発せられたのであれば、彼もそこまでは驚かなかっただろう。

 

その声をあげたのは彼の仲間であり、同じ苦痛を、同じ苦労を分かち合う仲間である。

 

『仲間』これほど自らに無縁な言葉はないだろうと思っていた。

 

あの地獄を体験した後から自分たちの結束は高まったと思っていた。

 

二度と連れて行かれないために協力して仕事を行なった。

 

命がけで常に行っていた。

 

「ど、どうしたんだ。ヒルマ、何かあったのか?」

 

声をあげていた女が動きを止め、下から男を見た。

 

「もう!もう代わってくれよ!胃が痛いんだよ!あの馬鹿を見守っているのが!!なんだよあれ?!馬鹿の前に知性がないよ!?アイツ!」

 

彼らの集まりで馬鹿と言われる男は一人しかいない。これまで馬鹿という言葉を多く使ってきたが、本当の馬鹿を知ってしまい、簡単に馬鹿という単語を使えなくなったほどの男だ。

 

「どうしたんだ…またあの馬鹿が何かしたのか?」

 

溜まっていた鬱憤を吐き出すようにヒルマ早口で語り始めた。

 

「あぁそうだよ!魔導王陛下が亡くなられたという話は知っているよね?!」

 

「あぁ、勿論だ」

 

「アイツそれ知ってどう言ったと思う!?」

 

相手は馬鹿だ。それを考えて考えべきだ。しかし、普通の事しか思い浮かばない。

 

「……葬儀の話をしたとか?」

 

「それだったらここまで胃はキリキリしないよ!アイツ、今アルベド様と結婚したら魔導国が手に入るんじゃないだろうか、とか言ってたんだよ!」

 

「ひぃ」

 

思わず掠れた小さな悲鳴をあげる。

 

「ねぇ!?あの馬鹿、宰相殿下がいるって分かってないのかな!?馬鹿すぎるよ!!そもそも、魔導王陛下が死んだら宰相殿下が王の座を引き継ぐ流れに普通なるはずなのになさぁ!?そもそもさ!あの時もそうだよ!?宰相殿下に面と向かってアルベド様と結婚する方法なんて聞いたり!!」

 

あの時の宰相殿下は馬鹿の言葉を聞いて真顔になったのを思い出して胃が痛くなる。

 

「宰相殿下はあの馬鹿の言葉を犬の鳴き声程度に思ってくれたから良かったけど!!アルベド様に言った時の怒り狂い方はもうトラウマだよ!!」

 

「ヒルマ。もう少し、もう少し頑張ってくれ」

 

「ああああああああああ!!!!」

 

ヒルマが暴れまわる

 

 

 

 

 

 

 

ーネイアー

 

聖王国で最も強固に作られた城塞都市。聖王家直轄領であるカリンシャの解放は驚くほど簡単だった。

 

そして、魔導王の再来で成し得たのは、ヤルダバオトの王・第六天魔王を封印することが出来た。

 

警戒が緩んでいた第六天魔王をネイアとシズが引きつけ、魔導王が封印の魔法を使って封印を行った。

 

第六天魔王の封印されたものを管理するのは魔導王自らが行うことになった。

 

その過程でレメディオスはいろいろ文句を言っていたが、聖王国が所有したところで何も出来ないので最後は黙っていたが

 

ヤルダバオトの側近の不在。都市の大きさに比べて亜人側兵力の不足などが重なった結果だ。

 

無論、戦死者は双方とも多数出ているが、これだけの大きな都市を奪還したにしては聖王国解放軍側の被害は驚くほど少なかった。

 

その要因の一つは、先導したネイアの存在だ。

 

シズが陰に回ったからというのもあるが、見事な輝ける弓を装備したネイアには民を鼓舞する威厳があった。

 

一度死に、魔導王の力によって復活させてもらってからネイアの覚悟の持ち方は変わっていた。

 

そして今、ネイアは壇上に立ち、広場にいる観衆に熱く語りかける。

 

この世に魔導王ほど素晴らしい王はいないと

 

「このように魔導王陛下は比類なき御方です!これだけ民のことを考えてくれる御方が他にあるでしょうか!確かに皆さんが仰りたいことは分かります!カルカ・ベサーレス聖王女陛下も素晴らしいお方ですが、他国の民たちを救うべくここまで行動してくださったのです!」

 

ネイアの元に始めきたのは、魔導王に助けられたものたちだった。

 

魔導王の偉大さを知るという意味では同胞と言える。

 

「一国の王が危険を顧みず、他国の平民を助ける。そんな話はないのです!魔導王陛下だけなのです!」一泊置き、繰り返す「魔導王陛下だけなのです!そんな御方こそ、まさに正義の王というべきでしょう!」

 

「信じられるか!?アンデットだろ!?」

 

観衆から投げかけられたこんな質問にも優しく笑顔を浮かべる事が今はできる。

 

「そうです!陛下はアンデットです!不安に思うのも当然です。アンデットが恐ろしい化物だというのも事実です!私とアンデットの全てが良いという気はこれっぽっちもありません。アンデットの大半が邪悪な存在で、生者を憎む存在なのは間違いないでしょう」

 

自分の話に全員が真剣に耳を傾けていることを場の雰囲気から掴みつつ、ネイアは結論を強く言う。

 

「今回、あの強固な要塞線を打ち砕き、亜人達が雪崩れ込んできました。この悲劇は今回限りなのでしょうか?もう二度とこのようなことがないと思いますか?」

 

観衆の沈黙が物語っている。

 

「皆さんの不安、私にもよく分かります。私たちや皆さんの子供ぐらいの代までは大丈夫かましれません。悲劇を目の当たりにしたのですから、警戒は決して怠らないでしょう!」

 

「だからこそ、私たちは魔導王陛下の、魔導国の庇護が必要なのです!」

 

「なんでだ!アンデットと化け物の国だというのに!」

 

男が声をあげる。

 

「アンデットだからこそ、なんです。魔導王陛下は強く、何より不死の御方!」

 

 

 

 

 

カリンシャを奪還し、カスポンド・ベサーレスの仕事は急激に増えた。

 

救出された人々を加えた細やかな組織作りに着手しなくてはならなかったためだ。

 

更に情報の量が桁違いに増えたため、確認の分配まで考えると非常に時間がかかる。

 

そんなカスポンドの身辺警護役の聖騎士が話しかけてきた。

 

「カスポンド王兄殿下、ネイア・バラハの件、あのままでよろしいのですか?」

 

その質問がどういう意味を含んでいるものかを悟ったカスポンドは、書類から目をあげずに疲れたような顔で笑った。

 

「仕方ないだろ、あのまま放置しておけ、それと殿下だけでいいぞ」

 

「ありがとうございます。しかし、仕方がないというのは一体?」

 

「私たちが彼女の行動に圧力をかけて止めた場合、どうなると思う?」

 

「どうにもならないと思います。殿下、彼女のしていることは国内に不和をもたらします」

 

「なるほど、君は彼女の話は聞いたことあるかね?その様子ではないようだが、彼女の言葉に嘘はあったかね?」

 

「…嘘はありません」

 

「そうなんだよ、嘘を言っていたらありがたかったのだが」

 

 

 

 

 

 

 

ー聖王国・アインズー

 

詳細が決した後は簡単だった。

 

もはや亜人たちに戦意はなく、残党狩りをするようなものだった。

 

(…やっと、今回終わったな…よかった)

 

聖王国において問題は山積みだろうが、そこに関しては今解決すべき問題でもないだろう。

 

モモンガは正門都市側に歩いていると、馬車が一台だけぽつんと止まっていた。

 

その馬車の前にはネイアが待っていた。

 

その馬車に手をかけると

 

「魔導王陛下はやはり今日、お戻りになるのですか?王都解放に多くの人々が喜びの声を上げています。数日内にこの王都奪還を成し遂げた最大の功労者である陛下をお招きし、多くの人々が感謝の意を表明する式典などが行われてもおかしくないとは思いますが…」

 

ネイアの名残惜しそうな表情に信長さんの言葉がよぎる。

 

『あのネイアという従者は味方にしておくことに越したことはない』と

 

「あぁ、私は今日魔導国に帰る。宰相…友にいろんなことを任せてしまっているからな、あまり長居すれば、友の方から押しかけてくる可能性だってあるしな」

 

冗談めかして言うとネイアも笑顔で「それは困りますね」と言ってくる。

 

その瞳には友を侮辱したような色はまるで見えなかった。

 

「左様ですか、この国を救ってくださった陛下を聖王国の皆で見送らないことは残念です」

 

「カスポンド殿には伝えたからな、あまり派手にやられても困る」

 

「陛下…ありがとうございます」

 

モモンガは馬車に乗り込むと後ろでシズがネイアに親暇を立てていた。

 

「それでは魔導王陛下!」

 

走り出した際にネイアの大きな声が聞こえてくる。

 

「魔導王陛下に万歳!!」

 

「「「万歳!!」」」

 

人々の声が響き渡る。

 

 

 

 

魔導王の馬車が去って行くのをカスポンド・ベサーレスは王城から見送っていた。

 

()()()()()()()

 

「アインズ様、信長様のおふたりがこの地を支配するために繁栄させ、お二人の国として献上致します」

 

 

カスポンド・ベサーレス…いや、カスポンド・ドッペルは向きを変えて市民達の方を向く

 

王城にいるため、己の言葉は誰にも聞こえないようになっていた。

 

 

 

「もう少し、幸せを噛み締めてくれ、我が国の民たちよ」

 

 

悪魔のような笑みで市民達を見下ろす

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