憑依先がありえない!   作:石ノ心

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第二話です。
今更ながらミルたんを原作に絡めるのが難しいことを実感。

P. S.  キャラの視点入れ替えが分かりづらいとのご指摘を受けましたので
視点入れ替えする前に『・・・・・・・・・・・・・・・・』を入れてみました。



第二話 接触

 

俺は悪魔を呼ぶための魔法陣が描かれたビラに願いを込めた。

 

――――が、少し待っても悪魔は現れない。

大抵の人間はここで、「騙された」とか「まあ、そうだろうな」といったような反応を示すだろう。

だが、俺は知っている。このビラが正真正銘、本物の悪魔を召喚するためのものであることを。ついでに、何故悪魔が現れないのかも。

 

だから()が来るまで瞑想することにした。神経を極限まで研ぎ澄まし、体の中で気や魔力といったものを万遍なく循環させる。ここまでに2秒もかかってしまっている。一瞬で、少なくとも1秒以下には押さえたい。

さらにここから呼吸を整え体内に波紋を生み出す。

ちなみにこの時、俺の体は何故かよく分からない光で覆われる。俺は体質で体外には気も魔力も放出できない。他の力…たとえば霊力とかそういうのはそもそも俺にはないらしい。そんな俺にできるのは身体能力強化と異世界移動位だけ。

 

ならばこれは何かと言えば、おそらくただの仕様だ。俺が瞑想に入ると15分から20分の間このオーラがデフォルトで現れるんだ。ちなみに何故か引っ込めることはできない。

まあ、体力も気も魔力も消費0。プライスレスで格好つけられるから気にしないことにしている。

 

 

 

15分程経った頃だろうか。外に気配を感じて目を開けた。縮地で玄関まで瞬間移動してドアを開け放つ。

 

 

ドアの前に居たのは、駒王学園の制服を着た茶髪の男子生徒。何故か固まってるが目の前の()こそ、原作主人公兵藤一誠だろう、多分。確かに見た目は人間そのものだがどこか気配が違う。これが悪魔の気配って事だろうか。

 

 

「お前が悪魔か?」

 

「イイエ、チガイマス」

 

 

………あれ?盛大に外した?

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

「いや、まさか体に纏わりついていた光に驚いて固まってたとは……すまんな悪魔君」

 

「ひょ、兵藤一誠です。イッセーでいいっすよ。――――じゃなくて!なんですかあのオーラ!?」

 

あの感じはヤバい。まだ悪魔に転生して間もない俺でも、あの光がとんでもない高エネルギーの塊だってことは分かるぜ…。

というか転生前の人間の時でも普通に分かっただろう。何か周りの空間が軋んでたし。

あれに比べれば俺が夕麻ちゃ……もといレイナーレに喰らった光の槍なんか子供の玩具レベル…いや、比較すらできないのかもしれない。

気になって仕方がない。あと俺が固まってた理由は光だけじゃなくてその巨体と顔です……とか言えないな!!

 

「ああ、実際はあまり大したことないぞ? ただ光ってるだけだ」

 

「……は?」

 

とんでもない。というか、ありえない。あれだけヤバい力を見せておいて、ただ光ってるだけ?なに言ってんだこの人。

それだけ強いってことか?でも……

 

「あー、失礼かもしれないですけど……人間ですよね?」

 

「間違いなく普通の人間だ。一般人」

 

 

少なくとも普通じゃない!元一般人として否定する!!逸般人だよアンタ!!

 

 

「ああ、俺の名前言ってなかったな。ミルたんってんだ。ヨロシク」

 

「……ミル、たん……?」

 

絶対に普通じゃねえ!!普通じゃねえよ!!絶対俺は認めねえ!!!

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

まあ、取り敢えずのところ契約は成った。原作の様に魔法少女にしてくれなんて頼まなかったからな。

ドラグ・ソボールの話で盛り上がったり、ゲームをしたり。依頼内容は「修行の息抜きの相手になってくれ」というものだ。

最初それを聞いたイッセーは真っ青を通り越して白く、徐々に土気色に変わっていったのにはビビったが。何故だ?

 

「じゃあ、この辺で。契約完了って事で頼む。ほれ、これで契約の品はこれでいいか?」

 

とりあえず余り物のフィギュアを渡しておく。

 

「あ、やべえ。そういえば貰うの忘れてた……。危ねえ危ねえ……。

ありがとうござ…い……ま………す?(魔法少女フィギュア!?しかもこれ今プレミアついてバカ高くなってるって噂のやつじゃねえか!なんでこんなの持ってるんだ!?趣味か、趣味なのか!?やっぱこの人キャラが全然掴めねえ!!)」

 

おい、途中から主旨入れ替わってたのかよ。それでいいのかハーレム志望者…。

まあほぼ遊んでただけだったから仕方ないが。

 

「いい気分転換になった。途中まで顔色悪かったが大丈夫か?」

 

「は、ははは。大丈夫っすよこんくらい。悪魔だから人間より体とか強い……はずなんで。(何されるか不安でやばかったんだよ!というより明らかに悪魔の俺より強いだろこの人!!)」

 

とりあえず、本人が大丈夫と言うなら大丈夫だろう。

 

 

 

「まあ、今日のこの契約もなんかの縁だ。なにか困ったことがあれば頼ってくれていいぞ」

 

「あ、ありがとうございます。まあそんな状況にはなかなかならないと思いますけどね…。じゃあ、俺はこれで」

 

「ああ、またな」

 

さて、次にイッセーと会うのはいつになるやら。まあ、ビラで呼び出せばいつでも会えるが…そうでなくても存外すぐに会えるだろう。

 

 

 

 

 

イッセーが帰ってからおよそ2時間が経った頃、玄関の外から人の気配がした。なにか探っているような気配を感じる。わずかに何かを削るような音が聞こえてきた。

 

チラっと流し目で確認すると、ドアにものすごく小さな……覗き穴か、アレ?男の一人暮らし覗いて楽しいわけないだろうに。

何をしようとしてるかは知らないが、碌な人間じゃないに違いない。覗きはだめだろ、犯罪だ。……イッセー?まあ、うん。訴えられなきゃいいんじゃないかな。

 

 

どうやらこっちが覗き穴に気付いていることはバレてないらしく、さっきからずっと視線を感じる。――――あと、殺気だ。そら、やっぱり碌な人間じゃねえ。

俺が隙を見せるのを窺ってるらしい……あえて背中を向けてやる

 

 

 

―――――瞬間、派手な音を立ててドアが破壊され、白髪の少年神父が光で構成された剣の切っ先をこちらに向けて弾丸のように突っ込んできた。

 

 

「お命頂戴イイイィィイイィィ!!!」

 

 

コレが悪魔嫌いのエクソシストってやつか……思っていたより速いけど、俺にとっては少々遅すぎる。…………今まで俺が巡ってきた異世界のヤツらがおかしかっただけだな。比べる方が酷か。

 

視線は全く反対方向に向いているとはいえ、注意は全て玄関に向けていた。しかも大声をあげて接近中。コレでは不意打ちにすらなってない。

気づいてなかった相手の混乱を誘うって腹かもしれないが…残念ながら丸分かりだ。これなら別に注意してなくても振り返った瞬間にどうにでもできていた。

 

剣の切っ先が体に触れる瞬間、彼の側面に回り込み腕をつかむ。大した抵抗も感じないのは腕力が違いすぎるからか、はたまた彼が俺のスピードについて来られず何をしているか気づいていないからか。そのまま俺は相手を空中へ放り投げた。

 

 

「うおおおおあああぁぁぁぁぁ……」 

 

 

天井を突き破り、それでも止まらず宙を飛んでいく彼の声が遠のいていく。

 

 

そういえば何かあの顔といい服装といい、なんか記憶に引っかかるな……もう五年もたって大分知識も曖昧になってきた。確か何回か主人公たちの敵として現れたはぐれエクソシストの………名前は、フリード?だったか。

 

どこまで飛ぶかなんて知らん。まあ生きてるんじゃないかなとだけ言っておこう。

 

 

さて、俺の周りにはぶち破られて粉々になったドアの破片。そして天から降り注ぐコンクリート片や木片。気合ぶつければ直る……よな?

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

ついさっきまで町の外で糞下級悪魔どもの群れを惨殺してた俺は気分が高揚していた。

 

至高の堕天使さま(笑)のおかげで最近はまともに殺せてなかったから、久々にたのしめたぜー。とか思ってたらその堕天使さまが仕事運んできやがった。

 

悪魔と契約したおバカな人間の位置が特定できたーってよ。いやー、さっすが仕事の遅い堕天使さまだぜ。この街は悪魔の巣窟だってんだから、もっとたくさんいるでしょうに。見つかったのがたったの一軒とかお笑いだ!!

 

まあ、お仕事だしー?ちゃっちゃとお片付けしますかねぇ。

 

 

「ここに糞悪魔ちゃんと契約しちまったCRAZYな変態野郎がいるぜぇーってか?ハッ!

ま、なにしようがぶち殺すのは確定してるしぃ?俺超優しー親切な神父だからさ?はぐれだけど。ちゃーんと玄関から入って殺るよ。しかも今機嫌がいいから痛みを感じず一瞬で逝けちゃうようにしてあげちゃおう。俺ってばマジやっさしいぃ!!

最ッ高にCOOLってやつじゃねえ?」

 

 

光の剣を針サイズに圧縮してドアに穴をあける。いやー、覗きとか聖職者のやる事じゃねえけど別にいいや。俺はぐれだし?…まあ一応祈っとこうか。

 

―――ああ、全知全能のクソッたれな我らが主よ、私がゴミ掃除をすることをお許しください……ってか?

 

 

部屋の中にいたのは……おいおい筋肉の塊くんじゃないですかい。職業はボディビルダーか何かかねえ?まあいいや、興味ねえ。俺はぶっ殺せればそれでいいし?

 

 

標的の隙が見えた。人型筋肉粗大ゴミ回収のお時間でーす!ゴミは焼却場へどうぞー!!

 

 

「お命頂戴イイイィィイイィィ!!!」

 

 

光の剣の出力最大でドアを吹っ飛ばし、狙い通り後ろを向いてる標的ちゃんに接近!剣の切っ先はもう奴に突き刺さる直前。殺ったと確信した。―――していた。

 

 

――――――――――――奴の姿が掻き消える、その瞬間まで。

 

 

何があったのか、まずそれが理解できなかった。ふと気が付けば背中に衝撃を受け、俺の体はかなりの勢いで宙を舞っていた。

 

 

「うおおおおあああぁぁぁぁぁ……」

 

 

自分の声さえ遠く聞こえるっておかしくないですかい?まあとにかくこの声を聞いて投げられたのだと理解した。衝撃を感じたのは背中から突っ込んで屋根をぶち破ったからだろうな。ついでにすこし投げるとき掴まれたらしい腕が痛い。

 

もしこんな勢いで飛ばされるほどの打撃を直に受けてたなら、今頃俺は愉快なバラバラ死体の仲間入りだったぜ……。

 

かなりの距離を飛ばされた。……というか生身で空飛ぶの初めてだわ、俺っち。

さっきから風切り音で何にも聞こえねえ。速度相当でてんなあ、こりゃ大変だ。このまま岩盤にぶつかったりしたら流石の俺でもどの道スクラップ間違いなしですわ。ドキドキワクワクガクガクブルブルってな!

 

 

流石に死ぬかと思いきや落ちた先はどこかの溜池だった。悪運はいつもの様にに強かったってこった。ハッハー、マジ危ねェ……。

とにかく自ら上がってさっきの敗因を考えてみた。結局これしか思い浮かばねえ。

 

 

 

――――あの糞筋肉野郎、悪魔との契約で身体能力強化でもしてやがったのか。ミスっちまったぜェ……。

 

 

 

「次会ったら絶対ぶっ殺してやる………!!ああそうだ、両手両足ふんじばって杭打って逆十字に磔にして、あの筋肉を剥いで内臓を引きずり出して、嬲り殺しのDEAD END!!絶望した顔が楽しみだっ!!ハハハハハハハハ!」

 

 

 

早く殺りたいねえぇ。だが、それにはでっけー問題が一つだけある。

 

 

 

 

 

 

 

――――――――此処は、どこですか?

 

 

 




フリード君迷子になる。次出てくるのはいつになるやら。


第二話読了していただいた方、ありがとうございます。

はてさて、しばらくミルたんの敵となれるようなキャラが出てこない。どうすべ気だろうか…?
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