木原天成は、ネネロボを開発していた。
「見てほしい!遂に完成したぞ!
ネネロボ、第三号だ!」
「うるさいよ、天成。
っていうか、もう、三号も作っているの?」
「あぁ!そうだ!神に選ばれた天才だからな、
これくらいは、容易いことだ!」
「はぁ…天成ったら…
自分のこと、褒めすぎ、美化しすぎ」
「褒め言葉だな!」
「アンタって、相当な、
ポジティブシンキングなんだね…」
木原天成は思った。
神に選ばれた天才と付き合っているから。
もうちょっと、喜んでも、いいんじゃねーのかと。
「まぁ、寧々がシャイなのは、
俺と類しか、知らないけどな!」
「誰がシャイだって?」
「だって、この俺と付き合い始めたのに、
喜んでいなかったじゃんか!」
「なんで、わざわざ、喜ばないといけないわけ?」
「俺という天才と付き合えるのは、
光栄だと思わないのか?」
「全く」
寧々は顔を横に向けた。
「そもそも、アンタの方から、
告白してきたんじゃない」
「でも、告白した時、寧々の顔、
照れていたじゃん!」
「気のせいよ、アンタの勘違いじゃないの?」
「そう言えば、寧々は、俺の事、
好きって言ったことなかったな」
「言う訳ないじゃん」
「じゃあ、言ってくれ!」
「嫌だ」
「どうしてだ?」
「逆に聞くけど、何で今から?」
「天才的な頭脳が、聞きたくなったからだ」
「余計に、言いたくなくなった」
恋は、そうそう、上手くいかないものだと、
自分でそう実感した。
妙に寂しい気持ちがこみ上げてくる。
人格破綻者と言われ続けていた、俺にとって、
人間らしい感情も、あるんだなと、
勝手に感動して、そう、実感したのだった。
「ネネロボって、アンタの恋人になるの?」
「何言ってんだ!それだけは、断じて無い!」
「そうなんだ、じゃあ…私で、いいの?」
「あぁ、もちろんさ!
寧々がいないと、俺は寂しいからな!」
「自分で言う?神に選ばれた天才なのに?」
「案外、寂しがり屋だからな!」
「そーなんだ、隣にいてもいい…?」
「当たり前だ」
「ちゃんと、言って」
「と、隣にいるのは…寧々がいい!」
「あっそ」
「おい、せっかく言ったのに、そりゃ無いだろう…」
「さっきは、もうちょっと静かになったのに、
急にうるさくなった」
「なぁ、寧々」
「黙って、目を閉じて」
「えっ?こうか?」
すると、寧々が、天成にキスをした。
ちょっと、軽めのキスだった。
「い、今のは?」
「その…私は、アンタの腐れ縁で、恋人だから…
アンタが、今されたいことくらい、わかっているわよ」
寧々は、平然とそう告げるが、
照れくさい表情を寧々はしていた。
「一回しか言わないから、よく聞いて」
「お、おう…」
「天成…好きよ…」
耳元で、そう囁かれた。