SAOに来たんですが、キリトさんがいないようです   作:青い灰

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働きたくないでござる

 

 

 

 

「嫌です………」

 

「ふむ、理由を聞かせてもらえるかな?」

 

 

苦い顔を逸らして拒否したオレに

ヒースクリフが問うてくる。

ヤダよラスボスと同じギルドとか。

主に胃が死ぬ。

という本音は置いておく。

どうにか弁解をせねば…………

 

 

「まず、オレのプレイスタイルです。

 基本ソロなのは知ってますか」

 

「〝閃光〟のアスナくんと共に

 行動することも多いと聞いたが?」

 

「…………」

 

 

ヒースクリフの後ろに回りこんだアルゴが

悪いナ、と舌を出してジェスチャーし、

その場から走り去る。

それに額に青筋を浮かべながら見送る。

 

 

「アスナは半年も一緒に戦い抜いたからです。

 オレの槍はタンクの後ろから少しずつ

 ダメージを与えていくものじゃない。

 柄で殴って、穂先で斬って、刺し殺す。

 少なくとも中衛じゃない」

 

「つまり、パーティー向きではない、か。

 君の槍は早い。おそらく敏捷型だろう」

 

「えぇ。そもそもアスナより遅い仲間がいると

 攻撃範囲内にいられるから………

 その、言い難いんですけど、邪魔ですから。

 大人数で動くのは苦手ですし」

 

「ふむ。

 ………何故、私のギルドがパーティーを

 組めるほどの大人数だと分かったのかね?」

 

 

あっ。

…………、………………、………………。

 

どうしよう。

全力で外見は平静を保つがこれはヤバい。

おもいっきり失言だった。

これから血盟騎士団が台頭すること前提で

口走ってしまった。

 

落ち着け。素数を数えて落ち着くんだ。

素数は1と自分の数でしか割れない孤独な数字、

オレに勇気を与えてくれる。

2、3、5、7、11………あ。

 

 

「そもそも、そこまで知名度は高くないギルド。

 25層からのアインクラッドの強化に合わせて

 どこも人員を増やしていくハズだからな」

 

「だが私は攻略ギルドとも言ってはいないが?

 

「お前、この前のボス攻略にいたからな。

 覚えてるさ、みんな疲れて腰を下ろしてるのに

 お前だけが立ち上がって見下ろしてるんだから。

 その精神力が羨ましいくらいだが」

 

「……………成る程、頭も回るようだ。

 すまないね、君を甘く見ていた」

 

 

よっっっっっし!!

切り抜けた!!

心の中でガッツポーズして少し目を閉じる。

 

 

「まぁ前線に1人で突っ込んでますから。

 プレイスタイルとしては

 確かに殴って斬っての脳筋ですし」

 

「ははは、余計に君を引き入れたくなったが……

 まぁ、いいだろう。

 だが、気が変わったのなら歓迎するよ」

 

「あー、うん。ありがとうございます」

 

 

そう言い、軽く笑みを浮かべながら

こちらに背を向け、去っていく男を見送る。

おぉ怖い怖い。

 

 

「………………あぁ、1つ言い忘れていた」

 

「うん?」

 

「アスナくんもギルドに加入することになったが、

 それで君は心変わりすることはないかい?」

 

「………………いえ、特には」

 

「そうか。では、また会おう」

 

 

…………やっぱり、か。

ここまでも原作通り。

おそらく明日にでもアスナから

コンビ解消のメッセージが送られてくるだろう。

 

まぁ別に気の合う友人ではあるが、

別に恋人とかそんな関係になろうとは思わない。

関わり合うことが減るが………

だがやはり、少し心配だ。

 

いずれ攻略の鬼とまで呼ばれるようになる

彼女の心労を考えると、たまに連絡したり

狩りに行ったりするのもいいだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………オレも頑張らないとな」

 

 

これで、完全にソロプレイヤー。

死なないように気をつけなければ。

 

 

 

 

 

 

 

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