魔王織田信長とアインズ様の異世界転移 作:アルトリア・ブラック(Main)
王国編はオリジナルルートになります
ーツアーー
アーグランド評議国から出て、ツアーと朱の雫『アズス』と友でありぷれいやーでもある『ノブカツ』と一緒に王国に向かう。
《飛行》の魔法で飛んでいる二人にツアーは声をかける。
「アズスは無理をしないで魔導王と一緒に行動しているであろうえぬぴーしーを頼むよ」
「おう、任せておけ、ツアー」
「ノブカツはえぬぴーしーを連れて来たのかい?」
「……流石に四人も連れて来ることは出来なかったけど、足止め出来るなら二人くらいで大丈夫だと思う」
「そうか、無理はしないでくれよ」
「うん、分かってる」
眼下で繰り広げられている無慈悲な殺戮
アズスはここに来る過程で冒険者一行を助けたと報告してくる。
「多分、攻撃したのは伝わっただろう…うん。それでどう動いてくるかは分からないけど…これだけは言える、重装備で向かってくれ」
「分かった。ノブカツも気をつけて」
「うん。ツアーも無理しないでくれ」
ノブカツはツアーとアズスを見送る
「……姉上、いるのですね」
ノブカツはナザリックの気配がする方向を見る
「……やっと、会えますね」
姉の種族は『怨霊』であり、自分の種族『精霊』と良い相性だ。
(…自分のプレイスタイルがここで生きるなんてなぁ…)
精霊という種族にした理由。それは、姉である信長をゲーム内で殺したいという願望だった。
リアルでは絶対に敵わないという思いがあったからこそ、そんなことをしてしまった。
リアルで、姉の大切なものを奪ってしまった自分に出来る事はない。
この異世界で多くの旅をしていてやっと気付いたリアルでの己の所業。
(…きっと姉上は許してくれないだろうな…)
姉の種族は異形種だった。なら、きっと永遠に恨んでいるだろう。
怨霊というのはそういうものだ。
「……迷っていないで行こう。会って話そう」
許してくれないと分かっているからこそ、逃げずに挑むしかない。
姉は、この世界で生きている人間を永遠に呪い続けるだろう。
ノブカツは隠密スキルを使い、姉の気配がする方向に向かってとりあえず飛ぶことにした。
ーナザリック陣営ー
誰かが「え?」という声を上げたような気がした。
都市侵略のために陣取っている場所にいたモモンガはそんな声を出す。
デス・ナイトにデス・ウォリアー。二体のアンデットが簡単に滅ぼされた。
しかも、倒した相手はユグドラシルに存在するパワードスーツを着用していたのだ。
モモンガから遠方へと伸びた繋がり、たくさん作り過ぎているため、ごっちゃになっているが、その中で二本程切れたような感じがした。
「アダマンタイト級冒険者が切ったのか?」
友の言葉に「多分、朱の雫だと思います」と返す。
悪役のラスボスのようにワインを飲みながら「ふむ」という信長。
「とりあえず、守護者達と話し合ってきます。信長さんは作戦のために王都近くに長可とアウラとマーレを連れて行ってください」
「了解じゃ」
そう言って三人を連れて転移門を潜る信長を見送る。
ーザナックー
魔導国の軍が王都に来る前。ザナックは王の執務室にいた。
ジリジリと侵攻している魔導国が王都に差し掛かるのはそう遠くない。
ザナックの執務室には多くの書類が集まっていた。同時に顔色の悪い内務官が何人もいる。
顔色の悪さは、仕事の量の膨大さで疲れ切っているという肉体面と
、王国がどれほど追い詰められているかを知ってしまったという精神面の両方から来ている。
ザナックはサインのし過ぎで痛くなってきた右手をブンブンと振る。
仕事が減る様子はなく、むしろ、仕事の量は増える一方である。
ならば、人手を増やせば良いのだが、仕事を振れる最適な人材がいないのも事実だ。
王族である父やラナーにも協力を仰げない理由があった。
書類にサインし続けていると、扉がノックされる。
「お忙しいところ、誠に申し訳ありません。ラナー様が殿下にお会いしたいとおいでになっておられます」
「忙しいから断ってくれ、話は今日の夕食に聞く」
「畏まりました」
騎士が扉を閉める。しかし、その1分後ぐらいに再びノックされる。
「申し訳ありません。殿下、姫君が……そのあることないこと叫ばれるのが嫌だったら話をしたいとのことです」
「……分かった。入室の許可を出す。ただし、ラナー以外は立ち入りを禁ずる」
「畏まりました」
渋々と受け入れるという姿勢をとる。
「お前たち、妹が邪魔をしにきたのでな、しょうがない。喜べ休憩時間だ。これより三時間休憩を与える。ゆっくり休んでまた戻ってこい」
内務官たちが少し疲れたような笑みを浮かべ、それからまるでゾンビのような重たい足取りで部屋から出て行った。
入れ違いにラナーが入って来る。
「お兄様。お父様は生きてらっしゃるんですか?」
ザナックは苦笑いしてしまった。
「おいおい…俺が殺すと思っているのか?この状況下で?父上は体調が悪くて部屋で静養してもらっている。王としての仕事を思い出してはゆっくり休めないと思ってな」
「お兄様。私達の間でそんな嘘は止めてください。レエブン候の兵がいないお兄様がお父様を監禁できているということは、軍務内務官がお兄様の味方についたということですよね?お父様は何をなさろうとしたんですか?」
「魔導王本人と交渉することで問題を解決しようとしていた」
それこそがザナックが王の代理として全力で業務に勤しんでいる理由だ。
魔導国宰相とは完全に交渉が決裂している。宰相の目的が、王国を乗っ取るつもりなのだとしたらその上にいる魔導王本人に交渉しようと父は提案したのだ。
「まぁ…父上の気持ちも分かるんだ。二十万の軍勢を一瞬で壊滅させられたその現場にいたのだからな」
その上、ガセフ・ストロノーフと自分の息子まで失ったのだから
「交渉で解決出来れば、被害者の数は最小限になると信じたい気持ちは理解出来なくもない。だが、もうそんなことでは解決出来ないところまで来ている」
魔導国宰相が戦争をする気満々なのだ。その王である魔導王もきっと変わらないだろう。
ザナックは一枚の大きな紙を取り出し、机の上に広げる。
「見ろ。王国で魔導王と宰相に落とされたと思われる都市の数々を」
×マークの書かれた所は沢山ある。
「開戦直後から魔導国は動いていないと思っていたが、実際はこのように北部目指して進行していたんだ」
ザナックの指の先、一つの国をラナーが指差した。
「評議国との国境を制圧し、援軍を送って来られないようにするためだったんでしょうね」
「そうだ。結果的に評議国の使者は来なくなった、危険性を鑑みたんだろう」
あの時に訪れた使者も、確か早い内に決断するようにと言っていた。
評議国としては魔導国の進行を止めたかったらしいので、あの場で即決していたら助けてくれた可能性は大いにあっただろう。
我ながら父の顔色を伺ってしまった己を憎む。
おそらく、裏切った貴族もいるのだろう。
「お前だったらこの状況下でどのような行動をとる?」
「その前にお兄様にお聞きしたいのですが、このままの調子で魔導国が動いて来る場合、次は王都近隣での決戦ですよね?この王都に兵を配置するのか打って出るのかまでは分かりませんが、兵はどのように集めるんですか?」
「近隣の貴族たちから色好い返事をもらっている」
しかしながら遠方の貴族たちからは返事がない。届いていないのではなく、状況を窺っているのだ。
王家が滅ぼされた後、魔導王にひれ伏すつもりなのだろう。もしくは単純に、王家に協力することで魔導国に睨まれる事は避けたいと考えているのか。
どちらにせよ甘すぎる。
自分たちは大丈夫だと考えている事自体愚かな証拠だ。
「勝てる、と思われますか?」
ザナックはラナーの言葉に苦笑いする。答えにくいことを平然と聞いてくれると
「勝てる、勝てないの問題じゃないんだ。魔導国は都市を焼き尽くし、そこに住む民を皆殺しにしている。生き残るために全兵力を集め、大勝負に出るしか未来はない」
「……お兄様。王になったのですね……」
「何?何の話だ?偉そうとか、そういう話か?」
「……えっと、その勝負で敗北すればそのまま王国は滅ぼされるのでしょう?なら王国の民達をどこかに逃がしたところで終わりですしね、ああ、レエブン候はそれもあって裏切ったのかもしれませんね」
「なるほど…民達の受け入れ先ということでか…」
「でも、魔導王や宰相がそれを許さず、逃げてきた民を殺せとレエブン候に命令を出すかもしれませんね、踏み絵の代わりに」
「避難か……そういえば、話は少し変わるが、父上がお前を使者として都市国家連合に送りたかったそうだぞ?父上を監禁する前の話だが、お前はどうする?行きたいのならとっとと王都を離れる必要があるぞ」
「私はここから逃げるつもりはありません。王女として気高く死を迎えましょう」
少し意外だった。
クライムと一緒に逃げます。とでもいうと思ったからだ。
ノブカツ
【レベル】100
【種族】精霊(人間種)
【クラス】物理職
【精霊】
人間種であり、寿命は100年あまりの精霊。
本来ならナザリックが転移して来る前に死亡するはずだったが、ツアーから『今後転移して来るぷれいやーの対策のため』と『姉に謝罪する』という目的のために、寿命を伸ばすというアイテム(ユグドラシル時代では意味のないアイテム)を使用して生きながらえていた。
【詳細】
容姿はFateの織田信勝と同じだが、戦闘方法は言峰綺礼やエミヤ(弓兵)と似たような戦い方をする。
近接戦や遠距離での戦いが得意である。
【性格】
Fateの信勝と似てはいるが、こちらの信勝はかなり性格が悪く。転移時点ではツアーや他の十三英雄からはかなり嫌われていた。そして、レベル100であることからかなり傲慢に振舞っていた。
平気で人を傷つけるようなことを言うが、本人に傷つけるようなことを言っている自覚はない。仲間である十三英雄のリーダーともう一人の仲間が亡くなる前に転移先で出会った家族との関係で性格が丸くなって行き、リアルで姉に犯したことを改めるようになった。