少し気晴らしに久しぶりですが、こちらにオリジナルを投稿しました!
なろうに投稿しているオリジナルよりも若干緩めでお送りしますので、気を楽にして読んでください。
それではどうぞ!
飛び級、それは成績が良いものだけに与えられる特権。
いくつかの過程を飛ばし、一気に上の学年に進級することが出来るという制度である。
その制度がある為、成績上位者と成績が悪い者の差がどんどん出てきてしまう。
そんなんで本当に良いのかと思うものの、それで通ってしまうのが、今の世の中だ。
俺、
ごくごく普通の学生生活を送り、これまで順当に小、中、高と進級、進学してきた。
そのため、そんな制度は自分には全く関係なく、一生飛び級なんてものと関わらないと、そう思っていた。
今日までは――
高校二年生に進級した春、今回も飛び級などはせずに普通に一年生から進級、そしてクラス替えを終えた。
見てみると小さい頃からの親友も同じクラスということで安心して教室に向かう。
「小崎さん、緊張しなくていいからね」
「は、はい!」
「校長室はこっちよ」
何やら
親と一緒に来たのか? それで出雲先生が案内役になったんだろうな。まぁ、俺には関係ないか。
朝なので眠気が襲ってきて欠伸をしながら廊下を歩いていると、ようやくこれから自分の教室になる教室を見つけた。
二年B組だ。
少し人見知りを発動させ、おどおどしながら教室に入り、周囲を見渡した。
するとそこには見知った人物が椅子に座ってスマホをいじっている姿があった。
「おーい、ゆき」
「ゆきって呼びなゆきって、女みたいだろうが」
「悪ぃ悪ぃ、雪季」
こいつの名前は
こいつとは小学校からの幼なじみ。お互いに気心知れているので、あまり気負わずに接することが出来る。
ちなみに俺はこいつのことをゆきって呼んでいる。名前の雪だけ取ったものだ。
だが、ゆきはこのあだ名が気に入らないみたいで、呼ぶ度に訂正される。
「何やってんだ?」
「あぁ、ソシャゲの周回」
「よく飽きねぇな」
「ふふん、俺のソシャゲ愛を舐めるなよ! 周回ごときで飽きていたらそれは偽りの愛、真実の愛は周回という壁を乗り越えた先に存在するのだ!」
「おぉー」
って、かっこよく言ってるけど、ただソシャゲのことを語っているだけだよな。
それにソシャゲに真実の愛とか偽りの愛とかあんのか? 俺はあまりソシャゲをやらないから分からねぇ事だな。
俺が好きなのはやっぱり対人ゲームだ。駆け引きを乗り越えた先にある勝利を掴み取るあの感覚は一度味わうと止められなくなる。
「あ、今来てるピックアップが出た」
「え」
一応俺もこいつのやっているソシャゲをインストールしているため、たまにログインしてプレイすることはある。
そこで気まぐれでガチャを引いてみたらピックアップが出た。
これはあまりやらないが、嬉しい気分になる。おみくじで大吉引いた気分と近しいものがある。
「お、おい、それって俺もでてないキャラ……課金までしたのに出なかったキャラを、あっさりと……」
「……悪いな、俺は運がいいみたいだ」
「この運だけで勝ち残ってきた亡者が!」
ゆきがものすごく荒れているが、何だかゆきに勝ったようでとてもいい気分だ。
そこで時計を見てみるともうそろそろホームルームが始まる時間だということに気がついた。
そのため、半狂乱になっているゆきを放置して自分の席を探し出して、その席に座った。
「みんな〜座って!」
そこでチャイムがなると同時に先生が教室内に入ってきた。その先生はついさっき廊下ですれ違った出雲先生だ。
出雲先生は教卓にやって来るとこっちに向き直った。
その様子を見て全員自分の席に座る。
「はい、今日からこのクラスの担任になる出雲海です。みんな、よろしくね」
女性の先生ということで男子諸君は喜びの声を上げる。
ただ、出雲先生はそこまで色気というものを感じさせないため、お堅い先生という印象を受ける。
どうしてこんなに出雲先生のことを知っているのかと言うと、一年生の頃も同じく出雲先生が担任だったのだ。
担当教科は数学、どの生徒にも分け隔てなく優しい先生なので、生徒人気はかなり高い先生だ。
「早速なんだけど、編入生が居るから紹介するね。それじゃあ入っておいで」
編入、その言葉が引っかかった。
さっき見た光景を思い出してまさかと言う考えが脳裏を過ぎる。
そしてその考えは見事に的中してしまった。
入ってきたのは小学生くらいの女の子で、俺たちよりも一回りも二回りも小さい制服を不格好に着こなしている。
その見た目には制服はあまり似合っているとは言えないものだったものの、大変可愛らしい女の子であることは確かだ。
その女の子はその小さい手でチョークを掴み取ると、黒板に背伸びをしながら精一杯自分の名前を書いていく。なだ、背が低いので下の方に書くことになって非常に読みにくい。
だが、これは間違いないだろう。
俺は今まで他人事のように思っていた飛び級制度。それが実際に存在していることを今、身をもって味わっている。
「私は
「彼女ば何度も飛び級を繰り返して進学してきたそうです。年下の子ですが、みなさん仲良くしてあげてね」
みんな、飛び級とはいえ小学生位という事実に絶句して決まって声も出ない状況に陥っているようだった。
だが、その中で数名の男子がかなり興奮して騒いでいる。そいつらは正真正銘のロリコンだ。
「それじゃあ、小崎さんの席は春日部くんの席の前に空席を作っておいたからそこに座ってね」
「はい」
何故かホームルームが始まってもこの席だけ誰も座っていないなと思ったらそういう事だったのか。
小崎さんと俺の名前はおとかなので、五十音順に並べると順番に並ぶことになる。だから、席の順番としては小崎さんが一番前で俺が二番目だ。
「よし、それじゃあ本当にホームルームを始めるよ」
その後のホームルームは、その前に起きたことが衝撃的すぎて頭を離れず、内容が全く頭に入ってこなかった。
はい!第1話終了!
どうでしたか? 面白かったならば幸いです。
気まぐれ更新なので不定期ですが、始めたからにはなるべく投稿しますので、お楽しみに。
それでは!
さようなら