ヒーロー基礎学による戦闘訓練
それは高校生となった少年少女たちにとって最初の対人戦闘である。
自らの個性を把握し、冷静でいかに迅速に対応出来るかがカギとなる。
まだ日が浅い時期な為、皆相手の個性を詳しく知らない。その為相手の個性が分からないと言う状況下でどれだけ戦えるのか。と言うところを教師は見たいのだ。
その為のくじ引きである。
「さてまず最初に戦う相手をくじで決める!!最初の対戦相手は〜〜コイツらだ!!」
そう言ってオールマイトが出したくじに書いてあったのはAコンビとDコンビ
AがヒーローでDが敵である。
この調子でくじを引いていき、戦わせていくようだ。
一戦目はAチームの勝利。緑谷が腕一本持って行かれたが、それ以外で目立った怪我は無し。
二戦目、三戦目と、続いていき、とうとう響凱の番となる。
「さて最後は陸打少年だな!!これは疲労があまり溜まっていない人にやって貰おうか。誰かもう一戦やりたい人居るかなー。」
オールマイトの問いかけに手を挙げたのは瀬呂と爆豪だ。
「俺がやる。」
「攻撃禁止の捕獲のみって言うんなら俺の出番だろ!!」
「よし!!じゃあ配置についてくれ三人とも!!」
*****
響凱は配置についてからずっとビルの中を歩き回っている。個性の発動条件のためだ。
部屋中を見て回ることによって響凱の個性は真価を発揮するのだ。
そろそろ全部の部屋を見て回ったと言う頃にオールマイトからの通信が入る。
「陸打少年!!準備はいいか?」
自分の姿はモニターで映っている筈なので頷いておく。
「よし!じゃあ自分は敵だと思って訓練に臨んでくれ!!」
「屋内戦闘訓練!!開始!!」
*****
爆豪は緑谷の個性を見て危機感を覚えていた。
緑谷のことは軽く見ていたというのもあるのだが、正確に言えば単純な肉体強化の個性の事だ。オールマイトの事で気づくべきだった。誰が持っていようとああいう個性は強いのだ。
だからこそこの試合は瀬呂と共に慎重に動いている。
「あの陰気ヤロー何処にいやがる……?」
「爆豪おめー見かけによらず慎重派なのな、、」
「うっせぇ醤油顔」
「酷くね!!?」
「大声出すな。殺すぞ」
「はい、、、」
そうこうしているうちにもう二階へと来てしまった。
肉体強化系の個性は籠城には不向きだ。
一対一を得意とする為、隙が出来やすいそのため核のある部屋に篭っていると言うことはないだろう
だからこそ陸打は歩き回っている筈。核のある階で。
いくら歩き回るとはいえ守れなければ本末転倒。
すぐにゲームオーバーだ。だから爆豪vs陸打の構図を作って瀬呂に取りに行かせるのが一番いい構図だ。だからこそ早めに制限時間がたっぷりあるうちに陸打を見つけておきたいのだが、、
「シッ‼︎足音だ」
爆豪は咄嗟に息を潜め瀬呂にも黙らせ奇襲を狙う。
現在爆豪が居る場所は部屋の中だ。そして足音が聞こえるのが廊下。
確実に部屋の前を通る。
だんだんと近づいて来る足音
ドス、ドスと妙に重い足音だ。
何かがおかしい。いくら体がデカくなるとはいえ体重的には100Kg超えるか超えないかくらいだった。足音の重さがおかしい。コスチュームもふんどしのみだった。おかしいこれは一旦様子を伺って、、
「先手必勝!!奇襲の瀬呂とは俺のことだぜ!!」
「待て醤油!!!」
爆豪の静止も届かず部屋から飛び出していく瀬呂
爆豪も止めようと部屋から出る。その瞬間瀬呂が個性のテープを出して捕獲を試みる。
だがテープはあっさりと切られてしまった。
刃物を使った訳ではない。純粋な個性だ。すぐに分かった。
何故ってそれは、、
陸打の体中から生える鼓のひとつを叩いたと同時に瀬呂のテープが切れたからだ。
「腹立たしい。腹立たしい……」
*****
響凱の個性は屋内でこそ真価を発揮する。
というのも部屋ひとつひとつを全て把握してからだ。
校内であったとしても全ての教室やトイレまで見て回れば自分のテリトリーとなる。
そう今回の屋内戦闘
残念だが爆豪チームに勝機はない
動揺する瀬呂に対して容赦なく追撃を行う。というのもかすり傷で済むくらいの距離感だ。
「うおっ‼︎あぶねーー!!」
「虫め……虫けらどもめ……」
「なんかめっちゃ怒ってらっしゃる!!」
響凱くんオールマイトの「自分は敵だと思って〜」と言う発言を真に受けているのだ。
もともと小説家になりたいと思っている彼は自分の世界に入り込みやすいタイプである。
自分を敵だと思っている彼は非常に厄介だ。
「とりあえず俺が捕獲する‼︎醤油顔‼︎お前は核探してこい!!」
「オッケー任せろ!!」
そのまま廊下を走って行こうとする瀬呂。
それを止めようと左脚の鼓を叩く。
ポンッ
それと同時に部屋が『回転』した。
「うお⁉︎うおおおお‼︎」
瀬呂と爆豪が響凱のいる方向に”落ちて”来る。
「クソがッ!!」
爆豪は爆発でなんとか空中に留まっているが瀬呂はそのまま落ちていき、廊下の一番端っこの外へと続く窓の窓枠へとギリギリのところで捕まっている
「死ぬ!!死んだ!!終わったァァァァ!!」
瀬呂はなんとか窓枠に捕まっているが、いつ外に落ちるか分からないと言った状況だ。
響凱は平然とそのままの位置で立ったまま一歩も動いていない。
爆豪は捕獲テープで捕獲を試みるが当然の如く鼓で回転させられる。
瀬呂は回転したのを好機と捉え、窓枠と近くの扉の枠にテープをつけて落ちないようにしている。
「ふぅ、一安心。」
「働けやカスが!!」
「いやムリムリ。だって相性めっちゃ悪いじゃん。陸打の個性と俺の個性」
とは言いつつも後方からテープで捕獲しようと支援しているあたり流石ヒーロー候補生と言ったところか。
結局爆豪達は膠着状態のまま時間は刻一刻と迫っていく。
オールマイトからの残り1分と言う通信が聞こえた瞬間響凱が動き出す。
そのまま部屋の中へ入っていく。
「待てやコラ!!」
爆豪が追いかけようとするが、斬撃を繰り出す攻撃で邪魔をされる。
爆豪が怯んだその時
ポンッ
鼓の音が聞こえた瞬間瀬呂と爆豪は違う場所に居た。
「え⁉︎なんで怖い!!」
いきなりの状況に困惑していると、
鼓の音が聞こえだす。
ポンッポンッポンポンポンポン
それと同時に爆豪達の体は何処かへ引っ張られていく
「おいおいおいおいおいおい!!」
「何がっ!!」
最終的には
ポポン
外へと強制的に出されてしまった。
ドサッと2人が地面へと放り出される。
「ぐぇぇ……」
瀬呂が伸びてしまうが爆豪は瞬時に屋内に入り核を探そうとする。だが惜しくもその瞬間にタイムアップが知らされる。
「TIME UP!!!VILLAN TEAM WIN!!」
「クソが…………!!」
爆豪は二度目の敗北に己の無力さを痛感していた。
*****
響凱達は試合が終わりモニタールームに戻ってきたのだが
モニタールームに戻ったと同時に質問攻めに会う。
「陸打!!お前個性身体強化じゃなかったのかよ!!」
「ねえ‼︎あれやってみてポン!って!!」
「その鼓…?重くないの?」
「どういう仕組みなんだソレ⁉︎」
「聖徳太子………‼︎」
質問の嵐に対してオールマイトの気持ちがわかったとこでオールマイトが止めに入る。
「ストップストップ。今は授業だからまずはそっちに集中しようか!さて今戦のベストは誰だと思う⁉︎」
「はい。オールマイト先生」
オールマイトの問いかけに応えたのはR18衣装の八百万だ
「陸打さんかと思います。理由としてはセッティング時間を使っての建物全体の把握。個性による立ち回りで相手を膠着状態にさせ、タイムアップを狙う。彼の個性と今回のルールとしても最良の決断と思われます。爆豪さんと瀬呂さんについては陸打さんの罠にまんまとハマっていたことが残念な点ですね。」
「(全部言われちゃったよ、、トホホ)んッ。正解だ‼︎八百万少女‼︎そうだな陸打少年の立ち回りは素晴らしかった。そして瀬呂少年‼︎もう少し慎重に行動したほうがいいな‼︎まだ不確定状況のまま突っ込んでいくのは良くないぞ‼︎」
「はい、すいません……」
「そして爆豪少年‼︎君はさっきの試合と打って変わってとても慎重になっていた。素晴らしかったぞ!!その調子で頑張れよ!少年‼︎」
「……………………ウッス、」
「さ、さて!それじゃあ今日の授業はここまで‼︎着替えて教室にお戻り‼︎」
オールマイトは授業の号令をすまし、ダッシュでどっかに行ってしまった。
何を急いでいるんだか。
そのまま響凱も歩き出す。授業が終わりみんな喋りながら歩いていく。
そんなクラスメイトを見ていると爆豪が一言も喋らず歩いているのを見つける。
響凱は俯いて元気を無くしている爆豪を不自然に思いながら更衣室へと戻っていった。
「なぁなぁ‼︎陸打‼︎結局お前の個性ってなんだよ!」
「あっそれ俺も気になる〜‼︎」
「鼓打ちが小生の個性だ。」
「へぇー、で?どんな能力なの?」
「ここからは有料だ。」
「何でだよ!ケチケチすんなって‼︎」
「俺お前の個性の被害者だぞ!」
「500円入れてください。」
「いやいやだからケチケチすんなって」
「500円入れてください。」
「いやだかr「500円入れてください。」」
「いy「500円入れてください。」」
「ちょ「500円。500円」」
「た、たす「500円500円500円500円500円」」
「助けて!!!」
金にがめつい響凱