ブルーアーカイブRTA風小説称号「黒い鳥から白い鳥」取得エンドまで   作:満足タウン

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アルちゃんの誕生日に間に合わせたかったので初投稿です。
今回は短いですが次は長めに書くのでお兄さん許して!


第五羽 黒い鳥と異分子

コントローラーを握る手が少し、震える。

自分の我儘でガバを増やしてしまっているため、どこかでリカバリーをしてタイムを縮めなければならない、そんな緊張感が彼からは伺われた。

LIVEコメントには

「そんなガバで大丈夫か?」

「大丈夫じゃない問題だ(`-ω-´ )キリッ」

「1番いい装備を頼む(時すでにお寿司)」

「もっとリカバリーして!ホラホラ!」

など煽るようなコメントが多々あるが気にしていては走者として成り立たないため沈黙を決め込む。

 

「いいじゃん…盛り上がってきたねぇ!」

 

画面越しにハロナが侵入者に対して啖呵を切る。

 

___じゃけんさっさとポンコツ社長を片付けましょうね〜

 

画面越しにも関わらず誰ともなく呟く。

 

生放送ということにも気付かずに…

 

地下道から姿を現したAC…SAW-SR51フェイルノートというスナイパーライフルを両腕に装備し、肩武器には巨大なレールガンSWA-RG01レイジングラトニー、極めつけはレーダーに探知されないZAW-RJ04レーダージャマーという典型的な遠距離アセンブルである相手に対して舌打ちをする。

ランダムとはいえ、こちらの装備は近距離ガン振りアセンブルである。

分が悪い所ではない。最悪なのだ。

 

__やはり最速撃破するならダメージ覚悟で突っ込むしかないか。

 

彼はそう結論付けると、オーバードブースト(以後OBと略す)起動準備に取り掛かる。

コメント欄には

「アルちゃんを虐めるなんてサイテ-」

「いわゆるこれはコラテラルダメージに過ぎない。RTA目的のための致し方ない犠牲だ(白目)」

など流れているが気にしない、否気にしてはならない。

今までもそうだったようにこれからもそうするだけのこと。

OBを最大出力で焚いてこちらの得意射程内にロックオンカーソルを収める。

距離を詰める途中に敵ACの弾丸を喰らってしまい、「もしもーし?避けてくださいよー?」と注意されたがタイムが縮まるのなら安い犠牲だ。

やはりと言うべきか、相手のACはこちらの行動に対応出来ていなかった。

 

__やはり所詮はゲーム、ということか。

 

今までの再走の鬱憤を晴らすかの如くコントローラーの射撃ボタンを連打する。

早く、早く堕ちろと願いながら。

そしてとうとう射撃の猛攻に耐えかねて敵ACが崩れ落ちる。

その後はチャート通りに捨て台詞を吐いて撤退するようであった。

彼は安堵する。当面の目標であったタイムを縮めることができたからだ。

が、しかし我らが邪神様もとい死神様はそれを面白くないと思ったようであり…

 

「なかなかやるじゃない?ちょっと時間かかったけど…作戦領域内に高熱源帯が接近!orderを更新。所属不明機を撃破して!今すぐ〜!」

 

急なアクシデントにも関わらずハロナが冷静に指示を出せるのはこれがゲームだからであろうか…

ハロナとは真逆に彼は焦る。

また不確定要素か、と毒づくが邪神に魅入られてしまったようである。

 

__じょ、冗談じゃ…

 

これまでほぼ沈黙を守り通していた彼の口から無意識に紡ぎ出される。

例の如く、コメント欄には

「プランD、いわゆるピンチですね」

「騙して悪いがこれも仕事なんでね」

「底知れぬ絶望の淵へ沈め!」

「こんなんじゃ(RTA的に)満足出来ねぇぜ…」

などなど悪い意味で盛況ぶりである。

そんなコメント欄に頬を緩め、また引き締める。

再走するという選択肢がチラリと思考の海から顔を覗かせるがすぐにその思考を沈める。

 

__自分が引き起こしたガバだ。これぐらいはケリをつけてからでも遅くはない。

 

また誰ともなく虚空に響く彼の声。

しかし、現実は非常であるとはよく言ったものだ。

画面越しにハロナから通信回線が開かれる。

 

「もしもーし?そこの()()の人?聞こえてるかな?面白そうなやつだからそこの()()()()にプレゼントを用意したんだ。」

 

そしてその瞬間からコントローラーの操作が受け付けなくなってしまう。

 

「不明なsystem……続されました。main systemに障………生して……す。直ち……用を停止し………さい。」

 

不快なノイズ音と共に画面が蒼白く、灰色の世界へと染まっていく。

画面に表示されるACの関節機構から画面同様蒼炎の炎のようなものが溢れ出す。

警告が表示されるが侵食されていく蒼炎色に彼はどうすることもできなかった。

 

「ギャハハハ!その調子だと気に入ってくれたみたいだねぇ!さぁケリを付けようじゃないか…見せてみな…お前たち人間の本当の力をさ…」

 

完全に侵食されきった画面の中、ノイズ音に混じるハロナの音声がとても残酷に、そして鮮明に聞こえた。

 

________

 

全てが終わった。

 

そう、何もかも。

 

焦土と化した大地には1つのACが佇む。

 

幾多ものスクラップと成り果てた汎用機動兵器や巡航戦車などを積み上げられた塵芥の山の上に。

 

そしてそれは()()()()()()()()すらも全て等しく。

 

 

それを認識した…否、認識してしまった彼はとても正気では居られなかった。

 

___これは夢。そうこれは悪夢なんだ。

 

そう思い込み、リセットボタンを押す。

 

が、しかし無情にも画面は切り替わらない。

 

焦土と化した大地に1つのACを相も変わらず映し出しているだけだった。

 

彼は困惑する。

 

___まるでリアルじゃないか…

 

その言葉に感応するかの如く画面からこの惨状を引き起こした元凶、死神の声が2つ響いた。

 

「御機嫌よう。チュートリアルは楽しめたかしら?」

 

「アハハハ!冗談キッついんじゃないのぉ?まぁ今はこんなもんでしょ。機体もその辺に転がってたお下がりだしね。」

 

姿は見えない。が、今まで何度も聞いたことのある声。

 

彼はそう確信する。

 

____どうしてこんなことをする?そもそも目的はなんだ。

 

疑問は次々に沸いて出てくるが死神達はそれに答えない。

 

「いずれ分かるわよ…いずれ…ね?」

 

「いやいや…ちょっとお手伝いをねっ!」

 

彼はこの悪夢から逃げるように席を外そうとする。

 

夢ならさっさと醒めてくれ、そう切に願って。

 

が、そうは問屋が卸さなかった。

 

「どこへ行くのかしら?まぁ行かせるつもりもないけれど。」

 

「敵前逃亡は銃殺刑…ってか?ギャハハ!あ、ちなみに拒否権はないから。」

 

どういうことだ、と言おうとしたが体が言うことを聞かない。そしてあろうことかどんどん瞼が重くなっていく。

 

「こちらに着いたら以前と同じようにあの人が迎えに来るから。それに顧問推薦の紙も持たせるから大丈夫よ。それまで今はゆっくり休んで。おやすみなさい。」

 

「こちらの世界へ人間を1人ご招待〜。まぁせいぜい頑張ってくれや異分子(イレギュラー)。」

 

まともに体を動かすこともままならず、身を任せる彼。

 

最後に見えたのは、画面に写る狐面を咥える黒い鳥が翔んでいるマークと「こんなんじゃ…満足出来ねぇぜ…」で更新が止まったコメント欄だった。

 

_____

 

気が付くと電車の席に座っていた。

 

「キヴォトス広域都市鉄道Tラインへご乗車頂きありがとうございます。まもなく連邦生徒会事務局、連邦生徒会事務局です。お出口は左側です。ドアから離れてお待ちください。」

 

訳も分からずとりあえず降りる。

いつの間にか持っていた切符を改札口に入れて通る。

 

「一体…俺はどこへ来ちまったんだ…?」

 

いや理解はしている。だが頭の中では理解することを拒んでいた。

 

「まさかゲーム世界へ入るとか非現実的だろ…とりあえずここで待つかな…」

 

瞼が閉じる間際に聞こえた声を思い出し、ある人が来るのを待つ。

待っている間、他に持ち物はないかと探そうとした時、それは目に入った。

 

「学生証の落し物…?おっちょこちょいなやつもいたもんだ…」

 

それを拾い上げ、名前を見た時に彼は固まった。

それもそのはず、彼のスマホゲーム時代からの推しの子の1人の名前が記載されていたからだ。

 

「…ここまでくるとおっちょこちょい通り越してまんまポンコツだなこりゃ…うん。」

 

1人納得して懐へしまい込む。

他に持ち物はないかと探っていた時、その人は現れた。

 

「お待たせしてしまって大変申し訳ありませんでした。生徒会長に推薦された方でよろしいでしょうか?すみません…お名前を伺ってなかったものですから。」

 

彼女は息を切らせながらこちらへ謝罪を述べる。

しかし彼は無反応だった。

ここで一応弁解させてもらう。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

まぁつまりはそういうことだ。

不自然にも黙っていると怪訝な顔をされ、慌てて答える。

 

「あっ、すまねぇ。俺はレンフィーノ・オブライエン。まぁ呼びにくいならレンとでも呼んでくれや。これからおっす!お願いしまーす!」

 

やっちまった。慌てるばかりで昔別のゲームで使ってた名前を言っただけでなく、語録に頼っちまった。

そんな心の葛藤には気付かずにリンは少し口を緩める。

…あれ?俺またなんかやっちゃいました?

 

「レンさん…いえ、これからはレン先生とでも呼ぶべきでしょう。ここではアレですのですぐそこの建物…連邦生徒会事務局までお連れします。」

 

リンはそう言うと付いてくるように促す。

少し笑っているように見えたのは気の所為…か?

まぁいいか…とりあえずチャートに書いてあったことを頭の中でシュミレートしておこう、うん。

何せ自分はよくある転生者程ではないにしろ、この世界の原作をよく知るいわば預言者のような存在なのだから。

そんな思いを他所にキヴォトスを覆うように浮かぶ天鱗の輪は今日もまた回る。

新たな異分子(イレギュラー)を歓迎するかの如く…

それとも稚拙な思考を嘲笑うかのように…




前回のアンケートでRTAとは名ばかりの小説になりました…
ちょっと待って!?RTAのガバが見たかったの!親方に連絡させてもらうね?というそこの兄貴!感想で不満をぶちまけて、どうぞ(感想乞食)
もしかしたら…(RTAの方も)もしかするかもしれませんよ…?
今回のためにあらすじの方も変更しました。
誰かあらすじの方にルビ振る方法教えて…

通常通りRTAにするかRTAを絡めた物にするか

  • やっぱり…通常通りが…最高なんやな…って
  • RTA絡めた小説もいいゾ〜コレェ〜
  • オラァ!過労死してまで両方書くんだよォ!
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