魔王織田信長とアインズ様の異世界転移   作:アルトリア・ブラック(Main)

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青の薔薇目線、ザナック王子とアインズの会話シーンがあります。

ノッブが王都へ進軍する一行にいます。




『悲劇の幕開け』

ー青の薔薇ー

 

ついに魔導国は西侵を始め、いくつもの都市、村の一つ一つまで破壊しながら王都まで一直線に迫りつつあった。

 

ただし、進軍速度はじわりじわりとゆっくりしたもので、非常に遅い。

 

兵が多くなればなるほど進軍速度は鈍りがちだが、アンデットばかりで構成される魔導国の軍勢はそれに当てはまらない。

 

魔導国の迫り来る圧力によって、王都内に一度大きな混乱が起き、少なくない血が流れた。

 

そのあと、王都の住人は大きく分けて二通りの選択肢から道を選ぶことになった。

 

一つが王都を離れてエ・ランテルとは反対側に疎開する道だ。

 

もう一つが王都に残り、扉を固く閉じ、引きこもる道だ。

 

どちらを選択した者達が多いかと言うと圧倒的に後者だ。

 

前者は遠方に逃げても生活が成り立つそれなりの金やコネ、手に職など持つ者達に限られるからだ。

 

そのため、王都の人口の95%以上はそのまま残っている。

 

ただし、それは昨日までの話だ。王家よりお触れが出たのだ。

 

魔導国の軍勢が迫りつつあるため、この都市を守るべく、戦える者たちで出陣すると、つまり徴兵だ。

 

無論、戦いに怯え、閉じこもる者は多い、しかし、同時に戦わなくては守るべき者達まで殺されてしまうと覚悟を決める者たちはそれ以上に多かった。

 

王都内の狂乱染みた熱気が駆け巡り、それによって荒れ狂っている。

 

そんな中を『蒼の薔薇』一団は歩く

 

「ラキュース。本当に危険なら転移させるぞ」

 

イビルアイの言葉にラキュースは微笑む

 

「ありがとう。イビルアイ、でも、祖国を裏切ることなんてしたくないの」

 

「そうか…アイツが来ると分かった以上。できる限り、邪魔になるようなことはしたくないが…」

 

イビルアイのいう【アイツ】とはかつて十三英雄のメンバーとして名を馳せていた者であり、現在、こちらに向かっているとのことだった。

 

「それでよ、十三英雄のあの男と魔導国の宰相とは因縁があるんだってな?遭遇したらとんでもねぇことになるんじゃねえか?」

 

ガガーランの言葉にイビルアイは考え込むが、昔から関係があったわけじゃないので分からない。

 

「…さぁな、どれくらいの確執があるのかは分からんが、宰相の戦い方を知っているあの男に任せた方が良いだろう」

 

「そうね…」

 

 

 

 

 

 

ーザナックー

 

王都から旅人の足で三日と離れていないところに魔導国の軍勢が見えたという報告が届いた。

 

ザナックの指揮下の元、迎撃のため全軍が王都から出立する。

 

王都から半日も離れていない平野には、魔導国西侵の報を受けて簡易的なものではあるが、対魔導国軍用陣地が形成されており、そこに入って魔導国軍を待ち構える作戦だ。

 

陣地は街道を封鎖する形で作られているが、もし進路を変えられたら陣を作り直す必要がある。

 

そんな不安もあったが、物見の話では魔導国の軍勢は王都に一直線に向かって来ているとのことで、杞憂に終わりそうだ。

 

しかしながら、それを喜べる貴族はいない。

 

いくら兵を沢山集めたとしても、しょせんは人の軍。

 

化け物で構成されている魔導国軍に勝てる見込みは少ないだろう。

 

「殿下」

 

「分かっている」

 

ザナックは軍務内務官に短く答える。

 

「馬を!」

 

ザナックの命令で騎士が馬を一頭、ザナックの天幕前まで連れてきた。

 

ザナックは一人で魔導国の軍勢の前に進む。

 

供回りを連れて行ったとしても殺される可能性が高い。魔導王が殺すと決めたら意味のないものだろう。

 

ならば一人で行った方が良い。

 

対峙する両軍の真ん中まで到着したザナックは、持ってきたマジックアイテムを起動させ、その声を拡大させる。

 

「リ・エスティーゼ王国王子。ザナック・ヴァルレオン・イガナ・ライル・ヴァイセルフである!魔導王兵がと一対一で会話がしたい!」

 

舌戦などを始めるつもりはない。最早そのようなことをしても意味がない。

 

ただ、純粋にザナックは知りたかった、魔導王が何を考え、このようなことを始めたのかを

 

 

 

 

 

 

 

ーアインズー

 

モモンガは三面を覆ったタープテントの下、自軍が陣地を構築していく姿を眺めていた。

 

友ー信長ーは無事に王都近隣に着いたようで、マーレ・アウラの二人から『いつでも大丈夫です!』と伝言がきた。

 

「アインズ様。なにやら人間たちの軍から使者のような者がこちらに向かってきております。どう致しますか?」

 

アルベドは警護のコキュートスを連れて言って来る。

 

「開戦の使者ではないのか?もてなす準備…歓迎の飲み物でも用意してやれ」

 

アルベドが机や椅子などを用意していると、確かに全身鎧を着た男がこちらに向かって馬を走らせて来るのが見えた。

 

「リ・エスティーゼ王国王子ザナック・ヴァルレオン・イガナ・ライル・ヴァイセルフである!魔導王陛下と一対一で話しがしたい!」

 

ここまで声が届くのはなんらかのマジックアイテムを使用しているからだろう。

 

「度されますか?アインズ様。開戦の使者でなければ聞く価値はないでしょう。戦を始めますか?」

 

「いや、王族が一人で来たのだ。私も一人で行かねば格好がつかん」

 

「……大丈夫ですか?アインズ様」

 

「分からん。だが、洗脳された場合は沖田よ、そのワールドアイテムを使用して私を守ってくれ」

 

「かしこまりました」

 

「うむ」とモモンガは沖田に答えるとソウルイーターに乗って陣地から進みでる。

 

ちなみに馬に乗る練習は、友と共にしているが、友程綺麗に乗りこなせる自信がないので、大勢の見ている前ではソウルイーターを選んでいる。

 

「魔導王陛下。私はザナック・ヴァルレオン・イガナ・ライル・ヴァイセルフと申します」

 

「アインズ・ウール・ゴウン魔導王だ。よろしく頼む、さて立ったまま喋るというのはあれだな…」

 

そう言って椅子を出し、ザナックをもてなす。

 

「水で構わないかね?酒はよろしくないだろう?」

 

「ありがとうございます。陛下」

 

「これで話を始める準備は整った。なにを語る?我々の侵攻が正義であることでも語ろうか?」

 

「…そのようなことを語る必要はございません。それよりも伺いたいことがあります。なぜ、これほど残酷なことをなさるのですか?なぜ、私どもの降伏を認めないのですか?」

 

当たり前の疑問だろう。

 

モモンガからすれば、理路整然とした意味があるが、彼らからすれば暴虐の嵐にしか過ぎないのだろうから

 

友から言われたことを頭の中で何往復か繰り返す

 

「メリットがないからだ。君たちは私たちの生贄となり、今後多くの者たちに魔導国と敵対する愚かさを知ってもらう。そのためにも、私たちは君たちを殲滅後、王都に乗り込み、ここにある全てを瓦礫の山に変える」

 

「…冗談のおつもりはない様子ですね」

 

「冗談のつもりはない。起こり得る事実を言っているまでだ」

 

「何故、なのでしょう」

 

「なに?」

 

意味が分からずモモンガは問い返す。

 

「魔導王陛下や宰相殿下程の強大なお力を持つ。そのようなことをしなくても、多くの者に陛下方のご威光を知らしめることは出来ましょう」

 

ザナックが唇を舌で舐めた。そして、ゴクリと唾を飲み込んでから問いかけて来る。

 

「なにを狙っているのですか?」

 

モモンガは頭の中で『何を狙っているのか』と言葉を転がした。

 

かつて、モモンガにとって、ユグドラシルというゲームの中で出会った仲間たちこそ、人生の全てだった。

 

そして、ユグドラシルの最終日まで残ってくれた信長さんこそ大切だ。

 

他の仲間たちも無論大事だ。

 

しかし、いくつかの魔法を使い、情報を集めるたびに誰もいないだろうとは薄々感じていた。

 

だからこそ、共にこの異世界に来た信長さんを失うのが何より恐ろしかった。

 

「何を狙っているか…難しいようで簡単なことだな。私が求めているものはたった一つだ。幸せだ」

 

「幸せ?」

 

ザナックが目をぱちくりさせる。

 

「人であろうとなかろうと、求めているのはやはり幸せなんじゃないかな?友の幸福こそ己の幸福とかな」

 

「そのためであれば他者の幸せを奪って良いと?」

 

非難めいた声に笑う

 

「当然じゃないか?私の大切な者達が幸せになるためなら、それ以外の者などどうなろうと構わない。君だって自国民の幸せと引き換えに他国の者達が苦しむとしたらとうする?幸せを諦めろ、と言うのか?」

 

「極論だ!」

 

ザナックはそれを言って冷静さを取り戻し、頭を下げ『失礼しました陛下』と謝罪する。

 

「いや、気にすることはない」

 

「魔導王陛下程の力と知恵を持たれる方が、それ以外の方法で幸せになる方法をお持ちではないのですか?」

 

「…そうだな。あるかもしれないが、ないかもしれない。それに友がよく口にしていた『目の前に簡単に幸せを手にする手段があるのならそれを掴み取る』と」

 

 

 

 

 

 

 

 

ー同時刻・王都ー

 

信長は宰相の姿で王都近辺に来ていた。

 

(ラナー王女のいる宮殿近くは吹き飛ばさないようにと…けど、あの王女をナザリックに招くの嫌だなぁ…)

 

モモンガの方にザナック王子がおり、そのザナック王子と話している今は襲ってはいけないだろう。

 

モモンガとザナックの会話の様子を《伝言》越しで聞いていたが、最終的にザナック王子が貴族が雇った傭兵に討ち取られて死亡したらしい。

 

モモンガは完全に興味を無くしたようでアルベド達に戦闘開始の命令を出していた。

 

「じゃあ、ワシも攻めるぞ」

 

《はい、お願いします。信長さん》

 

「うむ!」

 

伝言を切ってアウラ達を見る

 

「よし、行くぞ、皆殺しじゃ!」

 

素の口調に戻る信長に森長可が『口調戻ってるぜー!大殿〜!』と言う。

 

信長は魔王剣を出すと、最大質量の炎が出現する。

 

アウラ達だけ避け、建物を燃やし尽くす

 

スキル《魔王軍》

 

業火から出現する化け物。

 

ユグドラシル時代に織田信長のロールプレイの一環として使うために獲得したスキルだ。

 

このスキルを取るためにかなり苦労した記憶がある。何回もレベルダウンしては取ろうと躍起になった。

 

「住人全て、老若男女問わず皆殺しだ!」

 

そう叫び魔王剣を王都の方に向ける。

 

兵士達の叫び声が響き渡る。

 

 

 

 

 

 

 

 

「!姉上のスキル!」

 

ノブカツはツアー達が戦闘を開始した方向とは別方向から気配を感じ、向きを変えて勢いよく飛ぶ

 

 




【魔王軍】
信長のスキル
1万体のエネミーを出現させる。
英霊兵、殺戮兵を主に出現させる。中には新撰組の羽織を着たエネミーも出現する。
レベルは80。決して強くはないが、体力がハンパなくある。

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