四葉氷更新です!
騎士団本部へ
魔宮から帰還し、目を覚ましてさらに数日後、アスタとノエルの新人組が王都に来ていた。
「う…おおおおお…!!すっっげぇぇぇぇぇぇ」
「ちょっと…!恥ずかしいから騒がないでくれる!?」
初めて来る王都にテンションが高いアスタとそれを注意するノエル。
(アスタと二人きり…)
顔を赤くしているノエル。さらに少し離れた後ろには同じ新人組の最後の一人、リオンが居た。リオンが離れているのはちょっとした親切心から来るものか、単に面倒臭いからかは分からない。リオンは眠たそうに欠伸をしながら歩いていた。
(起きて早々によく食えたよな。アスタは)
三人が王都に出向いているのは、騎士団本部に報告をするためである。アスタが復活し、当事者が揃ったことで報告をしに行く事になった。
因みにラックは問題を起こしそうだからだめとヤミに言われ、代わりに行くと言うチャーミーは毎日食べているだけだからダメと言われ、報告に行くメンバーは結局の所、新人三人組となったのだ。
「すげーな~~~家がいっこいっこデケーぞ!」
「そう?」
はしゃぐアスタと少し離れた所から付いていくノエル。さらにその二人から親切心で離れて歩いているリオン。世にも奇妙な三人組で騎士団本部に向かっていた。
「お?」
アスタが前を向いて何かに気づく
「む?」
目の前には魔宮で協力した《金色の夜明け》団のユノ、クラウス、ミモザが歩いていた。
「やあやあ金色の皆さんじゃないですか!」
「おお!一週間ぶりだなアスタ!怪我はもう大丈夫なのか!?」
一週間ぶりの再会にしたアスタに心配するクラウス。それに対してアスタは
「おう!いっぱい寝ていっぱい食べたからな!」
「子供か」
アスタの返答にユノはツッコミを入れる。リオンはミモザの方を見ると、ミモザもリオンの方を見ていた。
「よ!この間の魔宮の攻略の時は世話にn……」
「……!」
ミモザはリオンと目を合わせると同時に逃げられた。
「オレ何かした?」
「さぁ?」
その様子を見ていたノエルはミモザの近くに行き首を傾げながら聞いた。
「どうしたのよミモザ?」
「…どうしましょう…ノエルさん…!あの…私…リオンさんを見ていると胸が苦しくなって…あの日からリオンさんの事ばかり考えていて…私…どうしてしまったんでしょうか…!?」
「え…?えええ~~!?」
ミモザの予想外な反応に驚くノエル。それに対してどう答えたらいいのかノエルは分からない。ミモザが言っていることはリオンに惚れたということなのだから。
「一応聞くけど、何でリオン?」
「それは…かっこよくて、仲間思いでして、髪も目も綺麗でして……」
聞けば聞くほど出てきそうになるので一旦ノエルはミモザを止めることにする。
その後もガールズトークみたいなものが続く。ミモザは見事にノエルがアスタのことを意識していることを言い当てて、二人して悶えたりしていた。
それを見ている男性四人組は
「何をうめいておるのだ?」
「さぁ?」
何でそうなっているのか分からずに困惑していた。留まり続ける訳にも行かず、騎士団本部に向かう六人
「確かこの辺りのはず――…」
「こっちだよ~~~!」
声のする方を見る。そこには勲章が幾つか付いたローブを纏った男性がリオン達を見ていた。
「やぁやぁ、いらっしゃい若者達よ」
朗らか声で呼びかけるその人物を見てリオンは驚く。いや、リオンだけでは無い。
「こっ…これは…まさか貴方様直々に――…」
それと同時にアスタとユノ以外のメンバーがひれ伏す。
「誰だ?この派手なオッサン」
(自分が目指している人のことも知らないのかよ!?)
これには流石のリオンも驚く。それと同時にクラウスが大きな声で言う。
「馬鹿者ォォ~~~!!!このお方が現魔法帝、ユリウス・ノヴァクロノ様だァァ―――!!!」
「えええええ――!!!」
アスタは勿論、ユノも驚いた表情を浮かべた。目の前に居る人物こそが、今の魔法帝なのだから。
騎士団本部に入り、魔法帝に報告をする。
「よくぞ手に入れたね!この魔法が恐らくあの魔宮の最重要遺物だ!」
ユノの魔導書を見ながら魔法帝ユリウスは言う。
「!…読めるんですか…?」
「何となくね!」
ユリウスは興味深そうに言う。ユノは何となくで読めるユリウスに驚いていた。
「ねえねえ!この魔法使ってみせてくれないかい!?頼むよ!」
目を輝かせながら子供のようにはしゃぐユリウス。噂に聞く「魔法帝は無類の魔法マニア」と言うのは真実だとわかる光景であった。
「…すいません…。魔宮で一度発動したんだと思うんですが…あの時以来使えなくて――…」
「えッ!?そうか~~いや―――残念」
(本当に残念そうだ……)
見るからに残念がっている。こうも分かりやすく落ち込む人は珍しいと思える。
「今言えるのは…この魔法は君と共に成長しいずれとてつもない力になるということ、大切にするんだよ」
ユリウスはユノの魔導書を閉じてユノに返す。次はアスタが勢いよくユリウス自身の魔導書を見せる。
「魔法帝っっ!!オレの魔導書にも変な文章出たんス!見てくださいぃぃ!!!」
「……これは…!まっったく読めない…!文献でも見たことがないね」
目を凝らし、頭を悩ましても見たことがないと言うユリウス。アスタはそのページから剣を取り出してユリウスに見せる。
「こんなん出ますッ!!」
「おぉっ!二本目の反魔法の剣だねっ!」
アスタはユノに勝ち誇った表情を見せるが、ユノは何とも思っていなさそうな表情をうかべる。
「反魔法の力…さ…触ってもいいかい?」
魔法帝は目を輝かせながら手を伸ばし
「どうぞ!!」
アスタも剣を差し出す。いざユリウスが持つと剣は重みで落ちる。
「って重ッッ!!」
「大丈夫ですか魔法帝ぃぃぃ!!」
「よくこんなの振り回せるね……!」
魔法帝の表情が変わる。何かに気づいたようだ。
(魔力を…吸われる…!?)
手に持つ剣の特性が分かり、ユリウスは納得したようにアスタに剣を返す。そしてユリウスは労いの言葉をかける。
「まぁとにかく素晴らしい活躍だったよ!お疲れ様!」
「…あああ…あののっっ…ちょちょちょちょっといいですか!?」
アスタは声を震わせながら魔法帝ユリウスに質問をする。
「?何だい?」
「……」
少し黙って自分を落ち着かせるとアスタはユノ一緒にある事を尋ねていた。
『どうやったら……魔法帝になれるんですか!?』
一瞬、止まったような表情を浮かべたが、
「そうか、君達は魔法帝を目指してるんだね騎士団員足るものそうでないとね!」
笑いながらアスタとユノの方を見た。
「お前達そんな事直接聞くのは魔法帝に失礼だろ!!いいか魔法帝とは気高い心を持ち民の信頼厚き者が――…」
「いや…」
クラウスの言葉を遮り、魔法帝は告げた。
「実績だよ」
そう魔法帝は言った。
「プライドだけでは人を守れないし、信頼は実績の後についてくるものだ。"魔法帝"に求められるものはただ一つ…"最強"と言わしめる実績だ。実績を出せ。ひたすらに実績を積むこと…それが全てだ。それが出来ない者は頂点に立つことなど出来やしない…!」
それを聞いた二人の震えは止まらなかった。だが、それで止まる二人ではない。
『望むところです…!!』
そんな二人の目を見て、ユリウスは
(いい目の新人を持ったね…ウィリアム、ヤミ)
二人の思い深い団長の顔をうかべたユリウスは、笑いながら
「さてと!実は今日『星』取得数が特に多い騎士団員達を集めて戦功叙勲式をするんだ君達も是非参加してってくれ!」
『え…!』
そして案内されるままユリウスの後に続いていく。その先には大きな扉があり、その先には
「…さて…君達は彼らより実績を出せるかな…?」
先には複数の団の団員が立っていた。
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