自分野球大好きなんですけど最近なんjってスレでイチローと松井どっちを取りたいかってのがあって。両方凄い選手なんだけどやっぱりイチローかなって。外野で走れて守れる人いっぱいいるって言ってましたけどイチローレベルの走攻守の三拍子が揃ってる選手なんているかって。しかも目立たないけどイチローってパワー凄いですからね。求められてないって言ってホームラン狙って無かったですけど打撃練習とかだと1番ホームラン打っているのはイチローって言われてたんですよ。
だから俺は断然イチロー派です。でも松井も欲しい。結局両方で!
では本編どうぞ!
ポケモン以外にも漫画等で話が盛り上がる2人。なんとなく小説以外読まないと思っていたのだが達也も意外に漫画が好きだった。
「やはりジョジョは興味深い。なんと言ってもインパクトの強い名言が多いからな」
「だよな。あの荒木先生まだ生きてるんだぜ。もう135歳なのにな。しかも110歳まで描き続けたジョジョは計280巻の18部編成。すご過ぎるだろう」
「あぁ、あの人は確実に赤石をはめ込んだ石仮面を被っているだろうな」
「はぁ〜。なんか今の漫画ってつまんないんだよな。昔の方がよっぽど面白かったぜ」
「昔って、俺達が生まれるより何十年、下手したら100年も昔の作品だぞ。……まぁその気持ちは分からない訳ではないが」
「だよな。なんかどれもこれも二番煎じって感じでイマイチ心に来る物が無いんだよ」
「新入生ですね?開場の時間ですよ」
漫画談義で花を咲かせていると急に声をかけられた。視線を達也から声の主に移すとそこに立っていたのは女性だった。そして彼女の左腕には幅広のブレスレットが巻かれている。普及型より大幅に薄型化され、ファッション性も考慮された最新式の『CAD』──術式補助演算機(Casting Assistant Device)。そしてこの学校でCADの常時携行が認めてられるのは生徒会役員と特定の委員会のメンバーのみ。その事にいち早く気付いたのは達也だけだ。総司はCADのカタログ等一度も見た事が無い。だから彼女のCADをそもそもCADと認識しておらずファッションとしか見ていなかった。
「わざわざ教えてくださりありがとうございます。すぐに行きます」
彼女の左胸には当然八枚花弁がある。以前の達也なら自分の左胸を隠そうとする卑屈さは持ち合わせてなかろうと劣等感は感じていただろう。しかし今の達也にそんな物はない。総司の言葉を聞いて考え方を改めたからだ。
「感心ですね、スクリーン型ですか」
「まぁ規則ですから」
「当校は仮想型ディスプレイ端末の持込を認めて無いんですけど使用する生徒は大勢いるのですが貴方はえらいですね」
この学校の生徒の多くは違反である仮想型ディスプレイ端末を持ち込んでいる。達也は読書には不向きだからとして理由を述べるが総司は違った。
「確か達也が言う通り読書(漫画)に不向きなのもありますが、ウチに仮想型ディスプレイ端末を買う資金はありません!」
そう、仮想型ディスプレイ端末はかなり高い。出始めた当初と比べて一般家庭にも優しいお値段にしたと言うが冗談じゃない。月10万のデータ料金がお安い筈がない。確かに多額の給料が貰える魔法師ならば安いかも知れないが、月の収入が大きく増減する我が家ではそんな余裕はない。
「見て下さいこのiPhoneXLV(45)!月の料金たったの1000円!これこそ庶民の味方!まぁ仮想型ディスプレイ端末が出たせいで売上はイマイチだけどこの使いやすさはとんでもないんですよ!」
「そ、そう……それにしても動画ではなく読書ですか。ますます珍しいです。私も映像資料より書籍資料が好きな方だから嬉しいわね」
(え、資料としては俺動画の方が分かりやすいけど。文字や聞くより実際に見た方がイメージ出来るから分かりやすくね。真似するにしても実際に見なきゃ俺は無理だわ)
総司の演説に若干引いている彼女。どうやら彼女も読書派だったようで共感してくる。まぁ先程から総司とは噛み合ってないが。
「あっ、申し遅れました。私は第一高校の生徒会長を務めています、七草真由美です。「ななくさ」と書いて書いて「さえぐさ」と読みます」
彼女は最後にウインクを添えてそう言った。大した整っていない者がしたらただイタい行為なのだが彼女の場合はとても似合っていた。美少女なルックス、小柄ながら均整の取れたプロポーションと相まって高校生になったばかりの男子生徒が勘違いしても仕方がない蠱惑的な雰囲気を醸し出している。
しかしそんな見た目に目もやらず彼女の言葉を聞いて総司は呆れてしまった。
(この人が生徒会長?ウソだろ。ならなんで仮想型ディスプレイ端末が使われてるのにそんな他人事なんだよ。校則破ってるのを見つけたら規制しろよ。こんな奴がなんで生徒会長なんかやってるんだ?………あ!九島のじーさんと同じ十師族だからか!名前に数字入ってるもんな。なるほど、親の七光りって訳か?まぁそうと決まった訳じゃ無いから口に出しはしないけどさ)
「俺、いえ、自分は司波達也です」
「おr」
「司波達也くん……そう、貴方があの司波くんね」
達也が挨拶したので自分もしようとしたら七草会長に遮られた。どうやら既に彼女は達也に興味津々らしい。相手にされてない事で少し拗ねながらも達也が何故目をつけられているか気になってしまった。すると彼女は楽しそうな含み笑いをして言う。
「先生方の間では貴方達の噂で持ちきりよ。なんたって入学試験7教科平均96点。特に魔法論理と魔法工学は合格者平均が70点に満たない中で両教科とも文句なしの満点。こんなの前代未聞の高得点だって」
(は?)
総司はこれを聞いてとても驚く。2人はそんな総司を置き去りにして会話を続ける。
(え?……え?いや、確かに達也の成績は凄いよ。でも俺が1番驚いたのはそこじゃ無い。なんで1生徒の彼女がそんな情報を知ってるんだよ。つまり俺の成績バレてるぅぅぅぅ⁈てか個人情報守れや教師!)
先程から下降一辺倒のこの学校への評価がまたも下がる。個人情報もろくに守れないクソ学校と。一体この学校のシステムは何世代前なのだろうか。個人情報を守る制度なんていつの時代なのだろうか。なんかデジャブを感じるが気の所為では無いだろう。
「私は司波君みたいな点数は取れないだろうな。あ、ごめんなさい。貴方の名前聞くの忘れてたわね。お名前聞いてもよろしいかしら?」
学校に悪態付いていると達也との会話が終わったのか彼女はこちらに話しかける。総司は考える。これで名前を答えるべきか。もし答えたとしたら彼女に尋問をされるに決まっている。どうやってペーパー実技両方0点の自分が受かったのかと。そして答えなければそれはそれで不審がられる。悩みに悩んだ末に出した結論は、
「………ゆ、ゆ、ゆ…悠木、総司……です」
俯きながらゆっくり本名を明かす事にした。どうせいつかは知られるのだ。隠し続ける様な面倒臭いマネなどした事が無い。いつでもバラされる覚悟を決めているのに一向に何も言われない。片目を開けてチラっと彼女を見ると達也に向けた表情より更に興味深くこちらを見ていた。まるで心を覗かれている様な緊張が総司を襲った。
「あ、貴方が?悠木総司くん?」
「は、はい。そうですけど……」
「そ、そう。貴方が悠木総司くん。貴方が噂のもう1人よ」
「え?」
達也はもう1人の噂と言われて驚いてこちらを見てくる。総司は達也から視線を外す。予想通り自分の個人情報も漏洩している様だ。
(ああ、俺の高校は終わった。入学式する前に俺の高校人生終わるとは、俺は所詮この人生と言う名のゲームの、敗北者じゃけぇ。金を求めて入学するも、金も青春も何も得ず。しまいにゃ入学式前に知り合い意気投合した者の前で醜態晒す。俺の人生、実に空虚じゃあらせんかぁ〜。………赤犬やってる場合じゃねぇよ)
もう終わったと分かると変な想像をしてしまうのかと思う総司。チェスや将棋で言う所のチェックメイトにハマってしまったのだ!もう覚悟を決めてその噂を聞く事にした。
「それで、どう言う噂ですか?」(さよなら、達也。短い間だったが楽しかったぜ)
まるで死に際のセリフを心の中で思いながら。しかしこのセリフは無駄になる。
「さぁ、私も知らないんです」
「え?」
「丁度私が職員室に用があって立ち寄った時貴方の名前が話題に上がっていたの。でもやばいだとか一体なんて言うだけで何がやばいのか全く話さなかったの。痺れを切らした私はドアを開けたわ。そしたら一気に場は静まり返った。そしてとても焦りながらこちらを観察して来た。まるで聞かれてはいけない話をしていたかの様に。気になった私は思い切って聞いてみる事にしたの。達也君の時も直ぐに話してくれたから。私、結構権力あるのよ」
笑顔でサラッと怖い事を言う。本当にこの学校のセキュリティーはしっかりしているのだろうかと問いただしたくなる。しかし彼女はこっから真剣な表情に変わった。
「でも教えてくれなかった。一言も話さなかったの。頑なに口を開けなかったわ。自分の発言から推測すらされない様にね。私はまるで国家機密かと思ったわ。貴方は一体何者なの?」
(いえ、正直ほぼほぼ正解なんですけど)
国家機密。その通りであった。国家の政治は原作十師族が裏から支配していると言っても良い。そしてそのトップだけが総司の力を知っている。それは最早国家機密と言っても間違いではない。だが総司からしたらこれはラッキーであった。バレていると思った自分の成績は彼女にはバレていない。生徒会長で十師族の御令嬢である彼女すら知り得ない事は他の者が知ってる筈が無いのだ。
(じーさんが口止めしててくれたのか。サンキュー、危うく始まる前にゲームオーバーだったぜ)
「さぁ、自分には見当もつきません。自分は2科生です。話すのも気の毒な程、悪かったのでは無いでしょうか?」
会えてここで真実を話す。しかし自分を疑っている彼女が素直にこれを信じる筈がない。彼の考えはまさしく的中した。彼女はこの言葉を全く信じる事は無い。しかしこの様子だといくら聞いても話す気は無さそうなのでここは引く事にする。
「そうは思えないけど今はそう言う事にしておくわ総司くん。それでは2人とも、そろそろ時間ですので講堂にお急ぎ下さいね。遅刻は厳禁ですよ。ではまたね、司波君。そして総司君」
意味深な笑みを浮かべて去っていった。入学早々目をつけられてしまった2人。最初こそ達也に興味津々だったのが今では総司の謎に夢中だった。
「なんか面倒臭くなりそうだな」
「そうだな。だが俺もお前の秘密が気になるな」
「まぁ誰しも秘密の1つや2つあるだろ。俺にも、お前にも」
「………」
「だろ。まぁだからって俺達の関係が無くなる訳じゃ無いけどな。お前は俺にとって初めて意気投合した奴だ。これからもよろしくな」
「……そうだな。俺もお前との会話している時は自然と笑みが溢れた。これからもよろしく頼む」
「ああ」
2人はお互いに握手して講堂を向かった。
ご愛読ありがとうございました。
七草会長。好きなんだけど正直会長と言う立場ではイマイチ。ルックスと家系と能力は凄いけどね。優しいのは分かるんだけど叱る時は叱らないと無法地帯になってしまいますよ。
そして目をつけられた2人(1:9で総司に軍配)。それからどうなっていくのでしょうか。
次回はとうとう入学式?お楽しみに!またね