「ノエルの新魔法、凄いな。水の球体を移動できるの……流石だな」
「よくやったな、ノエル。海底神殿までよろしく頼むぜ」
リオンの賞賛とヤミから褒められたことで嬉しくなるノエル。
「と、当然よ!!それじゃあ行くわよ!!」
口調は強いが、内心は褒められたことについて大いに喜んでいた。そのまま水の中に入ると水中の光景が内側から見ることができ、神秘的な景色だった。
「キャ〜〜〜〜すごぉーい!!」
「海の中進んでるぞぉー!!」
黒の暴牛の面々は海の景色に興味津々だった。リオンもみながら
「本当にすげぇな……」
感嘆の声をもらしていた。
しばらく進むと、強魔地帯にふさわしい荒れた海流が黒の暴牛一行を迎える。
「何だありゃ!?」
「強魔地帯の入口だ!!」
その中を進むため、激しく揺らされるわけだが、これでも弱まっているのである。
「どわぁぁ!!」
「これでも弱まっているのかよ!?とんでもねーな強魔地帯……!!」
「本来はこれより荒れているのかよ……!」
ノエルに命を預けている面々は悲鳴のような声を出しながら騒ぐ。
「うおおおお!!ノエ公コレ大丈夫だろォなぁぁ!!」
「あ、マグナビビってるでしょ?」
「だだだ、誰がビビるかコラァァ」
ビビるマグナと煽るラック。
「ガンバレ!!ノエル!!!」
「らああああ!!」
応援するアスタとチャーミー。そんな騒がしい声を聞きながらノエルは抗議する。
「ちょっと!黙ってなさいよ!!集中出来ないでしょォォォ!!」
激しい揺れも相まって、バネッサが口元を抑えながら
「あ……酔っちゃった。吐きそう……!」
「吐いたら殺すぞ!!エロ女!」
ゴーシュは吐くなと騒ぐ。リオンは強魔地帯の荒れている魔を感じながら、フェンリルと出会ったコキュートスを思い出していた。
(あそこも、大概凄かったよなぁ。マナスキンを少しでも緩めたら、凍死待った無しだっただろうし……)
そんな事を考えていると
「勢いが弱まって来たわ!」
凄まじい海流を抜けると、穏やかで綺麗な海が広がっていた。
「うおおおお!!!」
「すげええええ!!」
「キレ〜〜〜〜〜!!」
海に入った直後とは異なり、穏やかなため、綺麗な海を余裕を持って見ることができている。
「見たことの無い生き物がいっぱいいるぞ!」
「あの魚めっちゃ光ってますよ!」
「あの発光……魔力じゃねぇか!?」
独自の進化を遂げた生き物を見て団員達はテンションをあげる。そんな中、チャーミーが涎を垂らしながら
「アレ、オイシイんかな……?ちょっと捕まえて来ますっ!」
海竜の揺り籠から抜け出して獲りに行こうとするので、マグナとリオンが二人で止める。
「バカバカ!!海の藻屑になりてーのか!!」
「食い意地で命捨てないでくださいよっ!!」
二人がかりで止めることでチャーミーの暴走は何とかなる。その間も進んでいくと、凄まじい渦が眼前に広がっていた。
「この渦……魔法だわ!このままじゃ通れない……!」
ノエルが言う。そうなると、突破するに魔法をどうにかしないといけない。適任はアスタである。そして、団長はヤミ。リオンはこの後の展開が読めたので、アスタに言う。
「アスタ、めいいっぱい、息を吸っとけよ」
「え?なんの話だよリオン……!」
直後ヤミに首根っこを捕まれ、回収されていく。リオンは少し遠い目をしながらも
「やっぱり、こうなるよな」
一連の流れを見ながら小さく笑っていた。アスタは反魔法の剣で結界を突破する。その通り道を抜けて、結界内にアスタ以外の団員も合流する。
そして、目の前に広がるのは海底神殿。地上とは異なり、自然を利用した雰囲気漂う世界があった。ヤミはお菓子をだし、チャーミーに綿で全員を運ぶように指示を出す。
(綿便利〜〜。それはそれとして……俺もフェンリルを出したら全員運べるんじゃ……)
氷の精霊の事を考えるリオン。察してなのかフェンリルが脳内で話す。
(できなくは無いが、する理由が無い。呼んでくれるな)
出来ないとは言わないが、したくないと抗議の言葉だった。それを言われたらどうしようもないので、リオンは苦笑いを浮かべるしか無かった。
そんな中、海底神殿の人を見つける。向こうもこっちに気づいた様子で集まる。人が人を呼びあっという間に、お祭り騒ぎになる。
「うわぁ!!外の人だ!!」
「珍しい!!!」
「みんなぁ!久々のお客だぞォ!!」
「てゆーかこのローブって!」
「魔法騎士団じゃん!」
想像していたものではなく、友好的であった。話を聞けば海底神殿に外部の人間が来るのは10年振りくらいと言う。
「団長〜とりあえず魔石のこと知ってそーな人探してみますか?」
バネッサの言葉にヤミは頷きながら
「んじゃ、神殿のボスを出せや」
威圧的であり、横暴な言い方で言う姿を見てアスタが突っ込む
「ヤミ団長!!それじゃあヤクザっす!!」
しかし帰ってきた反応は
「心得た!それならば大司祭だと思いやす!」
同じような感じで教えてくれたのであった。
「え?もしかして、今の流行った?」
リオンも首を傾げながらに理解できないと言った感じで他の人を見る。
「大司祭ならそこの階段、ずーっと登った所にいるよ!」
(((教えるの軽っ!!)))
新人三人組は驚き戸惑っていた。海底神殿の住民に案内されながら階段を進み、入口に辿り着く。
「それでは大司祭によろしく〜〜」
「おっ!ありがとうな〜〜〜」
住民との交流もそこそこに大司祭がいるであろう建物(?)に入りすすむ。しばらく進むと人影を見る。
「あ、誰かいる」
「アレが大司祭って人かな?」
アスタが手を振り呼びかけようとした瞬間、大きな凶悪そうな魚みたいなモンスターが襲いかかろうとしていた。
「「ぎゃああああああ!!!!」」
アスタとノエルが悲鳴を上げるが、直後、炎、氷、雷、鏡の魔法がモンスターを迎撃する。
「「ええええええ!!!」」
躊躇いなく迎撃した四人に対して再び驚く二人。迎撃したうちの3人が
「「「なんだ?このデカキモいのは」」」
声を揃えて言った。その反応を見て面白いのか奥から笑いながらその人物が姿を表す。
「ファッファッファッ……こいっっつぁーーーー面白そうな奴らが来たのォォォ〜〜〜〜!!いらない海底神殿へ!!ワシがここの大司祭じゃ〜〜〜!!」
ハイテンションの老人が出てきて困惑するリオン。
(この人がこの海底神殿の大司祭。まぁ、見た目からしても大司祭とらしい感じはするけども……)
リオンは大司祭を観察する。陽気に笑っているように見えていたが、雰囲気が変わったように
「オマエさんらの目的は魔石じゃろ?欲しかったら……ちーっと遊ばんかい?」
目的を見透かしたように言う大司祭に言い知れぬモノを感じ取る。だが、
「オッパイもみもみゲームでの〜〜〜」
「だれがやるか」
ノエルの無慈悲な右ストレートが大司祭を襲う。仕方ないと言えば仕方ない光景にリオンは頭を抱える。さっきは考えすぎなのかと。
「オイいいいいい!!大司祭殴っちゃダメだろォ!!」
「なんでよ私は王族よ」
「王族でも殴ちゃいけねぇだろ。まぁ……今のはおじいさんが悪けど……」
リオンも目を逸らしながらに言う。アスタは止めろよォォォとリオンに抗議するが、リオンは目を逸らしていた。その間も話が進み、大司祭主催の神殿バトルロワイヤルが開かれることになった。大司祭の魔法で10人の神官魔道士が集められた。
「さぁ〜〜〜〜て準備はよいか!?それではゲーム……スタぁーーート!!」
大司祭の宣言と共に水流に巻き込まれ、分断される。
「ゲホゲホ!水飲んだゴホッゴホッ!!」
リオンは咳き込みながら、周りを見渡す。小川が流れているような穏やか地形だが、洞窟内のような音が反響するような感覚もある。
『ルールは簡単!神殿内の各エリアに散らばったお前さん達はこれから10人の神官魔道士と10対10の対決をしてもらう!気絶させたら勝ち!ギブアップさせたら勝ち!先に相手チームを全滅させるか、制限時間内の一時間以内により多くのメンバーが残っていたチームの勝ちじゃ!』
大司祭のルール説明を聞きながら呼吸を整える。
「本気のバトルロワイヤルじゃん……まぁ、殺し合いじゃないから良いけど」
リオンは母親から受け取っていた、新しい剣を片手に持つ。臨戦態勢は整える。
『対戦方法は自由!タイマンで戦ってもよし!逃げ回ってもよし!仲間を見つけて徒党を組んでもよし!ただしワシのお邪魔魔法もあるから気ぃつけてな〜〜〜』
「妨害もしてくると……何でもありだな」
「それが、大司祭の楽しみだからねぇ。まぁ、付き合わされるのはお互い様だよ」
リオンの背後から声が聞こえる。女性の声であり体格はそこまで差が無い。
「悪いけど、勝たせてもらうね!経験浅そうな子で良かった!」
そういい、リオンに襲いかかる。リオンは剣に氷の魔力を纏わせて、そのまま剣を振るい氷の龍を出して正面から叩き伏せる。
「悪いけど、勝負みたいだから勝たせてもらう。ヤミ団長からの拳骨は今回は懲りてるから」
リオンは息を吐きながら、剣の感覚を確かめながら神殿内を歩いていく。
リオンの今回の剣は剣と表記しているだけあり、刀の形状ではありません!片手剣のイメージでお願いします。
特訓していた魔法を早く使わせたい