対魔法抵抗力エンドレスナイン   作:やってられないんだぜい

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 皆さん元気にしてますか?自分はとても元気です。何故なら今日から始まった開幕戦。ヤクルトに勝ったからです。藤浪の荒れ具合には少し不安がありますがそれでもきっと立ち直ってくれると信じています。佐藤はヒットこそ出ませんでしたがそれでも犠牲フライで初打点。明日こそ打ってくれると信じています。

 では本編どうぞ!


みんなって体調不良を偽ってサボった事ある?

 

 そして早くも昼休み。総司と達也は深雪と合流して生徒会室へ向かう。この時も1科生の連中で突っかかる者がいたが生徒会長へ呼ばれてるので失礼しますと深雪がハッキリ断り、彼等は引かざるを得なかった。だが後方から『なんで司波さんだけでなくあの2科生も呼ばれてるんだ?』と騒ついていた。総司と達也からしてみればこちらが聞きたいくらいである。

 

 「話って一体なんだよ」

 「行ったら分かる事だからそんなに文句ばっか言うなよ」

 

 文句を言う総司を達也が宥める。これ以上あの会長に目をつけられるのは避けたい総司。だからといって自分の生き方、考えを変える気はないのでなるべく自分の周りで問題が起きない事を願う。

 4階の廊下の突き当たりにある目的地に着いた3人。深雪がドアホンを鳴らすと直ぐに部屋のロックが外れる。達也が妹を庇う様に体を傾けながら戸を開いた。1番前にいた深雪が開ければ良いのにと思う総司。

 

 「いらっしゃい。遠慮しないで」

 

 正面の奥にいる真由美がとても楽しそうな笑顔で手招きしている。総司は部屋に入ろうとしたが深雪と達也がドアの前で足を止める。何をするのかと思って見ていると深雪がお辞儀をした。手を揃え、目を伏せ、礼儀作法のお手本のような洗礼された仕草であった。

 

 (仕草の1つ1つがやっぱり一般人とレベルが違う。やっぱり位の高い家系なのか?)

 「えーっと、ご丁寧にどうも」

 

 宮中晩餐会でも通用しそうな所作を見せられ、真由美もたじろぐ。部屋には他にも2名の役員が同席していたが、すっかり雰囲気に呑まれていた。

 

 「どうぞ掛けて。お話はお食事をしながらにしましょう」

 

 真由美に言われた通りに3人は長机に座る。深雪が上座、右隣を達也、更に隣を総司が座る。

 その後、料理を受け取り、この場にいる他の役員の紹介も済ませて本題に入った。内容は予想通り、深雪の生徒会への勧誘だった。この学校は毎年恒例で新入生総代を務めた1年生に生徒会の役員になってもらうらしい。しかもここ5年間は役員になった1年生が全員生徒会長に選ばれているのだという。つまり2年前の入学生である真由美も主席だったという訳だ。

 

 だが総司はそれよりも気になる事がある。自分の向かい側に座っている摩利の事だ。彼女は事あるごとにこちらをチラ見してくる。何か用事かと思い摩利を見て目があうと怯えて目を逸らす。それを見て自分は彼女に軽いトラウマを植え付けてしまったのかと反省する。別に誰も傷つかないようにしただけでそこまで怯えさせる気はなかったのだが。どうしたものかと思い真由美に視線を戻すと彼女もこちらを見て状況を察したのかウインクをしてくる。『あまり触れないで』と目が語っている。

 

 深雪はすぐに返答せず、達也へ振り向いて眼差しで問いかける。達也は彼女の背中を押す意思を込めて小さく頷く。深雪は再び俯き、何か決心して顔を上げた。

 

 「会長は、兄の入試成績をご存知ですか?」

 「ええ、知ってますよ。先生に見せてもらった時は自信を無くしました」

 「成績優秀者、有能な人材を生徒会に迎え入れるなら私よりも兄の方が相応しいと思います」

 「おいっ、み……」

 「デスクワークなら実技成績は関係ないと思います。むしろ知識や判断力の方が重要なはずです」

 

 彼女は達也が止めようとしても聞かず自分の主張をハッキリの述べた。彼女の言葉に総司も力強く頷く。彼女の意見は的を得ていたからだ。生徒会に必要なのは力ではない。学校をより良くする頭脳だ。会長にはそこに行動力、影響力が必要となるが他はサブ。生徒会長を支えられる力があればいいのだ。更に深雪は自分を生徒会に入れるなら達也も同伴させてもらいたいと言った。しかも枠が1つと言うならば自分ではなく達也を入れて欲しいと。これには達也は頭を抱える。

 

 「残念ながらそれは出来ません」

 

 生徒会長ではなく、隣に座っている鈴音が発言した。どうやら生徒会役員は1科生から選ばなければならないと言う規則があるという。それを改定するには全校生徒の3分の2の票数を獲得しなければいけない。当然、1科生がそれを良しとするはずもない。生徒数がほぼ同数である現状では事実上不可能だ。例えいくら真由美が規則を変えようとしてもそればっかしには首を頑なに縦に振ろうとしない。彼女は淡々と、どちらかというと済まなそうに深雪に告げる。

 

 「申し訳ありませんでした。分を弁えぬ差し出口、お許しください」

 

 差別がある現在の体制を申し訳なさそうに思っているからこそ、深雪も素直に謝罪した。これがもし、それが当然とでも言おう者なら彼女の冷気が漏れていた頃だろう。立ち上がり深々と頭を下げる彼女を咎める者はない。

 

 こうして深雪は生徒会の書記として役員に加わった。すると摩利が手を挙げた。

 

 「すまない、ちょっと良いか?実は風紀委員会の生徒会選任枠のうち、前年度卒業生の1枠がまだ埋まってないのだが」

 「…摩利……グッドタイミングよ。丁度今その話をしようとしたの。風紀委員の生徒会枠に2科生を選んでも違反にならない。そうよね」

 

 真由美は摩利にサムズアップする。まさかと思い鈴音もあずさも唖然とする。そして真由美がこちらを向いた。嫌な予感がした総司は言われる前に先に断る。

 

 「俺はやりませんからね」

 「お前などこっちから願い下げだ」

 「あ"あ"ん?」

 「ヒッ⁈」

 

 摩利の言葉に総司はドスを利かす。すると彼女は怯えて鈴音の後ろに隠れた。あずさや鈴音はこの様な摩利を見た事がなく、とても驚いている。それに冷静に真由美が発言する。

 

 「安心して摩利。総司君に風紀委員が務まるとは思ってないわ。2日目から色々やらかす人に務まる仕事じゃないもの」

 「な、なら誰を?」

 「達也君よ」

 「はぁ?」

 

 摩利の問いに真由美はそう答えた。まさかのここで自分の名前が出てくるとは思ってもいなかった達也から間の抜けた声が漏れる。

 

 「だが待て。筆記試験は真由美の反応から察して凄かったのは分かるが風紀委員会だぞ。取り締まる力がなければやっていけない」

 

 摩利は抗議する。真由美の少しでも1科と2科の確執を取り除こうとする気持ちは分かるが実力が不確かな者を入れる事など出来ない。確かに最もな発言だ。ろくに力もなく入ったとしてやっていけなかったらそれこそ本末転倒だ。達也も自分は実技が駄目だったから2科なのだと言おうとするがそれより先に水を得た魚のごとく、総司が元気よく答える。

 

 「それには及びません。達也の実技能力は知りませんが彼は体術が優れています。それも生半可なレベルではありません」

 「だがそれは君が見た限りだろ」

 「そうですがなにか?確かに少し見てないので全貌は知りませんが足の運び、瞬発力。拳のスピード。どれも高水準です。実力は保証します」

 

 とても楽しそうに語る。まるで自分の発明に目をつけられた研究者みたいに。勝手に話を盛り上げられた達也は楽しそうに話す総司の首根っこを掴んで部屋の後方に移動する。

 

 「何勝手な事を言ってるんだ」

 「うるせぇ。そもそもお前が同行するのは3人とか言わなきゃこんな事にはなってないんだよ。恨むなら今朝の自分を恨みな」

 

 総司に言われて本当に何故彼を巻き込んでしまったのかと数時間前の自分を恨む達也。この男を道連れにしたのは間違いだったと。

 

 「大丈夫よ達也君。風紀委員会は1人じゃない。力比べなら摩利がいるから」

 「確かにそうだが」

 

 自分の力に自信がない達也をフォローしたつもりなのだが達也からしたら余計なお世話である。摩利もそこで頷くなと。そこで総司はある事に気付く。

 

 「ん?なら俺はなんでここに呼ばれたんですか?」

 

 達也を風紀委員会に推薦する気が無いなら、何故自分はここに呼ばれたのか気になる。生徒会役員も1科生からしか選べないとの規定があるのでなおさら自分がここにいる意味が分からない。

 

 「それはね総司君。ボ……」

 キーンコーンカーンコーン

 

 真由美が総司の問いに応えようとしたら昼休み終了のチャイムが鳴ってしまった。あと少しで聞けたところでなるなんて運がない。聞いて面倒くさければ速攻で断って終わったのに。

 

 「あら、時間ね。それじゃ達也君、総司君。続きは放課後で良いかしら?」

 

 ここで行かなければ勝手に決められそうだったので2人は渋々了承した。

 

 「結局俺は何のために呼ばれたんだ?」

 

 

 「どうだった?生徒会室の居心地は?」

 

 5限目の授業が始まるまで残り少ない時間にレオが聞いてきた。それに達也が風紀委員になれと言われたと答えると最初はレオ達も唐突すぎて理解が追いつかなかったが、すぐに達也に受けるよう説得する。1科生にでしゃばられるより何倍もマシだと。達也はあまり乗り気では無いが周りが勝手に盛り上がっているこの状況に少し戸惑っている様子。

 

 「達也君は分かったけど、総司君は何で呼ばれたの?」

 

 エリカが聞いてくる。ハッキリ言ってこちらが問いたいくらいだ。

 

 「分からん。話す前にチャイムが鳴ったからな。聞けなかった」

 「それはお前が渡辺先輩を脅すからだろ。凄い怯えていたぞ」

 「別に脅したつもりはねぇよ。だけどあの人の言い方にムカついただけだ」

 「……へぇ、あんたやるじゃない!」

 

 エリカが笑顔で総司の背中を思いっきり叩いた。まるで摩利が怯えたという言葉にとても喜んでいる様子だった。彼女と摩利には何かしらの因縁があるのかも知れないと総司は思った。

 

 「…………良し」

 

 5限目が終わった直後総司はそう言った。何かを決意した目をして。

 

 「何が良しなんだ?」

 

 たまたま聞いていた達也が尋ねた。すると総司は驚くべき行動に出る。

 

 「悪い。俺、少し体調悪いから保健室行くわ」

 「何?」

 

 達也は思わず聞き返す。先程までそんの様子も無かった彼が急に体調が悪いと言い出すのだ。しかも顔色が悪いとも思えない。そして次は実習。これらから何故このような行動に出たかは容易に想像がついた。達也は総司に近づき、誰にも聞かれぬよう耳元で話した。

 

 「サボりか?」

 「………やっぱりバレた?」

 

 勘のいい達也なら直ぐに気付かれると予想してたが、案の定簡単にバレてしまった。達也は続けて耳元で小声で話す。

 

 「実習そんな自信ないのか?」

 「まぁな」

 「安心しろ。俺も自信ないから恥をかく事はない」

 

 総司の事を気遣っての言葉なのだろうが総司からしたら全くの無意味だった。何故なら総司は実習が苦手というレベルではない。全く動かないからだ。魔法適性、総司から言わせれば魔術適性0なのだ。きっと行ったが最後、いつまでもやらない総司に有象無象が集まって公開処刑になる事間違いなしだ。そんなのが起きるくらいならサボる方がマシである。しかしそれを達也は止める。

 

 「大丈夫だ。誰も気にしない。サボるにしてもいつかはバレるんだから」

 

 彼の言葉はもっともだ。だがそれでも総司は可能な限りサボり尽くす。そう決めたのだ。そう思っていると校内放送が流れた。

 

 「1年E組の悠木君、悠木総司君。至急職員室までお越しください」

 「は?俺?」

 

 クラスの視線が一斉にこちらを向いた。達也達もまた何かやったのかと呆れていた。しかし全く身に覚えがない。無いのだがこれはチャンスである。

 

 「わ、悪い。それじゃ俺、職員室行ってくるわ」

 「おい総司、また何かしたのか?」

 「1科生の方と何かトラブルでも?」

 「別に大した事じゃないよ。皆は先に実習場に行っててくれ。俺も終わり次第向かう」

 

 総司は皆に背を向けるととても良い笑顔で部屋を飛び出して職員室へ駆け足で向かった。

 

 

 1年A組

 

 「どうしたんでしょうか?」

 「さぁ」

 「別にあれ以降1科生と2科生の間で問題があった話は聞かないけれど、ほのかと雫は何か心当たりある?」

 

 深雪の問いに2人は首を振る。すると丁度、空いてるドアから職員室へ向かう総司に姿が見えた。だが3人は不思議そうに見つめる。何故なら彼の表情がとても嬉しそうだったからだ。

 

 「呼び出しされたのに笑顔?」

 「やっぱり変人?」

 「ちょっと雫、いくらなんでも変人は悪くない?」

 「でも呼び出しされた人があんな表情をする?」

 「確かにそこは気になるけど」

 「それにあの時聞かなかったけどほのかの魔法をどうやって止めたのか気になる」

 

 雫の言葉に2人も頷く。2日目の争い時、ほのかの展開式を触れて消し飛ばした。そんな技術はこの世に存在しない。証明されていないのだ。彼が魔法を発動した痕跡も無い。完全に謎である。

 

 「もしかしたら総司さん、私達の知らない凄い事があるのかも」

 「そ、それは少し考えすぎじゃ無いかな?」

 

 雫の発言にほのかは苦笑いして答える。深雪は雫の言葉をもしかしたらあたっているかも知れないと頭の隅に置いとく事にした。

 

 

 

 

 

 





 ご愛読ありがとうございました!

 現在、お気に入り数はなんと547で評価者38人で平均6点代。総合評価は800!後ちょっとで念願の1000です!少し前まではそんなの無理だと思っていましたがあと少しとわかってとてもモチベーションが高いです。

 これからも皆さんに評価される程、気に入られるように頑張るのでよろしくお願いします。そしてついに服部副会長の出番です。他にも総司が呼び出された理由とは一体?

 では次回もお楽しみに!またね
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