ひな祭り記念小説の、ミホノブルボン×ライスシャワー。

ブルボン目線。何気にウマ娘の小説は初めて書きます。

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唯一無二のヒーロー

 

———ちょっとでも触れたら崩れてしまいそうな、はかない笑顔。ささやかな命。

 

その笑顔を見るたびに、わたしは君の事を愛しく思ってしまうんだ。

 

 

 

「あっ・・・ブルボンさん~!!」

 

お、噂をすれば・・・『君』が来たようです。

 

「すいません・・・待ちました?」

 

「いえ・・・ライス、わたしも来たばかりでしたから・・・」

 

「そうですか・・・よかった~・・・。」

 

ライスシャワー。唯一無二の、わたしのヒーロー。

 

わたしが今まで諦めずにやってこれたのも、ライスがいたから。

 

「今日はショッピングでしたよね。・・・行きましょうか!!」

 

「・・・うん。」

 

 

————某所 ショッピングセンター

 

 

「・・・にしても、3月だからか、ひな祭りや卒業関連のものが多いですね。・・・ライスは3/5が誕生日でしたっけ・・・?」

 

「あっ・・・覚えててくれたんですね!!」

 

「もちろん。・・・わたしがライスの誕生日を忘れるはずがないでしょう?」

 

ちょっとかっこつけて、そんなことを言ってみる。

 

「!!~~~っ!!」

 

あ、赤面した。・・・かわいい。

 

「そんな事より・・・ほら。」

 

そう言って手を差し出すと、少し赤面しながら握り返してくれた。

 

・・・やっぱり、かわいい・・・

 

「!!ちょっ・・・ブルボンさん!?」

 

気が付いたら、君を抱きしめてしまっていたようで。

 

「?・・・あっ!!すみません・・・嫌、・・・でしたか?」

 

「いえ、全然そんな事・・・。ただ・・・

 

・・・ブルボンさんにされるの、なんだか恥ずかしいです・・・」

 

「・・・!!」

 

落ち着け、ブルボン。この笑顔に惑わされるんじゃない。

 

「・・・あっ、あっちに衣料品コーナー・・・行きましょう!!」

 

「ふぇ!?ちょっ・・・ブルボンさん!?」

 

 

赤面した顔を隠すかのように君に背を向け、わたしは駆け足でそのコーナーへと向かう。

 

 

「・・・なんだかんだで、いろいろ買ってしまいました・・・。」

 

もう所持金がスカスカです。・・・マスターに頼まなければ。

 

そんなことを思いつつライスを探していると・・・コーナーの中央に設置された、何段にも連なるひな飾りに目を奪われる、ライスの姿が。

 

「ひな飾り・・・ですか。」

 

「あ、ブルボンさん・・・。

 

・・・知ってますか?ひな飾りって、早めに片付けないと、女の子はお嫁に行きそびれてしまうんだとか・・・」

 

「え~、そうなんですか・・・」

 

・・・・・あ。

 

「?・・・ブルボンさん、どうかしました?」

 

「いや・・・実家のひな飾り、ちゃんと片付けたかどうか、あとで確認しなければ・・・と。」

 

「あ、なるほど・・・・

 

・・・・まぁ、その時はわたしが、お嫁に貰ってあげてもいいですけど・・・」

 

「・・・・・!!」

 

そう言った君の声は小さくって、気を抜くと周りの雑音に紛れて消えてしまいそうで。

 

・・・でも、それが聞き間違いではないという事は・・・君の頬が赤く染まっていたからわかった。

 

 

 



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