対魔法抵抗力エンドレスナイン   作:やってられないんだぜい

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 皆さん元気にしてますでしょうか。

 朝起きたらびっくりしました。感想が急に何通も来ていて。評価してくれた人もさらに増えて17人。しかもUA1万人超え!
 本当にありがとうございます。まさかこんなペースでここまでいくなんてとても驚いています。正直主人公の考えが考えなのであまり受け入られないかと思いましたがここまで読んでもらって本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

 これからも頑張るのでよろしくお願いします!

 では本編どうぞ!


この女嫌いだ!

 

 「止めなさい!」

 

 食堂に声が響き渡った。その声主はこの学校の生徒会長、七草真由美だった。

 

 「一体なんの騒ぎですかこれは。騒ぎがあると聞き、駆けつけてみれば何事ですか」

 

 生徒会長の登場により場の熱は一気に冷める。総司達からすれば2科生の分際で2日目で問題行動、それなりの処罰を下されるだろう。そしてそれは1科生の者達も例外ではない。みんな使っているからと言って校則では禁止されている差別用語の使用。真由美は差別用語の撤廃を目指しているので総司達の喧嘩には関係ないとはいえ状況は芳しく無い。しかも彼女の後ろにいる人物が更に問題である。

 

 「風紀委員長の渡辺摩利だ!事情を聞きます!」

 

 この学校の風紀を取り締まる委員会、そのトップ。しかも厳しいともっぱらの噂だ。達也もこの状況は非常に不味い。ただでさえ親の反対を押し切り、この学校に入学したのだ。それなのに入学数日で問題を起こすなんて、最悪親に強制退学させられかねない。総司の言う通り怒りに任せてしまうなんてらしくない事をした。エリカ達もいくら酷い事を言った総司だからと言って簡単に売り渡すクズではない。1科生の人も何か言ったとしても、元の原因は自分達。それをバラされれば言い訳は出来ない。

 

 「大した事じゃないですよ」

 

 誰もがどう答えれば良いか分からず口を閉ざしている中、最初に口を開いたのは総司であった。

 

 「ちょっとハマってるゲームで上手くいかくてイライラしてたんですよ。そんな時に逆ハーなんて見たら余計イラついちゃって近くにいた達也に手を出しただけです。まぁいわゆる失敗してる時にリア充を見た非リアの僻みって奴ですよ」

 

 総司はケラケラ笑い、摩利を見下す。彼女は男女問わず人気だ。そのため彼女に対する口の悪さを聞いた周りの彼女のファンからは非難の声が殺到する。しかしこの原因を全て見ていた者達からしたら何故彼がこんな事を言ったのか困惑が漂う。元の原因であり、接点も殆どない1科生の者達を救い、更に自分に殴りかかった達也の行動も全て無かった事にして自分だけが悪いと報告したのだ。そしてこの行動と合うように礼儀知らずと思わせる態度をとっている。この行動で総司は何一つをしない。1科生の人達も困惑している。何故事の原因である自分達を助けるのか、しかも自分を犠牲にしてまで。

 

 この言葉を聞いた真由美は総司の前に立つ。彼女は既に総司と接点がある。数分の間だが総司がその様な事をしない人物だとバレかねない。

 

 「貴方がそんな事をする人には見えないのだけど?そんな理由で友達である達也くんに手を挙げるかしら?」

 「何を言ってるんですか七草会長。たった数分しか話してないのに俺の何を知ってるんですか?それと一緒でこんな数日で友達になれる訳ないですよ。他の奴等の考え方は知らないですけどね。俺とあいつらは所詮、赤の他人です」

 「ふーん、………貴方がそう言うならしょうがないわね。悠木総司、貴方を生徒会室に連行します。着いて来なさい」

 「さ、反省文何枚書けば許してくれるかなっ」

 

 逆らう様子もなく、彼は頭の後ろで手を組み素直に彼女の後を歩く。彼の礼儀知らずさに色んな罵声が飛び交うが所詮彼は2科生。話すのも時間の無駄と思い続々とその場を離れていった。その場に、話さなければならない事があると言って1科生と別れた深雪と達也、レオ、エリカ、美月だけがその場に残った。

 

 「大丈夫か深雪?」

 「はい、私は大丈夫です」

 「全く……女を泣かせるなんて総司の野郎も酷い事をしやがる」

 「あら、貴方も泣かしそうだけど。いえ、泣かされるの間違いだったわね」

 「何ぃ?」

 

 レオとエリカが言い合いをするがそこに覇気は感じない。何処か心ここにあらずと言う感じだった。そこで話を切り出したのは美月であった。

 

 「悠木さん、なんであんな事言ったんでしょう」

 「それはどっちの事?深雪の?それとも言い訳の方?」

 「両方です」

 「まぁ前者に関しては完全に言い過ぎだよな」

 「本当よ、誰だって苦手な事もあるのにあんまりよ」

 「そうですよね。もし同じ場面になったとしても私はとても言えそうにありません」

 「だからそんなに気にする事無いわよ深雪」

 

 総司の言い過ぎと決めつけ、深雪を励ます3人。しかしそれが可能である事は達也や深雪が1番良く知ってる事だった。深雪もこのまま正しい事を言った総司が非難され、悪い自分が同情されるという状況は許せず否定する。

 

 「いえ、悠木さんの言う通りです。言おうと思えば私は言えました。悠木さんの言う通り周りに良い顔してハッキリ言わなかっただけです。そのせいで総司さんや皆さんに大変ご迷惑をお掛けしました。本当にすいません」

 「深雪」

 「お兄様、深雪が涙を流したせいでお兄様と悠木さんの仲を引き裂いてしまって申し訳ありません」

 「いや、良いんだ。あいつの言う通りたった2日で仲と呼べる程のものは出来ていなかったんだろう」

 「いえ!そんな事はありません!もし出来ていなかったとしたらお兄様を庇うはずがありません」

 

 彼女の言う通りだった。仲も良く無い友達にのしかかる罪を全て肩代わりするなんて簡単に出来る事ではない。それこそ自分の立場が危うい2科生でするなんて正気の沙汰とは思えない。1科生を守ったのはただのついでだろう。

 

 総司の言う通り、自分がハッキリしていれば事は起きず、彼に迷惑もかける事は無かった深雪。自分が冷静を保ち、彼に殴りかからなければここまでの事態に発展する事はなかったと思う達也。2人の心に彼に対しての罪悪感が残る。

 

 そこに1人の女性が近づいて来た。

 

 「お話少し良いですか?」

 

 

 

 

 「総司くん。いつになったら本当の事言ってくれるの?」

 「さっきから何度も言ってるじゃ無いですか。イラついて近くにいた達也を殴ったって」

 「どうせ嘘なんでしょ?いつまで繰り返すの?こんな事。それともお姉さんといつまでもおしゃべりしたいの?」

 「そっくりそのままお返しします」

 

 生徒会室ではこの様な会話が永遠にと続いていた。総司の話を信じず、どうして自分が不利益を被る事をするのか気になる真由美と、いつまでも真実を話さない総司。それなりに自信を持っている自分の顔を生かした魅了をしようと全く靡いてくれない総司。彼女は自信を無くしそうだった。

 

 「別に真実を知って誰かに罰を与えようなんて考えてる訳じゃないの。ただ本当の事を知りたいの」

 「話が通じない人だな。犯人の俺がこうだって言ってるんですからそれで良いじゃ無いですか」

 

 いつまでも話が進まない。何か突破口はないかと考える真由美。そこで思いついたのはある本でみた検察官の話だった。

 

 まだ彼女が小学生の頃。デジタル化が発展して数が減少している図書館を訪れた。端末1つで沢山の書籍が読めるのも凄いが、実際に何万もの本が置いてある光景に彼女は目を輝かせた。そこで新品が沢山ある中、一際目立つ古い本を見つけた。それは今から100年近く前に書かれた。タイトルは検察官の極意。現在は魔法があるので自白させるのは簡単だがそれが一般でなかった時代には一体どのように真実を話させるかが気になったのだ。

 

 (そうだ、あそこに書かれている事をやればいいんだわ)

 

 思いついたが吉日、真由美は即座に実行に移した。

 

 「それじゃ、総司くんの好きな人って誰?」

 「いきなり何言ってんだあんた」

 

 『息抜きとして本題から話を逸らして楽しい会話をしよう。すれば自ずと自白する。他にもカツ丼が効果的』と書いてあった。しかしだからと言っていきなり恋バナというセンスはどうなのだろうか。こんな事を急に言われればこんな反応にもなるだろう。

 

 「何って恋バナよ。総司君は好きな人いるのかしら?」

 「意味が分からないんですが?」

 「意味なんて無いわよ。単純に気になったから聞いてみたの」

 「何考えてるか分からないですがいませんよ」

 「本当かしら〜。それじゃ今日も一緒にいたエリカさんは?」

 「ないですね」

 「深雪さんは?」

 「論外です」

 

 真由美の問いかけに淡々と答える総司。これでは気分も上がらず自白する気配もない。

 

 「でも深雪さんの美貌なら少しは思ったりしない?」

 「ないです」

 

 深雪の美貌でも無理となるともしかしたら既に好きな人が居るかもしれないと考える。彼のこの学校以外の交友関係は知らない。だから学校内でだれか考える。そしたらある人物が浮き上がる。彼と話す人物、しかも現在進行形で。

 

 「もしかして、私?」

 「寝言は寝て言えバカ」

 「バッ⁈そこまで言う事無いじゃない!」

 「自分の事好きなんて良くそんな恥ずかしい事言えましたね。バカでも中々言えませんよ」

 「あ!また言った!もぉ〜私バカじゃないもん!」

 「…………ぷっ、」

 

 バカと連呼されて頰を膨らませる真由美。誰もが可愛いと言う姿だがそれを見ようと全く心にこない総司。挙げ句の果てには笑いさえ起きる始末。

 

 「なんで笑うのよ」

 「だって、高校3年生にもなった人がもお〜とか、子供かよ」

 「〜〜〜!」

 

 顔を真っ赤にさせる真由美。恥ずかしさと怒りが入り乱れる。そこに生徒会長をノックする音が聞こえた。すると彼女は慌てて平静に戻そうとして、咳払いをする。その姿を見られてまた笑われるのだが心を落ち着かせてノックした人物に部屋に入るよう言った。

 

 「会長。話は聞いて来ました」

 「ご苦労様、あーちゃん」

 「あーちゃんって呼ばないで下さい」

 

 中に入って来たのは中条あずさ、生徒会書記の2年生だ。見た目の幼さから真由美にはあーちゃんという愛称で可愛がられている。だが本人はこの愛称が好きではない。子供扱いされてると思うからだ。特に下級生の前では恥ずかしい。総司は彼女が発した話という単語が気になった。

 

 「話?」

 「はい。その場にいた人に話を聞いてきました」

 「え?……マジデスカ?」

 「はい、大マジです」

 

 バレた。折角の自分の嘘が全てバレてしまった。頭から抜け落ちていた。達也達に事情聴取をすれば全てバレてしまう事を。これでは自分が罪を被った事が全て意味を為さなくなる。

 

 (マジかよ!忘れてたよ!達也達が全部知ってるんだからあいつらが話したらバレちゃうの!折角未来ある若者(同世代)の芽を摘まないように罪を被ったって言うのに!会長に誰にも罰は与えないって言われた時少しは揺らいだよ。でも一度ついた嘘をバラすなんてカッコ悪いじゃん!)

 

 いくら魔術を魔法と曰っていようと彼等は本気で将来を見据えている。金目当てで入ってきた自分とは違う。だからこんな事で経歴に傷をつけないように自己犠牲の精神で助けたと言うのに全てパーになってしまうのだ。

 

 

 「……えっとぉ、大丈夫ですか?」

 

 その後、中条あずさが達也達から聞いた話を全て暴露。達也達は何も隠さず暴露した。1科生の事は抜きにして。この場にいない者を陥れようとは彼等も思わなかった。ただ総司に非はないと言う事を分かってもらいたかったのだ。だが総司からしたら余計なお世話。彼等がこんな事を言った所為でこんな辱めを受けているのだ。彼は机に突っ伏して耳を塞いでいた。そんな彼に中条あずさは心配の声を漏らす。だが返答は返ってこない

 

 「総司くん、頭を上げて」

 

 真由美は言った。しかし総司はぴくりともしない。それ程恥ずかしかったのだ。だが真由美がもう一度言うと総司はゆっくりおもてを上げて真由美を見るととても嬉しそうにニコニコしていた。その顔を見て余計に恥ずかしくなってくる。

 

 「何か言う事はあるかしら?」

 「最悪、死にたい。こんな辱めを受けて生きていけない」

 「やっぱり嘘だったのね。なんで素直に言わないの?自分が犠牲になってまで」

 「……なんとなく」

 「なんとなくで出来る事じゃないわ。総司くんって優しいわね」

 

 真由美はニコニコしながら言った。バレた後だからか体が熱く感じる。

 

 「別に優しくなんかないですよ。気の向くままに生きてるだけです」

 「それじゃ根っから優しいってわけね。………でも女の子を泣かせるのは感心しないわね」

 「…言い過ぎたとは思ってます。でも悪いとは思ってません。悪い事をしてると思ったから言ったまでです」

 「だけどね、相手は女の子よ。優しくしてあげなきゃ。女の子にモテないわよ」

 「そもそもモテようと思って生きてないんで」

 

 まるで母親に叱られる子供みたいになっていた。だが真由美の言葉を持ってしてもあまり反省が見られない。

 

 「それじゃもう良いですか?ここにもう用は無いんで帰りますね」

 「あ、ちょっと待って」

 

 総司は真実がバレてしまった以上、ここに留まる理由も言われもなく、立ち去ろうとするが真由美が待ったをかける。もう話す事はない総司だったが仕方なく歩みを止めた。

 

 「なんですか?」

 「はいこれ」

 

 彼女は笑顔で2枚の用紙を総司に突きつけた。何かなと思っていると一枚目には反省文と書かれ、2枚目は領収書と書かれていた。

 

 「……何これ?」

 「その名の通りよ。生徒会に虚偽の申告をした。そして友達を床に叩きつける行為は立派な反省文を書く理由になるでしょ。後、達也くんを床に叩きつけた時に床に穴が開いたからその修理代として30万円」

 「さ、30万円⁈」

 「そうなの。この学校って床とかもかなり高価な物で出来てるから結構な値段がするのよ。偶然とかなら学校側が立て替えるけど今回の場合は………ね」

 

 総司は達也に冷静でいろと言っていたが自分も人の事が言えないと思い知らされた。あの時イライラを鎮めて冷静でいれば彼の攻撃を軽くいなすだけで終わらせられたというのに。しかも30万と高額。既に任務をこなしているからと言って親は出してくれないだろう。

 

 (俺の、貯金の5分の1が。折角依頼こなして貯めたのに)

 

 「それじゃ反省文書くわよ」

 「え?放課後じゃ」

 「先生には報告しといたわ。さぁ存分に反省文を書きましょうね!」

 (やっぱこの女嫌いだ!)

 

 まるで母親に宿題を手伝ってもらうかのように書かされた反省文は放課後までかかったのだった。嘘をついたのがバレてから終始ニコニコしながら総司を見た真由美。いくら顔の良さに興味がないとはいえ彼女が美少女なのは認めている。その美少女から数時間見つめられ続けて総司の精神はゴリゴリ削られるのであった。

 

 

 

 

 

 




 ご愛読ありがとうございます。

 悲報、主人公が辱めを受ける。正直こういうのって本当に恥ずかしいと思うんですよ。ちょっとカッコつけた嘘が全てバレる瞬間。しかも目の前で朗読させられるんですよ。ある意味拷問ですよね。

 後、真由美さんが母親みたいになってしまった。言う事を聞かない子供にものを言う母親みたいに。

 そしてついに森崎さんとエリカ達の話に行きますよ!総司は反省文を書き終わったのか、終わったとしたらどうやって割り込むのか、割り込まないのか

 次回もお楽しみに!またね

 
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