魔王織田信長とアインズ様の異世界転移   作:アルトリア・ブラック(Main)

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オーバーロード 14巻で言う【滅国の魔女】に入ります。

王国目線、信長目線などいろいろあります。


滅国の魔女【最終章】
『破滅の始まり』


ー信長ー

 

この世界に転移してから、かなりの年月が経過したと思っていた。

 

(…人間としての感覚だいぶ失ったなぁ)

 

この世界の種族についていろいろ調べたが、異形種はいても『怨霊』と呼ばれる者は居なかった。

 

というか、ゴーストという種族がいないのだ

 

(そう考えるとワシの種族って希少!?)

 

思わず真顔になると、報告していた沖田が『ロクでもないこと考えたでしょう』と言ってくる

 

「あ、おったの?」

 

「え?そこからです?」

 

「嘘じゃ嘘、相変わらずノリが良いのぅ」

 

笑顔で言うとため息をつかれる。

 

「それで、話の続きですけど、ローブル聖王国の平定のためにデミウルゴス様が動いてます。後、レメディオスっていう女の戦士がアインズ様にかなり不敬な行為を働いたみたいですよ」

 

「……すっごく不敬なことしてた」

 

沖田の隣にいたシズが言う

 

「んーそういう奴もおるじゃろ、例えば何言っておったんじゃ?」

 

「……『骨野郎』って言ってました」

 

「…思っクソ悪口じゃな〜それで、デミウルゴスから使える内は残しておくようにって言われたのなら残しておくんじゃぞ?処分の際はワシに伝えてくれ」

 

「わかりました」

 

沖田達と話が終わり、部屋から退出すると…

 

「信長様、デミウルゴス様とパンドラズ・アクター様がご面会を求めております」

 

「ん、良いぞ」

 

「はい」

 

(そういえば、デミウルゴスとパンドラに褒美渡すって話してたなぁ、何にしようかなぁ〜二人がいいなら一緒に風呂でもなんでも来い!だけど)

 

種族による変化ではなく、信長は中身が女でも今の自分はアバターである自覚があるため、他のNPC達の前で裸になったりとかしても特に何も同様はしなかった。

 

流石にメイドに裸を見られながら触れるのは嫌だったので断ったこともあるが、最近はそういうのを特になんとも思っていなかった。

 

「信長様、失礼いたします」

 

「失礼します」

 

入ってきた二人に笑いかける

 

「二人とも聖王国での仕事、ご苦労様じゃな。褒美をつかわそうと思うんじゃが、何が良い?」

 

「かなり考えましたが、何も思いつきません!」

 

パンドラの言葉にデミウルゴスが『至高の御方々にお仕えすることが至高の喜びでございます』と言ってくる。

 

「んー…それじゃあ、あれだからのぅ…よし!パンドラはモモンガさんと二人で出かけたり、話が出来れば良いか?とりあえず、モモンガさん呼び出すか!」

 

「!!信長様…!」

 

パンドラが止めようとした際に…

 

「信長さん、何か用ですか?」

 

「アインズ様!」

 

部屋に《転移》してやってきたモモンガに慌てて頭を下げる。

 

「モモンガさん!パンドラにご褒美として宝物庫で親子二人きりで過ごしてもらえんかのぅ?」

 

「…別に構いませんけど、パンドラ行くぞ」

 

「は!はい!ありがとうございます!信長様ぁ!!」

 

叫びながら居なくなるパンドラ

 

デミウルゴスとふたりきりになり、信長は立ち上がる

 

「さてと、デミウルゴスに渡したいものがあるんじゃが取り敢えず、着いて来てくれるか?」

 

「はい」

 

信長の自室に着くと、信長は浮き上がって物を探し始める。

 

「…あの、信長様。一体何を探されているのですか?」

 

「お主が一番喜ぶ物だぞ〜?」

 

「私が喜ぶ物ですか…」

 

「あったあった、これじゃ」

 

黒色の杯で、持ち手の部分には赤いリボンが装飾されていた。

 

「これは…?」

 

「ウルベルトさんが作った世界級アイテムじゃ。数百年前に流行った『聖杯』をモデルに作ったものじゃ。使う用途はそなたに任せるぞ〜」

 

「!ウルベルト様が作ったワールドアイテム!信長様のお手持ちの物を貰うなど…!」

 

「んー、まだいろいろ持っておるから大丈夫だぞ?それに、ウルベルトさんだって自分の子供に使って貰った方が幸せじゃろ」

 

「!は、はい、ありがとうございます。信長様」

 

感激しているデミウルゴスは仰々しく膝をつき、受け取る。

 

「このデミウルゴス。今後も信長様、アインズ様至高の御方々のために全身全霊を持ってお仕え致します」

 

「…うむ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーリ・エスティーゼ王国ー

 

ロ・レンテ城、ヴァランシア宮殿執務室。

 

歴代の王が執務してきた部屋に本来の主人たるランポッサ三世の姿はなく、代わりに第二王子であるザナックの姿があった。

 

ザナックは上げられた書類に目を通し、暗い表情で重いため息をつく、この書類に対して明るい表情を浮かべられる者は居ないだろう。

 

カッツェ平野の戦い。それとも虐殺と呼ぶべきだろうか、あの戦いで多くの民が死亡した。

 

とはいえ、王国が致命傷を受けたという程ではない。王国の民はおおよそ九百万、戦死者はその内の18万程度。被害は2%しかし出ていないとも言える。

 

それでも、死んだのは男の4%。それも働き盛りの男たちだ、その歪みがゆっくりと表れて来ているのが書面からも伺い知れた。

 

「おい、妹。森祭司の力でも冷害は難しいぞ」

 

冷害による王国の不作。

 

それによって餓死者が出てきてもおかしくないのだ。

 

同じ部屋にいた妹がボケるように

 

「あ、そうなんですか?そうなると不味いですね、ですけど問題は食料ですよね?でしたら十分にあるから問題になりませんね、よかったですねお兄様」

 

ザナックは笑顔のラナーとは全く正反対の表情を浮かべた。

 

「お前の言ってる食糧っていうのはあれのことだろ?あれには手を出したくないぞ?たくさん食べるとアンデットになるんじゃないか?」

 

現在、王国には魔導国からの支援で食料を受け入れている。

 

「ですけど、聖王国ではあの食料を口にしているわけですし、あれ自体は無害なんでしょうね」

 

「いや、そう思わせるのが狙いで、罠が仕掛けられた食料だけが王都に残されてるかもしれないぞ?」

 

ラナーは苦笑いを浮かべる

 

「本気でそう思われているわけではないですよね」

 

「まぁな、中身はチェックさせているからな」

 

王都の倉庫を利用することについて魔導国から伝えられた一応の名目は、聖王国支援のための物資貯蔵目的ということになっている。

 

ここから聖王国まで食料を輸送するという手はずだ

 

魔導国は馬車の自衛のために、輸送に使う荷馬車は魔導国のものと一目で分かるように旗を取り付けたいと申し出てきた。

 

無用なトラブルを避けたい王国としては、通行税や魔導国のアンデットを王国内に入れないなどいくつかの条件と引き換えに、これを呑んだのだが、これが間違いだった。

 

魔導国の旗を高々と掲げた馬車が隊列を作って王都内を歩くことになったのだ。馬車隊はそのまま街道を堂々と突き進み、聖王国への航路を持つ港に至るまでそれが続く。

 

魔導国に対する立場の弱さを内外にアピールするようなものだ。しかも、魔導国は素晴らしく支援に熱心で、この輸送は頻繁に行われるよだ。

 

こうして尊厳を一つずつひきむしっていけば、やがて王国は拳を振り上げるか膝をつくかの二択を迫られる形になる。

 

タチ悪いことに表向きは人道支援なので、王国はやめろとはいえない。

 

「我々が食料を支援出来れば、魔導王が稼いでいる好感度をそっくり貰えたんだがな、だが、あの状況下では絶対に無理だ」

 

もし、あの戦いがなければ

 

「正確にいえば魔導王ではなく、宰相殿下の好感度がですけど」

 

「わかっている」

 

魔導王の右腕である宰相がこの王国を通って聖王国に支援することを持ちかけてきた。

 

堂々と国旗を掲げさせ、あえて人間の傭兵に馬車を守らせることによって人間も等しく魔導国で暮らせて行けているということを

 

 

 

 

 

 

ーフィリップー

 

なみなみと注がれたエールをグイッとあおる。

 

領地では決して飲めない。しかしながら今では飲み慣れた一級品の味が喉を流れ落ちて行く

 

ヒルマに沢山の恩をかけてしまった。故にヒルマにある程度譲歩しなくてはならず、自分の望んだ事でも許可を得たりしなくてはならないからだ。

 

もっと、権力をもっと行使してみたい

 

「なぜうまく行かん!」

 

思わず心の声が口から漏れてしまい、周囲を見渡す。

 

(死ね無能どもが!)

 

苛立ちという感情の炎を消すように、フィリップはジョッキをあおる。

 

全然上手くいかない。

 

フィリップの当初の計画は今頃、領内の生産量は何倍にも膨れ上がり、自分が新しい領主になったことを感謝する者達で溢れているはずだった。

 

さらには周辺の貴族達もその結果を賞賛し、名君として噂される予定だった。徐々に領内の食料生産量が下がっているだけでなく、村を歩けば村人達が自分を蔑んだような目で見ているような気がする。

 

(無礼者どもが!)

 

 

 

 

 

 

 

ーナザリック地下大墳墓・信長の自室ー

 

信長は自室にて馬鹿貴族・フィリップの様子を巨大なモニターで見ていた。

 

ワインを飲みながら、肘をつき見ていた。

 

ある程度飲み干してしまい、少し横に向けると隣に座っていた濃姫がワインを注いでくる。

 

少し離れたところに座っていた長可がバリバリと肉を食べながら映像を見て

 

「脳みそ入ってんのかコイツ」

 

常にバーサーカーモードである長可が珍しく冷静にコメントする。

 

「実に滑稽じゃな、ワシもこうならんように気をつけねばな」

 

笑いながら言うと濃姫が「お戯れを」と言ってくる。

 

フィリップ男爵は二人の貴族(とは言っても自分と大差ない)を呼んで場末の酒場で大貴族のような話し方をしていた。

 

ソファーに深く座ると何故か濃姫もすり寄ってくる

 

「叔母上〜茶々も入れるのじゃ!」

 

その濃姫と信長の間に無理矢理入ってくる茶々

 

ここだけ見れば家族のように見えて信長は笑う。

 

「茶々はこちらにきなさい」

 

ヒョイっと濃姫の隣にズラす

 

「ムキー!」

 

分かりやすく怒る茶々

 

「コイツって王国の下級貴族なんだろ、自分がまるで王になったみたいに話すじゃねぇか、場違いだし、浮いてるって感じねぇのか?」

 

「下級貴族の三男で、本当なら当主になれると思っておらんかったんじゃろう。突然手に入った地位や金に目が眩んで、自分は何でもできると思っておるんじゃろ。自慢の領地経営も穴だらけだし、理想を現実で出来るもんだと勘違いしとるんじゃろ」

 

権力を今まで持っていなかった者が突然、富も地位も思いのままにできる立場になった際にどれだけの変化があるか、リアルでも山のように見てきたし、歴史上の人物にもかなりいた。

 

フィリップの場合は偉人達やリアルの人間と違い、莫大な金や権力ではないが、それに近いものを与えられてああなったのだ。

 

「見ているだけ愉快な奴じゃ」

 

 




【黒き聖杯】
ウルベルトがイベントで手に入れて、少し改良した世界級アイテム。
第10位階魔法を使えるアイテム。一度発動すれば国一つを飲み込むほどの泥(触れれば即死する)を出現させる。
レベル100のプレイヤーでなおかつ、種族が人間で神聖持ちのプレイヤーにしか壊せないので転移後の世界では、破壊出来る人間はいない。
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