ブラッククローバー 氷の四つ葉の魔法騎士   作:皐月の王

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宝物殿での決戦

「ありがとなミモザ」

 

「いえ、先に助けていただいたの私ですわ。それに、回復は私の分野ですもの」

 

リオンは現在ミモザの治療を受けていた。無理矢理止血していたがしっかりと処置をしなければならないとミモザの処置を受けていた。

 

アスタとノエルとラックも合流し、魔宮に派遣されたクローバー王国の魔法騎士が全員宝物殿前に集っていた。少し離れたところでは

 

(まさか、『黒の暴牛』に助けられる事になろうとは……!)

 

マルスを拘束し、リオンとアスタを一瞥する。リオンはミモザの治療を受けていて、アスタは体力回復の薬草をモシャモシャと食べている。

 

「この拘束魔法大丈夫か?」

 

「大丈夫に決まっているだろうが!手負いの者に解かれる程もろくないわ!」

 

「まぁ、そうカリカリしなさんな」

 

「先にこの場所に辿り着き勝負に勝ったのは我々だが、特別にオマエらも宝物殿に入ることを許そう――――!」

 

クラウスはアスタ、ノエル、ラックに遠回しだが宝物殿に共に入ることを良しとて入ろうと提案する。

 

「何でそんなエラそーなんだこのメガネはァァ!?どーもありがとうございますコノヤロォォ―!!」

 

(先に行かなかったあたり真面目なんだな……あの金色の人)

 

リオンはそんなやり取りを見ながら微笑んでいた。そして自分の体の状態を軽く把握し

 

「ありがとう、もう十分回復した」

 

「それはよかったですわ。ですが、無理はなさらないでください。開いたらまた出血しますわ」

 

ミモザはリオン伝える。あらかた傷は塞がったが激しい戦闘をすれば、傷が開く可能性があると、リオンは頷き皆と合流する。

 

「リオンも来たことだし、いざ宝物殿へ――――!!」

 

と宝物殿の扉の前にたったのはいいのだが

 

((どうやって入るんだろう……))

 

扉を開ける方法がなんなのかがまるで分からない。

 

「おそらくどこかに暗号か何か―――」

 

「ガンバレ!考えろ!メガネ!」

 

「やかましい!」

 

アスタとクラウスが言い合い?みたいなのをしている横でラックが扉に手を当て何かを確かめる。

 

「この扉魔法で出来ているみたいだから、アスタ斬っちゃいなよ」

 

「は?斬る?魔法を?」

 

クラウスは戸惑いながらアスタを見る。アスタは自身の魔導書から大剣を出し

 

「うらァァ―――!!」

 

魔法で出来た扉を切り裂く。その先に広がっていた光景は

 

「うぉぉおおおすげぇぇ~~~~~お宝の山だァァァ!!!」

 

金貨や剣や金塊、宝石などのお宝と言えるお宝が部屋いっぱいにあった。宝物殿の名前に恥じない程のお宝が存在していたのだ。各自興味があるものに触れて宝物殿の中を楽しんでいた。そんな様子を見てクラウスは

 

「オマエらァァァ勝手にイジるな――――!!国宝級の魔道具かもしれんのだぞォォォ!!!」

 

と注意をする。リオンは部屋を見渡しながら面白そうなものがないのか探す。しかし、これと言って大層な魔道具とかは見つかることは無かった。

 

(これといってこれだ!という物はねえな。とりあえず幾つか回収して……!)

 

リオンが何かを察知する。それより早く察知したラックが叫んだ。

 

「みんな逃げ―――…」

 

しかし、それより早くマルスが扉を破壊しながらその姿を現す。

 

「きゃああ!!」

 

「みんな―――!!」

 

宝物殿に侵入すると同時にアスタ、リオン、ノエル、ミモザ以外のメンバーを拘束する。

 

(――ば…馬鹿な……!!この短時間に…どうやって復活したと言うのだ!?)

 

(直ぐに回復するようなやわな攻撃をした覚えはねえぞ!?何を……)

 

炎回復魔法 不死鳥の羽衣

 

マルスを炎が包み傷を癒していたのだ。魔法の属性は四大元素の何れの魔が宿っていて、その魔から派生した属性の一つしか使うことが出来ないはずだが、マルスは現に二つの属性を使って見せている。

 

「その炎…私が消すわ!!」

 

ノエルがマルスに杖を向けて言うが、そうはさせないと言わないばかりに、タイタンの重鎧の腕を振るい、ノエルを薙ぎ払う。

 

「ノエルさん――…!!」

 

ミモザは薙ぎ払われたノエルの元に駆け寄る。

 

「ノエル―――!!!テんぇぇぇえええ!!!」

 

「なんだ、オマエ」

 

マルスは迫り来るアスタをレーヴァテインで迎え撃とうとするが、アスタの振るう大剣はレーヴァテインをぶった斬る。

 

「なんだ…その剣は…」

 

マルスは目を見開き戦う。

 

「アスタ!オレはノエルの治療を手伝う!それまで持ち堪えろよ!!」

 

「おう!任せておけ!!!」

 

リオンはノエルとミモザの近くに走る。

 

「『暴牛』のあの下民の力は何なんだ!?」

 

クラウスの呼びかけにリオンを足を止めてクラウスの方を見る。そして質問の答えを言う。

 

「魔力の無効化だ!それがアイツの唯一無二の武器の一つだ」

 

「…無効化…だと……ただの幸運ラッキーで能力に恵まれたってことか」

 

クラウスは幸運に恵まれたと切り捨てた。下民には似つかわしくない仰々しい能力だと。

 

「それはアイツの戦いを見て言うんだな」

 

リオンは多くを語る事をせず、再度走り出す。

 

「容態はどうだ?」

 

「あまりよろしくありませんわ…!『植物回復魔法 姫癒の花衣』私が使える最高の魔法です…!!」

 

「俺も手伝う『氷回復魔法 アイシング』」

 

リオンは自身の回復魔法をノエルに流し込む。優しい青白い光がミモザにも流れ込んでいく。

 

(これが、この人の魔力…!氷の魔力でありながらこんなにも暖かい気持ちになる魔力を……。いえ、今は!)

 

ミモザとリオンがノエルを回復させる。自分の魔力とリオンの魔力。二人の魔法用いた回復魔法は回復の速度を速めた。

 

「私なら…諦めていたかもしれません……王族の皆は…努力を馬鹿にします…それは生まれながらに力が無い者のする事…王族のする事ではないと―――…けど…努力できる貴女を…私は尊敬しています…!!死んじゃ駄目ですわ…ノエルさん…!!」

 

「ありがとな……ノエルを仲間を大切に思ってくれて」

 

リオンの握る手が少し強くなったと思うと、手を離し立ち上がる。

 

「けど、努力は力が無い者だけがするものじゃないんだぜ?もっと高く、もっと強くなりたいから、もっと前に進みたくて努力をするんだ。ああいう風に、な」

 

そう言うとリオンはアスタの方を見る。

 

「何なんだ……?オマエは!」

 

「俺は…生まれつき魔力の無い人間だ」

 

アスタはマルスを睨み付けながら自身の事を語る。

 

「魔力が全くないだと!?…やはり運良く能力を……」

 

クラウスの言葉は途切れた。

 

「それでも魔法帝になってみせる!それを証明するためにオレは生きている――!!」

 

(――何だその身体は……一体どれだけの鍛錬を!?)

 

アスタはマルス目掛けて走り出す。マルスを倒すべく

 

「オマエの能力はもう理解した。その剣があらゆる魔法を砕くなら…剣より速い魔法はどうだ?『鉱石創成魔法 ハルパー』」

 

出されるのは弾速が速い魔法だ。アスタの大剣とは相性が悪い。

 

「アスタ!」

 

アスタは防ぎながら前に進もうとするが、速度が速いハルパーを処理仕切ることが出来ず

 

「ぐあぁぁぁぁぁ!!!」

 

「アスタ!」

 

アスタはハルパーを全て凪ぎ払う事が出来ず、後方の壁に叩き付けられ、そのまま壁を破壊して中へ消えていく。

 

マルスはミモザにハルパーを飛ばすが、リオンがそれを刀と氷刃で防ぐ。

 

「やらせねえよ!」

 

姿勢を低くして刀と氷刃で切りかかるが弾き落とされてしまう。リオンは飛び退きながらミモザとの距離を図る。

 

(ここは引く訳には行かねえ!)

 

腰を落とし構える。

 

「『氷創成魔法 氷の城壁』!!」

 

氷の城壁を出し、マルスと押し合いになる。リオンが向かってくるマルスに対して氷の城壁を押し出し、マルスはそれを押し返そうとしている図である。

 

「小賢しい……!」

 

タイタンの重鎧から鉱石で作られた別の腕が、氷の城壁を掘削し貫通し、リオンの手を握り

 

「『鉱石創成魔法 ギースリ』」

 

その手を鋭き槍へと姿を変え、リオンの手を貫く。

 

「うぉおおああああああああぁぁぁ!!!」

 

「リオン!!」

 

「リオンさん!!」

 

凄まじい出血と共に、痛みで叫ぶリオン。しかし一歩も引かず、歯を食いしばり自身の足場に氷の氷塊を作り出し一歩も引かないようにする。踏ん張る地面はひび割れ、耐える腕からは血が出る。

 

「リオンさん!その手では!」

 

「これでオマエは剣を握れない。それに後ろががら空きだぞ」

 

(しまった!あの魔法か!)

 

ミモザ達にハルパーが向かうが、直前でアスタが新たな剣と共に姿を表し、ハルパーを薙ぎ払う。

 

「オマエの相手は…オレだァアア!!!」

 

アスタは飛び出しマルスに向かう。マルスはリオンに刺さった槍を引き抜きアスタを迎え撃つべく、ハルパーを飛ばす。大剣とは違い、片手で振れる剣は速さでハルパーに追いつけ、迫り来る"ハルパー"を叩き切る。マルスに切りつけ"不死鳥の羽衣"の勢いを一瞬弱めた。

 

(あの剣……何時もの大剣とは違う。さっきより戦えている……。どの道この腕で切りつけるのは無理だな)

 

リオンから見ても立ち回れている。しかし、回復魔法がある限り決定打にはなり得ない。

 

リオンの腕は刀を持つには厳しい状態になっている。だがリオンは飛ばされた刀を拾い上げ、ある準備をする。

 

「…なにやってるのよ…バカスタ」

 

「ノエルさん…!」

 

「ノエル…!」

 

意識を取り戻したノエルがアスタに声を掛ける。

 

「…アンタは…王族の私が…認めてあげた下民よ……あんな奴…さっさと倒しちゃいなさいよ……アスタ…!!」

 

すると、アスタの剣が光り出す。中央の部分が青く光り輝く

 

「どけ…そいつらを消してやる…!!」

 

「そんな事させるかァァ!!」

 

殺すために迫るマルスと守る為に立ち向かうアスタ。

 

「俺には魔力が無い...!!だけど俺には――仲間がいる!!!!」

 

アスタが剣を振るう。すると青い斬撃が大きくなり、ハルパーを破壊しながらマルスに向かって飛んでいく。

 

(何だ…コレ―――…!?)

 

(どういう事だ――!?奴には魔力が無いはず……!!)

 

(水の魔力の斬撃…!!これは……ノエルの魔力を……借りた――!?何なんだあの剣は――…!!?)

 

「こんなもの――!!」

 

マルスは防ごうとするが、鎧を砕き、斬撃はマルスに届きダメージを与える。

 

「よく分かんねーけど…やったぜ―…!!

 

しかし、アスタの言葉はここで途切れる。

 

「アスタ…?」

 

アスタの腹部にはマルスのハルパーの欠片が突き刺さり、貫通していたのだ。

 

「アス…タ……!!」

 

「しくっ…た……」

 

「アスタ――!!!」

 

アスタはその場で倒れ、動かなかった。

 

そしてマルスが立ち上がり、アスタを見据えて

 

「ダメだ……!オマエみたいに甘い奴が…俺に勝ってはダメなんだ…!」

 

レーヴァテインを作り出し、アスタを殺すべく振り下ろそうとするが、氷の竜がレーヴァテインを押し返し壁に激突させる。

 

「そう簡単に…仲間を殺らせるかよ…!」

 

ボロボロの右手に刀を握らせ、氷で固定させているリオンが姿を現す。もう片手は処置をしていない。

 

「そんな身体で俺に勝つつもりか?」

 

「ああ、アスタのおかげで仕込む時間はそれなりにあった……」

 

刀を向ける。それと同時にマルスを囲むように大量の氷柱を発生させる。

 

「なっ!オマエ何を!」

 

「オレの武器は、刀だけじゃ無い。大気にある水もオレの武器だ……。『氷魔法 千獄氷牢』」

 

刀を鍵を閉めるように回転させる。氷柱はマルスを押し潰すように閉じ込めた。リオンはアスタの所に行く。

 

「大丈夫かよ……」

 

リオンは左手でアスタを引っ張り、ミモザの所に連れて行く。

 

「アスタの回復を頼んだ。オレはその後で……っ!」

 

右手の刀で迫り来る脅威を打ち払う。腕の痛みで苦悶の声が漏れるが歯を食いしばり堪える。

飛んできたのはハルパーであった。

 

「……あれでも、まだ倒れないかよ……クソが……」

 

氷柱は内側から鉱石により破壊される。マルスはなおボロボロになろうともまだ力尽きていなかった。リオンの左肩に深々とハルパーが突き刺さっていた。それでも倒れず構える。後ろには仲間が居る。リオンは引けないのだ。

 

「来るなら…来い……!」

 

リオンが覚悟を決めた。しかし、直後凄まじい風の一撃がタイタンの重鎧を砕き、マルスを凄まじい勢いで壁に叩きつけた。

 

何が起こったか分からないが、今この瞬間、決着が着いたのだ。

オリジナル精霊(氷精霊)について

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