それでは前回のあらすじ
先輩と共にゲームセンターで遊んだ。
それではどうぞ!
side陽真
ゲーセンから歩いてすぐのスーパーにやってきた。
もう食材がほとんどなかった記憶があったため、食材の買い出しに来ているのだ。
ちなみに俺は今、妹と二人暮らしをしている。とはいえ、複雑な家庭環境という訳でもない。
俺は両親共々、いい関係を結んでいる。
だが、俺がこの高校を志望したため、必然的に一人暮らしへ、そして妹が今年、俺に着いてきたため、今は妹と二人暮しだ。
親は妹を溺愛していたため、俺を恨んでいなければいいのだが……。
「お、この豚肉安いな。買っていくか」
パックの豚肉を手に取ると買い物カゴの中に入れる。
ちなみに今は親の仕送りで生活している。なので、節約第一だ。安いものがあったら優先的にそっちの方を買う。
ゲーセンに行くのは付き合いでだ。一人でなんて無駄遣いのような気がして、行かないのだ。
そう言えば、プリン食いたいとか言っていたな。ついでに買っていくか。
プリンを買い物カゴの中に入れながら俺は妹にプリンを渡した時の反応を想像する。
『ほらよ、食いたいって言ってたから買ってきたぞ』
『ありがとうお兄ちゃん! お兄ちゃんは優しいから大好き!』
もちろんこんなことは無いが、昔の妹ならばこんな可愛いことを言ってくれたなと想像して自然と顔がにやけてしまう。
買い物かごの中に入れたものをレジに持っていき、精算すると、それら全てをマイバックに詰めて足早にスーパーを後にする。
今日はもう帰ってゆっくりと休みたい気分だったのだ。
俺は完全に陰キャで髪で顔がかなり隠れて根暗な雰囲気がある。そのため、クラスの連中の視界には俺は入っていないとわかっているものの、流石にあれだけ近くの奴に視線が向いていたら俺も視界に入るもので、落ち着かなくてかなり疲れてしまった。
「今日は帰ってすぐ寝るか。晩飯の時間になったら起こしてくれるだろうしな」
帰り道をあくびしながら帰っていく。
すると、杖を着いたおばあちゃんが重そうな買い物袋を腕にぶら下げてゆっくりと横断歩道を渡っているのが見えた。
今日は直ぐに帰りたい気分だったものの、俺の性格的にそれを見て見ぬふりはできなかった。
「おばあちゃん、荷物をお持ちしましょうか?」
「あら、いいのかい?」
「はい、もちろんです!」
「じゃあ、ここを渡り切るまでお願いできるかね。家はもうすぐなんだ」
「喜んで」
俺はおばあちゃんから買い物袋を受け取ると、おばあちゃんと並んで横断歩道を渡っていく。
この横断歩道は長いので、渡り切るのはなかなか大変なのだろう。
そしてゆっくりと横断歩道を渡り切ると、俺はおばあちゃんに買い物袋を返した。
「本当にありがとうねぇ」
「いえ、当然のことをしただけですので。それでは、気をつけて帰ってください」
俺は駆け足で渡ってきた横断歩道を引き返した。
渡り切ると同時に歩道側の信号が赤になったので、かなりギリギリだった。
一日一善、いいことをすると気分がいい。
足取り軽く家に帰ると、ドアを開けて家に入る。
「ただいま」
「あ、おかえりお兄ちゃん」
俺をエプロン姿で出迎えてくれたのは我が妹、春日部
料理中だったからだろうか。長いその髪をポニーテールにして登場した。
その手にはおたまが握られている。
「今ご飯を作ってるからね」
「あ、そういえば食材買ってきたぞ。冷蔵庫の中身、もうあまり無かっただろ」
「あ、ありがとうお兄ちゃん、助かるよー」
にっこりと笑みを浮かべて俺から買い物袋を受け取ってキッチンへと戻って行った栞里。
それを見送ると俺も家へ入ろうと靴を脱いで家に上がった直後。
「あ、プリン!」
どうやら栞里は買い物袋の中に入っていたプリンを見つけたらしい。
とても嬉しそうな声色でお兄ちゃんとしてはこの声を聞けて満足だ。
すると、キッチンから走って戻ってきた。その手にはおたまの代わりに三個入りのプッチンプリンが握られていた。
「もしかして買ってきてくれたの?」
「まぁ、ついでだ」
「ありがとう! でも、お金は大丈夫なの? 無駄遣いに厳しいお兄ちゃんがプリンを買ってきてくれるなんて」
「食いもんなんだから無駄遣いじゃないだろ。それに、ちゃんと管理しているからそれくらいは問題ない。プリンくらいだったらいくらでも買ってやるから」
「〜〜〜っ!」
俺がそう言って栞里の頭を撫でてやると、栞里は顔を紅潮させて走ってキッチンに戻って行ってしまった。
なんだったんだ一体。
でもまぁ、怒っていたって感じじゃないし良いか。
俺は手を洗ったあと、リビングへ向かってソファーに横になる。
ここのソファーに寝転がると自然と瞼が重くなってくる。このソファが一番俺にとって居心地がいい。硬さと言い、寝転がるに最適なソファーだと思う。
そんな感じで寝転がっていると、食欲をそそるいい臭いが漂ってきた。
栞里はとても料理が上手だ。
きっかけは分からないんだが、急に料理を作り始めたかと思ったら、それからずっとハマって実家にいた頃は母さんの手伝いとして料理しており、今となっては完全に家の料理担当は栞里になってしまった。
栞里が越してきたのは二週間ほど前の話なのだが、その時に俺がほとんど毎食、冷凍食品で済ませている言葉バレて、そこから栞里が料理を担当することになった。
自慢の妹だ。今の栞里ならばどこに出しても恥ずかしくはないだろう。だけど、そう簡単に栞里は渡さないけどな。
「はーい、ご飯できたよお兄ちゃん」
「お、美味そうだな」
俺は栞里の声を聞いて体を起こして、料理へと視線を向ける。
そこには物凄く美味しそうな料理達が並べられていた。どれも食欲をそそるいい臭いを放っている。
「うん、やっぱり栞里は完璧だな」
「はぁ……妹として兄の将来が心配です。私が嫁に行ったらどうするの?」
そんなの決まりきっているじゃないか。
「まず、相手の男をぶっ飛ばす」
「お兄ちゃん!?」
「栞里が欲しければ俺を倒してみろってことだ」
「大丈夫だね。お兄ちゃんはひょろひょろもやしだからその条件は簡単にクリアできるね」
「…………」
「じ、冗談だよ!」
ちょっと妹のひょろひょろもやしって言葉に傷ついてしまった。
確かに俺はひょろひょろでもやしかもしれない。だけど、俺だって脱いだら凄いんだからな!
はい!第4話終了
この兄妹、ブラコンシスコンを自覚していないんですよ。
自覚していないブラコンシスコンは怖いですね。何をしでかすか分かりません。
それでは!
さようなら