大人三枚の当日券をバックにしまう。賑わう群衆を縫うように進みながら。向かうは、遊園地前の噴水広場。手首を返して時計を確認。あと十五分でメツギさん達との約束の時間。ドウゾノさんが飛び入りで参加すると言われた時は何事かと警戒したが。メツギさんの口ぶりから察するに、近しい間柄のようだった。だが、メツギさんとドウゾノさんが近しい間柄であるなら不可解な点がある。それは、どうしてメツギさんは私にドウゾノさんの話を出さなかったのかという点。こうしてドウゾノさんが一緒に遊園地に行きたがっているという話を聞くまで、私はメツギさんに幼馴染がいることを全く知らなかった。ドウゾノさんの話題がでないだけ、と言うのならまだ理解はできる。しかし、メツギさんはドウゾノさんに繋がる一切の情報を隠していたのだ。それは会話の端々にさえも、ドウゾノさんの痕跡を残さない徹底的なものだった。この行動が意味するものはなにか。私はそれを、慎重に見極める必要がある。
「エイタと遊園地来たの何年振りだっけ?」
「思い出せないな。それくらい昔ってことしか覚えてない」
「そだそだ、エイタお化け屋敷の前で泣いちゃってたのが最後だっけ?」
「……」
「おばさんに引っ張られてお化け屋敷の中入ってさ。おばさんに出口までセミみたいにくっついてて怒られてたよね? みっともないって」
「……」
「あの時のエイタ、可愛かったな~。この遊園地にも、お化け屋敷あるみたいだよ? ボ、ボクは別に抱きつかれても気にしないから、ね♡」
「……お化け屋敷なんて下らない」
「え~? でもエイタ怖がってるじゃん」
「怖がってない。お化けなんているわけないだろ」
「そうかなぁ~? ボクはお化けいると思うけどなぁ?」
「いいか? ウチハ。世界の八人に一人が肥満なんて言われる時代だ。単純計算で、心霊映像の八本に一本はお化けが太っていてもおかしくないんだ。なのに心霊映像に太ったお化けは一人も出てこない。明らかに不自然だ。この不自然さが、お化けなんていないことの証明だ」
「へー、エイタはお化け怖くないんだ」
「当たり前だ。あんな作り物」
「それじゃあボクと一緒にお化け屋敷いこ?」
「行かない」
「怖いの?」
「怖くない」
会話の中に、聞き覚えのある声を見つけ。人混みを探り、目に止まる。……。メツギさんもなかなか、隅に置けない。二人の関係性に微笑ましさを感じながら。しかし、なにかの拍子に消えてしまいそうな危うさも同時に感じ取った。二人の会話をこのまま盗み聞きというのも悪趣味だろう。初対面を頭で整理。深く息を吐いて、吸って。たったいま二人に遭遇したのを装った。
「待たせてしまったかな?」
「あ、ツキノキさん。おはようございます。俺達もいま──────」
「はじめまして、ツキノキさん? ボク、ドウゾノ ウチハっていいます。まずは、突然の無理を通してくださってありがとうございます……えと、エイタがご迷惑をかけていたりしませんか?」
「いいや、メツギさんは迷惑なんてかけていないよ。むしろ、私が迷惑をかけてしまっているくらいだ。自己紹介が遅れたね。はじめましてドウゾノさん。私の名前はツキノキ キミ。月明かりの月に、野原の野、樹木の木。奇跡の奇に、海と書いて月野木 奇海だ。苗字でも名前でも、好きなように呼んでもらって構わない。今日は一日、よろしく」
「あ、は、はい。こちらこそ」
ドウゾノさんの、可愛らしくて人懐っこい顔が私を捉えた。その瞳は、ジッと私のことを瞳に映している。私がメツギさんに害を与えないか。その瞳は、私という存在を静かに見極めているようだった。ドウゾノさんと握手を交わした手は、小さいながらもしっかりしている。体幹も全くブレていないので、なにかしら相当な鍛錬を積んでいることが伺えた。
「なんだか面白そうな話をしていたね」
「あ! もう聞いてくださいよキミさん! エイタってば、お化けは怖くないって言ってるのに、お化け屋敷には一緒に行きたくないんですって!」
「誤解ですツキノキさん。俺はただお化け屋敷が下らないから行きたくないだけであって、怖いから行きたくないわけでは決してありません」
「フフッ」
「ほら! エイタ、キミさんに笑われてるよ?」
「いいや違うね。ツキノキさんはこの会話のくだらなさに笑ったんだ」
「二人とも、喧嘩はやめるんだ。私としては、どちらの意見も一理あると考えているよ」
「ツキノキさんは、お化けの存在を信じるんですか?」
「お化けを信じる、というよりも。お化けの存在を断言できないと言った方がより正確だろうか」
「だとしても、心霊映像が不自然なのは明らかです。それでもツキノキさんは、お化けの存在を断言しないのですか?」
「ふくよかなお化けがいないという話かな?」
「はい。これはあまりに不自然です」
「ふくよかなお化けがいないのは。美味しいものをたくさん食べて、幸せな毎日を送っているから。だから、現世に未練がなく、すでに成仏してしまっているのではないかな?」
「……あの、ツキノキさん? ツキノキさんはふくよかなお化けは未練がないからすでに成仏していると、本気で考えているんですか?」
「私の口からは、どちらが正しいと断言することはできないね。あいにくと、私にお化けの友人はいないんだ」
「……」
私の発言に、メツギさんはそれきり黙り込んでしまった。ただ、メツギさんの言いたいこともわからなくもない。これまでの付き合いから察するに、メツギさんはお化けが怖いわけではない。メツギさんが本当に怖がっているのは、強い光や大きな音。暗闇の先に感じる微かな気配を恐れているのではないだろうか。私達がお化け屋敷に行くのかはまだわからないが。もし行くのだとしたら、私の持ってきたモノが役に立つかもしれない。そう一人で考えを巡らせていると、ドウゾノさんが〝あ、あの! 〟と、意を決したように私へ声を掛けた。
「キミさんは、エイタとどういったご関係なんでしょうか!?」
「……ふむ」
ドウゾノさんは、私を不安そうな目で見つめる。そんなドウゾノさんに、メツギさんは〝コラッ〟と肩を掴んだ。私とメツギさんの遊園地での試験に、ドウゾノさんが合流すると聞いたその時から。メツギさんとの関係を表現するべきか、事前に話す内容は決めてある。
「恥ずかしながら不摂生でね。少々縁があって、メツギさんには定期的に料理を作ってもらっているんだ」
そんな私の言葉を聞いたドウゾノさんは、アワアワと顔を赤くして口を覆い隠す。そして、チラチラとメツギさんの様子を伺い、震える唇でメツギさんに確認を取った。
「も、もしかして。キミさんってエイタの彼女さん?」
「んなわけねぇだろ」
メツギさんの言葉と同時に、メツギさんの平手がスパンッとドウゾノさんの後頭部を叩いた。私はその行動を、〝メツギさん〟と低い調子で注意する。注意されたメツギさんは、私が何に対して怒ったのかすぐに理解して。〝ご、ごめん〟とドウゾノさんに謝った。いくら叩いた音が軽かったとは言え。女の子に対して無闇に手を上げるのは、あまりいいものではない。
「ツキノキさんは見ず知らずの俺に声を掛けてくれた優しい人だ。第一、ツキノキさんほどの素敵な人が、俺に釣り合うわけないだろう」
「エイタってキミさんにデレデレ?」
「ゴ、ゴホン。さ、せっかく早起きして来た遊園地なんだ。ウチハも、ツキノキさんも。早く行きましょう」
咳払いをして話を逸らしたメツギさんは、焦ったようにそう言い切ると。入場ゲートへ向けてスタスタと歩き出した。一瞬チラリと見えたメツギさんの横顔には、赤みが差していた。ふと、ドウゾノさんと視線が交差する。ドウゾノさんはメツギさんのあからさまな態度に、困ったような笑みを浮かべると。すぐに先ほどまでの元気な調子を取り戻して、〝行きましょう、キミさん! 〟と。私を両手で引っ張っていくのであった。
それから私達は、数々のアトラクションを渡り歩いた。しかし休日だったこともあり、人気の乗り物には長い待機列が。無計画に回れば、アトラクションで遊んでいる時間より並んでいる時間の方が多くなってしまう。作戦会議の結果、午前は回転率の高いサブアトラクションを中心に乗って。午後からどうしても乗りたいメインアトラクションに狙いを絞ることで話がまとまった。移動時間や待ち時間。道中のドウゾノさんとの会話は無難にやり過ごし。やがて私がドウゾノさんと連絡先を交換する光景を、メツギさんはなにやら不満げに見つめていた。軽いアトラクションを何度か楽しみ、休憩で立ち寄った遊園地内のベンチ。その視界に、お化け屋敷が入り込む。偶然なことに、お化け屋敷に並んでいる人がこの時少なかった。案の定、メツギさんとドウゾノさんの二人がお化け屋敷に行く行かないで揉め始める。その光景を微笑ましく眺めながらも。あまり言い争いが激しくなってしまうのもいけないと、二人の会話に入り込むことにした。
「メツギさん? 少しいいかな?」
「え? あ、はい。なんでしょう」
「ドウゾノさんすまない。少しの間だけメツギさんを借りたいのだが」
「……いいですよ」
ドウゾノさんの怪しむ声に頷くと。私はメツギさんを連れて、ドウゾノさんから少し離れた場所に来た。ここまで来れば、私達の内容がドウゾノさんに聞かれることはないだろう。私は、メツギさんを遊園地に誘った当初の目的通り。本当のメツギさんを知れるかもしれない、ある提案をすることにした。
「突然で悪いがね、メツギさん。メツギさんにはお化け屋敷に行ってきて貰いたいんだ」
「……ツキノキさんは、ウチハの肩を持つんですか?」
「いいや。私は二人の関係に口出しするつもりはないよ。ただ、本当のメツギさんを知れるかもしれないと思っただけだ」
「お化け屋敷にビビッてる俺が、本当の俺と言いたいんですか?」
「正しくもあり、間違ってもいる。ただお化け屋敷に行って貰いたいわけではないよ。まずメツギさんには、これをつけて貰いたい」
そう言うと私は、バッグからあるモノを取り出す。それは、なんの変哲もない耳栓だった。メツギさんが首をかしげる。
「耳栓、ですか?」
「そうだ。これをつけてお化け屋敷に行って貰いたい」
「……」
「人間の五感で、視覚の次に情報量が多いのが聴覚だ。メツギさんは、大きな音が苦手なのではないかな?」
「!! ……この耳栓を付けてお化け屋敷に行けば。本当の俺がわかる、と?」
「保証は出来ない。だが試してみる価値はあると、私は思う」
「ツキノキさんがそこまで言うなら。分かりました、この耳栓を付けて。お化け屋敷に、行ってきます」
そう言って、神妙な面持ちで耳栓を手にしたメツギさん。メツギさんはそのまま、ドウゾノさんの元に戻っていった。二人は何やら会話をしている。ここからではその内容まではわからない。二人は短い会話を交わしたのち。メツギさんの腕に抱きついたドウゾノさんが、イヤがるメツギさんをお化け屋敷へと引っ張っていくのだった。
お化け屋敷近くのテラス席。私はそこで昼食を先に済ませていた。お化け屋敷の出口から大きな音が鳴ると、出口からメツギさんとドウゾノさんの二人が出てくる。私は飲んでいた飲み物をテーブルに置き、お化け屋敷の二人に手を振った。
「お帰り。二人とも」
「はい! ただいまです」
「すみませんツキノキさん。待たせしてしまいましたか?」
「いいや、そんなことはない。これはただ、私のお腹が空いてしまって。我慢ができなくなってしまっただけだ。すまないが、ここで一旦昼食にしよう」
「わかりました。それじゃあ、買って来ます」
「メツギさん。待ちなさい」
「? なんでしょうか?」
「お昼代をまだ渡してないよ」
「あの、昼食代は自分たちで出しますから」
「メツギさん」
「……はい、なんでしょう」
「遠慮は美徳だが、遠慮を重ねすぎると相手への失礼になってしまうよ」
「……すみませんツキノキさん。ご馳走になります」
「えっと。キミさん、ありがとうございます。ご馳走になります」
「うん、それでいい。ほら、早く行っておいで」
二人を見送ってしばらくすると、トレーを持った二人が帰ってくる。席について、手を合わせ。食事中の話題は自然と、お化け屋敷での出来事になった。
「えへへ〜。ピカッて光って、ゴロゴロ〜て雷が落ちたところのエイタ。ボクの手をギュッと握ってさ? 子供みたいでとっても可愛かったよ〜」
「……」
「も〜、なかなかエイタが前に進んでくれないから大変でしたよ〜」
「そんなことがあったんだね」
「……」
「ドウゾノさん。どうやらここのお店には、この遊園地で人気の有名なデザートがあるみたいだ」
「はい! お店に並んでる時にすごく気になってたヤツでした! 食べてもいいんですか!?」
「遠慮はいらないよ。たくさん食べなさい」
「ありがとうございます! それじゃあ、買って来ましょうか? エイタはデザート、いる?」
「いや、俺はいらない」
「私のことは気にしなくていいよ。早く買って来なさい。売り切れてしまうかもしれないよ?」
「それじゃあデザート、買って来ますね! 行って来ます!」
ドウゾノさんは、元気にそう宣言すると。そのまま先ほどのお店へと戻っていった。ドウゾノさんは、しばらくは戻ってこない。この間に、メツギさんに先ほどのお化け屋敷での所感を尋ねてみることにした。
「お化け屋敷はどうだったかな? メツギさん」
「はい。音の脅かしは、耳栓でいくらか和らぎました」
「視覚への影響はどうかな?」
「えぇ。普段よりも注意深くなったような気がします」
「そうか。なるほど、わかった。メツギさんの協力に感謝する」
「あの、言いにくいんですけど。ただ耳栓をしてお化け屋敷に入っただけですよね? この情報だけで、何かわかるんですか?」
「……あぁ、それは──────」
「え〜? なになに? ボクのいない間に二人でなに話してたの?」
「いや、なんでもない」
「大したことではないよ。お化け屋敷について少し話していたんだ」
「そう、ですか」
ドウゾノさんは私達の返事を聞くと、おとなしく席についた。話の中心にいたドウゾノさんが黙ることで、テーブルには沈黙の時間が流れる。デザートをチビチビと食べながら、ドウゾノさんはポツリと言った。
「エイタって、キミさんと仲良いよね」
「……」
「今日初めて会って、ちょっと喋っただけだけど。エイタが夜に抜け出してキミさんに会いに行っちゃう理由が、少しだけわかった気がする。うまく言葉に出来ないけど……。キミさんはとっても温かくて、優しい人なんだと思う。でもさ? これだけはハッキリと言っておきたいんだ。……キミさんに甘えるのって、エイタのためにならないんじゃないかな?」
「………………」
「ボクは、エイタがどんなことで悩んでいるのかわからない。ボクや家族に相談してほしいけど、それもエイタはしてくれない。エイタがちょっとずつちょっとずつ離れていくのを、ボク達はずっと信じて見守ってた。だけど、エイタはキミさんと付き合い出してから、ますますボク達から離れていっちゃうの。ボクはエイタが、どこへ向かおうとしているのかわかんない。エイタもボクに、どこへ向かっているのか言ってくれない。……ボク、すごく怖いんだ。このままエイタが、どこか遠くに行っちゃうんじゃないかって。だから……もうキミさんに会うのはやめてほしい、かな」
「無理だ」
「……」
「悪いがそれはできない」
「じゃあせめて、せめてエイタがどんなことで悩んでいるのか聞かせて? それがダメなら、エイタがどこへ向かおうとしてるのか、ボクに教えて?」
「……」
「キミさんは、エイタの悩み事を知ってるんですよね? お願いしますキミさん。エイタが何に悩んでいるのか、ボクにも教えてください」
「すまない、ドウゾノさん。メツギさんに悩みを伝える意志がない以上、私の口からは何も伝えることができない」
私の言葉をドウゾノさんは、諦めた顔をしてそのまま俯いてしまった。メツギさんに悩みを伝える意志がない以上、私にはどうすることもできない。会話の中心であったドウゾノさんが沈黙したことで、テーブルには長い長い沈黙が流れる。その長い沈黙は、ドウゾノさんによって終わりを告げる。
「久々の遊園地、楽しかったです。ご飯もデザートも、とっても美味しかったです。けど、ボクはもう二人と一緒に遊園地を楽しめる気がしません。本当なら二人っきりの遊園地だったのに、ボクのワガママで邪魔しちゃってごめんなさい。遊園地のチケットと、ご馳走してもらったお金はお返しします。今日は、ありがとうございました」
ドウゾノさんは、完食したお昼ご飯とデザートをトレーにまとめ。荷物をまとめて席を立ち去るドウゾノさんの後ろ姿に、私は後ろめたいものを感じていた。実際、ドウゾノさんの感じている不安は正しい。私がメツギさんへしていることは、もしかすると毒なのかもしれない。しかし、それでも。私は苦しむメツギさんを見捨てることができなかった。たとえ私の存在が全くの無力なのだとしても。目の前で苦しんでいるメツギさんを見捨てるなんてことは、私自身が許せなかった。ドウゾノさんが去ったテーブルで、メツギさんが頭を抱えて小さく唸る。
「……違う。こんな、はずじゃ」
「メツギさん……」
「ウチハを、傷つけたいわけじゃないんです。でも現に俺は、ウチハを信用できていないんです。家族を大切にしなきゃと心に決めておきながら、家族での食事の時間が俺にはいちばんの苦痛なんです。クラスのみんなとも、もっと仲良くしないと理解しているはずなのに。俺にはぜんぜん仲良くできなくて。そんな、なにもかも上手くできない自分が心底嫌いで。人よりこうしたいなんて夢がなくて。けど夢がないは許されないから、その場で適当な欲をぶら下げてみたりして。そう言うのを繰り返していると、だんだんと自分がないことに気づきそうになってしまうから。他人の言葉に簡単に乗っかって振り回されちゃうんですよ。もう、疲れました……振り回されるのに、疲れたんです。ツキノキさん。隠さないで、ハッキリ言ってください。俺は、ただの。……ダメ人間なのでしょうか」
メツギさんの最後の声は、とてもか細いものだった。いまにも心が折れてしまいそうな、消え入りそうな声だった。メツギさんはもうすでに、確信に近いものを得ている。それは、自身が普通にすらなれないと言う一種の諦めだった。残念なことに私には、いまのメツギさんを元気づけるほどの言葉を持ち合わせていない。いまから語ろうとする私の言葉は、むしろメツギさんを深い霧の中に引き込んでしまうような。最低最悪な行為なのかもしれない。私が、最後の一押しを。メツギさんにトドメを刺してしまうかもしれない。けれども、それを。解決には程遠い現実を、メツギさんは私に求めている。私の責任だ。大人としてメツギさんの相談に乗った以上、これは私の責任だ。ここで私が受け入れても、拒絶しても。どちらにせよメツギさんを傷つけてしまうのなら。ちっぽけな私の全てをメツギさんに託そう。それがたとえ、なんの解決にもならないのだとしても。
「……いこうか」
「? 行くって、どこへですか?」
「本当のメツギさんを探しに」
今更ですけど、全国高等学校剣道選抜大会に個人戦はありませんでした
・・・・あぁ^修正したい欲に駆られるじゃぁ^〜
https://www.ookinakagi.com/a-cursed-trash-can-that-makes-your-heart-chill23/