真依廻戦   作:ヴィヴィオ

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第14話

 

 

 

 

 本拠地から長野県岡谷市川岸東橋原区(旧橋原村)にある洩矢神社がある場所に移動してから半年。色々とヤバイことがあった。具体的には私が取り込んでいた呪核がミシャグジさまと共鳴したのか、なんなのかは知らないけれど私の生得領域でご対面した。

 そこで鬼化してバトって体を乗っ取られたけれど一緒に来ていた悟パパが解決してくれた。それから色々と話し、洩矢神社の巫女として活動して頑張れば調伏に挑戦させてくれることになった。

 ミシャグジさまからの依頼を受けて色々とやることになり、手始めに老朽化していた建物などを分解して再構築した。それに御神体となりえる物も奉納したり、地域のお掃除をしたり、呪霊を祓ったり、普通にお手伝いしているだけだ。

 そんなこんなで半年ほど頑張って私の呪力をミシャグジさまに作った御神体などを通して奉納し、体内に取り込んだ呪核にミシャグジさまの呪力を注いでもらって混ぜ合わせていた。

 自己の肉体を改造しながら呪力を馴染ませるなんてもう何度もやってきたしね。まあ、逆に言えばミシャグジさまも私の体を使い易くなるってことなんだけど。そんなミシャグジさまとの戦いも悟パパが居れば問題なし! 

 と、いうわけで土地神であるミシャグジさまをゲットだぜ! ミシャグジさまも体は女で心が男の私を気に入ってくれたみたいだ。ミシャグジさまからしたら、私を通して呪力を得られるし、分霊を育てられるので式神となってくれた。そう、分霊。与えられるのは卵の分霊で私が育てないといけない。卵自体はいっぱいもらえるけどね。

 ちなみに式神として依代が必要なので呪核と私の体そのものが依代となる。そのために巫女としての修行も継続している。

 

「いや~まさか二度も土地神と戦わされるとは思わなかったよ」

「ありがとう。悟パパ♪」

 

 洩矢神社にある社務所の中で悟パパとちゃぶ台を挟みながら座ってお茶を飲んでいる。

 

「あ、これ請求書ね」

「お金取るの!?」

「当たり前だよ。まさか無料だと思った? しっかり、きっちり働いてもらうよ」

「は~い」

 

 受けとった請求書に書かれている金額は860億円。すごい金額が書かれてる。まあ、無理ないよね。

 

「ちなみに払えないよ」

「ゆっくりと払ってくれればいいからね~」

 

 ニコニコと告げてくる悟パパ。まあ、私ほど使い勝手の良い手駒は居ないしね。

 

「とりあえず、治して欲しい人が七人ぐらいいるんだけど……」

「欠損部位一つにつき一億でいいよ」

「取るね~」

「だって借金がいっぱいだからね」

「あと君の師匠が鬼鉄を欲しいってさ」

「出来た奴の半分でいいよ」

「とりあえず、試供品でね」

「どぞ~」

 

 渡してから貰った資料を見ていく。治療してほしい呪術師がかなり多い。五条家に関わる人達で怪我をして引退していたようだ。その人達を治療して人を増やすのかもしれない。

 

「私はここに居るから、血液と肉片をちょうだい」

「そう言われると思ってこちらに用意してあるよ」

 

 渡されたのはそれぞれタッパーに入った試験管に入った血液と肉片。あとタッパーの蓋には写真が張られている。

 

「じゃあさっさと作ってしまいますか」

 

 タッパーに入っている血液と肉片を分解して再構築する。新鮮な方が細胞とか色々と楽だからね。構成するDNAを覚えてしまえば後は楽ちんだからね。あ、良い事を思い付いた。

 

「あくどい顔をしてるけど、どうしたの?」

「いえいえ、別に問題ありませんよ。それより連れてきてくださいね。移動工房(アトリエ)は用意できたので、そちらで作ります」

「オッケー」

 

 

 


 

 

 

 次の日には連れてこれられた人を診察し、必要な部位を確認して細工してから構築する。しっかりと腕や足を取り付けてあげる。代わりに肉体と術式の情報に加えて呪力も頂いておく。貰った呪力を分霊の卵へと注ぎ込むことでミシャグジさまを成長させるわけだ。

 

「ありがとうございます! ありがとうございます!」

「定期的にメンテナンス……経過観察をするから、連絡をお願い」

 

 狭い大型トラックの中で椅子に座りながら、カルテを書いていく。ちなみに今の服装は偽装もかねて髪の色を紫にして、瞳の色を赤にした。髪型はショートカットでフリルの多い赤色をメインにした黒色や紫色で彩られたゴスロリを着て赤い花ヘッドドレスをつけている。花の中心には角を隠す感じにしてある。もちろん、手足に拘束具がある。その上から白衣を着ている。やっぱり、白衣は必要だよね。

 

「違和感があればまた教えて。と、言っても数日は仕方がないし、幻痛があるだろうから痛み止めを出しておくね。それと呪力の変化は私の呪力と貴方の呪力が混ざっている弊害だから術式の変化もあるかもしれないし、鍛え直すように」

「つまり、すぐには呪術師として活動はできないのですか?」

「無理。死ぬ。絶対に死ぬから止めて。と、いうか……戦闘しやすいように戦闘タイプに改造してあげてもいいけど、どうする?」

「え、それはちょっと……」

「ヘタレ」

「なっ!」

「ちなみに取り扱ってる装備はこちら」

 

 私が構築できるカタログを渡しておく。この中から使える奴を選んでもらう感じだ。

 

「私の呪力が入っているから扱い易いネームレス製の呪具がおすすめ。今なら二割引きで販売が可能」

「じゃあ、この十文字槍で」

「ランクは?」

「一級で。振込は口座で」

「毎度ありがとうございます」

 

 八千万ゲット。左腕、右足で合計二億八千万円。この分ならはやめに借金返済できるかも。それに色々と美味しいしね。

 

「お大事に~」

 

 見送ってから、教えてもらった術式を確認する。流石に悟パパも五条家に関わる術式を持つ者は渡してきていない。六眼なんてもっての他だ。だけどさ、今なら簡単に五条家の血を手に入れることができるんだよね。いや、既に呪霊化しているかもしれない。

 なら採血された奴を手に入れるしかないな。そもそもDNAが必要なだけだし、家に忍び込んで髪の毛とか手に入れたらいいや。確か、宮城の仙台市だったよね。とりあえず現状がわからないから会いに行くか。

 

「ご主人様」

「お見送りは終わった?」

「はい。その、一般の方の治療はしないのですか?」

「呪術師以外で?」

「そうです」

「うむ。呪術師は当然ですが、それ以外に手足を無くして悲しんでいる方は多いからな」

 

 美里さんと話していると、理子お姉さんが扉を潜って入ってきた。近所の高校に通っているので、学生服だ。どうやら授業が終わったみたいだね。

 

「ん~呪術師以外はお金次第?」

 

 お金が稼げるなら作ってあげてもいいけれど、弊害があるんだよね。まず私が構築した物は当然として私の呪力が宿るし、残穢だって残る。まあ、残穢は現状では私、真依と鬼の酒呑童子、ミシャグジさまの呪力が混ざって変な事になっているけどね。

 そんなわけで一般人に施すと考えられるのは呪術師に覚醒する。呪力を狙って呪霊に襲撃される。呪詛師に襲撃される。これぐらいはありそう。しかも一般人に施すということは私が呪詛師と認定されてもおかしくない。

 

「呪術界が正式に認めるならまだしも、個人的にはやらないかな。呪詛師になりたくないし」

「む。それはそうだな。すまない」

「まあ、呪術師に関しても問題がないわけではないですけどね」

「ん?」

「代金の収集がしっかりと出来るかどうかですね」

「ああ、支払い能力があるかどうかか」

「はい」

「私としては肉体と術式のデータが入ればそれでも儲け物なんだけど……まあ、少し考えてみよう」

 

 正直、五条家がバックについているから一億とか馬鹿みたいな値段で受けている。これは私が悟パパに借金があるからだ。他との差別化としては優先的に依頼を受けるということで問題はないだろう。

 それ以外の術師に関しては当然だが、呪詛師は受けない。ただ、呪詛師からも受けるとはデマを流す。治療に来た呪詛師を捕らえて術式や呪力を引っこ抜いて使える人材はオガミ婆のように更生させ、無理そうなら始末する。もちろん、情報は五条家を通して呪術界に渡すし、発信機と爆弾を取り付けて犯罪行為をしたら容赦なく殺す。

 いや、爆弾で殺すのは勿体無いから生命力を呪力に変換させて全てを呪核として引っこ抜くか。そっちの方が私にとって有益だし、それで呪骸を作れば呪術界の戦力が増える。

 後、支払いできない呪術師についてだけど、これは彼等が呪霊と戦うことを利用して稼いでもらおう。こちらから銃と弾丸を貸し出して呪霊を狩る時に止めをそれでさしてもらう。そうすることで黒苺と同じ性質を持つ呪核を生み出せるようにすれば等級に応じて借金を減額しよう。いや、呪核だと普通に売られそうだから黒苺の飴玉にするか。

 

「ん。稼いでもらう方法も決めた。これでちょっと運用してみる。私が狩りに出るよりも安全だし、大丈夫かな?」

「何を考えたの? どうせろくでもないことだろうけど……」

「失礼だよ、理子お姉さん。人類を守る戦力が増えるんだから皆がハッピーだよ。うん。間違いない」

「いいから言ってみろ~!」

 

 理子お姉さんに頬っぺたをぐにゃぐにゃされたので大人しく伝えたらドン引きされた。解せぬ。しかたないから、膝に乗ってきた白い石で出来た蛇のミシャグジさまの赤ちゃんを撫でる。

 

「まあ、いいんじゃねえか?」

 

 叔父様がロフトでピコピコゲームしながら適当に言ってくる。味方なのでよしとする。一応、護衛として上に待機してもらっている。まあ、基本的にゲームしているか、ネットサーフィンしているぐらいだけど。

 

「あ、負けた。金くれ」

「昨日、お小遣いを電子マネーで三十万あげたでしょ」

「それっぽちはもう溶けた」

「最低ですね」

「クソだな!」

 

 三十万を一日、二日で溶かすとか金銭感覚がおかしい。まあ、人の事が言えないんだけどね。とりあえず叔父様には競馬ゲームをやってもらっておこう。

 

「来週までお小遣いは無しだから」

「来週にはあげるのか」

「あげるんですね」

「まあ、それぐらいなら数秒で稼げますし……」

 

 理子お姉さんと美里さんからなんとも言えない視線を向けられまらしたが、まあ大丈夫です。よくあることですから。じゅ、呪術師に一般人の感性を求めてはいけない。

 

「ところで話を戻しますが、逃げられませんか?」

「小型の発信機を体内に埋め込んでおけば逃げられないでしょう。逃げるようなら裏サイトで懸賞金をかけてやります。叔父様、その辺りは詳しいですよね?」

「ん? ああ、覚えてるぞ。と、いうかアイツに頼めよ」

「それもそうですね」

 

 叔父様から教えていただいた仲介屋さんにアンダーグラウンドから呪具の買い付けとかお願いしていますしね。仲介料を抜かれますが、まあ問題ありません。

 

「呪詛師を使っていいのか? 呪術師だろ?」

「理子お姉さん。私は懸賞金をかけただけ。そして、こちらはターゲットの居場所はわかっている。さて、そうなるとどうなるかな?」

「ん? ん~? そりゃ、ターゲットを狙って呪詛師が集まってくる。私も狙われたからな」

「じゃあ、集まった呪詛師を正規の呪術師はどうする?」

「そりゃ倒す……あっ」

「撒き餌にするということですね」

「正解。まあ、生き残れたらお金は支払ってあげるよ。もちろん、追跡可能にしてね」

 

 どちらにしろ、呪詛師の所在地が把握できるから襲撃は可能だ。呪詛師は殺しても問題ないし、彼等は特殊な術式を持っている。なら、利用させてもらおう。

 

「この子を自由にして大丈夫なんでしょうか?」

「真希から頼まれたが、不安だ」

 

 美里さんが入れてくれた紅茶を飲みながら次の人を確認していると電話が鳴ったので、相手を確認して取る。

 

「はい」

『伊地知です。ご注文の品が届きましたので引き渡します。場所は何処がいいでしょうか?』

 

 相手は補助監督として働きだしている伊地知潔高さん。悟パパにいいように使われていく人だ。今から既にかもしれない。

 

「わかりました。宮城の仙台市でお願いします」

『はい。許可証などもお持ちしますので必ずご本人がお願いしますね』

「ええ、わかっています」

 

 電話をしながら美里さんを見ると、頷いて運転席の方へ向かっていった。

 

「どうぞよろしくお願いいたします。それと仕事があれば受けますので呪詛師でも呪霊でも用意しておいてください」

『よろしくお願いします!』

 

 電話を切ってから洩矢神社を後にするので、他の人に引き継ぎをお願いしておく。と、いっても理子お姉さんは残るのでお仕事は大丈夫だ。

 

「理子お姉さん。美里さんを少し借りますね」

「いいけど無事に返してね」

「もちろんです。私が運転してもいいんですが、何分届かないので……」

「駄目だから」

 

 流石に補助監督をつけるわけにもいかないし、五条家から人を借りるのも私が困る。なので美里さんだ。使い勝手の良い人を手に入れるべきなんだけどね。助けた人達は巻き込みたくないし……やっぱり高性能な人と変わらないような呪骸が欲しい。

 スパコンでも作ってAIを作るか。AIを搭載した機械を分解して理解すればどうにかできるかもしれない。人間の脳とスパコンを融合させればいい。失敗作がいくらできても再利用は可能なんだからね。うん、やっぱり夜蛾先生のところに行ってパンダ君を見てみよう。

 仙台市に行ったら、次はパンダ君のお宅訪問しよう。分解させてくれないかな、あのモフモフ。駄目かな? 駄目だろうね? まあ、とりあえず抱きついてモフモフを堪能したら改造させてもらおう。

 まあ、それよりも伊地知さんから受け取るドラグノフとヘカートⅡだ。弾丸とか設計図とかちゃんと用意してもらった。代わりに色々と政府に収めたし、五条家のサポートもあるので問題はない。何せ私のメインウエポンだから、お金に糸目はつけないのだ! 

 ドラグノフちゃんとヘカートちゃんに早く会いたいな。分解して再構築して品質を上げて魔改造して呪詛師や呪霊で試し撃ちだ。ああ、楽しみ♪ 

 

 

 

 

 




赤ロリ真依ちゃん。仙台市へそれが終わればパンダ君のところに。



パンダ君「くんな」
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