憑依先がありえない!   作:石ノ心

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どうも、第三話遅れてすみません!
大学生活って思ってたより忙しいんですね…いえ、遠いからってのもありますが。


第三話 教師

 

 

何度かこのベッドで起床してるのに、未だにこの天井に慣れない。

修行でずっと異世界を飛び回っていたせいだけどな。今思い出しても、両手両足の数で数えられる程度しかここでは寝たことはなかった。

 

だが、今回は今までと違う。もちろん慣れたという意味では決してない。

 

 

――――大体人一人分くらいの大きさの穴が開いていて、そこに不恰好な板が打ち付けられているってだけの話だ。

 

もちろん、先日不良少年神父を投げ飛ばしたときに開いた穴だ。ちなみに壊されたドアの方に至っては放置している。

 

気合で直るんじゃなかったかって?ハッ…消え去ったぜ、散り散りにな……。

 

文字通り、かろうじて残っていたドアや屋根の破片は砂粒どころか原子レベルで崩壊したらしい。麦のんは元気にしてるだろうか。

 

まあ、気合をぶつけるって言っても実際には俺は気を体外に出せないからな。

体内で莫大な量の気を生成→気で体のいたる部分を超強化→喝ッ!!!て感じのプロセスだ。……直るワケないよな、これ。なんで気付かなかったんだ……。

 

前世(?)がごく普通の学生だった俺に完璧な大工仕事なんぞできる筈もない。結果、この有様である。おかげで寝る時は体が冷えるのなんの。風邪はひかない程丈夫な体だが、それでも寒いものは寒い。

この件に関してはフリードに対して仕返し位してもいいと思うんだ。ドアぶっ壊したのあいつだし。屋根だってあいつが来なきゃ壊れなかったわけだし。

 

 

まあ、部屋の考察についてはぶっちゃけどうでもいい。いや、良くはないけどそこまで重要ってわけでもない。今重要なのはこれからの方針である。

 

 

―――原作。自分としては世界最強への手掛かりであるそれ。別になくても現最強とはその内会える気がするためそこまで必要じゃないが、この世界で起こる一部の歴史がそれに沿うように創られるのは恐らく間違いない。

 

だが、この(ミルたん)は明らかな異物。間違いなく俺が入れば歴史はどこかで変わる。実際、どこでどんな変化が起きたのかまでは分からないが、フリードは本来原作で襲撃する予定の無かった(ミルたん)をターゲットにして襲ってきた。……正直結構忘れてきてるんだが、少なくともミルたんが襲われてなかったことは分かる。

 

このボディはチートだが、所詮この世界での身分は一般人。悪魔でも天使でも、ましてや神であるはずなどない、何の変哲もない逸般人。テロリストになる心算などはないが、どこかに襲撃をかけたりでもしなければ学生でもない俺が原作に関わりを持つのは難しい。…流石にイッセーに付きまとうなんていう男のストーキング行為なんてしたくないしな。さて、どうしようか。

 

 

 

 

 

 

――――――今思えば、この思考こそがフラグだったのではないか、と思わざるを得ない。

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

突然だが、教師が一人変更になったらしい。俺もさっき同志松田に聞いたばかりで詳しいことは知らないんだけどさ。

前の教師はなんかここより高い給料の出る学校に引っ張っていかれたとか、とんでもない金持ちのお嬢様と縁談があるとか、その他色々な噂があってどれがホントか分からない。ただし、縁談についての話がホントなら俺達は奴を地獄の果てまで追う覚悟があるぜ!

 

 

「ところで松田、結局新任の教師はどんな人なんだ?ちょっとくらいなら情報入ってんだろ?」

 

 

とりあえず一年間教えてもらうワケだからな。いい人だといいんだけど…たとえば巨乳美人なお姉さんとか。

 

 

「いや、俺も元浜のやつに聞いただけなんだ。実は全然知らん」

 

「そうなのか…ん?そういえば元浜どこ行った?さっきから見当たらないけどよ……」

 

 

もう一人の同志、元浜に新体育教師の情報を聞こうと思ったんだけど、教室のどこにも見当たらない。

 

 

「ああ、ちょうどその話でな。あいつならさっき「待ちに待ったロリ教師の可能性ktkr!!」って叫びながら飛び出していったぞ」

 

我が盟友は相変わらずのロリコンの様で。

 

「いや普通そこは巨乳お姉さんだろ……てか、それならあいつが帰ってきた時に聞けばいいか」

 

理由はどうあれ確認してきてくれるんだ、俺達まで行く必要はない。

 

ふと、ここで疑問が生じた。

 

「あれ、なんでお前元浜と一緒に行かなかったんだ?いつものお前なら便乗して調査してそうじゃないか、その新人教師について」

 

 

俺達三人組は大人な同志だ。趣味は違えどエロにかける情熱は同じ、同志なのは違いない。今まで三人で色々なことをやらかしてきた。DVD、雑誌の持ち込みから、果ては覗きまで。その度に指導をくらっているのは学校全体でも有名だ。

相手が女である可能性があるなら一瞬でも早く知ろうとするのが俺達。ここで松田がなにもしていないのはおかしい。

 

もしかして俺が知るのを待っててくれたって事か?

 

 

「フッ、簡単なことだよイッセー。変態三人組(俺たち)に学校側が(女教師)をくれるとでも?」

 

怪しい笑みで問いかけてくる松田。

そして俺も納得した。

 

 

「……!そうか、これは罠!期待した俺達を絶望に叩き落とし、俺達に希望(女っ気)はないと諦めさせ、改心させるための鞭……!!」

 

なんて卑劣な手を使いやがる!俺たちの純情(せいよく)を弄びやがって……!

今さら改心なんかしてやるもんか!

 

「そう、その眼だ同志よ。俺達は改心などしない。してはならない!男が女に夢を抱いて何が悪い!夢を持つのは俺たちの自由だ!

覚悟しろ、どんな屈強な教師が来ようと俺達は屈しない!!元浜はすぐに飛び出たからこの考えに至ってない。帰って来た時には絶望していること間違いなしだ。

俺たちの(エロ本)の力であいつを立ち直らせる。俺達はさらに結束し、ヤツらに立ち向かわなければならいんだ!」

 

周りから白い眼で見られているのも気にせず、松田は大声を張り上げる。負けじと俺も声を張り上げた。

 

「ああ、そうだ!その通りだ!」

 

 

これから、俺達の熱い戦いが始まる――――――

 

 

 

 

 

――――――――筈だったんだが。何と元浜は笑顔で教室に戻ってきた。なんでだ!

 

「おい、なんで笑ってるんだよ。まさか、本当にロリ教師だったのか!?」

 

 

思わずといった風に松田が問い詰める。気持ちは俺も一緒だ。

つまり、『ありえない』。だがしかし、万が一ってのもあるんだ。

 

「いや、ロリかどうかまでは分からなかった。本人がいなかったからな。けど、職員室にいる男教師はどこかそわそわしていて、女教師は居心地が悪そうだった。つまり―――」

 

「―――――結構な美人である可能性が高い、ということか……!」

 

 

今回の件に希望などないと言っていた松田の顔が輝いて見える。俺の顔も同じ様にに輝いているに違いない。

 

 

「そして、新人教師の担当は男子生徒側の保険・体育だ!!」

 

「「イイイィィィィィぃぃぃぃヤッフウウウゥゥゥぅぅぅ!!!」」

 

 

俺達のテンションが天元突破した。ああ、最高じゃねえか!!

 

 

 

 

 

 

―――三限目。待ちに待った体育の授業だ。みんな運動場へと我先にといった感じで飛び出ていった。美人教師が気になっていた男子はやはり俺達三人だけではなかったみたいだ。男なら仕方ないな。

 

 

だけど、授業が始まってもう10分も経つのに肝心の新人教師が現れない。何故だ。

さっきから強い風が吹いてきて、天候も大分怪しくなってきた。

 

「オイオイまだかよ、超絶美人教師は……!」

 

「ふ、最初の授業に遅れるとは…ドジっ娘属性持ちか。相当にレベルが高いようだな……!」

 

松田と元浜はさっきからこの調子だ。なんかどんどん新人教師のハードルを上げてやがる。

 

 

俺の方はさっきから嫌な予感がして止まらねえ。あれだ、ミルたん宅の扉の前に立った時と同じ感じ。

この時点でもう美人教師ってのは諦めている…なんだろうな、最早恐怖すら感じてる。

やけに大きな雷の音が、聞こえ始めた。

 

 

 

俺の中の恐怖が何か明確な形をとり始めたとき、何故か閉じられていた校舎の扉が稲光と共に開かれた。瞬間、謎の圧力が俺達にのしかかる!

まだ下級とはいえ悪魔に転生した俺でさえ立っているのがやっとな程の威圧感……なんだ、教師は上級悪魔か!?

 

周りのやつらはみんな尻餅をついているか、這いつくばるように倒れているか。そして全員目に見えて怯えている。理解する。俺たちの中にあの教師に勝る者なんていないのだと。やはり美人教師など夢の中の話だったのだと。

 

 

ギュピッ ギュピッ ギュピッ ギュピッ ギュピッ ギュピッ

 

 

初めはさっぱり何の音か分からなかったが、すぐに理解できてしまった。これは悪魔の足音だ。扉の向こうの闇から、黄金に輝く謎のオーラを纏った男のシルエットとその赤く染まった獲物を見つけたような獣の目が見えてきた。

 

次の稲光と共にそれはその全貌を俺達にさらした。超絶美人?ドジっ娘ロリ?何の冗談だ。奴は決してそんなご褒美みたいな存在じゃあない。何処のボディビルダーだとツッコミたい位膨れ上がった筋肉。屈強な肉体に纏うは余りに圧倒的な存在感。

 

 

 

(――――――――――――魔王だ………ッ!!!)

 

 

 

クラス男子全員の心の叫びが一致したにちがいない。なす術もなく這いつくばる人間の前にそびえたつ絶対的強者。正しく魔王だ。本物の魔王様には失礼かもしれないけど、今の俺からすればこの目の前の教師が魔王にしか見えなかった。

 

そして、俺はこの男を知っている。

そう、この魔王のごとき存在感を持つ男とは…!

 

 

 

 

「今回お前らの教師になった『魅屡 嘆(みる たん)』だ。ミルたんと呼んでくれ。」

 

 

「「「「「「「「「「「台無しだよ!!!!!」」」」」」」」」」」

 

 

 

もっとその名前どうにかならないのか!?

 

 

 

 

 

 

 




第三話、どうでしたでしょうか。
戦闘シーンとか全然かけず、申し訳ありません。
次はもっと執筆速度が上がるよう努力します!

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