SAOに来たんですが、キリトさんがいないようです 作:青い灰
アスナさんの黒歴史、何卒暖かい眼でご覧ください。
「…………そうだなぁ」
少しばかり考え込む。流石に〝邪魔〟は傷つく。
まぁあちらの言い分も確かだ。
もしもオレがもう少しアスナに気を使ってやれば
こんな険悪にならなかったかも知れない。
確かに、彼女たちに苦難を押し付けた。
ボス戦サボったのも事実だし。
「警告よ、立ち去りなさい」
「……………なぁアスナ」
「貴様………!副団長が退けと言っているのだ!」
アスナの部下が前に進み出て怒鳴ってくる。
お前に言ってんじゃねぇよー。
「いやお前に用はねぇわ。
アスナ、ちっとばかし気を詰め過ぎだよ」
「貴様ッ!!」
「黙れ有象無象」「………静かになさい」
「………っ……!」
偶然とアスナもオレと同時に部下を睨みつける。
その血盟騎士は不満げに押し黙り、
とぼとぼと下がっていく。
その睨みを効かせたまま、
アスナは冷徹な視線をこちらに向けてくる。
「つまり、だ」
「…………………」
「お前も休むことを覚えろ、攻略馬鹿」
全力の皮肉を込めて言う。
アインクラッド最前線を行く〝攻略組〟、
それに『休め』というのは侮辱にも等しい。
「…………残念ね。
そこまで堕ちたとあれば、黒槍の名が泣くわ」
「イエスかダーで答えろ。
オレと少し下層で休むぞ」
「まだ
─────あまり邪魔すると敵と見なすわ」
アスナが手を上げる。
するとその背後にいた血盟騎士たちが
『待ってました!』と言わんばかりに
それぞれの得物を構え始める。
「おいおい良いのか?
────全員、生命の碑に横線引いちまっても」
それでも尚、挑発をやめない。
そしてアスナは、溜め息をついた。
「───────残念だわ」
オレの元へ、デュエルの申請が送られる。
それは『ノーマルモード』のデュエル。
別名────完全決着モード。
どちらかが死ぬことで決着のつく、決闘だった。
「周囲に敵を入れないように包囲しなさい。
そしてもし、私が負けることがあっても
あの男に一切手を出すことは許さないわ」
◇◆◇◆◇◆
正直、めっちゃ焦っている。
だってちょーっと押せばアスナが折れると
思っていたばかりの会話だったのだ。
なのにアスナは、完全にこちらを殺すレベルで
ガチギレているではないか。
…………だが、もうこの状態は不味い。
どうしようもない状態だ。
壁に寄りかかっていたせいで逃げ道を
血盟騎士団に塞がれているし、
奴等は腐っても最前線の者たちだ。
逃げられはしないだろう。
「………………本気みたい、だな」
「私はいつだって本気なの。
もう………世界を楽しむ余裕なんてない。
早くこの世界から抜け出して、私は………」
「………………疲れてんだよ、お前は」
彼女の言葉を聞いて分かった。
早く楽にしてやらねば不味い。
決断は終わった。
覚悟も決まった。
ならば、後は。
「ここまで
こうなったお前を
──────なら、後は
カサエルの手紙の名言すき。