転生したら『大賢者』持ってたからヒーローを目指すことにした件   作:茶々丸さん

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Ⅴ 転生したらヴィランに襲撃された件

 

 

 

脳無と呼ばれた黒い大男が動き始めた事で戦況は大きく流れを変えた。

この場にいるヒーローを瞬く間に倒してしまい広間は絶望に包まれてしまった。

 

「相澤先生の個性は個性の抹消…個性を使ってないはずが無い。つまりあの脳無ってヴィランは素の力であんなパワーを持ってるんだ……。」

 

「緑谷ダメだ…手助けだなんて……流石に考えを改めただろ…?」

 

「ケロ…」

 

「死柄木弔」

 

「13号はやったのか?」

 

「行動不能には出来たものの…散らし損ねた生徒がいまして。1名に逃げられました。」

 

「は?はーはぁー……黒霧、お前がワープじゃなかったら粉々にしてたよ。」

 

「……」

 

「さすがに数十人のプロヒーローには敵わない……ゲームオーバーだ……今回はゲームオーバーだ。帰ろっか。」

 

「な、なぁ、今帰るって言った?カエルっつったのか今!?」

 

「そう聞こえたわ」

 

「やっやったぁ!助かるんだ俺たち!!」

 

「えぇでも……」

 

「蛙吹さ……峰田くん……」

 

不気味な空気が漂う中隣を見ると蛙吹さんの胸に手を添えてはしゃぐ峰田くんの姿があった。

こんな状況で自分を貫ける峰田くんには関心しかないけど今はそうも言ってる場合じゃない。

それよりヴィランが何を考えているのか分からない……ここで帰れば雄英の危機意識を上げるだけ……ここに来た意味がない。

 

「けどもその前に……平和の象徴として矜恃を少しでも…………へし折って帰ろう!!」

 

ヴィランのリーダーと思われる男から放たれる異様な威圧に動けずにいた。

そして相澤先生の肘を崩壊させたその手が蛙吹さんの顔へと伸びていきその顔に触れ

 

「…………ほんとかっこいいぜ。イレイザーヘッド」

 

「その手、離せ!!」

 

ヴィランが相澤先生に目を向けている隙に僕はヴィランの脇腹に蹴りを叩き込み吹き飛ばした。

 

「がはっごほっ…………痛ってぇなぁ!」

 

「蛙吹さん、ごめん。峰田くんを連れて行って……ここは僕が食い止めるから。」

 

「み、緑谷ちゃん……でも」

 

「2人を守りながら戦える相手じゃないんだ……大丈夫、無茶はしないから。」

 

「分かったわ……無理はしないで」

 

「一丁前にヒーロー気取りか?ムカつくなぁ……脳無、あのガキから始末しろ。」

 

男の指示を受けた脳無は瞬く間に僕の懐に入ると拳を振り上げた。

 

「はやっっっつぅぅぅぅあっ!!!!」

 

即座に腕をクロスに組み脳無の拳をガードした。

しかし、オールマイトを思わせるその威力にいとも容易く吹き飛ばされてしまった。

 

「がっ……かはっ……はぁはぁ……」

 

「脳無の一撃を受けて五体満足で立っていられるなんて凄いなぁ……ますます捻り潰したくなったよ。」

 

「お前……なんかに……屈しない。みんなを守ってみせる!!」

 

「やれ脳無」

 

「僕は常に成長してる……今も!!」

 

僕は脳無に向かって駆け出すと脳無は迎え撃つように拳を突き出した。

高速のパンチが僕を捉えたかと思われた。

 

「もう見切った!!」

 

脳無に対してカウンターを打ち込んだ。

 

「どうなってる……?脳無本気でやれ!!そのガキを殺せ!」

 

脳無は無数の攻撃を幾重にも打ち込み僕はそれを避けてはカウンターを叩き込み続けていた。

そしてここまでで分かった事がいくつかあった。

脳無には体力といったものはないのだろう、そして攻撃吸収している。

いくら殴ってもダメージというダメージを負っていない。

 

「ショック吸収……」

 

「チッ……それが分かったからなんだ?お前は脳無に勝てない。」

 

たしかに体力はそろそろ限界だ。だけど、ショック吸収を突破する手段が無いわけじゃない……。

 

「ヒーローは負けない……!!」

 

リン……

 

━━━━━今必要なのはピンチを覆す奇跡

 

リン…リン…

 

━━━━━この場に居る誰も失わない為に

 

リン…リン…リン

 

━━━━━限界を超えた英雄になる為に

 

「今ここで限界を超える!!」

 

鳴り響く(ベル)は新たな英雄の誕生を祝福する大鐘(グランドベル)に変わる。

 

「なんだよ…それ…」

 

「Plus ultra……SMAAAAAAAAAAAAASH!!!!!!!!」

 

僕の一撃と共に辺り一帯は極光に包まれた。

 

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

「なんだよこれ……チートめ!……はっ、だが足りなかったなぁ!!」

 

光が収まり見えたのは右半身の吹き飛んだ脳無の姿だった。

しかし、同時に脳無の身体は物凄い勢いで再生されていった。

 

「くっ……ま、だだぁ!!あっ、」

 

限界を超えた力のチャージを放った反動で体力と精神力は底を尽きかけていた。

立って意識を保つのもやっとの状態だったが抵抗虚しく倒れたその時だった。

 

「出久よ……遅くなった。良くやった、後は我に任せろ。」

 

「けん……ちゃん、ごめん……手も足も出なかった……」

 

「泣くな出久……お前は誰よりもヒーローだったよ。……ヴィランよ、第2ラウンドといこうか。」

 

僕にとっての1番身近だったヒーロー、僕が最後に見た彼の横顔は怒りに染まっていた。

 

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