「おおお!!!」
一方アスタは、襲撃者の一人と戦っていた。レオポルドやノエルのおかげで一度は追い詰めたに見えたが、新たな屍体を召喚したラデスと対峙していた。したいから放たれる電撃を反魔法の剣で切り裂きながら進むが、攻撃は止むことなくアスタに牙を剥く
「ぐ……!!」
「No2…アルフレッド。お得意の反魔法の剣も…相手が浮いてて当てられなきゃ何の意味もねぇなーーーー!!!」
「アスタ―――!!」
ノエルは魔宮での魔力を貸せたこと思い出し、アスタに駆け寄ろうとしたが、レオポルドとノエルの目の前には泥水魔法を扱う屍体が目の前に現れる。援軍には行かさないと言うのだろう。
(泥水の魔法…!相性が悪い……!!)
(アスタ―――……!!)
アスタの体は傷だらけであり、体の自由もきかなくなって来ていた。
「「オマエ自身がかかって来い」だぁ……!?屍体操ってオレは見ているだけで勝つ―――それがオレの戦い方なんだよバァカ!!」
(…くそ…。あんな人を人とも思ってねークソヤローに……負けたくねぇ……!!!)
心は負けてはいない。しかし、体は限界に近い。意地で立っているに等しい状態だろう。
「…何だァ…?その目は―――…!気合いだけじゃあどうにもなんねぇんだよクソガキがぁ!!殺れぇアルフr―――」
ドゴォォオオオン!!!
「なっ!?」
「なんだぁ!?」
側面の建物が崩壊し、砂塵が舞う。その中か二つの人影が映る。一つは砂塵から落ちるようにラデスの前に転がり、体制を整える。
「サクス!何してんだよ!」
サクスと呼ばれたローブの男は頭から血を流し、口角を釣りあげながらも警告をする。
「ぼさっとするな、上から化け物の攻撃が飛んでくるぞ?」
「あ?」
ラデスが聞き返すのと同時に、百を超える氷剣が二人目掛けて降り注ぐ。
「アルフレッド!!!」
「『土創成魔法 "断崖の土壁"』!!!」
屍体は雷の魔力を放ち氷剣を撃ち落とすが、十数本が限界。やがて針山のように串刺しにされる。魔法で作った土壁にも氷剣が突き刺さる。
それだけでは終わらず、刺さった場所から凍結し始めた
「なっ!アルフレッド!?」
そして、屍体は更に追撃の炎に焼かれ、土壁は音を立て砕け散った。
(チクショウ……勝てなかった……)
「オマエの戦いに横槍を入れてすまなかった……。今死ぬには惜しい男だと思ってしまってな。赦せ…!」
炎の主はフレゴレオン・ヴァーミリオンであった。そして砂塵の中からもう一人出てきた。
「……互いにボロボロだな、アスタ。まぁ、オレの方が優勢みたいだけど」
それなりにボロボロのリオンが姿を現した。
「リオン……お前、あんなすげー魔法隠してたのかよ……!」
「オレも必死ってだけだ。それより、選手交代だろ?アスタは休んでろよ。オレの相手はまだまだ元気そうだしな」
リオンはサクスの方を見る。フレゴレオンはアスタに
「アスタといったか…オマエ魔法帝になると言ったな……。では、この私ともライバルだな」
アスタの方を向きそう言った。その表情は嬉しそうな、楽しみと言う期待表情とも取れる。
「あとは任せておけ!!」
紅蓮の獅子王が出陣する。アスタは魔法騎士団にライバルだと言われたことに歓喜し震えた。一人の魔法騎士として認められたこと、ライバルだと言ってくれたことに
「うおおおお!!!弱ってる場合じゃねぇぇ――――!!オレはまだやれ――る!!!」
ボロボロのアスタだが、言葉で元気になったため、突撃しようとするが
「ダメだ」
「!?」
「戦士ならば、己の状態を常に把握し戦えるかどうかを見極めねばならない。今のオマエはとてもそうとは言い難い…!」
フレゴレオンの言うことは正しい。実際、アスタの状態はおおよそこのまま戦っても良い状態とは言い難い。限界も近いのは第三者から見ても分かる。
「豪快さはオマエの一番の武器だろうが冷静さを持て!本当に魔法帝を目指すのならばな…」
(さすが、魔法騎士団長だな…)
「よそ見するんじゃねえよ!!!」
「くっ!?」
サクスが土を腕に纏いリオンに殴りかかってくる。リオンは二本の剣でその攻撃を防御する。勢い凄まじく、大きく押されて下がる。
「空気読んでもう少し動かないと思ったんだけどな……!」
「そんなの知ったことかよ!」
もう一度拳を振り下ろすサクス。もう一度防御すると氷剣は砕ける。
「この馬鹿力!」
「これで俺の勝ちだ!潰れて死ねぇ!!!」
更に土を纏い硬質化させ、サクスはリオンを討つべく拳を振り下ろす。手元の武器は無く、氷剣を上から攻撃指示するのも間に合わない。
そのまま、拳がリオンの顔を直撃し地面に叩きつけられる。誰から見ても致命打となりうる一撃。しかし、この程度で殺られるリオンでは無い。リオンの体は突然青白くなり砕け散る。
「こいつは……氷だと?」
「『氷創成魔法 "残氷人形"』お前が殴ったのはオレの魔力で創られた氷の人形だ」
五体満足でサクスの後ろにたっていた。いつの間にかに入れ替わり、後ろを取っていたのだ。気づいた者は少なかっただろう。そしてリオンは決着をつけるべく、刀を抜き、氷剣を従え構える。
「決着だ『氷魔法 "氷纏・氷竜戦空 九頭龍"』!!!」
繰り出される氷の竜、数ある氷剣は竜の頭となり、サクスに襲いかかる。一つの首が打ち上げ、残りの八頭の竜の首がそれぞれ攻撃し地面に叩きつける。
「ぐっあ……!」
「オレを玩具にするつもりだったんだよな?一言言ってやるよざまーみろ……」
サクスの意識は途切れひとつの戦いに決着が着く。
リオンがアスタ達の方を見るとラデスを拘束して決着がついていた。
(も、もう終わってる!と、とりあえずオレも拘束しておかねぇと)
リオンはサクスを拘束しみんなの所に向かおうとした瞬間。フレゴレオンの足元から黒い水のようなものが出てくる。そしてそのままフレゴレオンは呑み込まれてしまった。
「フレゴレオン団長!」
拘束をして急いで駆け寄る。レオポルドがラデスの首元を掴み
「貴様アアアアア!!!兄上をどこへやったァ――――!!!」
「ハハハハハハ!!!」
「何が可笑しい!?」
詰め寄るレオポルドに対してラデスはただ笑うのみ。
「レオポルド!!そいつは空間魔法の使い手じゃないわ!」
ノエルは考える。ピンポイントでフレゴレオンを転移させるのであれば近くにいるはずだと。アスタは気づいたのか屍体の山に走り出し
「そこだァァ――――!!!」
大剣で薙ぎ払う。飛ばされた屍体に紛れて居たのか男は空間魔法を使い建物の屋根に姿を現す。
「よく見破ったな。魔法で化ければ魔力で気付かれると思い、わざわざ小汚ない格好に変装したというのに…獣のような奴だな…だがもう...終わったようだ…」
「何?」
リオンが眉を顰めその言葉を聞く。すると、別の空間からリオン達の前に何かが落ちてきた。
「……………あ……」
それは右腕をもがれ、大量に出血し見るも無惨な姿に成り果てたフエゴレオンだった。絶命寸前の状態で落とされたのだ。
「兄上ぇええええええええええ!!!!!」
「うぁあああああああああああ!!!!」
リオン、レオ、ノエルはすぐさまフレゴレオンの元に駆け寄る。
「……腕が……」
「兄上……嘘だ……兄上が……負けるはずなど無い……兄上が……こんな……!!」
フレゴレオンの近くにフレゴレオンの魔導書が落ちる。姿をまだ保っているという事は、まだ生きているということだ
「止血するぞ!オレは回復魔法で何とかしてみる!ノエルは布を用意してくれ!」
「分かったわ!」
ノエルはすぐさま自身の服の布を破り、傷口を塞ぎ出血を抑えようとする。
「『氷回復魔法 "アイシング"』」
リオンは回復魔法を使い、出血を魔力を用いて抑える。しかし、フレゴレオンの魔導書は崩れ始める
(オレの回復魔法じゃ効果はたかが知れている……!このままだと!)
「さっきはよくも嘗めた口利いてくれたなぁ…!」
「!!」
動揺しているレオポルドにラデスが襲いかかる。魔力の塊をレオポルドにぶつける。レオポルドを大きく壁に激突する。
「レオポルド!!」
「ノエル……フレゴレオン団長を頼む」
リオンは臨戦態勢を取る。
「正しき心だぁ……!?俺はいつだって自分の心に正直に生きてるぜ…!!あの世でほざいてなフエゴレオン・ヴァーミリオン……!!」
「目的は果たした…他の騎士団員が来る前に行くぞ…ラデス…」
空間魔法で逃げようとするラデス。
「…待ち…やがれ……!!」
それを逃がすまいとアスタが追いかける。
「……アスタとか言ったな…テメェはそのうち絶対殺して俺のオモチャにしてやる……!!楽しみに待ってろクソガキィ――!!」
走り出すアスタだが、戦いのダメージや出血の影響があり、動きがいつも以上に悪くなっている。
「やめろアスタ!それ以上はお前だって!」
「アスタ…!もうムリよ!」
リオンとノエルはアスタを止める。しかし、アスタは止まることなく走る。だが、空間魔法でラデスはに逃げられそうになっている。アスタのとった行動は
(オレのこの剣は反魔法!!!)
自身の魔導書から剣を出し、ラデスの足元目掛けて投げる。それが空間魔法に当たり、消滅する
『何―――――…』
「…うぉぉおおおおあああ!!!」
もう一本の反魔法の剣でラデスに攻撃をする。しかし、傷が痛むのか狙いが逸れる。
「ぎゃああああ!!いてぇぇ――!!何しやがるこのクソがああああ」
「マズイな…」
ラデスが斬りつけられたことでこれ以上は不味いと判断した男がもう一度空間魔法でラデスを逃がそうとするが
「人をあれだけ傷付けて…何言ってやがる――!!」
ラデスの言葉にアスタは怒り地面に反魔法の剣を突き立てもう一度空間魔法を打ち消す。
「これが…痛みだ!!!お前が笑いながら罪の無い人に与えたモノだ――!!」
アスタは更にラデスを殴りつける。
「……やめろ……傷負って血ぃ流すなんてのは弱者の証なんだよ――――!!!魔力で劣る奴は魔力で勝る者にいいようにやられてりゃいいんだ……特にお前のような魔力の無いクズはなアアアアアア!!!」
距離を詰めたアスタにラデスは抵抗を試みる。魔力で攻撃しようとするラデスだが、
「それをさせねー為に俺がいる!!!そして…魔力の無い奴でも最強になれるって…俺が魔法帝になって証明してやる!!!」
頭突きでそれを阻止する。抵抗も虚しく頭突きをカウンターで決められてしまった。
「ヴァルトス!!何とかしろォ―――!!」
「出来たらもうしている…反魔法…思った以上に厄介だ…。先にそいつ自体を片付ける必要があるようだな…」
手に魔力をため、空間魔法でアスタの背後を取るヴァルトス。
ノエルはすぐさま狙いがわかる
「アスタ…危ない―――!」
「遅い…」
アスタに攻撃しようとした瞬間
「!!」
炎と氷が同時に襲いかかる。氷はリオンであり、炎は
「……………オレが…取り乱してどうする……!?どんな時でも冷静に………ですよね…!?兄上―――…!!」
レオポルドだった。立ち直りきった訳では無いが、自らを奮い立たせて戦うために立ち上がったのだ。
「ここまでして……逃げられると思うな……よ?」
リオンも立ち上がり対峙する。リオンも先の戦いのダメージがあり、魔力もかなり消費をしている。だが、それでも立つ。
「どうしたものか……」
「クソがあぁ―――」
三人の魔法騎士に囲まれ逃げるに逃げられなくなったラデスとヴァルトス。しかし、そんな時
「情けない…」
「!」
「………!!」
「あの方…からの報を受けて来てみれば…このような者共を相手に…情けない――…」
気づくとリオン達の周りを取り囲むようにして、ラデス達の仲間の魔導士達が立っていた。
(……何て……突き刺さるような冷たい魔力!!)
(新手……!?五人も……!!)
(呪力だとかのせいでかすり傷なのに血が止まらねー…これ以上血を失うのは…ヤバい……)
(状況は良くないな……このタイミングで新手か……!)
囲まれたリオン達は先程ラデス達を追い詰めた時と形成が逆転していた
「……チッ…!!だがまぁこれで…形勢逆転だなぁぁ…!!」
ラデスが勝ち誇ったようにそう言う。状況を見れば不利になったのはリオン達だ。しかし、アスタは
「…へ…へへへ…」
大剣と片手剣を呪弾によって受けた傷に当てて効力を消したのだ。
「――――……!!」
「―――…これで…俺はまだ戦えます…!!見ていて下さい…!!」
(コイツ…自分自身に刃を当てて呪力を――!!)
反魔法の剣で効力を欠き消した事にラデスは動揺した。
「―――こちとら……生まれたときから逆境なんだよ……!!」
アスタは魔導士達に向かって、宣言するように叫ぶ
「何人来ようが…何が起ころうが…全部撥ね除けてやらあ!!!」
その言葉を聞いたリオンは口角を釣りあげて
「『氷創成魔法 "氷刃"・"十華"』」
氷剣を十本自身の周りに展開する。
「やるぞアスタ。この不利な状況を覆すぞ……!!」
逆境を跳ね返すため、状況を覆すための戦いが今再び幕を開ける。
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氣を覚えさせたいですねリオンにも!
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