対魔法抵抗力エンドレスナイン   作:やってられないんだぜい

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 皆さんお久しぶりです!

 少し期間が空いてしまいましたね。そしてアンケートを締め切らせて貰います。ご協力ありがとうございました。全部で228件。とても感謝しております。結果を述べると好きが87ポイント、嫌いが82ポイントになりました。とても僅差でしたね。これからいい所で区切る終わり方もあると思いますがそれが嫌いと言う方も沢山いたので半々の割合にしようと思います。改めてありがとうございました!


 では本編どうぞ!




人の恋路は邪魔しちゃ駄目だよ

 

 当然予想もしなかった出来事に生徒会メンバーは達也に駆け寄る。達也は既にCADを片付けようとしていた。その表情に笑顔は無く、淡々としていた。まるで勝つ事が当たり前かの様に。

 

 「待て、今の動きは………自己加速術式を予め展開していたのか?」

 「そんな訳がないのは先輩が1番良くお分かりだと思いますが」

 

 確かに達也の言う通りだった。審判をしていた摩利はフライングしていないかを注意深く観察していた。だが魔法による補助無しでは考えられないスピードだった。

 

 「正真正銘、身体的な技術ですよ」

 「わたしも証言します。あれは兄の体術です。兄は忍術使い・九重八雲先生の指導を受けているのです」

 「深雪、それは誰?」

 

 彼女が言った名前を知らない総司は尋ねた。摩利は対人戦闘に長けている為九重八雲の名をよく知っていたが、あまり知らない真由美や鈴音はこの質問に助かる。

 

 深雪が先生について説明すると総司は顔がニヤける。

 

 「どうしたのですか?」

 

 深雪が首を傾げる。総司は慌ててダラけた顔を整えた。

 

 「いや別に、なんでもない」

 

 嘘である。この男、この話を聞いていつか道場破りする気満々である。

 

 そして服部を倒した魔法は何かと言う話になったが正直それについて興味なかったので忍者がどんな攻撃を繰り出してくるのか想像していた。

 

 (忍者か、やっぱり速いんだろうな。だからもし対決したら速さに翻弄されない様にしないと)

 

 総司は全く聞いていなかったが達也の今回使用した技術は学校の試験で評価されない項目という話をしていると服部が目を覚ました。

 

 「はんぞーくん、大丈夫ですか?」

 

 心配してる割に総司の近くを離れない。服部は真由美に心配されたことに喜びを感じ、大きな返事をしたが未だに総司が彼女の近くにいる事に内心苛立つ。

 

 「そうですね。ずっと気がついていたようですし」

 「いえ、最初は本当に意識がなかったんです。意識を取り戻した後も朦朧していて、体を動かせる様になったのは今なんですよ!」

 「でも私達の話をしっかり理解しているようですけど?」

 「そ、それはですね……こう、朦朧としながらも耳に入って来たと言いますか」

 

 服部は彼女にもっと心配して欲しいのだろうか?そんな事を総司は考えてしまう。しかも本人である真由美は彼が自分に向けている感情を理解している様だった。なんとも酷い女だと思う。

 

 達也がCADを片付けている背中で服部が深雪に謝っていた。しっかり自分の間違いを素直に認められるのは彼の良い所だろう。彼の気持ちが真剣だったのを感じた深雪は自分も謝る。上級生に向ける発言ではなかったと。

 

 これで一件落着と思いきやまだ問題が残っていた。

 

 「会長、その男はなんなんですか?」

 

 総司の事だった。達也は実力を示したが総司はなんも示していない。それどころか真由美以外、彼を生徒会室に招き入れた理由すら分からないのだ。

 

 「なんなんですかって?」

 「その男をどうするつもりかと聞いているんです。既に枠は空いていませんよ。まさかその男の為に誰かを外すなんて事を言う訳じゃないありませんよね?」

 「まさか、そんな事はしないわ」

 「ならその男がこの場にいる理由を教えて下さい」

 

 それについては摩利達ですら同感だ。既に問題児のレッテルを貼られかけているこの男が何故呼ばれたのか。それは彼女達ですら聞いてない。真実は総司と真由美の中だけだ。

 

 「ごめんなさい、プライベートなの」

 「⁈プライ…ベート……」

 

 一同は驚く。中でも1番驚いた服部はショックでその場に崩れ落ちる。彼はこの言葉をどう受け取ったのか。

 

 「プライベートって、他に言い方なかったんですか?副会長絶対何か勘違いしてますよ」

 「勘違いって?」

 「はぁ、」

 

 分かっている癖に総司に言って欲しいと思う真由美。確信犯である。

 

 「総司、お前は只者ではないと思っていたがまさか会長とそう言う仲だったとはな」

 「婚約者か何かですか?」

 「そう見えるかしら?」

 

 達也が近づいてきて改めて祝福して来た。深雪に至っては彼等の事を婚約者だと言う始末。真由美も全然否定しない。それどころか嬉しそうだった。

 

 「そう言う事だったのか。道理で今まで告られても誰とも付き合わなかった訳だ」

 「既に想い人がいた訳ですね」

 「あわわわ、会長、おめでとうございます?」

 

 摩利達も勘違いしている。あずさはテンパってどう言えばいいか分からず語尾に?が付いている。いつまでも笑顔で一向に否定しない真由美に文句を言う。

 

 「七草会長、いつまで茶番続ける気ですか?」

 「茶番?」

 「俺らそう言う関係じゃないでしょ」

 

 その言葉を耳にするとさっきまで落ち込んでいた服部が猛スピードで近づいて来た。今にも顔と顔がぶつかりそうな距離まで来る。

 

 「そ、そ、そ、そうなんですか⁈会長!」

 「ふふ、ええ、まぁね確かに私達は恋人ではないわ」

 

 その言葉に服部は歓喜してその場で舞い出した。摩利達は折角からかえると楽しみにしていたのに違うと分かって残念がる。

 

 「だから俺達はそんなんじゃないって事だ。達也、勘違いするなよ」

 「残念だな」

 「何処がだ。もしそうだとしたら絶対面倒になる」

 

 もし会長と恋人が2科生なんかだと知られれば絶対にいちゃもんをつけられる。その瞬間自分の高校生活は地獄と化すだろう。毎日毎日呼び出される。勝てる勝てないではなくそうなる事自体が面倒なのだ。だと言うのに、

 

 「まだね」

 

 この言葉で服部は気絶する。天然ならまだしょうがないで済ませるがこれをワザとやっている。お陰で真由美は摩利達に質問攻めに遭い、こちらも深雪から質問の嵐だ。

 

 「総司さんって会長と前々から知り合いだったんですか⁈どう言う出会い方だったんですか!」

 

 彼女も普段はクールぶっているが恋バナが好きな女子高生だった様だ。総司はひたすら知らないの一点張り。この状況を作り出した彼女に目を向けると丁度目が合い、ウインクをしてくる。それでまた面倒臭い事態に陥る。

 

 (あんの女!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 総司は質問攻めに遭いながらもなんとか家にたどり着く。

 

 「あーつっかれたぁ。余計な事してくれやがって。ボディーガードなんか死んでもお断りです!……その前にする事しなきゃな」

 

 ポケットからケータイを取り出して七草家当主に電話する。

 

 

 

 

 プルルルル

 

 「誰だ?」

 

 七草家当主である七草弘一は自室専用の固定電話にかかって来た事からそれなりの人物からかかって来た事を察する。

 

 「もしもし、自分です。悠木総司です」

 「…君か。こちらは特に依頼を出していない筈だが?」

 「単刀直入に聞きたいんですけど。おたく、娘に俺のこと話したか?」

 

 弘一は突然の事に驚いた。何故なら全くと言っていい程、身に覚えが無いからだ。そもそもそんなヘマはしない。自分の命に関わるからだ。

 

 「?なんの事だかさっぱり」

 「惚けるんじゃねぇ。あいつは俺の力の事を知ってやがった。昔に何処かで会った事があると言っていたが、そもそもこの学校に来るまで人前で魔法師と対峙する事すら無かった。つまり知る術が無いんだ。十師族当主であるあんたに教えてもらわない限りな」

 「まさか第一高校に入学したのか⁈魔法を信じてない君が一体どうして」

 「そんな事はどうでもいい。とにかく真実を話せ」

 「真実も何も本当に何も知らない。私は誰にも君の事を話したりなどしていない。そもそも君は娘から何も聞いていないのか?」

 「さっぱり」

 

 どうやら娘は彼に話していない様だ。そこにどんな理由があろうと彼女が話さないと決めたのだ。それなら自分は話さない。弘一は娘にあった出来事を今でも鮮明に覚えている。その日、とても怖い目に遭った筈なのに笑顔だったから特にだ。当然、娘の話から助けてくれた人物が彼だと言う事はすぐに分かった。娘が彼に好意を抱いている事も。恐らく娘は彼が自分のヒーローだと言う事に気がついているだろう。勘の鋭い子だ。気がつかない筈がない。その娘が話さなかったのだ。なら自分がバラすのは筋違いというものどろう。

 

 「そうか。なら私からは話す事はない。だが勘違いしないでくれ。私は娘に君の事を話していない。そして君は娘と遭っている。忘れているか気がついてないかだ。それでは私はやる事があるので失礼する」

 

 そう言って弘一は受話器を戻す。そして暫し考え事をする。何故彼が魔法科高校に入学出来たのか。それは確実に誰かの後ろ盾があるだろう。彼から入学したいとは絶対に言わない。なら何かしらあの学校で何か起きると思った他の十師族の誰かが送り込んだとしか思えない。

 

 「それにしても面倒な事になった」

 

 弘一は別に真由美と総司の仲を認めてない訳ではない。お礼は言ってないが彼にはとても感謝している。真由美も恋を誰としようと文句はない。だが、

 

 「結ばれる事は決して無い」

 

 





 ご愛読ありがとうございました。

 真由美がどんなに総司を想っていてもこの恋が叶う事はない。切ないですね。しかもそれを真由美だけが把握してないんですよね。一体どうなるのか。

 では次回もお楽しみに。またね
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