ブラッククローバー 氷の四つ葉の魔法騎士   作:皐月の王

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と言うわけで2本目ぇ


覚醒の兆し

「うおおお!生きてたぁぁ!?…ついにやった…!?でも何が…!?ゴーシュ先輩――!?」

 

「…見えてなかったが…光の速さだ…避けようがねぇんだろ……?ざまぁみやがれ…!」

 

「ゴーシュよく戻って来たな!!そしてオイシイとこ持っていきやがってテメー!」

 

ヤミは上機嫌に笑いながら、ゴーシュの頭をわしゃわしゃの撫でる。

 

「団長…!あの日、拾ってくれた団長のお陰です…」

 

少し困り顔で謙遜をするゴーシュ。それを聞いたヤミは

 

「そーかそーか!じゃあ最終的にはオレの手柄だな!」

 

「最後に関してはヤミ団長何もしてないっスよ!」

 

上機嫌で笑うヤミに水を差したアスタは案の定ヤミに頭を鷲掴みにされて握りつぶされそうになる。

 

(……これ、オレ起こされる意味あった?)

 

この洞窟に来て特に何かしたかと問われれば怪しいリオンは少し肩を落とす。そして五人はリヒトに近づく。勿論、拘束をするためである。

 

「流石にテメー自身の最大魔法は堪えたよーだな。オレ以外にも天敵属性いたみたいね。ドンマイで~す」

 

一切笑わない表情で煽るヤミ。しかし、そんな煽りに返す言葉を放つことなくゴーシュの方を見る。

 

「………君を…傷つけるわけには…いかなかった……」

 

「…は?何言ってやがる…?」

 

次にリオンを見て、

 

「……君を……傷つける……ことにならなく……よかった……」

 

「……どういうことだ?」

 

「あれ?オマエらの知り合いだったの?ボコってごめん」

 

知り合いかと問を投げるヤミだが、そんな心当たりは無いゴーシュとリオン。返す言葉は

 

「なワケないじゃないスかこんなヤロー」

 

「右に同じく。知り合いがテロリストの頭領とかイヤすぎでしょ」

 

「…いずれ……わかるよ……」

 

「全然わかんないけど。ま、テメーは騎士団本部に連れてって組織のこと全部話してもらいます。これで…熱血真面目大王も浮かばれんだろ…」

 

手を合わせながらヤミは不謹慎なことを言う。それに対してアスタが

 

「いや、まだ死んでないっスよ!!」

 

と突っ込む。熱血真面目大王ことフエゴレオン・ヴァーミリオンは意識不明であり、死んではいないのだから。

 

「こまけぇこたぁいいんだよ。それじゃま、闇拘束魔法……」

 

ヤミが闇拘束魔法を唱えようとした瞬間、新たに3人の魔を感じ取る。視線の先に空間魔法で転移してきた。その空間魔法は、アスタとリオンが倒したヴァルトスのものだった。しかし、

 

「あの空間魔法は……!アイツは伸びてるのに何で!?」

 

伸びている現状使えるはずがないのだ。

 

「うわちゃ~~大変なことになってるよ…めんどくさがりなウチでも……マブダチは助けないと」

 

三人のうち一人が光速でヤミに近づき、ヤミの魔導書に触れる。

 

「へぇ~~~~~変わった柄だな~~~。まぁ、どうでもいいけど」

 

「チッ!『闇魔法 "闇纏・無明斬り"』!!」

 

すぐさまヤミは抜刀して近づいてきた相手に攻撃する。その斬撃は寸前で躱されるが、かすり傷を負わせる。

 

「っっ痛ってぇ~~~!!クソめんどいな~~もぉっっ!ま、こんくらいならすぐ治せるからいいか『光魔法 "癒しの光粒"』」

 

傷をリヒトと同じ光の回復魔法で癒して見せた。

 

「何で同じ魔法を使えるんだ!?」

 

リオンは驚く。似た系統の魔法はあれど全く同じ魔法はそうは生まれないのだから。だが、今目の前で起こった光景はほぼ全く同じ魔法が使われたのだ。まるで模倣したかのように。

 

「…来てくれたんだね…。すまない…私一人の力では及ばなかった…。君達がいれば、もう安心だ…」

 

仲間の一人が魔法を唱える

 

『炎回復魔法 "不死鳥の羽衣"』

 

「あの回復魔法は魔宮の時のダイヤモンドの……どういうことだ?」

 

そんな疑問を抱く暇も無い。目の間に立つ三人はリヒト曰く自分より戦闘においては上の存在。白夜の魔眼の最強の三人、『三魔眼』と言われる存在ということが、

 

「そいじゃ証明しよーか、メンドーだけど……。『模倣魔法 "闇纏・無明斬り"』」

 

『不実』のライアという人物がヤミの闇纏・無明斬りを模倣し攻撃を放つ。

 

「テメー人の魔法パクんじゃねぇ!!」

 

ヤミは本家の闇纏・無明斬りで相殺する。が次の瞬間には次の攻撃が迫る。

 

「『獣魔法 "ベアクロウ"』」

 

『絶望』のヴェットと言う筋骨隆々で獣人と言われても遜色のない人物が、魔力で獣の爪を模した攻撃をする。その一撃はヤミの刀を折った。

 

「さァ―――絶望の表情を浮かべろ!!それが獲物の最高の味付けになる!!」

 

(このままじゃ……!)

 

リオンは拳を固く握りしめる。自分は何も出来ないのかと腹を立てそうになったその時。

 

時間の流れがゆっくりに動くように目に映った。

 

(はぁ?どういう事だ?)

 

リオンが驚いていると、頭に声が響く。

 

『私の力を使えリオン。我々なら、3対1の状況を多少なりとも緩和できるだろう。それとも、あの男を憧れの人物を見殺しにするのか?』

 

その声にハッとし、左腰の刀を抜き言う。

 

「そんな事してたまるか!オレは黒の暴牛。リオン・オーウェン!そして、最強の魔法騎士団長になる男だ!」

 

『ならば叫べ私の名を、そして戦場に立て!』

 

景色が元に戻る。そして迫り来るはとてつもない程の炎の塊。リオンはヤミの前に立つ。

 

「オイ!銀髪小僧!」

 

ヤミがリオンを呼ぶ。しかし、その声を聞くことなく、告げるように新たな相棒の名を呼び出す。

 

「行くぞ……フェンリル!!!」

 

迫り来る炎から守るように、リオンを含めた黒の暴牛を中心に凄まじい吹雪の防壁が包む。迫り来る炎はそれを溶かそうとするが拮抗し互いに霧散する。

 

リオンの傍らには大型犬程のサイズの狼が存在し、相手『憎悪』のファナの肩には赤いトカゲのようなのが乗っていた。放たれた魔法は

 

『精霊魔法 "サラマンダーの吐息"』

 

つまり精霊魔法である。

 

「憎い…許さない……殺してやる…」

 

憎悪の言葉を吐くファナと対峙するリオン。

 

リオンが防御に使った魔法は

 

『氷精霊魔法 "フェンリルの吹雪"』

 

(まだ互いに未発達みてーだが、四大属性の火の精霊・サラマンダーと全てを凍らせると言われている氷属性の精霊・フェンリルってマジか)

 

(精霊ってユノと同じ……リオンの奴いつの間に)

 

「ヤミ団長、一人くらい請け負ってもいいですよね?これ、変わりに使ってください」

 

そう言い、リオンはヤミに刀を渡し、自身は氷の剣を創り出す。

 

「いいのか?また折っちゃうかもしれないよ?」

 

「ああ、大丈夫です。それ、自分の母が作ってくれた刀なんで。母方の家が鍛冶師の家だったんで」

 

「マジか、今度作ってもらお」

 

ヤミは折れた刀を見ながらいいこと聞いたと悪い笑みで言うが

 

「その時はその時です。安くするようには一応言いますけど……」

 

リオンは安くするとは言った。ただとは言わないあたりに、鍛冶師もそう売れるもんでは無いと安易に言っているのかもしれない。

 

「いや、そこはタダにしろよ。オレ団長よ?」

 

「まぁ、できる限り安くしますか……ほら来ますよ!」

 

「死ぬなよ!銀髪小僧!」

 

「了解!」

 

リオンはフェンリルに跨り、氷の剣をもう一本作り両手に武器を持ちフェンリルに指示を出す。

 

「目の前の炎の精霊魔法の使い手の相手をする。行くぞ、フェンリル!」

 

フェンリルは咆哮をあげて駆け出す。崩れた地面をものともせず駆ける姿には見とれるものがあるだろう。力強く雄大さを感じると共に、迫り来るそれは冷たい死を連想させる。

 

「憎い……!消えろ!」

 

再び、精霊魔法が放たれるが、その攻撃は先程の "フェンリルの吹雪"で防ぎ突破する。両手に氷剣を握りフェンリルから飛び切りつけようとする。

 

「とっ……!」

 

「『獣魔法 "ベアクロウ"』!!!」

 

横から獣如き敏捷でヴェットが襲来していた。警戒していなかった訳では無いがそれにしても速すぎるだろと内心悪態をつくリオン。

 

「まずは一人目だ絶望しろ!!」

 

ヤミの相手をしていたはずのヴェットが凄まじい速度で接近しリオンを捉えていた。振り下ろされる腕に捉えられたらリオンはひとたまりもない。しかし、無慈悲にもその腕はリオンを捉えた。その一撃は、リオンを捉えていた一撃で"砕いた"。

 

「ぬ?手応えが無いだと?」

 

「悪いが警戒はしているぜ……『氷創成魔法 "残氷人形"』」

 

ヴェットが砕いたのはリオンの氷像である。本物のリオンはヴェットの背後を取っていた。

 

「やるぞ、フェンリル『氷創成魔法 "流氷の槍"』!」

 

「『獣魔法 "ベアクロウ"』!!!」

 

獣の爪と氷の槍がぶつかり合う。完全に背後を取ったが恐ろしい反応速度で振り返り迎撃をするヴェットと氷の人形で背後をとり高威力の魔法をぶつける所まで漕ぎ着けたリオン。だが、

 

「そんな力で我に勝てると思っているのか!!!」

 

「ぐっ……!」

 

ヴェットが弾き飛ばす。リオンはそれを利用し距離を置く。着地間際に再び精霊魔法が飛来するが、こちらもフェンリルの精霊魔法で相殺する。

 

(一息入れる隙もないっ!)

 

次にはヴェットの攻撃が迫っている。リオンは氷の槍を地面に刺し、氷塊を地面から出して追撃を阻止する。しかし、拳圧で氷は砕かれ大きく後ろに飛ぶ。それをフェンリルがキャッチする。

 

「ふぅ……危ない。ありがとうな、フェンリル。今のところフェンリルのお陰で何とかなってるけど……」

 

情け無いと苦笑いをしながら、氷の槍を強く握り構える。そして…

 

(情けなさすぎるだろ……!四葉と精霊が合わさってこの程度かオレは……!)

 

自分に腹を立てていた。それは選ばれた自信とか才能に自惚れているとかではなく、情けなく思い悔しがっていた。しかし、仕方ない面もある。精霊に選ばれてから一日も経ってないし、精霊魔法の練習は出来ていないのだ。ぶっつけ本番で使える人物の方が少ない。と言うか居ないと言ってもいいだろう。だが、そんな理由でリオンは納得しない。そんな理由で諦めない。

 

(ここが限界?違うだろ……?全て出し切れ…オレにあるもの全部。五感を、魔感知を……あるもの全て動員しろ!もっと深く、もっと鋭く研ぎ澄ませ!)

 

リオンの集中力はさらに深まる。空気の揺らめきも、魔の揺るぎも逃さいと言わんばかりの集中力。そして、それはリオンが纏う魔力にも影響を及ぼしていた。可視化されるほどの青白い凍てつく魔力が迸る。

 

「動きが止まっているぞ!」

 

瞬時にヴェットが距離を詰めてくる。ヤミはライアとファナに妨害されてリオンの方に迎えない。

 

「行ったぞ!銀髪小僧!」

 

「リオン!!!」

 

ヤミとアスタの声が耳に届く。もう間近まで迫り来るヴェットの手。当たればタダでは済まない手がリオンを仕留めるべく襲いかかる。ヴェットが"踏み入れた"。

 

「―――きた……」

 

リオンが先読みした。もしくは反応したか、どちらかは不明だが、リオンはヴェットとの距離をタイミングを図ったかのように詰める。

 

「なに!?」

 

ヴェットは反応してリオン目掛けてその腕を振り下ろす。だが、リオンは腕を掻い潜り、氷槍を腹部に当て至近距離から魔法を放つ。

 

「フェンリル」

 

『任せろ』

 

「『氷魔法 "氷纏・氷竜戦空"』……!」

 

"流氷の槍"を手に放たれる魔法は、本来は刀に氷の魔力を纏わせて放つ魔法である。しかし、魔法で作り上げた武器でさらにこの魔法を使うとなるとそれは、いつも以上の威力が出る。それをゼロ距離で放たれたヴェットは

 

「『獣魔法 "ライノセラスアーマー"』」

 

魔法を使って防御する。溢れ出る魔力だけでは防げないと感じ取り防御する魔法を使った。だが、リオンの攻撃にはフェンリルの援護で威力が底上げされている一撃である。それは、防御上からでもお構い無しに押し返した。

 

「今のは流石に驚いたぞ……!ぬ……?」

 

ヴェットに多少なりとも驚きを与えるのと同時に、ヴェットの鎧の一部を凍らせていた。

 

(『"ライノセラスアーマー"』の攻撃を受けたところが少し凍っただと?全てを凍らせると言うのは本当らしいな氷の精霊……!)

 

ヴェットは凶悪な笑みを浮かべてリオンとフェンリルを見る。アスタはその攻防とリオンを見て驚く。

 

(なんだ、今のリオンの氣!さっきと全然ちげぇ!なんて冷たく鋭い氣を放ってんだよ!!!底が分かんねぇ!!!)

 

リオンの集中力は氣の練習をした時をさらに上回る。研ぎ澄まされた集中力は無意識の氣感知と魔力感知の二つを発動させる。

 

「防がれた……か。今度は、氷漬けにしてやる」

 

「やってみせるがいい!」

 

ヴェット、ファナ、ライアがヤミとリオンに攻撃を仕掛けようとした。リオンは迎え撃とうと構えていたが、そのタイミングでその攻撃を相殺するように新たに三人の人影が現れる。

 

「団長よりも強いって…??試してやろうかァ…!?」

 

その人物は翠色のローブを身にまとい

 

「あ~あ……オレ達の何かがもう少しで覚醒しそうだったのに」

 

ヤミは瓦礫に背を預けながらぼやく。

 

「その様でよくそのような言葉が口から出るな…。貴様はいつか私が処刑してやるから首を洗って待っていろ異邦人」

 

その人物は水銀を従え、その人物は兜をかぶり、茨と共に立つ。三人は魔法騎士団の騎士である。

 

「面白そーな戦いやってんじゃねーかヤミぃぃ!ちょっと混ぜろや…!!」

 

そして、それぞれの団の団長でもある。

 

 

 

 

 

 




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オリジナル精霊(氷精霊)について

  • サポート重視の氷精霊フラウ
  • 単独戦闘能力も高い氷精霊フェンリル
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