近づいてみると、やっぱり、ケンカだった…
「ふざけるな!
視察直前まで、やって来て、
やっぱり、提携は考え直そう、だと?
この提携が、決まれば、どれだけの資金が動くと
思っているんだ!
お前が考えた、くだらない妄言みたいな、施策とは、
比べものに、ならないんだぞ!」
「…」
「やっぱり、あたし、おじいちゃんとの
約束、守りたいの!
トランポリンドームに、お客さんが集まらないなら、
みんなが、来るように、頑張るよ!
ワンダーステージのみんながね、
アトラクションに乗りたくなるような、
ショーを考えてくれてるの!
そうすれば、遊び気に来てくれる人も増えるし、
みんなも笑顔になれる
おじいちゃんのフェニックスワンダーランドも守れるし、
集客もできるよ!」
「あのなぁ…」
「今、あるアトラクションを壊さないまま、
お客さんを集める方法、他にもいっぱい考えたの!
だから…」
「えむ、それは、俺たちの仕事だ、
お前が口を挟んだり、口答えすることではない
そして、この提携が、俺たちが導き出した、
最善の方法だ」
「で、でも!」
「いい加減にしろ!幼稚なクソガキか!お前は!
何が、みんなの笑顔、だ!
そんなものに、いつまでも、拘っているから、
どんどん、客が、寄り付かなくなるんだぞ!」
「あぁ、結果がすべてだ、理想に固執するのは、
もう、やめろ」
それを、見ていた、面々は…
やっぱり、行動に出た。
「おい!えむ!」
「あっ、みんな!?」
「どうした、何か、トラブルか?」
「えっと…えっと…」
「貴方達が、えむちゃんのお兄さん?」
「お前たちは、誰だ?誰だか知らないが、口を挟むな!」
「なるほど…では、貴方が、えむくんの
お兄さん達ですね、えむくんとショーをする仲間として、
知っておきたいことがあるんですが」
「ショー…?そうか、君達が、ワンダーステージのキャストか」
「あぁ、あのボロステージの」
「なんだと?」
「ったく、余計なマネを!
あのボロステージも、潰せたというのにな!」
「その、ボロステージを初めてとする、
今の発言、撤回してもらおう!」
「はぁ?何言ってんだ?ガキのくせして、生意気なんだよ!」
「だが、このステージを侮辱するものは、
何人たりとも、許さんぞ!」
「司くん!」
「お前ら…雇われキャストの分際で…」
「んじゃあ、俺とやりあうか?」
天成は、晶介を睨んだ
「上等だ、カス野郎、後悔させてやる…」
「何をする気?」
殴り合いをして、即発の状態になった!
「やめろ!」
慶介が、怒鳴った
「兄貴…」
「怒らせるんじゃねよ…」
「司くんも、天成くんも、その辺にして欲しい、
ここで、口論するのは…」
「こっちは、話が通用しそうな、ガキだな、
まぁ、忠告しておこう、
これ以上、バカでアホで幼稚な妹と付き合っていたら、
お前らは、いずれ、潰される運命だからな、
覚悟しておけよ?
昔からそうだ、夢みたいなことばかり言って、
結局、酷い目に遭うのは、こっちだ、
えむ、そんなに、夢が見たければ、
お友達と夢でも見ておけ、その方が、身のためだぜ?」
「…!」
「ちょっと!」
「それは、いくら何でも、酷いぞ!
人間の風上にもおけないな!」
すると、類は…
「あぁ、貴方は夢をお持ちでは、無いのですね」
「はぁ?何だと?」
「夢が無いとは、お可哀そうに、それでは、理想を
持つことすら、叶わないですから」
「俺には、そんなモノは、必要ない」
「ご安心ください、妹さんは、その点、
実に優れた人物です
常に夢を見続ける、素晴らしい人物です、
ですから…これ以上、俺達の仲間を侮辱するのは、
やめておきたい」
「なっ!」
「みんな!あたしは、大丈夫だから!本当に!」
「大丈夫じゃない!」
「えっ?」
「もう、散々、罵っただろ、晶介
これ以上、時間を使っている暇はない、
もうすぐ、先方が到着される時間だ」
「だけど、兄貴!」
「まぁ、いずれは、わかる日が来るだろう…」
「チッ…命拾いしたな…」
こうしてえむの兄達は、先方の元へと向かうのだった。
だが、兄たちは、どこかで心に迷いが生じつつあった。