対魔法抵抗力エンドレスナイン   作:やってられないんだぜい

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 皆さんお久しぶりです。元気にしてますか?

 というか驚きの連続です。いつの間にかどんどん評価者が増えるしランキング週間とかにのるしお気に入り人数が爆上げするしでびっくりの連続です。こんなに評価されてとても嬉しいです。これからも頑張るので応援よろしくお願いします。

 では本編どうぞ!


真由美は意外とやり手

 「楽しんでくれよな。それじゃ」

 

 総司はそう言った。まるで自分は行かないみたいに。それに思わずほのかが問い返す。

 

 「え?行かないんですか?」

 「ああ」

 

 その返答はみんな驚いた。てっきり一緒に行くものだと思ったからだ。

 

 「えっと、何か予定でもあるんですか?」

 

 たまらずほのかが三度訪ねて来た。確かに予定があるのかも知れない。それなら納得だ。しかし理由はそこではなかった。

 

 「いや、別に予定はないんだが……俺がいても、あれだろ」

 

 総司はそう言うと達也と深雪をチラ見した。それは総司なりに彼等に多少の負い目を感じているからこその意見であった。あの一件で確実に司波兄弟に嫌われたと総司は思っている。そんな自分がいても面白くないと。しかし事実は違う。達也は不明だが深雪は彼を嫌ってなどいない。むしろ彼の言う通り迷惑をかけたと反省している程だ。先程、1科生に総司は悪くないと発言したのがその証拠だ。

 しかし総司はそれを知らない。彼は嫌われている奴が混ざっているお茶程、つまらないものはないと思っている。しかも彼自身、深雪の事は好きではない。お互い、好きでもないのに一緒にいても不利益を被るだけ。ここは不可侵でいこうという魂胆だ。

 

 そうやって総司が気を遣ってその場を去ろうとするがその前に深雪が一歩前に出る。

 

 「悠木さん。昼の一件、悠木さんに大変ご迷惑を掛けてしまい申し訳ありませんでした」

 

 突然謝られた事に驚きを隠せない。

 

 「私が人の評価を気にしてハッキリ言わなかったせいで悠木さん、それからエリカ、美月、レオさんに迷惑をかけて本当にすみませんでした」

 

 総司は彼女の言葉を黙って聞く。エリカ達は自分達にも改めて謝られるなんて思っていなかったの多少タイムラグがあるが慌ててフォローする。

 

 「いや、だから深雪は悪くないって」

 「いえ、悪い事は悪い。そこはハッキリしたいの、エリカ。ごめんなさい」

 「深雪……」

 「そして、入学式前の事。悠木さんに言われた言葉『真実が見えてないのは感心しないぜ』、思い知らされました。あの時の私はまだまだ井の中の蛙だったと。私はお兄様が体術で負けるなんて思いもしませんでした。それがたとえ冷静でなかったとしても。………あの時はすいません。全部を把握しないで決めつけてしまって。なんとなくですが、あの後から悠木さんから私への態度が悪くなったと感じています。もしそれが原因だとしたら謝罪します」

 

 そう言って深雪は頭を深々と下げた。その様子を兄である達也は黙って見守る。今は自分が口を挟むべきではない。これは深雪と総司で解決すべき事なのだ。もしこれで自分が口を挟もうものならばきっとこの2人の溝は一生縮まらない。深雪がそれを良しとするならば口を挟むが彼女はそう思っていない。

 

 「その言い方だと冷静ならば達也の方が上だと言っているように聞こえるな」

 「当たり前です。私は悠木さんの実力のほんの一部しか知りません。もしかしたら昼と同じ結果になるかも知りません。それでも私はお兄様を信じています」

 

 初めて出会った時の目とは明らかに違った。あの時の目は自信というより崇拝に近かった。兄ならなんでも出来る。誰にも負ける訳が無いと。しかし昼に起こった事、いつも冷静な兄であろうと常に完璧ではない。激情に駆られて冷静さを失う事もある。それを彼女は知った。だからこその今の目。どのような結果になるかは誰も分からない。それでも、少なくとも自分だけはは兄が勝つと信じる目。似ているが決して一緒ではない。この違いは大きい。

 

 (少しはマシな目になったな)

 「悪かったな。少し言い過ぎた。確かに冷静の達也とはどちらが勝つか分からない。それ程達也の能力は高いと思っている。だが俺は負ける気はない」

 「きっとお兄様もそのつもりです」

 

 深雪はそう言って達也を見た。それは2人の会話は終わった事を意味する。なら今度は自分の番だと達也は総司の方を歩み寄る。場に緊張感が走る。そして達也は総司の目の前に立つとまず一言、言い放つ。

 

 「俺はまだお前を許していない」

 「……だろうな。冷静なお前があんなに怒ったんだ。そんな簡単に収まるとは思ってない」

 「ああ、お前は深雪を泣かせた。如何なる理由があろうとその事実は変わらない」

 「……」

 「だが深雪は1科生の人を前にして言った。『私が悪い。総司は悪くない』と。俺はその深雪の気持ちを汲み取る事にした」

 

 これには少し驚いた総司。勉強とかと違い総司が指摘したのは行動。しかも分かっていてもそう簡単に直せるものではない。それこそ自分の評価などを下げてしまう可能性がある勇気を持った行動だ。彼女の行動には自分もしっかり謝罪を入れなければ割りに合わないと思った総司は深雪の方へ振り返り先程の軽い謝罪と違ってしっかり頭を下げる。

 

 「これじゃ俺も頭を下げなければ割に合わないよな。悪かった。謝罪する。お前はただその場しのぎで謝るだけでなく、反省して行動で示した。それは簡単に出来る行動じゃない。称賛に値する。そんなお前に酷い事を言って泣かせてしまった俺を許して欲しい」

 「ふふ、それではこれでおあいこですね」

 

 深雪は小さく笑った。総司もそれに釣られて笑う。これで、深雪との溝は完全に埋まった。後は達也との溝だけだ。そう思い総司は達也の方へ振り返る。

 

 「総司、今回は深雪に免じて見逃してやる。だがもし次泣かせたら容赦しないぞ」

 「ああ、分かってる。もししたとしたらどんと来い。いつでも相手をしてやる」

 「それから、あの時は急に殴りかかってすまなかった」

 「そうか………だが断る!この悠木総司の最も好きな事は許しを請いている奴にNOと断ってやる事さ」

 「⁈……フフッ」

 「お兄様が…笑った?」

 

 深雪達は総司のぶち壊しの発言にポカーンとするが、次第に何言ってるんだと怒りが募る。しかしこの発言を知っている達也だけが笑ってしまう。他の者達は何故達也が笑うのか理解出来なかった。今ではこのネタを知っている人物はほとんどいない。だがお互いに同じ作品を読んでいた達也だからこその笑い。まさかの名言に怒りが吹き飛び、笑いが溢れてしまったのだ。これだからジョジョは良い。

 

 「まぁさっきのは冗談だとして俺も悪かったな。アイアンクロー。痛かったろ」スッ

 「大丈夫だ」ガシッ

 

 互いに仲直りの握手をして2人の溝も無事修復に完了した。

 

 「良し!それじゃ仲直りも済んだ事だし、一緒に行きましょう!」

 「「「「「おおー!」」」」」

 

 いつもの面子にほのか。そして彼女と友達である北山雫が加わった8人でケーキ屋さんに立ち寄った。まぁその後はご想像の通り。魔法の会話をするのだが総司は全くついて行けずに寂しくケーキを口にするのだった。自分の考え方を話せる者はいつ現れるのだろうと思うが、この学校にいる限り無理な話であった。

 

 

 

 次の日、総司はいつものように電車を利用して学校へ向かう。第一高校生が利用する駅の名前は『第一高校前』。駅から学校まではほぼ一本道。そのため通学路で友達と一緒になる事は珍しくない。現にこうして待ち合わせをした訳でもないのに達也達いつものメンバーと合流した訳だ。ここまでなら良かったのだがある人物が自身の名前を呼んだ事で一気に憂鬱になる。

 

 「総司さん………以前から会長とお知り合いだったんですか?」

 「一昨日の入学式の日が初対面のはずだ」

 

 美月の疑問に、総司はハッキリ断言する。自分がもし魔法系列の家系だった場合、幼い頃にパーティかなにかで顔を合わせる事があったかも知らないが総司の家は一般家庭……とは言えないが少なくとも魔法とは基本関係ない。総司が魔法師から依頼を受け出したのだって中学生になってからだ。そのくらいなら記憶もハッキリして彼女とは無縁であると言い切れる。しかし周りからしたらそうは見えない。なにせわざわざこちらに走ってくる程だからだ。昨日の一件で悪印象を与えたと思っているのに何故関わろうとしてくるのだろうかと素朴な疑問が浮かぶ。

 

 「総司君、おはよっ!達也君に深雪さんもおはようございます」

 「お、おはようございます」

 

 1人だけ仲良しにする挨拶みたいだと思うが流石に気のせいではないだろ。達也や深雪が丁寧に挨拶を述べたが総司は引き気味に挨拶をする。

 

 「お1人ですか、会長?」

 「うん。朝はね、特に待ち合わせしないの」

 

 総司の問いに肯定する真由美。明らかに馴れ馴れしい。そして真由美がこちらに走って来た理由は深雪との話があるらしい。恐らく生徒会に関する事なのだろうがそれなら何故総司を呼んだのだろうかと謎が深まる。総司は自分に対する時とそれ以外の真由美の口調を比べるが明らかに違う。それを本人に問う事も出来たのだが面倒なので止める。

 

 「それで一度ゆっくり説明したいと思ってお昼はどうするご予定かしら?」

 「まだ決めてないです」

 「達也君と一緒?」

 「それは…」

 

 深雪は総司に目配せする。昨日の事もあったからなんとなく彼に許可を取らなければいけないと思ったのだろうか。総司もその真意を汲み取り答える。

 

 「別に良いよ、俺は。1科生の奴等を連れて来なくて面倒が起きなければ別に」

 「確かに昨日の様になっても困るものね。それじゃ邪魔が入らないよう生徒会室でお昼をご一緒しない?ランチボックスでよければ自販機があるし」

 「…生徒会室にダイニングサーバーが置かれているのですか?」

 

 物に動じない深雪が驚きのあまり問い返す。しかし、いくらその通りでもハッキリ邪魔とは酷いのではないかと思う一同。だが勝手に生徒会室を関係ない者が使ってはいかがなものかと考える。

 

 「関係ない俺らが使ったら副会長とかが怒るんじゃないですか?」

 「大丈夫よ。はんぞー君はいつも部室で食べてるから」

 

 若干そこにボッチ飯を漂わせる。中学の時、自分もボッチだった事を考えて少し同情する。勝手に服部をボッチと決めつける総司。別に部活入ってないのでそこで食べたりはしなかったけど。

 

 「なんだったら皆さんもご一緒して良いんですよ」

 

 真由美は勧誘を続ける。しかしそんな社交的な申し出を正反対の口調でキッパリ謝絶した者がいた。

 

 「せっかくですけど、あたしたちはご遠慮します」

 

 エリカは拒絶した。いつもなら楽しそうとでも言ってついて来そうものなのに。彼女にも色々とあるのだろうか。

 

 「じゃあ深雪さん達だけでも」

 

 真由美は達也達を見て問いかける。先程までなら断ろうとしていたがエリカが取った態度を考えるとすこし申し訳なさが募る達也。

 

 「分かりました。それでは3人(・・)でお邪魔させていただきます」

 

 達也の自然な回答に見逃しかけるが直ぐにおかしいところがあることに気付く総司。

 

 「そうですか。良かった。それでは詳しいお話はその時に。お待ちしてますね」

 

 真由美もおかしなところはないと言わんばかりに丁寧に頭を下げ、会話を切ろうとする。しかしそれに総司が突っ込む。

 

 「いや、ちょっと待て。達也、今の文章、少しおかしかったろ」

 「?別におかしくはないが?」

 「そうよ総司君。何を言ってるの?どこも変じゃないじゃない」

 

 総司の問いに逆に何おかしな事を言ってるのだろうと思う2人。

 

 「変だろ。3人って誰だよ」

 「それは俺と深雪とお前に決まってるだろ」

 

 達也はさも当然のように言った。

 

 「いや、なんで俺が行く事に決まってるんだよ!」

 「総司君は嫌?」

 

 真由美は目をうるうるさせながら言う。自分の魅力を存分に発揮して。その光景に思春期の男子であるレオは羨ましそうに見つめる。しかし総司はキッパリ答えた。

 

 「はい、俺は関係ないので」

 「いえ、実は総司君にも話があるの」

 

 何故、深雪みたいな1科生ではない2科生の最底辺である自分になんの話だろうと思う総司。しかしそれを言われても返答は変わらない。

 

 「それではその話も断る方向で」

 「そう…ですか……」

 

 一方的に断る総司。話も聞いてもらえなかった真由美はしょんぼりする。それにはレオ達も口を出す。

 

 「総司、いくらなんでもそれはねぇぜ」

 「そうですよ。お話だけでも聞きましょうよ」

 「そうです。それに総司さんは女性への対応を改めるべきです。会長が可哀想ですよ」

 「え?俺が悪いの?」

 「「「「うん」」」」

 

 どこかでデジャブを感じるこの光景。それを前回受けたエリカはそっと近づき総司の肩に手を置いた。

 

 「総司君、こうなったらどうしようもない。諦めよ」

 

 総司に同情の目線を向けるエリカ。自分も同じ被害者だからこそ分かる事がある。そして今更だがみんなの呼び方が総司になっているのはお茶を食べている時に達也が名前なのに総司は苗字なのはなんか差別してるみたいと誰かが言い出した事で決まった。

 

 話は逸れたが総司は頭を掻いて面倒臭いと思いながらもしょうがなく昼をご馳走になる事にした。

 

 「七草会長、やっぱりお昼ご一緒しても良いですか?」

 

 背中がむず痒くなるのを抑えて彼女に言った。すると先程の落ち込み具合が嘘かの様に笑顔になった。

 

 「本当⁈やったっ!」

 

 その笑顔は今までの大人の雰囲気ではなく少女の可愛らしい笑顔だった。思わずレオは顔を赤くする。そして彼女の反応を見た女性人こそこそ話をする。

 

 「……やっぱり変よね?」

 「ええ、明らかに一昨日会ったばかりの反応とは思えません」

 「それこそ恋してる反応とか」

 「でも数日で人を好きになるかしら?」

 「「「うーん、」」」

 

 3人で話しても答えが出ないのでもう一度総司に確認する。

 

 「ねぇねぇ、」

 「なんだ?」

 「本当に会長とは一昨日会ったばかりなのよね?」

 「しつこいな。そうだって言ってるだろ」

 

 総司は繰り返し言うがそれでも信じられないエリカ達。それ程今の彼女の笑顔は眩しかったのだ。それこそ同性である自分達も魅了されてしまう程に。

 

 




 ご愛読ありがとうございました。

 どうでしたか?達也達と一応仲直りを済ませる総司。だが断る!色んな作品がパロってますがやっぱり言いですね。岸辺露伴大好き。

 そして真由美会長。一体総司とどうしてここまで絡むのか。何かあるのだろうか。

 では次回もお楽しみに!またね

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