SAOに来たんですが、キリトさんがいないようです 作:青い灰
沢山の感想頂きました。
本っ当にありがとうございます。
いやホントにモチベーション上がるし
めっちゃ嬉しいです。
気にしてらっしゃる方多い……
やっぱ皆アイツが印象的なんですね。
よく考えたら団長と同格の脅威なんだよなぁ。
「あーあ、武器壊れちまったよ。
店のもんだから買えばいいか、代えもあるし」
「……………こ、怖かった~……!」
「はっはは、悪い悪い。
リザインだ、オレの敗けだよ」
「なっ、私の敗けよ!
武器壊れたの私も同じだし……」
「んじゃドロー………か」
いつものような口調に戻り、
着地出来ずに尻餅をついたままのアスナと
言葉を交わす。
随分と垢抜けた表情だ。
空中にdraw、の文字が出る。
思えばカウントダウン前から戦っていた。
それほどまでに緊迫していたのに、
いや全く、我ながらよくやったわ。
メニューを開いて代えの槍を装備して
背中に納め、彼女に歩み寄る。
少し彼女は肩を震わせ、困ったように笑う。
「………ごめん、腰抜けちゃった」
「おっと、ならお持ち帰りしてOK?」
「………………OK」
「そういうことだ、騎士団の皆さんよ。
副団長は預からせてもらうから今日は解散。
強Mobに遭遇したとでも報告頼むよ」
キザったらしくそう言い放ち、
アスナの背中、そして膝裏へと手を回す。
それに彼女は頬を真っ赤に染め上げる。
「ちょっ、聞いてないわよっ!?
なっ、な、なんでお姫様だっこなの!?」
「引きずられるよりマシだろ?」
「それはそうだけど…………っ!」
実はこれがやりたいだけである。
動揺するのを見越してお姫様だっこ、
驚いて顔真っ赤のアスナに
『おんぶ』の選択肢は出てこない。
恨めしそうにこちらを睨みながらも
道を開けた血盟騎士たちを横目に
帰り道を進むのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇
「ほい、お疲れさん。
頑張った自分と相手に乾杯」
「か、乾杯」
アスナを連れてやって来たのは
最近ねぐらにしている28層の村にある小さな宿。
1部屋でもかなり安いし広い。
その部屋でオレは、
少し前にクエスト報酬で手にいれたワイン(?)、
そして持ち帰りが出来る高級ショップの料理群を
机の上に並べ、アスナと向き合う形で座る。
グラスに注いだワイン(?)でアスナと乾杯。
いつもの戦闘服は脱いで軽装になっている。
「好きに食っていいぞ」
「………冷静になったら
あなた殴りたくなってきたわ」
「なんで!?」
「食べる前に話をしましょう、
冷えるまでには話せるわ。
聞きたいでしょ、私が怒ってる理由」
「んまぁ、そうだが…………」
まぁ確かに上層に戻らないのはオレの責任だが、
取っつきにくくなったのは
アスナの方が先だ。
だが………それ以外に理由が?
「分からないって顔してるけど………」
「分かんねぇからな」
「…………………」
「はい?」
声が小さく、俯いたアスナに聞き返す。
その肩は震えているが…………えっ?
まさかなにか失礼なことしてた?
「あなた、下層にいて何をしてたの」
「そりゃ色々と………」
「しらばっくれなくていいッ!!」
「ひっ!?」
バァン!!、と机を叩いてアスナは立ち上がる。
思わず身体を引き、逃げの体勢になり
椅子が倒れそうになる。
「団長だけじゃなく私からも
血盟騎士団に誘うメール送ったのに返信無し!!
ギルドは入る気はないのかと思った矢先に
強化素材探しに下層に行ってみれば………!!
あの小さなギルドのレベリングなんかして!!
それにあの女の子には
随分と優しく教えてたわねぇ!!」
「あ、アスナさん落ち着い───」
「私もちょっと付き合いが悪いと思って
ボス攻略が終わったらご飯にでも
誘おうと思ってたら…………!!
来なかった挙げ句、言い訳は寝坊した!!?
嘘つかれたこっちの気分にもなってよ!!
小ギルドの人たちと楽しそうに狩りなんかして、
上層にも全く戻って来なくなって……………!!」
「そ、それには複雑なワケが───」
「何が複雑なワケ、よ!!
それにアルゴさんから聞いたわよ、
そのギルドの娘と2人でギルドから
抜けたんですって!!?
どういう関係なのか言いなさい!!!」
「ただの友だ───」
「ダウトォッ!!!」
「ひぇっ!?」
………………もしかしなくても
オレが全部悪いな、コレ。
あの対応の悪さは
まさか……その寂しがりの裏返し?
だとしたら最悪じゃねぇか、オレ………
「あ、アスナ」
「………………………もう口利いてあげない」
「オレが悪かったよ…………
あと1つ言っておくけど、サチは本当に友達だ。
今は風林火山に入ってるんだよ、クラインの。
もう下層に長居するつもりはないし、
これからは攻略もしっかり手伝う」
「……………………………」
「あと誤解があるから言っとくけど、
オレは黒猫団……ギルドには加入してない。
これからも入るつもりはない………けど。
もしオレなんかの力が必要なら、
またコンビを組んでくれないか?
許してくれ、なんて言える立場じゃないけど
なんでもするから、詫びさせてくれ」
「……………………えっ、ねぇ、今」
「はい?」
「
「あっ、えっ、そこの揚げ足とるの?」
「………………」
「あ、アスナさん?眼が怖い………」
息を荒くしながら机を回ってこちらに
回りこんで来たアスナに、
肩を掴まれ逃がしてくれなくなる。
眼が血走っている。
息が荒い。
…………とてもこわい。
「なんでもするって言ったわよね!!」
「ギルド加入は嫌だからな!!?」
「そんなことじゃないわ!!
ねぇ本当になんでもするのよね!!」
「怖いわ!!なんで嬉しそうなの!!?」
「なら────!!」
そして、オレは本気で後悔することになる。
『なんでもする』、等と言ったことを。
「1ヶ月、私のものになりなさい」
そんなことでいいのか?
そう思ったが…………その1か月が経過するのは、
永久的なほどに長く感じることになるのだった。
知らなかったのか?
ギャグからは逃れられない………!