SAOに来たんですが、キリトさんがいないようです 作:青い灰
原作読んでレベリング
めっちゃキツそうだと思った(小並)。
「オラ死ね!」
槍でペネントという植物モンスターを殴りつける。
視界の左上のHPバーは緑色を維持しており、
黄色になった瞬間にポーションを
ガブ飲みするようにしている。
「ぬぉらぁぁッ!!」
殴りつけたネぺントは怯んだ所を更に追撃、
矛先で口の下にある弱点を貫く。
するとピタリと動きを止めたネペントは、
ガラスの割れるような音と共に
光の欠片になって消滅する。
そして、何度目かのファンファーレ。
メッセージが目の前に現れるが、
まだネペントは群がってくる。
「コナクソォ!やめときゃ
良かったやっぱバカだろオレぇ!!」
群がってくるネペントの数は10を越えている。
振るわれる蔓の鞭によってビシビシと
むず痒さを感じながら体力が減っていく。
それを腰から引っ張り出したポーションで
誤魔化しながら左手でメッセージを消し、
槍を振り回してネペントたちを弾き飛ばす。
「食らいやがれクソ野郎がぁぁあ!!」
そして、右手の槍を大きく引き絞り、
槍を深紅の光が包むが、未だに既視感を感じる。
(十中八九すぐ死ぬ槍使い兄貴だろうけど)
そして、引き絞った槍を全力でブン投げる。
名を〝ブラスト・スピア〟。
槍を投擲するというシンプルなソードスキル。
意外と広めな射程で標的を目掛けて翔ぶ槍技。
かなり遠くに離れた敵に向けてロックオンしたため
それは数体のネペントたちを貫いて
深紅の線を引きながら標的の弱点に突き刺さる。
クリティカルの影響もあり、
標的のネペントは一撃で絶命。
槍はネペントを貫いた状態で
地面に突き刺さっている。
「めんどくせぇ、な!」
それを走って取りに行き、
槍を地面から引き抜いて構える。
カッコ悪いが、退路も確保できて
この世界で数少ない遠距離技の1つでもある。
そして余談だが、今のレベルは13。
ステータスは基本的に敏捷にしている。
最低限の筋力で、敏捷にしか振っていない。
その二択しかないのだが。
「はぁぁぁッ!」
「えっ」
突然聞こえた呼気に、思わず
そんな呆けた声を出してしまう。
この聞き覚えのある声。
そして、声の主はビビるほどの速度で
ネペントの群れに突貫していく。
ソードスキルの音が連続で響き、
ペネントたちが中々の速度で葬られていく。
だが。それと同様に、
ガリガリとそのHPバーも減っていく。
そして。
ソイツ、やらかしやがった。
鼻をつくような嫌な匂いが広がる。
「く!?」
「あっやべぇ」
呆けてる場合か、と体を動かす。
こちらも槍を振り回し、
群れの中に入って行った声の主を見つける。
HPバーは5割を切っている。
鞭を振り上げたネぺントの上部に槍を突き刺し、
そのまま大きく振り下ろす。
敵HPバーの全損を確認と同時に、
ボロボロのフードを被ったそいつの腕を掴む。
「馬鹿、逃げるぞ!」
「えっ!?」
そのまま腕を引き、
振った敏捷の全力アシストを受けて走る。
群れから抜けるのは群れ突入から
そこまでかからなかったため楽だった。
そのまま、町の近くまで全力疾走する。
「なんで、助けてくれたの」
「死ぬからに決まってんだろーがよ、阿保」
問いかけに、そう即答する。
それにフードはムスッとした顔。
助けたのに助けられてご立腹なようだ。
まぁ、しかし。
「会えて良かった。
お前、一層ボス攻略組の生き残りだよな」
「………………私は、その」
「お前の思ってるのとは違う。
キリト、って奴を知ってるか?」
「─────えっ」
無理矢理にフードを剥がす。
栗色の髪をした美少女だが、
イマイチ顔に元気がない。
心なしか、やつれているように見える。
目の下には濃い隈があり、
眠っていないだろうことを思わせる。
やはり。
「し、知らない、けど………」
「…………なら良いんだ。
取り敢えず会えて良かったよ、
原作メインヒロインこと、
主人公キリトの正妻のアスナ。
とある情報屋から買った、
頑なに秘匿としていた情報に彼女がいた。
全滅した一層ボス攻略組の生き残りがいると。
………全額支払って土下座した甲斐があった。
というか、キリトがいないのなら頼れるのは
ぶっちゃけアスナさんしかいないと思う。