マッドサイエンティストと毒舌歌姫   作:アッシュクフォルダー

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第二十四話 ワンダーステージ 後編

夕暮れのワンダーランドステージにて。

 

木原天成、天馬司、神代類、草薙寧々、鳳えむは、

えむの二人の兄達と会話をしていた。

 

天成と司は、えむの兄二人と激しい感情がありつつ、

口論して、真っ向に対立していた。

 

「認めたっていいだろうが!実績を出しているだろうが!」

 

と、天成が言いだす。

 

えむの兄二人とフェニックスワンダーランドの上層部の人間、

CEOは観客の多さに少しばかりは驚いていたが、

ステージの方が、純粋に素晴らしいと感じていた。

 

「観客は見込めたが…」

 

すると、えむが父と兄たちに謝罪の言葉を述べていた。

 

「お兄ちゃん達!パパ!本当にごめんなさいっ!」

 

「どういうことだ?説明してくれ」

 

と、兄がえむを問い詰めた。

そして、えむが反省の弁を述べていた。

 

「えむ…」

 

「えむ、お前…」

 

「あたし、あたし…本当にごめんなさいっ!」

 

と、えむがお辞儀をして、父と兄二人に謝っていた。

 

「えむ…」

 

「でも、それでも、あたしは諦めたくないっ!

フェニックスワンダーランドを、ずっと、残したいの!

どんどん、アトラクションが無くなっても、

ステージが変わっても、笑顔にする想いだけは、残して欲しいの!

その想いが変わらなければ、お客さんも来てくれるから!

だから…!」

 

えむの父は険しい表情を決して崩さなかった。

 

すると、CEOが…

 

「少々、よろしいですか?」

 

「ミスターライリー…?」

 

と、えむの兄が言いだす。

 

「私は本日のショーを見て、素直にこう思いました。

この場所から生まれるショーを、もっと観て観たいと思いました」

 

「…」

 

「テーマパークを全て使ったショーは、

珍しい方ですが、世界中を見たら、今まで無い訳では無い。

それでも、心を打たれたのは、気持ちがこもっていたから、

そして、人々の想いがあったからだと、私は思います。

全てのキャストの目に確かな光がありました。

そんな、素晴らしいテーマパークは、やろうと思えば、

決して、簡単な事ではありません。なかなか、作れません」

 

「…」

 

えむの父も、どこかで瞳を曇らせていた。

 

「どうでしょうか。我々も、私も加わりたいです」

 

「どういうことですか?」

 

「それは…一体…」

 

「素晴らしいショーを、私もご一緒出来たらなと思っています。

幸せな場所に出来たら、私も、私たちも嬉しい限りです」

 

「ミスターライリー…」

 

「もちろん、ライセンス料も最低限に構いませんので、

どうですか?」

 

「本当ですか…?それなら、よろしくお願いします!

是非、お願いしたいです!」

 

と、えむの兄も了承を得てくれた。

 

「…」

 

「父さん!」

 

「本当にすまなかったな…ここまでやるとは正直予想はしていなかった。

そして、慶介、昌介。謝っておこう。

私はこれまで、私情を挟むべきではないと思っていた。

鳳グループを預かる身として、個人的な意見は、ほとんど聞いていなかった。

私的な理由も、受け入れてなかった。

だが、私もあくまで人間だ。想いがあったかもしれない。

親父や祖父みたいに」

 

「想い?」

 

「父さんが望んだこの場所が、ずっと残る事が、

私は本当はそれが一番の望みだった。私は情けない限りだった」

 

「父さん…」

 

「ミスターライリー、多大なるご配慮に感謝します。

これから、どうぞ、よろしくお願いします」

 

「えぇ!喜んで!」

 

「えむ。すまなかったな、とりあえず、許しても良い」

 

「えっ?」

 

「あぁ、何とかするからさ」

 

と、えむの兄達と和解するのだった。

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