亀更新ですみません、第四話です。
「まずは体力測定だな。今のお前らの体の状態を知ることから始める。ペアを作ってくれ」
新人体育教師ミルたん。字面だけ見ればなんか可愛い様な気がする。二次元ならな。でも、
目の前に存在するのはどこの世紀末だとツッコミたくなるような、屈強な強面教師。ここにいる生徒全員の内心は似たり寄ったりなはず。
(((((((((どうしてこうなった……!)))))))))
美人な女教師を期待していた俺達にはあまりに残酷な仕打ちだった。未だにあまりのショックで足が震えてやがる…。
まあ俺達がどう思っていようと、教師が
とりあえず指示された通りペアを作r……あれ?
「今日は反復横跳び、走り幅跳びってとこだな。ペアの片方が回数や飛び幅を測定。二回毎にチェンジだ。ちょっと遅れたせいか、時間が足りない。組めた者から始めてくれ」
ここで、問題が発生した。俺達のクラスの男子の数は奇数。ペアを作れない余り者がでてきてしまう。既に俺を除いた全員が反復横跳びを開始している。
このクラスにいる以上よくある事ではある。今回は偶々俺がそうだった、ってだけ。だが毎回、そういう場合必然的に組むことになるのは――――、
「す、すいません。ペアがいないんで俺、あそこにいる松田や元浜と組んで三人で……」
「ああ、俺が測ってやる。始めてくれ」
先日会った時、この人が理不尽な暴力を振るう様な人じゃあないってのは分かってる。それでも恐怖が湧き上がってくるのはその顔の厳つさからか、それとも恐ろしい程の存在感からか。
周りのやつらは触らぬ神に祟りなし、といった感じで測定を進めているし、松田と元浜は売られていく子牛を見るような目で俺を見ていた。てか、あいつらホントにドナドナ歌ってやがる!
覚えてやがれ!!
「85。高校生の出す数値か?」
「ハハ、ドウデショウカ」
怖かった…凄え怖かった!真横であの獲物を見るような目でガン見してくる上に感情が全くこもって無い声でぶつぶつとカウントするんだよ…。しかも、その間ずっとあの謎エネルギーのオーラ振りまいてたし……。
これ、どんな
まあ、それのおかげで多少数値がでかい…ってか本来普通の人間の学生だった俺が出せなかったような数字が出たのも、
「ああ、凄い恐怖で足がいつもより加速したんだよな?分かる、分かるぜ……。」
とか勘違いされて、誤魔化す手間がはぶけたんだけどさ。ぶっちゃけ、悪魔に転生しました!なんて言っても信じてもらえないだろうからな。実際は恐怖で足が思ったより動かなかったとかも言わない方がいいだろ。
まあ、もう済んだことだ。今日は後走り幅跳びしたら終わりなわけだが、まだ反復横跳びの測定が終わってないペアもある。もう少しかかるな。
だから、俺は軽い気持ちでこんな提案をしてしまったんだ。
「先生も、やってみたらどうですか?」
「ぶるぁぁぁぁぁ!!!!」
顎が外れるとはこの事か?今、俺達がやっていたのはただの反復横跳びのハズ。
対して、今ミルたんがやっているのは誰がどう見ても「分身の術」。
え、意外と普通だなって?
ああ、俺達もなんとなく凄い記録が出そうだとか、絶対何かやらかすな、とか思ってたさ。
もちろん、左右と中央の三人位なら分身できてもおかしくないなー、とかも。
でも、今俺達の目の前に広がっているのは考えたくもない悪夢のような光景なんだ。
敢えて言葉に表すならそうだな――――――――――増殖する魔王。
ここまで言ったら何があったか分かるだろ?
周りを衝撃波でぶっ飛ばしながら運動場のほぼ全てを埋め尽くす、ミルたんの大量発生さ!!
さっきも言った通り、三人の分身位だったなら分かる。いや、十分過ぎる位常識外れだけどもうこの人は俺達の中で人外設定ついてるから。
でもそれが広がっていくんだ。いや、この言い方は語弊があるな。
…出現するんだ、1000を超えるであろうミルたんの群れが。一瞬で。さっきも言った通り、周りの全て――――脇に並べてたコーンとか、走り幅跳びで使用する砂場の砂とか、まだ測定中だったやつら(松田と元浜)とか全部吹き飛ばしながら。しかも分身した一人一人が同じような
俺達、ミルたんの授業を受けて学校を卒業…いや、進級するまで生きてられるのか……!?
「どうだった?」
「人間の出せる数値ですか?」
ミルたんの記録はもちろん測定不能。あんなもん測れるわけ無いだろ!?なのに本人はまるで大した事はしてない様な感じで戻ってきた。
あなたが色々と
・・・・・・・・・・・・・・・・
「最初の授業だから控え目にやったつもりだったんだけどな?」
目の前の惨状を見ながらそうぼやく。運動場が超局地的な台風に襲われたような有様である。
色々常識がおかしい異世界に行ってたから加減が分からなくなってたらしい。
加減を覚えなければならない、という事が少し残念だ。俺は全力が一番好きだから。
まあ、今それはどうでもいい。
俺が砂を吹き飛ばしてしまったため走り幅跳びができず、仕方なく握力測定に変更した。
ちなみに言っておくと、俺は握力測定はしてない。みんなが測定している間はおとなしく運動場の整備をしてた。
イッセーが測定終わった後、こっちを何かヤバい物を見てる様な目で見ながら即行で測定器返却してたからな。
まあ、全力出したらそんな機械なんてひしゃげてぶっ壊れるに違いないから、その選択は正しい。
このクラスの握力平均、右手46、左手37ってとこかな。ちなみに、イッセー除く。あいつは悪魔だから別枠だ。
駒王学園の学力は結構高いって聞いてたから体の方はもっと弱いものかと思ってたんだが、割と平均的だ。俺の偏見だったらしい。
まあ、握力や筋力なんて俺の
俺が受け持つ事になってるクラスの体育のスケジュール、内容は全部俺に一任されているために色々考えないといけない事が増えてしまった。
ふと、自分が意外にちゃんと教師をやっている事に驚く。
「俺、教員免許なんて持ってないんだけどなー……」
そう、持ってないんだ。そもそも大学で教育学部だったわけでもないし、専門学校に通ってたわけでもない。というか、教師になろうなんて一回も考えた事すら無かった。
もちろん、そんな俺が教員採用試験なんか受けれるはずもない。
じゃあなんで今俺がここで体育教師をやってるか。
――――――――大体
どういった経緯でか知らないけど俺の事を知っていて、呼び出されたんだ。
いくつかの質問をしてきた後何を思ったか、駒王学園で体育教師をしてくれないかと頼まれた。「妹の眷属たちを育ててやって欲しい」という事らしい。
少なくとも俺が悪魔のイッセーたちより強い事を知っていたらしいな。どっかで監視でもされてたんだろうか?確かに修行風景とか見られてたら分かるだろうし。
何か色々と優遇してくれて、給料も結構高めに出してくれるらしい。教員免許については向こうが何とかしてくれる、とも。
まあ確かに、生きるために金が必要なのは俺も変わらない。金で動く、と思われるのは心外だが原作に深く関われる事ができる。即座に了承した。
前の体育教師は彼が持ってる会社の一つで、もっと給料が高い所をちらつかせたら勝手に移ってくれたらしい。
他にも色々手続きとか有ったんだが、
無免許体育教師フィジカル☆ミルたんが爆誕したわけである。
これで俺も立派な犯罪者の仲間入りだよ……。いや、この世界に限らなければ器物損壊罪とか問われても仕方ない様な事結構してるけどさ。
色々思い出して黄昏ている間に測定が終わったらしい。生徒達が集まってきた。何か全員やたら疲れてるように見えるな…。
握力測定でそこまで疲れる要素は無いハズだがまあいい。
「よし、時間もちょうどいいし、今日はこれで終了だ」
生徒の顔がやたら輝いてる。それはもう、お前らの顔は天の川?と思う位にキラキラと。変態三人組に至っては顔の周りに何故か色取り取りの花まで見えてる。
そんなに疲れてたのか?…いや、俺がやらかした事で精神的に疲れてるのか。まだまだだなー。お前ら自身は
ま、そこはその内慣れるだろ。それこそ1ヵ月も経てば。
さて、授業終了の礼をする前に言っとく事があるんだった。
「明日は時間割変更で午後から3時間続けて体育があるから、忘れるなよ?」
「「「「「「「「「嘘だッ!!」」」」」」」」」
世の中、
戦闘シーンに入るどころか、原作にすら入ってないという……。
まあこうでもしないと原作にミルたん全然入り込めませんですしおすし。
よしんば入れたとしてかなり無理矢理になりますし。
はい、すみません言い訳です。
次回からちゃんと原作に入ります!戦闘シーン…一瞬で終わるんじゃないかな…。